【企業分析】三井物産の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
三井物産株式会社は東京都千代田区大手町に本社を置く総合商社業界に属する企業です。
世界62カ国・124拠点でグローバルに事業を展開しているほか、金属資源からエネルギー、機械・インフラ、化学品、生活産業まで幅広い事業を展開しています。
今回はそんな三井物産の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では三井物産株式会社への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 三井物産の仕事内容が気になる
- 三井物産の就職難易度を知りたい
- 三井物産の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、総合商社以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、三井物産の就職難易度は、非常に高い難易度と考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、総合商社の中でも最高難易度といえるでしょう。
また、採用大学も様々な偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として、独特なものが「自分史ワークシート」と「会社説明会の場で記述するエントリーシート」になります。
特に自分史ワークシートに関しては他の企業でメジャーなものではないので、事前準備を進めたうえで説明会に参加するようにしましょう。
また職種としては、総合職となっており、業務内容としては主にトレーディング業務と事業投資に従事することになります。
商材は配属される部門によって異なりますが、金属資源やエネルギー分野の取り扱いがメインになります。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
三井物産株式会社について

会社概要
三井物産株式会社は、世界各地での資源開発、エネルギー供給、機械・インフラプロジェクト推進、化学品取引等を主な事業内容としている総合商社です。
三井物産グループは、「挑戦と創造」の理念のもと、顧客のニーズに合わせた価値提供を重視する「事業投資」と「トレーディング」を軸としたビジネスモデルを採用しています。
総合商社として、自社従業員による幅広い事業領域での価値創造を実施しており、顧客の課題解決を実現するための「世界中の未来をつくる」ことを目指しています。
三井物産のビジネスモデルは、金属資源の領域で事業投資・開発やトレーディングを通じて、産業・社会に不可欠な資源、素材、製品の確保と安定供給を実現するとともに、天然ガス・LNGや石油等の事業投資や物流取引を通じ、産業・社会に不可欠なエネルギー資源の確保と安定した供給体制の確立を目指すものです。
これらの事業は、顧客の多様なニーズに応えるための多角化戦略の一環として展開されており、国内外市場における競争力を高めています。
さらに、三井物産は海外市場にも進出しており、2024年3月31日時点で世界各地にグローバルネットワークを展開し、事業拡大を目指しています。
各事業別の売上規模
三井物産株式会社の2024年3月期の総収益は13兆3,249億円で、親会社の所有者に帰属する当期利益は1兆636億円でした。
この収益は金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進の各事業からの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での概要は以下の通りです。
- 金属資源事業
- エネルギー事業
- 機械・インフラ事業
- 化学品事業
- 生活産業事業
- 次世代・機能推進事業
各事業セグメントの解説
三井物産株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
|---|---|
| 金属資源事業 | 地下資源の開発・加工・販売(鉄鉱石、原料炭、銅、合金鉄、ニッケル、アルミ、リチウム等)と地上資源・リサイクルの推進(鉄・非鉄スクラップ、還元鉄、銑鉄、二次電池等) |
| エネルギー事業 | LNGの生産、輸送、マーケティングまでの全バリューチェーンに幅広く関与し、UAE、豪州、カタール、オマーン、ロシア、インドネシア、米国、モザンビーク等世界各地の大規模LNG開発プロジェクトに出資参画 |
| 機械・インフラ事業 | 再生可能エネルギー発電、火力発電、コジェネレーション、蓄電池、エネルギーマネジメントサービス、電力小売・卸売等 |
| 化学品事業 | 基礎化学品から特殊化学品まで幅広い化学品の取引 |
| 生活産業事業 | 食料やファッション、ウェルネス分野での事業展開 |
| 次世代・機能推進事業 | 電力事業(分散型再生可能エネルギー(RE)発電・蓄電池・エネルギーマネジメントサービス・バーチャルパワープラント・EV関連インフラ・モビリティ電動化(Battery as a Service等)) |
普段イメージする商社事業とは違い、事業投資から物流、技術開発まで幅広く事業を展開していました。
また金属資源事業などのメイン事業セグメントは、三井物産の多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、資源開発から非資源分野、海外でのプロジェクト推進に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
三井物産で働いている社員は?
平均勤続年数は?
有価証券報告書(2024年3月)による三井物産の平均勤続年数は17.9年です。
総合商社の平均勤続年数は18年程度であることから、業界平均とほぼ同水準の職場といえるでしょう。
平均年収は?
2024年3月期の有価証券報告書によると、三井物産の平均年収は1899万円でした。
全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均よりも圧倒的に高い水準となっています。
また、同じ「総合商社」の上場企業では三菱商事が1,939万円、伊藤忠商事が1,730万円でした。
平均残業時間は?
三井物産の残業時間は、2025年3月度で27.6時間です。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によれば、2024年度の正社員の平均残業時間は13.9時間となっているため、業界内では平均よりも多い残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
三井物産では年に2回(夏季・冬季)支給され、三井物産の場合は夏季ボーナスの占める割合が高いとされています。
年収に占めるボーナスの比率がやや高く、年収の半分弱を構成していた。夏のボーナスは業績や評価によって変動、冬は月収の1.5〜2ヵ月程度で固定という口コミがあります。
正確なボーナス額についてはインターネット上では確認できませんでしたが、年収の4割〜5割をボーナスが占めているという情報から、相当額のボーナスが支給されていると推測されます。
どんな文化なの?
三井物産は、自由闊達な社風です。肩書きは使わず、上司も部下も「さん」付けが原則。中途入社、外国人と、様々なバックグラウンドを持つ社員が活躍する企業として知られています。
総合商社としての事業展開を主軸に据えつつも、資源開発から非資源分野、海外でのプロジェクト推進に至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。
成長意欲があればあらゆる機会が与えられ、研修制度も充実していますという環境が整っており、個人の成長を会社の発展と捉え、自らの手で仕事を創造し、成長の機会を無限に広げることを奨励しています。
ここでは、自分自身が主役となり、限界なく成長を遂げることができる環境が整っているので、主体的に仕事を進めたい人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい総合商社業界の中での三井物産の立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、三井物産はトップクラスの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 資源分野での圧倒的な競争優位性
- グローバルネットワークの活用
- 事業投資とトレーディングの両輪展開
資源分野での圧倒的な競争優位性
三井物産は、エネルギー・金属などの資源分野において、欧米メジャーとの取引関係も深く、総合商社の中では圧倒的な地位を築いています。
これにより、市場の変化に柔軟に対応し、売上の安定化を実現しています。
グローバルネットワークの活用
世界62カ国に124の事務所、連結関係会社475社、連結従業員約56,400人(2025年4月時点)という強力なグローバルネットワークを展開しています。
これにより、新しい市場への進出や既存事業の拡大を図り、売上の増加に寄与しています。
事業投資とトレーディングの両輪展開
三井物産は事業投資とトレーディングの両方に注力しています。
特に長期的な視点での事業投資は、安定的な収益基盤の構築と、より広範な顧客基盤へアクセスする手段となっています。
以上の要素により三井物産は総合商社業界の中でもトップクラスの業績を生み出していると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 純利益(2023年度) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
|---|---|---|---|---|
| 三井物産 | 1兆637億円 | 1,899万円 | 最高難易度 | 自由闊達な社風 |
| 三菱商事 | 9,640億円 | 1,939万円 | 最高難易度 | バランス重視の社風 |
| 伊藤忠商事 | 8,018億円 | 1,730万円 | 最高難易度 | 挑戦を歓迎する社風 |
| 住友商事 | 3,864億円 | 1,605万円 | 高難易度 | 堅実志向の社風 |
三井物産の新卒募集要項について
以下に三井物産の新卒募集要項についてまとめました。
2024年3月期の有価証券報告書によると、三井物産の平均年収は1899万円という水準や、福利厚生がかなり整っている点は非常に嬉しい点です。
また賞与に関しても年2回制なのも他社と比較すると標準的です。
研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、年次毎や役職毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実していると言えます。
転勤については、Globalコースの場合は全国各地及び海外、Regionalコースの場合は原則として採用地と同一地域(地域支店・関係会社への出向含む)となります。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 総合職 |
| 業務内容 | トレーディング業務、事業投資、プロジェクト推進 |
| 応募資格(2026年4月入社予定) | 日本の大学または大学院の学士号・修士号・博士号のいずれか、若しくは海外の大学または大学院の学士号・修士号・博士号のいずれかを、2026年9月末までに取得見込みの方(既卒も可) |
| 勤務地 | Global:全国各地及び海外、Regional:原則として採用地と同一地域 |
| 賞与 | 年2回(夏季・冬季)業績に応じて支給 |
| 研修制度 | 新入社員研修、階層別研修、職種別研修、グローバル研修、海外派遣プログラムなど |
| 福利厚生 | 各種保険完備、従業員持株会制度、産休育休制度、その他 |
求める人材

三井物産株式会社では求める人材として下記のものを公表しています。
- 挑戦と創造
- 主体性
- 多様性への理解
- グローバル視点
- 誠実さ
挑戦と創造
三井物産のDNAとして「挑戦と創造」を掲げているので、なにか新しい挑戦をしたアピールができると強いとされています。
主体性
主体性をもち、常に正しい行動かどうか考え、行動・結果に責任をもつことが求められます。
多様性への理解
中途入社、外国人と、様々なバックグラウンドを持つ社員が活躍する環境において、多様性を重視し、お互いに感謝と敬意の気持ちを忘れずに、働きがいのある職場環境をつくることが求められます。
グローバル視点
世界62カ国に124の事務所で事業を展開する企業として、グローバルな視点と異文化理解力を持つ人材が求められます。
誠実さ
事業活動における高い倫理観と誠実な姿勢を持って、ステークホルダーとの信頼関係を築ける人材が求められます。
以上の5つは三井物産の採用メッセージの『世界中の未来をつくる』につながっていきます。
エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
三井物産の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
三井物産公式サイトの新卒エントリーボタンより必要事項を入力し登録を行います。
エントリーシートでは志望動機や自己PR、長所と短所などの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。
②会社説明会、自分史ワークシート・エントリーシート
三井物産のイメージを具体的に理解するための会社説明会です。選考プロセスの中で「三井物産のビジネス・カルチャー」を体感いただく場を提供します。皆さんが人生で頑張ってきたことを多面的に伝えられるように、自分の歴史を綴った「自分史」を提出いただきます。
また、同じタイミングでエントリーシートを指定の用紙に手で記入します。質問事項は
- ガクチカ
- 志望動機
- 強み・弱み
- 三井物産に興味を持ったところ
といったように、基本的なことを聞かれるようです。
会社説明会で書くことになりますので、参加する前に準備して臨んでください。
③一次面接+Webテスト(C-GAB)
三井物産では一人ひとりを深く知るため、最初の面接から学生1:社員1で実施されます。
面接では自己紹介や志望理由、総合商社業界を選んだ理由などが聞かれますので、自分の答えを見つけておきましょう。
一次面接は30分程度オンラインで行われます。
和やかな雰囲気の中、キャリアプランやエントリーシートに記載した事項とその他についての回答が求められます。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 会社説明会に参加してどう思ったか
- 他人に自分のことをどういわれるか
- 自分を何色に例えますか?
- 10年後何になりたいですか?
三井物産ではC-GABという形式のWebテストが実施されます。
C-GABで8割取れれば面接まで進めるとされており、事前の対策が必須です。
④複数回面接(2次面接以降)
三井物産では、新卒社員にとって「成長できる場になり得るのか」を最も重要視して面接を実施します。
個々に合わせて選考を行うため、回数はその方によって異なります。
最終面接は、学生1人と人事部長の面接官1人で40分程度オンラインで行われます。自己PRなどの一般的な質問の他に、入社に対する理由や熱意について深く確認がされます。
以下に口コミにあった質問事項を紹介します。
- 志望動機
- 他社の選考状況
- 志望度はどのくらいか
- なぜこの業界、この会社なのか
- ガクチカ
- 入社後にどんな風に貢献できるか
最終になるにつれて質問が深掘りされたり、実務に適性があるのかを確かめるような質問が多くなされていることが分かります。
自分が実際に現場で働いている姿を想定したり、実際に事業について調べるなどしてイメージを付けられるようにしましょう。
以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
三井物産の採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターはないと考えます。
| <大学院> 東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学、一橋大学 <大学> 青山学院大学、大阪大学、大阪市立大学、九州大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学、東京理科大学、立命館大学、早稲田大学、学習院女子大学、杏林大学、岐阜経済大学、国立音楽大学、群馬大学、恵泉女学園大学、高知大学、北海道大学、松山大学、武蔵野大学 |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、三井物産は多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、三井物産の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は最高レベルといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 採用フローとして特別なステップがある(自分史ワークシート)
- 採用倍率が50倍〜100倍と非常に高い
- 給与や福利厚生が非常に良い
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策をしていれば、難しすぎることはないでしょう。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
三井物産は、総合商社業界に属する企業で、資源開発や非資源分野の事業投資を主事業としており、顧客ニーズに合わせた「挑戦と創造」や「グローバルな価値創造」を目指しています。
三井物産は総合商社業界の中でもレベルが高い企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
しかし学歴重視をする企業ではないので、全員に等しくチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。




