【企業分析】富士通の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
富士通株式会社は東京都港区に本社を置く、ITサービス・デジタルソリューションを中核事業とする日本を代表する総合IT企業です。
日本全国に約11.3万人の従業員を擁し、売上規模は連結で約3兆5,501億円と国内IT業界でトップクラスの規模を誇ります。また、「Fujitsu Uvance」ブランドのもと、AIやクラウド技術を活用したデジタル変革支援を国内外で展開しています。
今回はそんな富士通の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
この記事では富士通への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。 ぜひ最後までご覧ください。
- 富士通の仕事内容が気になる
- 富士通の就職難易度を知りたい
- 富士通の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、IT・システム以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、富士通の就職難易度は、やや高い難易度と考えています。
また、採用大学も様々な偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。
選考対策として、独特なものが「2026年度からの新卒一括採用廃止」と「Fujitsu Uvanceへの理解」になります。
特に2026年度以降は従来の新卒一括採用が完全廃止され、通年採用とジョブ型雇用制度に移行するため、これまでとは大きく異なる準備が必要です。2025年度は従来型採用を継続していますが、将来的な変化を見据えた準備を進めることが重要でしょう。
また職種としては、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、営業・コンサルタントとなっており、業務内容としては主にITソリューションの企画・開発・運用に従事することになります。
商材は配属される部門によって異なりますが、ITサービス・ソリューションの取り扱いがメインになります。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
富士通について

会社概要
富士通株式会社は、ITサービス・ソリューション事業を中核とした総合テクノロジー企業です。
富士通グループは、デジタル変革時代におけるスマートな社会の実現を目指し、顧客のニーズに合わせたソリューションの提案を重視する「Human Centric Innovation」を採用しています。
IT企業として、自社従業員による技術力に依存しない戦略を実施しており、顧客の課題を解決するための「価値創造」を目指しています。
富士通のビジネスモデルは、ITサービス事業に加え、ハードウェア製品、PC等の製造・販売を通じた多角化戦略の一環として展開されており、国内市場における競争力を高めています。
さらに、富士通は海外市場にも進出しており、特に欧州・北米・アジア太平洋地域に注力しています。グローバル市場での事業拡大を目指しています。
各事業別の売上規模
富士通の2024年度の総売上高は3兆5,501億円で、調整後営業利益は3,072億円でした。
この売上はサービスソリューション、ハードウェアソリューション、ユビキタスソリューションの3つの事業セグメントからの収益によって構成されています。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
| 事業セグメント | 売上高(億円) | 前年比 | 調整後営業利益(億円) | 前年比較 |
|---|---|---|---|---|
| サービスソリューション | 22,459 | +5.1% | 2,899 | +527億円 |
| ハードウェアソリューション | 11,199 | +1.1% | 613 | -223億円 |
| ユビキタスソリューション | 2,517 | -7.9% | 313 | +71億円 |
サービスソリューション(成長の柱)
国内でのDX需要やレガシーシステムのモダナイゼーション需要が好調で、売上は前年比5.1%増となりました。特に「Fujitsu Uvance」ブランドでの業界特化型ソリューション提供が31%増と高い成長率を記録しています。
ハードウェアソリューション
サーバやストレージなどのインフラ製品を提供していますが、大型案件の反動や為替影響により営業利益は前年比223億円減となりました。
ユビキタスソリューション
PC事業については欧州での不採算を理由に撤退を決定し、採算性の低いクライアントデバイス領域からの構造改革を進めています。
これにより、富士通はサービスソリューションを中心とした事業ポートフォリオへの転換を加速させ、クラウドやデジタルインフラなど成長分野への経営資源の集中を図っています。
各事業セグメントの解説
富士通の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
|---|---|
| サービスソリューション | ITサービス・ソリューション、DX支援、モダナイゼーション、コンサルティング、システム開発・運用 |
| ハードウェアソリューション | サーバ、ストレージ、ネットワーク機器の製造・販売、システム製品の提供 |
| ユビキタスソリューション | PC、タブレット等の製造・販売、モバイルソリューション |
普段イメージするIT企業としての富士通とは違い、ハードウェア製品やPC事業なども幅広く事業を展開していました。
またサービスソリューションなどのメイン事業セグメントは、富士通の多角的な事業戦略と市場への適応能力を示しており、ITサービスからハードウェア製品、さらには海外市場への進出に至るまで、幅広い分野にわたる事業を展開しています。
以下参照ページを紹介するのでぜひ確認してみてください。
富士通で働いている社員は?
平均勤続年数は?
富士通の平均勤続年数は約19.5年です。
IT業界の平均勤続年数は約14年であることから、業界平均よりも社員の定着率が高い職場といえるでしょう。
平均年収は?
富士通の平均年収については、最新の有価証券報告書で確認する必要がありますが、国内IT業界大手企業として高水準の給与体系を提供していることが知られています。
職種別の年収目安としては、新卒入社後の初任給から段階的に昇給し、30歳前後で600-800万円程度、40歳前後で900-1,200万円程度が一般的な水準とされています。また、管理職への昇進により年収は大幅に上昇する傾向があります。
平均残業時間は?
富士通の従業員の平均残業時間は、近年の働き方改革推進により月20時間程度まで削減されています。
IT業界で働く従業員の平均残業時間は月25-30時間程度のため、業界内では平均よりも少ない残業時間といえます。
平均ボーナス額は?
富士通のボーナス額については、業績連動部分があり、会社業績や個人評価により変動します。
年2回の賞与支給に加え、業績に応じた特別賞与が支給される場合もあります。
どんな文化なの?
富士通は、その独自の社風「Human Centric Innovation」を掲げています。
ITサービスの提供を主軸に据えつつも、研究開発から営業、本部でのサポート業務に至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。
富士通は、個人の成長を会社の発展と捉え、自らの手で仕事を創造し、成長の機会を無限に広げることを奨励しています。
ここでは、自分自身が主役となり、限界なく成長を遂げることができる環境が整っているので、主体的に仕事を進めたい人には向いています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しいIT業界の中での富士通の立ち位置をご紹介します。
売上高を参照し他社と比較してみても、富士通はトップクラスの企業だということがわかります。
理由として以下の要因があると考えています。
- 国内ITサービス市場でのトップクラスのシェア
- Fujitsu Uvanceによる業界特化型ソリューション展開
- AI・量子コンピューティング等の先端技術への投資
国内ITサービス市場でのトップクラスのシェア
富士通は国内ITサービス市場において最大級のシェアを持ち、金融・公共・製造業等の幅広い分野で大型案件を獲得しています。
これにより、市場の変化に柔軟に対応し、売上の安定化を実現しています。
Fujitsu Uvanceによる業界特化型ソリューション展開
富士通は「Fujitsu Uvance」ブランドによる業界特化型ソリューション展開を進めています。
これにより、顧客の業界特有の課題に対応したソリューション提供が可能となり、競合他社との差別化を図っています。
AI・量子コンピューティング等の先端技術への投資
富士通は積極的なAI・量子コンピューティング技術への投資を行っています。
特に理研との共同による「Fugaku NEXT」プロジェクトや新CPU「MONAKA」の開発など、次世代技術の研究開発に注力しています。
以上の要素により富士通はIT業界の中でもトップクラスの売上高を生み出していると考えられます。
参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。
| 会社名 | 売上高(兆円) | 平均年収(万円) | 就職難易度 | 社風 |
|---|---|---|---|---|
| 富士通 | 3.6 | 800-900(推定) | やや高 | Human Centric Innovation |
| NEC | 3.0 | 798 | やや高 | イノベーション重視 |
| 日立製作所 | 10.2 | 897 | 高 | 社会インフラ重視 |
| NTTデータ | 2.9 | 852 | やや高 | 顧客第一主義 |
富士通の新卒募集要項について
以下に富士通の新卒募集要項についてまとめました。
2026年度から新卒一括採用の廃止が予定されている点や、福利厚生がかなり整っている点は注目すべきポイントです。
研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、年次毎や役職毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実していると言えます。
転勤については、新卒に関していえば国内各地への配属可能性があるため、地域を限定したい方は面接や説明会などの際に確認をしましょう。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、営業・コンサルタント、研究開発、スタッフ職 |
| 給与(2025年度入社) | 大学院修士課程修了:268,000円、大学卒:255,000円、高専卒:240,000円 備考:残業手当、交通費、各種役職手当等別途支給 ※2026年度以降はジョブ型処遇に変更予定(年収550-700万円程度) |
| 賞与 | 年2回(業績連動部分あり) |
| 研修制度 | 新入社員研修(3ヶ月)、技術系職種向け専門研修、海外赴任制度、社内公募制度、自己啓発支援制度 |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、企業年金制度、住宅支援制度、育児・介護支援制度、フレックスタイム制度、テレワーク制度 |
求める人材

富士通では求める人材として下記のものを公表しています。
- 社会課題解決への関心
- 技術への探求心
- チームワークとコミュニケーション能力
- グローバルマインド
- 継続的な学習意欲
社会課題解決への関心
富士通は「Human Centric Innovation」を企業理念に掲げ、人を中心とした技術革新による社会課題の解決を目指しています。
技術への探求心
ITエンジニアとして常に新しい技術に関心を持ち、自己研鑽を続ける姿勢が求められます。
チームワークとコミュニケーション能力
大規模プロジェクトでは多くの関係者との協働が必要であり、円滑なコミュニケーション能力が重要です。
グローバルマインド
海外事業の拡大により、グローバルな視点と多様性への理解が重視されています。
継続的な学習意欲
技術の進歩が早いIT業界において、継続的な学習と成長への意欲が求められます。
以上の5つは富士通の採用メッセージの『「Human Centric Innovation」で社会に貢献したい人材を求めています』につながっていきます。
エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。
新卒採用のフロー
富士通の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、技術的な関心や適性をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のキャリアプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。
①新卒エントリー
富士通公式サイトの新卒エントリーボタンより必要事項を入力し登録を行います。
エントリーシートでは志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたことなどの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。
②筆記試験
富士通では適性検査(SPI形式)とITリテラシーに関する基礎試験が実施されます。
選考参加を希望される方は事前にIT基礎知識の復習を行い、富士通とミスマッチがないのかを確認していきます。
③複数回面接
富士通では、個人の適性を深く知るため、複数回の面接が実施されます。
一次面接では人事担当者との面接で、基本的な志望動機や人物面の確認が中心となります。
二次面接では配属予定部署の責任者との面接で、より具体的な業務内容への適性や技術的な関心度が問われます。
最終面接では役員クラスとの面接で、富士通への入社意欲や将来のキャリアビジョンについて深く掘り下げられます。
- 富士通を志望する理由
- ITエンジニアとしてのキャリアビジョン
- 学生時代の技術的な取り組み
- チームワークを発揮した経験
- 困難を乗り越えた経験
といったように、基本的なことに加えて技術的な関心度を聞かれるようです。
面接で答えることになりますので、参加する前に準備して臨んでください。
④内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
採用大学
富士通の採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターの存在については明確ではありません。
| <国立大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学、一橋大学、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学、電気通信大学、東京農工大学 <私立大学> 早稲田大学、慶應義塾大学、東京理科大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、同志社大学、立命館大学 <高等専門学校> 各地の工業高等専門学校 |
上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、富士通は多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。
よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。
しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、富士通の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度はやや高いといえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。
- 国内IT業界でのトップクラスの地位
- 高い技術力と安定した経営基盤
- 採用人数に対する応募者数の多さ
よって、頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策をしていれば、難しすぎることはないでしょう。
しっかりと対策を行い内定を獲得してください!
さいごに
富士通は、IT業界に属する企業で、ITサービス・ソリューションの提供や技術開発を主事業としており、顧客ニーズに合わせた「Human Centric Innovation」や「価値創造」を目指しています。
富士通はIT業界の中でもレベルが高い企業なので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。
しかし学歴重視をする企業ではないので、全員に等しくチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。




