
ITパスポートを有効的に就職に活かす方法3選を紹介!
2022年3月7日更新
はじめに
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明するための資格で、さまざまなもののIT化が進んでいる近年で注目されている資格です。
IT系企業に就職を希望している方の中で、
「ITパスポートを取得した方が就職に有利なのか?」
「ITパスポート取得後、どのように就活に活かせば良いのか?」
と疑問に思っている方も多いと思います。
そこでこの記事では、ITパスポートと就活の関係性について詳しく解説します。
結論から言うと、ITパスポートはIT系の資格の中で入門者向けの資格のため、取得しただけで就職に有利にはたらくというものではありません。
しかし、取得した過程や経緯などをうまくアピールすることで、就職をうまく進められる可能性が高まります。これらの内容について、詳細に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.ITパスポートとはIT基礎知識の証明
ITパスポートは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格で、その概要について公式ホームページから引用すると、以下の通りです。
”iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。”
このようにITに関する基礎知識を学習できる資格となっています。
受験者数の推移は以下の通りで、年々増加傾向にあることから、より一層注目が高まっている資格試験であることが分かります。
年度 | ITパスポート受験者数(人) | 合格率(%) |
平成28年度 | 77,765 | 48.3 |
平成29年度 | 84,235 | 50.4 |
平成30年度 | 95,187 | 51.7 |
令和元年 | 103,812 | 54.3 |
令和2年度 | 131,788 | 58.8 |
ITパスポートの合格率は50〜60%程度なので、そこまで難しい資格試験ではありません。あくまでIT関連の入門的な資格と認識しておきましょう。
2.ITパスポートを就活で有利に活かすためのポイント3選
近年のIT化を受け、新卒採用のエントリーシートでITパスポート取得有無を確認する企業が増えているなど、ITパスポートの重要性は大きくなっています。
具体的にはNTTデータやNEC、Panasonicなどの大企業のエントリーシートに活用されています。
(引用:ITパスポート公式ホームページ)
ただし、あくまでIT初心者向けの資格なので、資格を持っていること自体が直接就職に有利にはたらくと考えない方が無難です。特にIT関連の事業を中心に活動している企業に、エンジニアとして就活をする場合に、ITパスポートをアピールすることは難しく、持っていて当然という認識の企業もあります。
ただし、事務や経理系の仕事でITパスポートを持っているとアピールできる可能性もあり、有利にはたらくかどうかは企業や職種にもよります。
以上を踏まえ、ただ単にITパスポートを持っているだけでは、確実に就職に有利にはたらくとは言えません。
そこで、ITパスポートを就職に有利にさせるために意識するポイントを3つまとめました。
具体的には以下3点です。
・ITへの関心の高さや勤勉さをアピールする
・ITパスポートで得た知識をどのように活用するかアピールする
・他の資格と組み合わせる
ひとつずつ解説していきます。
2-1.ITへの関心の高さや勤勉さをアピールする
ITパスポート資格取得を目指した理由を説明することで、ITへの関心の高さや行動力をアピールしましょう。企業は自ら関心を広げ、目標設定し、目標達成のために行動できる人材を求めています。
ITパスポート取得という目標を自ら設定し、資格取得に向け勤勉に勉強したという、主体性をアピールすることで、就職を有利に進めることができます。
このようにITパスポート受験の経緯や合格までの過程をアピールすることが、有効な手段のひとつです。
2-2.ITパスポートで得た知識をどのように活かすかをアピールする
どのような資格にも共通して言えることですが、資格だけ持っていても、それを有効に活用できなければ意味がありません。企業は自社に利益をあげられる人材を求めているため、ITパスポートの勉強を通して得た知識や学びを用いてどのように企業利益に貢献できるかを話すようにしましょう。
具体的な知識の活かし方をアピールすることで、面接官の入社後の期待感をあげられるのでぜひ実践してみてください。
2-3.他の資格と組み合わせる
ITパスポート単体だと専門性をアピールするのには少し弱いので、その他の資格も取得し、組み合わせることで、説得力を上げるのがおすすめです。
具体的には以下4つの資格取得をおすすめします。
・基本情報技術者試験
・ITコーディネーター
・MOS
・簿記
2-3-1.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はITパスポートと同様に、IPAが主催するエンジニアの登竜門と言うべき資格です。
合格率は20〜30%程度と、ITパスポートに比べ難易度は高いですが、その分企業からも高い評価を得ることができます。
ITパスポートで基礎知識を付けたあとに基本情報技術者試験の勉強をはじめると、効率よく知識を習得できるのでおすすめです。
2-3-2.ITコーディネーター
ITコーディネーターは経済産業省推進資格ということで注目を集めた資格であり、経営とITに精通した知識を得ることができます。
合格率は70〜90%と高いため難易度はそこまで高くなく、単体でアピールすることは難しいしですが、ITパスポートのスコアが良好であれば一部科目免除を受けられるので、ITパスポートと組み合わせで取得するのにおすすめの資格と言えます。
2-3-3.MOS
MOSはワードやエクセルなどマイクロソフトオフィスの活用スキルに関する資格です。ITパスポートと併せて取得することで、パソコン関連の実践的スキルをアピールすることができます。特に経理や事務職の場合、IT企業のエンジニアなどに比べ、ITスキルに疎い方も多いので、ITとパソコンに強い人材は重宝される可能性があります。
合格は80%と難易度はそこまで高くないので、ぜひトライしてみてください。
2-3-4.簿記
簿記は企業の金融取引に関する記録を指し、財務諸表などの資料作成をするのに必要な知識を得られる資格です。MOSと同じく、特に経理や事務職に重宝されるスキルであり、ITパスポートとの組み合わせにより実践的な人材であることをアピールできます。
簿記は1〜3級まであり、難易度はさまざまですが、まずは簡単な3級から挑戦してみましょう。
3.ITパスポートでは経営・マネジメント・最新技術について学べる
ITパスポートは3つの分野に分けられており、それぞれ以下の内容について学ぶことができます。単に最新のIT技術に関する知識だけでなく、経営やマネジメント手法についても学習することができ、経営者からエンジニアの方まで幅広い層に向けた試験内容となっています。
分野 | 内容 | 単元 |
ストラテジ系 | IT関連の経営全般の知識 | 企業と法務、経営戦略、システム戦略 |
マネジメント系 | IT開発業務の管理手法 | 開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント |
テクノロジ系 | 新技術手法 | 基礎理論、コンピュータシステム、技術要素 |
ストラテジ系では法務関連や経営戦略など、主にIT事業の経営者向けの内容となっています。これからIT関連の会社を企業したいと考えている方やすでに経営している方に向けた分野となっています。
マネジメント系では開発技術やプロジェクトマネジメントなど、IT技術開発などプロジェクト体制で仕事を進めるうえでの、管理手法について学ぶことができます。IT企業でプロジェクトリーダーや管理職をしている方向けの分野です。
テクノロジ系は基礎理論やコンピュータシステムなどIT技術の基礎知識を学べる分野で、エンジニアなど、実際にITを駆使したシステムやサービスを開発する方向けの内容となっています。
このようにIT関連の知識を網羅的に学習することができる点が、ITパスポート取得の大きなメリットと言えます。
4.ITパスポートの勉強はインプット:3、アウトプット:7でやろう!
ITパスポートの難易度はそこまで高くないので、独学でも十分に合格は狙えます。そこで独学で合格するための勉強法をまとめました。
具体的には以下の3ステップです。
1.参考書でインプット
2.参考書の問題でアウトプット
3.過去問演習
まずはなんでもよいので参考書で知識をインプットしましょう。本屋やAmazonなどでいくらでも売っているので、お気に入りのものを見つけてください。いくつも買う必要は無く、一冊だけで十分です。参考書選びはそれほど重要ではなく、選ぶのに時間をかけるのはもったいないので、迷ったら「【令和3年度】 いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集」を買ってみてください。
ポイントはインプットをなるべく早く終わらせて、参考書に一通り目を通したら、すぐに問題演習に移りましょう。インプット3、アウトプット:7くらいのイメージでやると習得が早くなります。
参考書の問題演習が終わったら、ひたすら過去問演習をしましょう。ITパスポート過去問道場に過去10年分以上の過去問があるので、合格基準に達するまで解いてみてください。
5.ITパスポート試験概要
ITパスポートの試験概要を以下の表にまとめました。
受験資格 | 特になし |
受験費用 | 5,700円(税込) |
試験頻度 | 月に1~10回程度(地域によって異なる) |
出題形式 | CBT方式で四肢択一式 |
試験時間 | 120分 |
出題分野 | ・ストラテジ系 ・マネジメント系 ・テクノロジ系 |
出題数 | 100問 ・ストラテジ系(経営全般):35問程度 ・マネジメント系(IT管理):20問程度 ・テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準 | 総合評価点 600点以上/1,000点(総合評価の満点) 分野別評価点 ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) テクノロジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
引用:ITパスポート公式サイト
ITパスポートに特に受験資格は無く、年齢・性別・職業に関係なく誰でも受験することができるので、中学生や高校生の合格者も多くいます。
試験頻度は、東京では月に10回以上実施しているときもありますが、地方などでは月に1回程度のところもあり、地域によってさまざまです。
ただし、全国で少なくとも月に1回以上を実施しているので、資格取得を決めてからすぐに受験することができるのは嬉しいポイントですね。
ITパスポートはCBT方式というコンピュータ上で問題の回答をする方式なので、慣れていない方は公式ホームページにある受験や回答の方法について、事前に確認しておくことをおすすめします。
合格基準は総合の正答率が6割以上、かつ各分野の正答率が3割以上です。このように特定の分野だけ高くて、総合で6割以上正解したとしても合格できない制度となっていますので、各分野まんべんなく勉強するようにしましょう。
出題数は全100問ですが、合格判定に使われる問題数は92問で、残り8問は運営側が今後出題する問題を評価するために用いられます。
6.まとめ
この記事では、ITパスポートを就職で活かすための方法について解説しました。
ITパスポートの取得難易度はそれほど高くないため、単体で専門性をアピールすることは難しいです。そのため、以下3つの方法で就職に有利に活かしましょう。
・ITへの関心の高さや勤勉さをアピールする
・ITパスポートで得た知識をどのように活用するかアピールする
・他の資格と組み合わせる
これらを意識するだけで、ただITパスポートを持っているだけの就活生とかなり差をつけることができます。
ITパスポート合格を最大限利用し、志望企業への合格を勝ち取っていきましょう。