【例文つき】ゼネコンの就活ポイント徹底解説!

【例文つき】ゼネコンの就活ポイント徹底解説!

2022年4月11日更新

はじめに

「ゼネコンって、そもそも何?」

 

「ゼネコンってどんな仕事があるの?」

 

「ゼネコンの志望動機って何を書いたらいいの?」

 

など、ゼネコンに興味を持ち始めた人から、実際にエントリーしようと考えている人までさまざまな疑問があると思います。

 

本記事ではそんな千差万別の疑問に対して、すべてクリアになるようにフルラインナップで解説しました。

 

本記事を読めば、他の記事は読まなくても大丈夫です。最後まで読んでゼネコンの疑問をすべて払拭しておきましょう!

 

1. そもそもゼネコンって何?

ゼネコンとはGeneral Contractorの略で「総合建設業者」を意味します。

 

ゼネコンは建設プロジェクトの企画立案、事業計画の策定、設計、施工管理、安全管理などを総合的にマネジメントし、実際の建設工事はサブコンと呼ばれる下請業者が行います。

 

また、資金調達や法令遵守、地域住民への対応もゼネコンが行います。

 

一口にゼネコンと言っても売上に応じて下記のとおりスーパーゼネコン、準大手ゼネコン、中堅ゼネコンと3種類に分けられます。

スーパーゼネコン:売上1兆円以上(清水建設、大林組、大成建設、鹿島建設、竹中工務店)

準大手ゼネコン:売上3,000億円~1兆円未満(長谷コーポレーション、西松建設など)

中堅ゼネコン:売上1,500億円~3,000億円未満(東急建設、熊谷組など)

 

「ゼネコンについては大まかにわかりましたが、工務店や建築会社とどう違うんですか?」

 

法律上では同じ建設業の許可業者で明確に定義できないのですが、機能面で大きく異なります。

 

ゼネコンは研究、設計、施工まで自社内で一貫して行えるのに対して、工務店や建築会社は基本的に設計と施工を請け負います。

 

また、ゼネコンがオフィスビルや道路、ダムなど大規模な建造物を取り扱う一方で、建築会社や工務店は事業の中心が”住宅建築”です。

 

このように研究開発機能があって、大規模な建造物を取り扱う建設業者がゼネコンという捉え方で問題ありません。

 

2. ゼネコンの職種は大きく5つ

次にゼネコンではどんな仕事をするのか気になるところですね。

 

ゼネコンでの仕事は大きく営業、設計、施工管理、研究開発、事務の5つです。1つずつ説明します。

 

①営業:取引先との連携をはかる

 

営業はどの企業にもありますが、ゼネコンの営業はB to B営業が基本で、企業や官公庁、公共団体が主な顧客になるため、契約金額が数億円~数十億円にものぼる巨額な案件を取り扱うことが多く、一般の営業とは比較にならないほど責任とやりがいが大です。

 

顧客から依頼があったり、ときには自らが提案営業を行ったりして社内と調整しながら提案や企画書を取りまとめます。

 

顧客と工事会社の橋渡し役になりますので、両者の意見や要望を正確に理解し、的確に調整するコミュニケーション能力が問われます。

 

➁設計:設計図の作成をおこなう

 

「自社で企画した提案」や「営業が顧客から獲得してきた案件」を具体的に設計図に落とし込む仕事です。

 

設計は大きく意匠設計、構造設計、設備設計に分けられ、自社内の設計部が営業や顧客と検討を重ねながら設計していきますが、下請けの設計事務所に設計を委託する場合もあります。

 

いずれにしても、発注者のイメージを図面や模型を使って具現化する能力が要求されます。

 

➂施工管理:建設現場を管理する

 

施工計画に基づき、スケジュールや安全などを管理する仕事が施工管理です。

 

施工管理の仕事は大きく工程管理、安全管理、原価管理、品質管理の4つの管理に分けられますが、安全かつスムーズに顧客の要望に沿った建造物を完成する責務があります。

 

したがって、管理者としての責任感と状況を素早く察知して、適切に判断する能力が求められます。

 

➃研究開発:独自技術を開発する

 

より良い建造物を造るために工事の過程で必要な工法や材料、システムなどを研究開発する仕事です。

 

たとえば、地震の揺れの耐震技術の研究、タブレット端末で建設機械を無人で動かす施工システムの研究などがあります。

 

ゼネコンの仕事のなかで最も高い専門知識を要す仕事で、常識にとらわれない柔軟な発想力や地道に探究していく好奇心や集中力が要求されます。

 

➄事務:上記4職種をサポートする

 

ゼネコンも一般企業と同じで人事や総務、経理などの現場をサポートするスタッフ職があります。

 

なお、本記事では原価を抑えながら、高品質な資材を調達する職種も事務に包含しています。

3. ゼネコンの選考プロセス

ゼネコンの選考プロセスは下記フローが主流です。

 

①ES・Webテスト →  ➁リクルーター面談 → ③面接(複数回)

 

まずESについてはガクチカや志望動機など定番の質問が多いようです。

 

志望動機の書き方はあとで解説しますが、特殊な業界でもあるので入りたい理由を明確に言語化しておくことが大切です。

 

次にWEBテストですが、SPI(Webまたはテストセンター)と性格検査を課せられることが多いです。

 

リクルーター面談はゼネコンの特徴的な選考プロセスですが、就活の結果を左右しますので重要なハードルです。

 

リクルーター制とは、本格的な選考に入る前に年齢の近い社員と選考を兼ねながら話し合う機会が与えられ、内定のためのアドバイスをもらうことができます。

 

質問する場合は採用ページや説明会では触れられていない、探しても答えのない現場のナマの話を引き出すようにしましょう。

 

きなりリクルーターから連絡が来なくなり、選考が終わってしまうという就活生もいるため礼儀などの面でも注意が必要です。

 

最後に面接ですが、学生1人に対して面接官5人以上で面接を行う場合も少なくなく、非常に圧を感じます。

 

そのことを知らないと本番で面食らって緊張してしまい、言葉が出なかったりして本来の実力を発揮できずに撃沈してしまう可能性もあります。

 

またゼネコンは業種柄、体育会系を好む傾向があります。

 

そのため元気よく弁舌さわやかな学生が好まれますので、面接官に答えについて指摘されても自信を持って堂々とふるまうことがポイントになります。

 

技術職は1次・2次面接で自分の研究内容について作成した資料に基づきプレゼンテーションを行い、自分の研究内容がどのように活かせるのかを発表させる形式をとる企業もあります。

 

自分が目指している職種がどのような面接を行うのか事前にネットで調べてチェックしておきましょう。

 

ちなみにゼネコンの面接でよく聞かれる質問は下記のとおりです。この程度の質問にはスラスラと答えられるように準備しておきましょう。

 

【ゼネコンの定番質問】

・なぜ弊社を志望するのですか?

・好きな建築物とその理由を教えてください。

・建設業で働くうえでどのような苦労や困難があると思いますか?

・学生時代に苦労したことは何ですか?

・学業以外で力を入れたことは何ですか?

・自己PRをおこなってください。

・就活の軸を教えてください。

・就活中に弊社のイメージは変わりましたか?

・現場の仕事についてどんなイメージを持っていますか?

・インターンシップに参加してみて何を感じましたか?

・10年後は何をしていると思いますか?

・将来のビジョンについて教えてください。

・入社後にやりたいことは何ですか?

 

以上のように志望動機や建設業界の理解、自己分析が必要な質問やインターンシップや現場見学に参加することで答えやすくなる質問、将来の目標やキャリアプランについて聞かれることがあります。

4. :就活では聞きにくいQ&A

Q1:ゼネコンって給料はどのくらいもらえるの?

 

A1:ゼネコンの給料は他の業種に比べると高めです。

 

各社の有価証券報告書や決算短信(2020年度3月末時点)より算出した結果は下記のとおりです。

スーパーゼネコン(5社平均)約1,050万円

準大手ゼネコン(10社平均)  約889万円

中堅ゼネコン(8社平均)  約887万円

全平均(23社)        約965万円

ゼネコンの年収が高い理由の1つとして、顧客から請け負った建設内容を下請け業者に割り振ることで工事を進めて、その中間マージンを受け取るビジネスモデルがゆえに大卒総合職の割合が大きいことが挙げられます。

 

さらに、早朝や深夜を含んだ残業手当や休日出勤手当、ゼネコン特有の危険を伴う現場での仕事に対する現場手当などが加算され、結果として高い水準になります。

 

また年功序列制度が根強く残っている業界のため、平均年齢が相対的に高く年収を押し上げている結果が見て取れます。

 

Q2:ゼネコンの仕事はキツイと聞いたのですが…

 

A2:残業時間が長く、かなり忙しいです。

 

特に施工管理、設計、設備など現場に近い職種では建設現場のスケジュールを優先しなければいけないので、休日出勤や残業はあります。

 

平均して月60〜80時間残業している人が多い一方で、営業や研究開発職など自分で仕事をコントロールしやすい職種ではほとんど残業しない人もいます。

 

ただ、業界全体で労働環境改善に向けて働き方や福利厚生を見直す動きが出ていますので、休みも少しずつ取りやすい傾向になっています。

 

Q3:女性の就職は不利と聞いたのですが本当ですか?

 

A3:主要ゼネコンの女性採用比率は20%程度です。

 

主要ゼネコンの現在の女性採用比率は20%程度(※)ですが、活躍している女性はどんどん増えていて、役職に就いている女性も結構います。

 

ただ、まだまだ男性が圧倒的に多い業界で、たとえば工事現場におけるトイレだとか、年上の男性たちとの付き合いとか、多少苦労する面はあるかもしれません。

 

ただ、他の業界と同じように、女性社員が産休・育休なども問題なく取れる企業がほとんどですし、女性目線のアイディアが重宝されたり、円滑なコミュニケーションができることもあるようです。

 

男性に人気の高い業界なので、逆に就活でも女性ならではの視点は新鮮で個性として歓迎されやすいのかもしれませんね。

 

男性と働くことが苦にならない人にとっては意外な穴場かもしれません。

 

※:日刊建設工業新聞「ゼネコン各社/新卒の女性採用比率は2割で推移/女性の採用増、6割が意欲的(2020年4月24日3面)」

5. ゼネコンの志望動機を作るポイントと例文

ゼネコンは仕事の責任が重く、激務で職人気質の下請けとコミュニケートするなど相当なメンタル面や肉体面のタフさが要求されます。

 

したがって、面接の質問でも入社してやっていけるかを確認するため、志望動機のウエイトがかなり高くなっています。

 

要はなぜゼネコン業界なのか、なぜその中でも当社なのかを明確に言語化し、自分との接点をアピールして信憑性を高めたうえで、あなたを雇うメリットまで言及していかなくてはいけません。

【ステップ1】なぜゼネコン業界を志望するのか?

   ↓

【ステップ2】その中でもなぜ当社を志望するのか?

   ↓

【ステップ3】あなたとの接点は何か、採用するメリットは何か?

これらの3つのステップを1つずつクリアする志望動機をつくる必要があります。

 

まず【ステップ1】の「なぜゼネコン業界を志望するのか?」ですが、なぜ興味を持ち、どういった点に魅力を感じたのかまで説明する必要があります。

 

【ステップ1】でゼネコンを選んだ理由がクリアになったあとは「その中でもなぜ当社なのか?」という疑問が面接官の頭に浮上してきます。

 

なので、【ステップ2】として「当社を志望する理由」をかぶせていきます。

 

その企業の差別化ができていなければ「他のゼネコンでもいいのでは?」といった猜疑心を持たれますので、事業内容や事業戦略、施工実績など、その会社の独自のウリ(=強み)を事前にリサーチして理由付けする必要があります。

 

【ステップ3】の「あなたとの接点」は原体験などエピソードを交えて、その時の感情も乗せていくことで臨場感や説得力を高めていきます。

 

加えて、「だから~したいんです」というようにあなたを採用するメリット(=ベネフィット)を訴求し、面接官に「得たい結果」や「求める未来像」をリアルにイメージさせていきます。

 

人間はイメージすればするほど欲しくなりますので、最後のベネフィットで面接官の脳にあなたの活躍している姿を映像化させることが非常に重要なステップになります。

 

それでは実際の例文でポイントを確認しておきましょう。

 

【例 文】

大幅な気候変動による世界各地の台風や大雨など甚大な災害を目の当たりにし、水害に負けない街づくりを強力に推し進めたいと思い、貴社を志望しました。【ステップ1】数あるゼネコンから貴社を選んだ理由はダムの建設や河川工事など確かな実績があり、治水事業に先進的な技術を保有しているからです。【ステップ2】

水害に対して強靭な街づくりの仕事がしたいと考えるようになったきっかけは、私が高校生の頃、西日本豪雨災害によって自宅が床上浸水を被ったことです。

それ以来、日本の都市は水害に対して脆弱で早急な治水対策が必要だと考えるようになりました。また世界に目を向けても途轍もない災害があとを絶たず、日本で開発した技術を海外へ展開することにより人々が安心して暮らせる世の中を具現化したいと考えました。

入社後は営業職として現場や技術スタッフと密に連携をとりながら、安寧と安全に暮らせる街づくりの一端を使命感をもって担いたいと強く思い、御社を志望しました。【ステップ3】

まとめ

ゼネコンは2025年開催の大阪万博、2027年開通予定のリニア中央新幹線の工事、東京の老朽化した下水・首都高速の再整備、5G通信などのインフラ再整備により需要は高まっています。

 

中長期的には国土交通省が打ち出した「国土強靭計画」をはじめ、「インフラ長寿命化計画」により老朽化する橋梁や道路などの改修・補修工事などの需要はこれから増えていく見込みです。

 

一方で、人手不足も深刻で特に若手層を中心に人手が不足している現状で建設機械のICT化や現場へのICT機器の導入により活路を見出す取り組みが加速していきます。

 

労働環境面においても週休2日制の確保などの働き方改革で、従来の激務からのイメージ脱却をはかろうとしています。

 

そういった意味で今後、ゼネコン業界は色々な変革に迫られ、「安定」や「現状維持」よりも「変化」や「チャレンジ」が好きな人にとっては魅力的な業界といえますので、ぜひトライしてみてください。

 

ゼネコンを目指すあなたにとって本記事が一助になれば幸甚です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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就活ハンドブック編集部

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