【就活生必見】物流業界の就活を徹底解説!

【就活生必見】物流業界の就活を徹底解説!

2022年4月11日更新

はじめに

物流業界の就活について知りたくないですか?

 

物流業界を目指そうかなと薄々感じている学生なら物流業界の中身や物流業界が今、どんな課題を抱えていてどこに向かおうとしているのか知りたいですよね。

 

また、物流業界の就活を本格的に進めようと思っている就活生なら、物流業界でどんな仕事ができて、年収がどのくらいで、実際に志望動機をどのように書けばいいのか気になるところだと思います。

 

本記事では物流業界の就活であなたの関心がある必須の内容をコンパクトに要点だけをギュッと詰め込んで解説していきます。

 

本記事を読んだあとは物流業界の知識の基盤ができあがりますので、それをベースにインターンや就活で知識を増強していけば鬼に金棒です。

 

基礎工事がちゃんとできていないとその上に建つ建物が脆弱なものになりますが、本記事がその強固な基礎を形成する役割を果たしていきます。

 

それでは早速、物流業界がどんなものなのか見ていきましょう!

1. そもそも物流業界って何?

物流業界とは読んで字のごとく「物の流れ」を取り仕切る業界です。

 

「モノがあるところに物流あり」と言われるように荷物を「出す人」と「受け取る人」が存在する限り、物流業界は機能します。

 

そのため、物流業界はたとえば、個人宅への配送や大型船舶の貨物輸送、はがき1枚の保管から数億円単位の大型工業装置の保管まで、これらすべての幅広いフィールドが「物流」に包含されます。

 

商品を運ぶために「陸運」「海運」「空運」「鉄道」といった運送手段を用い、扱う商品により様々な方法で私たち消費者の手元に届けられます。

 

物流と聞くと商品の運搬といった動的なイメージが湧きますが、物の保管である倉庫業も重要な役割を占めています。

 

また物流は基本的に荷主より依頼を受けた商品を目的地まで輸送や配送をおこなうことにより、その仲介手数料や輸送料、配送料で収益化するビジネスモデルですが、業界規模は36兆8,700億円と国内では最大級の産業です。

 

2. 物流の工程

次に物流といってもどんな機能があるのか気になると思います。

 

ここでは、物流の6つの工程について解説します。

 

①保管

 

荷主(荷物の送り主)から預かった荷物を指定日に配送するために物流倉庫や配送センターで長期的または一時的に保管する業務。

 

場合によっては輸送時期の調整をおこなったり、冷蔵や冷凍など適切な保管方法で品質を確保する必要があります。

 

➁荷役

 

トラックや鉄道、船舶や航空機などの輸送機関への貨物の積み込み・積み下ろし、保管倉庫への入出庫を行う業務。

 

なお、フォークリフトの棚入れや出荷前の仕分け作業、出荷する際のピッキング、通関手続きも荷役業務に含まれます。

 

➂流通加工

 

荷主のニーズに対応した「ラベル貼り」「値札付け」「箱詰め」「商品のセット組み」などをおこなう業務。

 

加工工場が行うケースと物流倉庫がその機能を持つケースにわかれます。

 

➃包装

 

包装材や梱包材を使って荷物を包む業務。

 

各物流過程で傷や破損が発生しないようにモノを保護する業務で、近年は環境保全のためにリサイクルやリユースが可能な梱包材を使用するケースが増えています。

 

➄輸送・配送

 

出荷準備のできた荷物をトラックや鉄道、船舶や航空機などの輸送機関で運ぶ業務。

 

ちなみに、物流センターなどの拠点まで運ぶ機能を「輸送」、拠点から最終目的地まで運搬する機能を「配送」といいます。

 

⑥情報管理

 

IT技術を活用して上記5つの工程を可視化・管理する業務。

 

荷物の追跡だったり、輸送経路や温度・湿度・衝撃などの状況の記録・管理を行い、蓄積されたビックデータは輸送ルートの最適化や輸送の品質向上に活用されます。

 

3. 物流業界が抱える課題と展望

物流業界が抱える大きな課題は「小口配送の増加に対する対応」「人手不足」です。

 

新型コロナウイルスの影響で国際物流関連市場が大きく減少する一方で、巣ごもり需要など宅配系や店舗配送などは堅調で、引き続きEC市場は成長すると考えられています。

 

今後の状況次第で国際物流が回復してくれば物流全体が大きな市場になると見込めますが、そこで課題と深く関わりのある法案が2つあります。

 

それは「働き方改革関連法案」「物流総合効率化法案」です。

 

「働き方改革関連法案」は2024年問題とも言い換えられ、ドライバーの年間時間外労働に960時間という上限枠を法的に設けることで物流会社の売上や利益の減少、ドライバーの収入減少、荷主側の運賃上昇といった諸問題が生じると考えられています。

 

一方で、政府はトラックドライバーの労働環境を改善したり、CO2削減のために2016年10月1日に「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法案)」を施行しました。

 

この法案により

 

・トラックによる輸送から船や鉄道による輸送に変える『モーダルシフトの加速』

 

・複数の輸送業者が提携して1つの倉庫に集めたものを配送する『共同配送』

 

・輸送自体も一緒に行う『輸送網の集約』

 

などが提案されています。

 

これらの法案の動きによる諸問題を解決するために物流業界では技術革新が加速する可能性があります。

 

たとえば、

 

・物流システムの導入とデジタル化

・物流ロボット等を用いたオートメーション

・自動運転とドローン

・AIを用いた物流効率化

 

こういった技術革新が推し進められる物流業界は「変化」や「チャレンジ」が好きな学生にとっては魅力的な業界に映るかもしれませんね。

4. 物流業界の年収って高いの?

物流業界の平均年収は650万円であり、他業界と比べても高い傾向にあります。

 

ちなみに物流業界大手の平均年収は下記のとおりです。(参考:有価証券報告書)

・日本郵船:934.8万円

・商船三井:1,003万円

・川崎汽船:789万円

・三菱倉庫:801万円

・ヤマトHD:971万円

・日本通運:586.3万円

5. 物流総合職の仕事は大きく5つ

ここからは大卒総合職の職種に絞って仕事内容を説明していきます。

 

大卒総合職の仕事は大きく①営業  ➁物流企画・物流管理  ③営業企画・開発  ➃情報システム  ➄総務・経理などのスタッフ職にわけられます。

 

それでは、1つずつ見ていきましょう。

 

①営業

 

「営業」は新規・既存顧客の案件を受注・提案する仕事です。

 

顧客が困っていることを聞き出すヒアリングにはじまり、課題を解決するための物流プランの作成、輸送時の立会いやフォローまで、物流パートナーとして顧客と一緒にサービスを作り上げていきます。

 

➁物流企画・管理

 

「物流企画・管理」はお客様から受注した案件を実現するために、関係部署へ必要な指示を出し現場をコントロールする仕事です。

 

現場が常に安全で効率よく機能するために、現場スタッフを巻き込みPDCAを構築することがオペレーション業務の重要な役割です。

 

他にも物流現場で品質管理や現場スタッフへの指示など、物流を「カタチ」にする役割を果たします。

 

➂営業企画・開発

 

「営業企画・開発」は最新の業界・顧客動向を踏まえて戦略を練り、新たな商品・サービスを開発する仕事です。

 

関係部署と連携して総合力を活かしたロジスティクスサービスで新たな領域を開拓していきます。

 

➃情報システム

 

「情報システム」は顧客をはじめ関係部署の人々と連携をとり、システム全体を構築する仕事です。

 

ITによって物流を効率化するだけでなく、最新のITトレンドを活用して物流の新しい可能性を拓きます。

 

➄総務・経理などのスタッフ職

 

総務、経理、安全、品質管理、CSRなど、上記職種の仕事が円滑に行えるようにサポートしていく仕事です。

 

各分野の専門業務知識はもちろんのこと、時代の変化に合わせて社内体制を整えていく役割を果たします。

6. 物流業界の志望動機はどうやって書けばいいの?

「何となく物流業界に興味が湧いてきました。実際に志望動機を作成する際のポイントについて知りたいのですが…」

 

どこの業界でもそうですが、物流業界は特に志望動機が重要視されますので、ここからは物流業界で刺さる志望動機の書き方・伝え方について解説します。

 

物流業界の志望動機では、「なぜ物流業界なのか?」「その中でもなぜ当社なのか?」を明確に言語化しておく必要があります。

 

そのうえで物流業界の求める人物像をおさえておかないと面接官に刺さりませんので、まずは物流業界で求められる人物像を整理しておきます。

 

求める人物像

 

業界の特性上、物流はたくさんの人が介在して日程の調整や手配、連絡など全体を見渡しながら最適化を図る管理能力が必要になります。

 

そのなかで相手の要望や意図を的確に理解して、正確に伝えるコミュニケーション能力が要求されます。

 

加えて、全体最適を満たしながら相手の満足度を高める提案力が重要になってきます。

 

なので、物流業界を目指す人は管理能力、コミュニケーション能力、提案力の3つを意識しながらアピールすることが重要です。

 

志望動機の型

 

物流業界の志望動機は以下の構成で作成してください。

 

①結論(志望した理由は~です)

➁物流業界を志望する理由←1つ目の壁

➂なかでも、その会社を志望する理由←2つ目の壁

➃ベネフィット(あなたを雇うメリット)←3つ目の壁

 

まずは定石通り、結論を端的に説明します。

 

その上でまず「物流業界を志望する理由」を理屈付けして1つ目の壁をクリアしていきます。

 

そうすると面接官は「そんな中でなぜウチの会社なの?」といった疑問が頭をもたげますので、その2つ目の壁を突破する答えを被せていく必要があります。

 

2つ目の壁が突破できたとしても、まだあなたを雇いたいというところまで至っていません。

 

なので、最後にあなたを雇うメリットを説明した上で背中を押して3つ目の壁を乗り越えてください。

 

この3つの壁を上手く乗り越えられれば、採用確度がグググッと上がりますので、このステップに沿って志望動機を作成してみてください。

 

「とはいっても、例文がないとなかなかイメージが湧きません…」

 

そうですよね。それでは悪い例を添削することで、この構成の理解をより深めてもらおうと思います。

 

例文添削

 

それではまず志望動機の悪い例から見ていきましょう。

 

どこがマズいのかを意識しながら読むと学習効果が倍増します。

 

【悪い例】

私が物流業界を志したのは物流は人々の生活を支えるために必要不可欠なものであると感じたからです。

普段当たり前に口にしている食べ物でも、着ている洋服なども物流の力がなければ消費者のもとに届くことはありません。

生活に必要なものはすべて物流の事業があるからこそ消費者のもとにあり、それがなければまともな生活を送ることすらできないと考えています。

物流は欠かすことのできない仕事であり、多くの人々を支えることができる仕事だと感じ、御社を志望しました。

この志望動機のどこがあ悪いと思いますか?


「なぜ物流業界なのか?」といった業界志望理由は細かく述べられていますが、「なぜその会社なのか?」、「なぜあなたを雇う必要があるのか?」が説明されていないので喰いつきがかなり悪いです。

この文章を次のようにして変えてみたらどうでしょう。

 

【添削例】

 

私が御社を志望した理由は顧客の立場に立った総合的な物流提案ができるからです。(結論)

私自身の解釈ですが、エネルギーや運輸などのインフラ産業と同様に物流も人々の生活に必要不可欠なインフラ産業だと捉えています。

私たちが口にしている食べ物も、着ている洋服も物流がなければ手元に届かず生活が成り立ちません。

そんな目に見える「物」を消費者のもとに確実に届けることにより安定した生活が成立し、人々が幸せになる事業に携わりたいと考えています。←1つ目の壁クリア

その中でなぜ御社かと申しますと、御社は3PL(※)など包括的な物流提案に力点を置いており、物流の1部の機能だけでなく、川上から川下までトータルで最適な物流提案ができると考えたからです。←2つ目の壁クリア

大学時代に私自身ソフトボール・サークルのキャプテンとしてチーム全体の最適化を考えてきました。就任当初は野球経験がある人とない人で両者のモチベーションをキープすることが困難でした。

そこで相互にコミュニケーションをはかる中で、1軍と2軍の2チームを市のリーグに登録することにより両者のやりがいの突破口を切り開き、現在は出だしとは比べものにならないほど競争意識が芽生え、組織が活性化しました。

御社ではこの経験を活かし、現場と密に連携を図りながら、何が最適解なのかを常に念頭に置いてお客様に喜ばれる最善の提案を行ってまいりたいと考えています。←3つ目の壁クリア

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(※)3PLとは

サード・パーティー・ロジスティクスの略で、基本的には荷主と運送業者という「利益相反」する関係による不都合を解決するために、ノウハウを持った第三者が、荷主の立場に立って、ロジスティクスの企画・設計・運営を行う事業が「3PL」です。

以上のような構成で1度あなたも志望動機を作ってみてください。

 

まとめ

物流はロジスティクス(logistics)といわれますが、論理学(logistic)から派生した単語です。

 

したがって、論理的に物流を手配できる緻密な頭を持っている人や持てる輸送手段を使って物流の最適解を見出すことに長けている人に向いている業界だといえます。

 

また記事内でも解説したとおり、関連2法案により今後の物流業界は事業基盤を抜本的に革新していかざるを得ない待ったなしの状況に入っています。

 

変化を好み、チャレンジ精神豊富な人にとってはやりがいのある業界ですが、逆に安定を望み現状維持を好むタイプには居心地が悪い業界かもしれません。

 

ぜひその点を踏まえ、自分がどちらのタイプなのかを見極めたうえでエントリーするかしないかを決めるのも一手です。

 

それを検討するうえで本記事がお役に立てれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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就活ハンドブック編集部

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