【企業分析】全日本空輸(ANA)の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
全日本空輸株式会社(以下、ANA)は、ANAホールディングス株式会社傘下の中核事業会社であり、日本の航空業界をリードする企業の一つです。
国内外に広がる広大な路線ネットワークを持ち、旅客輸送から貨物事業まで多岐にわたる航空サービスを展開しています。今回は、そんなANAの企業研究に役立つ基礎知識、社風、そして選考対策について詳しく紹介します。
ANAへの就職に関心を持つ、次のような就活生の皆さんを対象に企業分析を進めていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
- ANAの事業内容や仕事に興味がある
- ANAの就職難易度がどれくらいか知りたい
- ANAの選考に向けて何を準備すれば良いか分からない
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この記事の結論
ANAの就職難易度は非常に高いと考えられます。就職偏差値ランキングでは常に上位に位置しており、最難関レベルの企業とされています。 背景には、航空業界のリーディングカンパニーとしての高い人気と採用人数が景気動向に左右されやすい点が挙げられます。
採用大学は旧帝大から早慶上智、MARCH、関関同立といった難関大学が中心である一方、幅広い大学からの採用実績もあります。
したがって、学歴フィルターが全くないとは言えないものの、入念な企業研究と選考対策を講じることで、内定を獲得するチャンスは十分にあると言えるでしょう。選考では、ANAの企業理念や行動指針「ANA’s Way」への深い理解と、自身の経験を関連付けて語る能力が必要です。
ANAについて

出典:ANA 採用情報
ANAは1952年に設立された「日本ヘリコプター輸送株式会社」を前身とし、現在では日本を代表する航空会社へと成長を遂げました。
国内線・国際線ともに日本トップクラスの旅客数を誇り、英国SKYTRAX社からは顧客満足度で最高評価となる「5スター」に11年連続で認定されるなど、サービスの質においても世界的に高い評価を受けています。
ANAグループは、中核となる航空事業のほか、航空関連、旅行、商社など、空の旅を軸とした多角的な事業展開を行っているのが特徴です。
各事業別の売上規模
ANAホールディングスの2024年3月期連結決算によると、総売上高は2兆559億円に達し、過去最高益を大幅に更新しました。 各事業セグメントの売上高は以下の通りです。
| 事業セグメント | 売上高 |
| 航空事業 | 1兆8,300億円 |
| 航空関連事業 | 489億円 |
| 旅行事業 | 602億円 |
| 商社事業 | 1,015億円 |
| その他 | 169億円 |
各事業セグメントの解説
ANAグループは、航空運送事業を中心に、それに付随する多様なビジネスを展開しています。
| 事業部門 | 内容 |
| 航空事業 | ANA、Peach Aviation、AirJapanブランドによる国内・国際線の旅客および貨物輸送サービスを提供しています。旅客需要の回復を背景に、売上・利益ともにグループ全体の根幹を支える最大のセグメントです。 |
| 航空関連事業 | 空港地上支援(グランドハンドリング)、航空機の整備、機内食の製造など、航空機の安全運航に不可欠なサービスを提供しています。 |
| 旅行事業 | 「ANAトラベラーズ」ブランドで、航空券と宿泊を組み合わせたダイナミックパッケージなどの旅行商品を企画・販売しています。 |
| 商社事業 | 航空機部品の調達、食品や電子部品の輸出入など、航空関連のノウハウを活かしたトレーディング事業を展開しています。 |
ANAで働いている社員は?
平均勤続年数は?
ANAホールディングス株式会社の2024年3月31日時点での有価証券報告書によると、従業員の平均勤続年数は2.33年です。 これは、ANAホールディングスが持株会社であり、従業員の多くがANA本体などグループ各社からの出向者で構成されているため、短い年数となっています。
平均年収は?
2024年3月31日時点でのANAホールディングスの平均年間給与は714万円です。 ただし、こちらもホールディングス本体の従業員の平均であり、職種や役職によって大きく異なります。
平均残業時間は?
公式に発表されているデータはありませんが、職種や部署、繁忙期によって変動すると考えられます。特に運航に直接関わる部署では、シフト制勤務が基本となります。
平均ボーナス額は?
インターネット上の情報だけでは正確な額は断定できませんでした。しかし、ANAでは年3回(夏季・年末・期末)の賞与が支給される実績があります。 業績に連動する部分が大きく、2024年3月期の好決算を受けて、5期ぶりの復配も決定しており、賞与への反映も期待されます。
どんな文化なの?
ANAの社風は、「個」を大切にする挑戦的な文化であると言われています。 「出る杭は伸ばす」という考え方が浸透しており、若手であっても意欲があれば大きな仕事を任されるチャンスがあります。
また、グループ行動指針である「ANA’s Way」(あんしん、あったか、あかるく元気!)が企業文化の根幹にあり、チームワークを重視しつつも、一人ひとりの主体性やチャレンジ精神が求められる環境です。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
航空業界は、コロナ禍で大きな打撃を受けましたが、現在では急速な回復を遂げています。 この回復を牽引しているのが、ANAの強みと戦略です。
訪日・国内外旅行需要の回復
新型コロナウイルス感染症の5類移行などを背景に、インバウンド需要が高まっており、国内のレジャー需要も堅調に推移しています。 これにより、特に国際線旅客事業は過去最高の収入を記録するなど、ANAの業績を力強く押し上げています。
コスト削減など収益体質の改善
コロナ禍において徹底したコストマネジメントを実施した結果、収益体質が大幅に改善しました。運航規模が回復・拡大する中でも、効率的な経営を継続することで、過去最高益の達成につながっています。
路線展開・国際線の拡大
需要の回復に合わせて、中国路線やリゾート路線などを順次再開・増便しています。 特に、ハワイ路線に大型機エアバスA380「FLYING HONU」を投入するなど、収益性の高い路線へ戦略的に機材を配置し、競争優位性を確保しています。
競合他社との比較
日本の航空業界は、ANAと日本航空(JAL)の2社が市場の大部分を占める寡占状態にあります。両社の比較は以下の通りです。
| 会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値 | 社風 |
| ANAホールディングス | 2兆2,618億円 | 714 万円 | 70 | 個を尊重し、挑戦を促す文化 |
| 日本航空(JAL) | 1兆8,440億円 | 921 万円 | 68 | 協調性を重視する堅実な文化 |
売上高ではANAがJALを上回っており、国内線・国際線ともに高いシェアを誇っています。 一方でJALは、一度経営破綻を経験したからこその堅実な経営基盤と、高い収益性が強みです。
社風も対照的で、ANAが個人の挑戦を後押しする文化であるのに対し、JALはチームワークや協調性を重んじる傾向があると言われています。
ANAの新卒募集要項について
ANAでは職種別に採用を行っています。ここでは、2026年度新卒採用のグローバルスタッフ職(事務)の募集要項を参考にまとめました。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | グローバルスタッフ職(オペレーション、ビジネス・マーケティング、コーポレートなど) |
| 業務内容 | ANAグループの経営を担う人財として、様々な部門で企画・管理業務に従事。ジョブローテーションを通じてキャリアを形成する。 |
| 給与 |
|
| 賞与 | 年3回(夏季・年末・期末)※2024年度実績 |
| 研修制度 | 階層別研修、海外実務研修、自己啓発プログラム(オープンセミナー・通信教育など)、各種専門教育 |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、家族手当、住宅手当、ANAグループ優待航空券制度、懐妊・育児休職、介護休暇など |
職種によって給与や勤務形態が異なるため、詳細は必ず公式サイトで確認してください。
求める人材
ANAグループでは、グループ行動指針である「ANA’s Way」を体現できる人財を求めています。
| 求める人物像 | 詳細 |
| あんしん、あったか、あかるく元気! | お客様や仲間に対して、誠実で思いやりのある行動ができる。 |
| 安全 | 安全を経営の基盤と捉え、何事においても安全を絶対的な価値基準として行動する。 |
| お客様視点 | 常にお客様の視点に立ち、最高の価値を提供するために努力を続ける。 |
| 社会への責任 | 社会の一員としての責任を自覚し、社会の発展に貢献する。 |
| チームスピリット | 多様性を受け入れ、仲間と協力し、組織として大きな力を生み出す。 |
| 努力と挑戦 | 現状に満足せず、高い目標を掲げ、失敗を恐れずに挑戦し続ける。 |
これらの価値観に共感し、自らの強みを発揮してANAグループの成長に貢献したいという強い意志を持つ人材が求められています。
新卒採用のフロー
ANAの選考フローは職種によって異なりますが、一般的に以下の流れで進められます。
- エントリーシート提出
- 適性検査(SPI)
- グループ面接(2回)
- 個人面接
- 内々定
それぞれの選考フローについて、詳しく解説します。
エントリーシート提出
ANAへの志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)など、基本的な質問が中心です。なぜJALではなくANAなのか、ANAで何を実現したいのかを、自身の経験と結びつけて具体的に記述することがポイントです。
適性検査(SPI)
形式はSPI形式が採用されていることが多いようです。しかし、年度によって変更される可能性があるので頭に入れておきましょう。
グループ面接(2回)
複数回のグループ面接が実施されることが多いようです。協調性やコミュニケーション能力に加え、限られた時間のなかで自分の意見を的確に伝える論理的思考力が試されます。
個人面接
最終選考に近い段階で、学生1人に対して複数の面接官で行われます。エントリーシートの内容を深く掘り下げられ、ANAへの入社意欲や人柄、将来性などを総合的に評価されます。
内々定
複数回の面接を通過すると、内々定となります。
採用大学
ANAの採用大学実績は以下のとおりです。
| 東北大学、横浜国立大学、慶應義塾大学、名古屋大学、電気通信大学、早稲田大学、大阪府立大学、京都大学、東京工業大学、上智大学 、東京大学、東京農工大学、国際基督教大学、名古屋工業大学、大阪大学、首都大学東京、青山学院大学、広島大学、北海道大学 、神戸大学 、中央大学、鹿児島大学、九州大学、関西学院大学、法政大学、東京理科大学、一橋大学、関西大学、立教大学、筑波大学、同志社大学、東海大学、成蹊大学、国際教養大学、東洋大学、青山学院大学、東京外国語大学、山口大学、明治大学、日本大学、立命館大学など |
東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、青山学院大学といった難関大学が名を連ねています。
一方で、全国の国公立大学や私立大学から幅広く採用している実績もあり、明確な学歴フィルターがあるとは断定できません。
しかし、人気企業であるため結果的に高学歴層の応募者が多くなり、採用実績も上位校に偏る傾向があると考えられます。大学名に関わらず、入念な準備が不可欠です。
就職偏差値・難易度
ここまでの情報を踏まえると、ANAの就職偏差値・難易度は極めて高い「最難関レベル」と言えるでしょう。その理由として、以下の3点が挙げられます。
- 業界トップクラスの人気と知名度:航空業界のリーディングカンパニーであり、就活生からの人気が非常に高い。
- 高い競争倍率:採用人数に対して応募者が殺到するため、競争倍率は必然的に高くなります。
- 求める人材像のレベルの高さ:「ANA’s Way」に代表されるように、高いレベルの人間性や主体性、挑戦意欲が求められる。
頻出質問である「志望動機」や「ガクチカ」について、ANAというフィールドでなければならない理由を論理的に説明できるレベルまで自己分析と企業研究を深めることが、内定への鍵となります。
さいごに
ANAは、日本の航空業界を牽引し、世界中に翼を広げるリーディングカンパニーです。その事業規模の大きさや社会貢献性の高さから、就職先として絶大な人気を誇ります。
就職難易度は非常に高いですが、ANAの理念に共感し、そこで自らを成長させたいという強い情熱を持つ学生にとっては、挑戦する価値のある企業です。この記事で紹介した企業情報や選考対策を参考に、万全の準備で選考に臨んでください。



