びわこリハビリテーション専門職大学の学生が選ぶ就職先は?就活の実態と傾向を徹底解説
2025年11月9日更新
はじめに
びわこリハビリテーション専門職大学に在籍する学生の多くが、「地域医療への貢献」と「専門性の追求」に対して強い使命感を持ち、就職活動においても患者さんに寄り添える医療機関を慎重に選択しています。「こころ」と「からだ」のプロフェッショナルを目指す彼らが描く将来像は、単なる技術者ではなく、患者さんの気持ちを理解し、共感し、思いやることのできるリハビリテーション専門職です。
2024年3月に卒業した1期生は、45.7%が滋賀県内に就職し、滋賀医科大学医学部附属病院や滋賀県立総合病院、大津赤十字病院などの基幹病院で活躍をスタートさせています。これらの就職先に共通するのは、高度な医療技術への挑戦機会、充実した教育・研修制度、そして地域包括ケアシステムの中核を担う重要な役割です。特に「チーム医療」「地域密着」「生涯学習」を重視する医療機関ほど、同大学が育成する人材の特性と合致しやすいといえます。
2020年4月に開学した滋賀県初の専門職大学として、同大学は従来の3年制専門学校教育の限界を超え、実践的な職業教育をベースに、高度化する専門分野を新たな発想でリードし、新しいサービスを作り出せる人材を養成しています。
本記事では、びわこリハビリテーション専門職大学の学生の主な就職先や施設種別ごとの傾向、学科による進路の違い、さらには卒業後のキャリア形成まで詳しく解説します。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を目指す学生や受験生、その保護者にとって、実践的な進路選択の指針となる内容をお届けします。
びわこリハビリテーション専門職大学の学生の就職先おすすめ5選
びわこリハビリテーション専門職大学の卒業生が選ぶ人気医療機関には、地域医療の最前線を担う基幹病院や専門性の高いリハビリテーション施設が並びます。
たとえば、2024年3月に卒業した1期生では、卒業生46名のうち45.7%が滋賀県内に、21.7%が隣接する京都府内に就職した実績があります。滋賀医科大学医学部附属病院には複数名が、滋賀県立総合病院や大津赤十字病院にもそれぞれ内定者を輩出しました。
これらの医療機関は、高度なリハビリテーション技術への挑戦機会、充実した新人教育制度、チーム医療の実践環境を提供する点で学生からの支持を集めています。直近の就職実績から、特に選ばれている医療機関5施設を紹介します。
京都武田病院(京都府)

出典:京都武田病院
京都武田病院は、滋賀県外での就職先として上位にランクインする総合病院であり、びわこリハビリテーション専門職大学の学生の間でも高い人気を誇ります。特に整形外科領域での人工関節手術からリハビリテーションまでの一貫した治療体制への関心が高く、専門性を深めたい学生に選ばれています。
主な特長
- 人工関節手術からリハビリまで一貫した治療体制
膝や股関節の人工関節手術からリハビリテーションまでトータル的に考えた治療を提供。整形外科領域での専門性を深めることができる環境が整備されています。 - 多様な専門外来でスキルアップが可能
腎臓内科外来・生活習慣病外来・リウマチ外来・人工関節外来・もの忘れ外来・頭痛外来・禁煙外来など豊富な専門外来を開設し、幅広い疾患への対応力が身につきます。 - 透析医療とリハビリの連携経験
外来透析や臨時透析・在宅透析を実施しており、専門性の高い分野である透析患者のリハビリテーションの経験が積めます。
社風・働き方
- 「心のかよう医療と介護」を実践
患者さんに対する温かくやさしい心配りを重視し、患者中心の医療を実践する職場環境が整っています。 - 予防医療からリハビリまで幅広い経験
健康診断や人間ドック・脳ドックから治療、リハビリテーションまで、疾病の予防から回復まで一貫して関われる環境です。
- 関西圏全体での活躍を目指したい
- 整形外科領域の専門性を高めたい
- 人工関節手術患者のリハビリに関わりたい
- 透析患者のリハビリテーションを学びたい
- 心のかよう医療を実践したい
近江八幡市立総合医療センター

407床を有する近江八幡市立総合医療センターは、東近江地域における中核病院として近隣の医療機関とも協力し、さまざまな疾患に対する医療を提供するべく、救急救命、災害、周産期母子医療、地域医療など幅広く活動を続けています。びわこリハビリテーション専門職大学の学生の間では「総合病院で幅広い症例を経験できる病院」としての評価が高い傾向です。
主な特長
- 多領域での採用があり、幅広い経験を積める
20の診療科目を有する総合病院として、内科、外科、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、小児科、産婦人科など多様な領域でリハビリテーションを経験できます。新卒でさまざまな症例に触れる貴重な環境です。
- 災害拠点病院としての専門性を身につけられる
災害拠点病院として、重症患者の受け入れや災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣を行っています。特殊な領域である災害時リハビリテーションのスキルも習得できます。
- 周産期医療での経験が可能
県内の各「周産期協力病院」と連携し、地域の周産期医療機関を機能的にバックアップしており、専門分野である母子に対するリハビリテーションの経験を積めます。
社風・働き方
- 地域医療の最前線を担う使命感
東近江地域の中核病院として、地域住民の健康を支える重要な役割を担う職場環境。社会的意義の高い仕事に従事できます。
- 多職種連携の実践環境
救急救命から災害医療、周産期医療まで幅広い分野で、医師・看護師・薬剤師など多職種とのチームワークを実践する機会に恵まれます。
- 総合病院で幅広い症例を経験したい
- 多領域でのリハビリテーションに挑戦したい
- 災害医療や救急医療に関わりたい
- 地域医療の中核を担いたい
- 市立病院の安定した環境で働きたい
豊郷病院

出典:公益財団法人 豊郷病院
豊郷病院は、滋賀県東部に位置する地域中核病院として、地域住民の健康を幅広く支えてきました。特にリハビリテーション分野においては、理学療法士・作業療法士の採用実績が多いことで知られており、びわこリハビリテーション専門職大学の卒業生からも強い支持を集めています。
主な特長
- 地域に根ざしたケアミックス型医療体制
急性期から回復期、精神医療、在宅支援まで幅広く対応するケアミックス型病院として、地域包括ケアやリハビリテーションを強く支援する体制が整っています。 - 医療・介護・教育の三本柱で地域支援
「医療」「介護」「教育」の3事業を包括的に展開し、地域住民の健康と暮らしを家族のような存在として支える体制を築いています。教育面では、臨床精神医学研究所による研究・研修も行われています。 - 長い歴史と地域からの信頼
1925年に開設され、98年以上の歴史を持つ老舗病院として地域に信頼されています。地域住民に寄り添った医療提供を理念とし、現在もその精神を受け継ぎ続けています。
社風・働き方
- 新卒者に手厚いサポート体制
豊郷病院では、若手リハ職が安心して働けるよう、教育・研修体制に力を入れています。経験豊富な先輩職員による指導のもと、症例検討や現場での実践を通じて、着実にスキルを高められる環境です。 - チーム医療での実践経験
医師・看護師・管理栄養士・ソーシャルワーカーなど、多職種が連携するチーム医療に参加できることも大きな魅力です。若手のうちから他職種との協働力を磨ける点は、将来のキャリアに直結します。
- 地域医療に貢献したい人
- 幅広い臨床経験を積みたい人
- リハビリ職として成長したい人
- 医療だけでなく介護・福祉にも関わりたい人
- 歴史ある病院で安定して働きたい人
ヴォーリズ記念病院(公益財団法人近江兄弟社)

出典:ヴォーリズ記念病院
ヴォーリズ記念病院は、滋賀県近江八幡市に位置する公益財団法人近江兄弟社が運営する病院です。びわこリハビリテーション専門職大学の学生が実習で訪れる機会が多く、卒業後の就職先としても人気があります。地域医療を支える中核病院として、地元志向の学生から強い支持を集めています。
主な特長
- 実習から就職へとつながる環境
学生時代からリハビリ実習で関わることが多く、実習経験がそのまま就職後のスムーズな適応につながる点が大きな魅力です。 - 地域医療の中核を担う病院
近江八幡市を中心とした地域医療を支えており、「地元で働きたい」学生にとって理想的な職場環境。外来・入院ともに幅広い患者層に対応し、地域包括ケアの一翼を担っています。 - 多職種連携による実践的学び
医師・看護師・リハ職・薬剤師・栄養士などが協働するチーム医療体制が確立されており、若手リハ職も早期から現場の一員として参加できます。
社風・働き方
- 新卒者に優しい教育体制
実習経験があるため新人も馴染みやすく、先輩職員によるフォローが充実。安心して成長できる環境があります。 - 地域に根ざしたキャリア形成
長く地域に密着した病院であるため、安定したキャリアパスを築きたい人にとって理想的です。
- 実習での経験を土台に、安心してキャリアを築いていきたい
- 地域医療に貢献したい
- 多職種連携の現場で経験を積みたい
- 新卒として安心できる教育環境を求めている
- 地元に根ざしたキャリアを築きたい
琵琶湖中央リハビリテーション病院

琵琶湖中央リハビリテーション病院は、滋賀県内最大級の回復期リハビリテーション専門病院です。びわこリハビリテーション専門職大学の卒業生が多く就職している病院として知られ、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士をはじめとする多職種が活躍しています。高度で専門的なリハビリ医療を提供する環境は、学生にとって魅力的です。
主な特長
- 回復期リハビリテーションに特化した専門病院
脳血管疾患や整形外科疾患などの患者に対して、集中的かつ専門的なリハビリテーション医療を提供。回復期医療に特化しているため、リハ職として専門性を深める絶好の環境です。 - 多職種協働によるチームアプローチ
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を中心に、医師、看護師、栄養士、ソーシャルワーカーなどが一体となって患者支援を行います。チーム医療の中で実践的なスキルを培えることが大きな強みです。 - 卒業生就職実績が圧倒的に多い
びわリハ生にとっては定番ともいえる就職先であり、豊富な卒業生のネットワークが存在。先輩職員のサポートを受けながら安心してキャリアをスタートできる点も高く評価されています。
社風・働き方
- 専門性と教育体制の充実
新人研修や症例検討会を通じて、臨床能力を体系的に高められる教育環境が整備されています。リハ職として着実に成長できるフィールドがあるのが特徴です。
- 地元志向のキャリア形成
滋賀県内を中心に地域医療を支えており、「地元で長く安定して働きたい」学生にとって理想的な職場。地域住民との距離が近く、やりがいを実感しやすい環境です。
- 回復期リハビリの専門性を徹底的に深めたい
- 多職種と協働しながら臨床経験を積みたい
- 卒業生ネットワークのある職場で安心して働きたい
- 系統的な教育体制の中で成長したい
- 地元・滋賀で安定したキャリアを築きたい
就活で成功したいなら、性格診断を受けてみよう
びわこリハビリテーション専門職大学の学生に人気の企業を見てきましたが、「自分にはどんな働き方が向いているのだろう?」と悩む方も多いはず。自分に合った就職先を見つけるには、まず自分自身を深く知ることが重要です。
就活ハンドブックが提供している性格診断では、あなたの価値観、性格特性、仕事への志向性を知ることができます。チャレンジ精神が強いのか、安定志向なのか、個人で成果を出すタイプか、チームで力を発揮するタイプか。たった5分の診断で、明らかになります。
自分らしいキャリアを築くための自己分析として、ぜひ活用してください。
文系・理系で異なるキャリア志向
びわこリハビリテーション専門職大学の場合、理系的な学びの特性がキャリア形成に強く表れています。三つの学科で専門分野ごとの「理論から実装へ」の志向が鮮明です。
理系:専門性を軸とした職能志向
びわこリハビリテーション専門職大学では、理系ならではの高度な専門知識や技術を活かし、医療・福祉領域のさまざまな職場に進出しています。
- 総合病院・リハビリ専門病院は、理学療法士として運動療法・歩行訓練・身体機能の回復支援を担当。「科学的根拠に基づいた評価・訓練」で患者の機能改善を目指す実践型キャリアが主流です。
- 精神科病院・介護老人保健施設・福祉施設は、作業療法士として心身機能の改善、社会参加の促進、日常生活の回復など、生活全体を支える包括的なリハビリを行います。心理学や作業科学の知見を活かして多角的支援を展開しています。
- 小児発達支援センター・地域包括支援施設・医療機関(リハ科)は、言語聴覚士として、言語・音声・嚥下障害などの専門支援を提供。コミュニケーションや食事といった「生活の質」を支える役割で、幅広い年齢層に対応しています。
これらの職能志向は、「数式・科学的評価・実験」を通じて理論と実践を結びつけ、現場でのアウトプットに還元する理系特有のキャリア形成といえます。
志向の違いの背景にあるもの
びわこリハビリテーション専門職大学の学生は、「理論から実装へ」の学びを根底に、科学的知見・専門技術を社会・医療現場での支援や成果につなげています。抽象的な制度設計や組織変革ではなく、「理論や知識を現実に活かす」ことを重視し、地域医療・福祉の最前線で実務型専門職として貢献しています。
学部別での進路傾向の違い
びわこリハビリテーション専門職大学では、学生の進路は所属する学科によって顕著に異なります。これは、各学科での専門的な学びに加え、培われる価値観や教育方針がキャリア観に強く影響するためです。以下に、三つの学科ごとの進路傾向を詳しく紹介します。
理学療法学科:身体機能回復を中心とした多分野展開
理学療法学科は、入学定員70名を有する同大学の中核学科として、長年にわたり身体機能回復のスペシャリストを輩出してきました。2024年度の国家試験では受験者数66名、合格者数57名、合格率86.4%の実績を誇ります。
- 主な進路先:滋賀医科大学医学部附属病院、滋賀県立総合病院、近江八幡市立総合医療センター、琵琶湖中央リハビリテーション病院、スポーツ・フィットネス施設 など
- 特徴的な動き:医療機関以外にも、スポーツ・フィットネス施設など障害予防を目的とした運動指導を行い、一般の方やスポーツ選手に対するサポートを行う分野への就職も増加している
- 価値観の傾向:身体機能の改善や運動療法への関心が高く、「動作を通じた社会復帰支援」に貢献したい志向が見られます
作業療法学科:生活支援を軸とした包括的アプローチ
作業療法学科は、入学定員30名の少数精鋭体制で、日常生活全体をサポートする専門家としての評価が高く、医療から福祉まで幅広い分野への就職が中心です。2024年度の国家試験では受験者数25名、合格者数17名、合格率68.0%となっています。
- 主な進路先:豊郷病院、ヴォーリズ記念病院、通所介護施設、訪問リハビリテーション提供施設、就労移行支援事業所、児童福祉施設 など
- 行政・地域機関への展開:保健所・地方自治体・教育・研究機関など地域包括ケアシステムを中心とした地域のリハビリテーション関連施設で作業療法業務(マネジメント業務等)を行います
- キャリア観の特徴:生活の質向上や社会参加への支援を志向する傾向があり、「包括的な生活支援」への興味が強い
言語聴覚療法学科:コミュニケーション支援に特化した専門志向
言語聴覚療法学科は、2024年度に開設された最新学科として、入学定員20名の専門性重視の体制で、コミュニケーション障害の改善に特化した高度専門職の育成を行っています。開設間もないため国家試験実績はまだありませんが、高い専門性を要求される分野です。
- 主な進路先:国立病院機構・公立病院・大学病院・民間病院・診療所などが中心で、医療機関への就職が主流
- 専門分野への特化:脳血管疾患後の失語症患者や発達障害児への言語指導、嚥下障害のリハビリテーションなど高度専門治療に従事
- キャリア観の傾向:コミュニケーションの改善や維持を言語聴覚療法によって実現することにやりがいを感じ、特定の分野で専門性を深めていく志向が強いのが特徴です。
このように、学科ごとの専門領域と教育方針が、その後のキャリア選択に直結する構造になっているのがびわこリハビリテーション専門職大学の進路の特徴です。
そのため、進学する学科を選ぶ段階から、「どのような医療・福祉分野で活躍したいのか」「どんなリハビリテーション専門職として社会に貢献したいのか」といった将来像を明確に描いておくことが、理想のキャリア構築において重要となります。
OB/OGインタビュー|卒業生の体験談
2020年4月に開学したばかりのびわこリハビリテーション専門職大学は、2024年3月に初めての卒業生を輩出しました。理学療法学科39名、作業療法学科7名の計46名の記念すべき1期生は、どのような考えで就職先を選び、どんな準備をして内定を勝ち取ったのでしょうか。今回は、総合病院への内定を獲得した1期生の体験談を通じて、新設校ならではのリアルな就活の現場と成功のヒントをお届けします。
総合病院への内定した理学療法学科OBからのアドバイス
「医療現場では、患者さんへの真摯な姿勢と専門性の両方が問われます。長年サッカーをしていた経験から、ケガをした人を支える仕事がしたいと考え理学療法士をめざしました。実習先の総合病院やクリニックで多様な患者さんと関わる中で、脳・心臓・整形など幅広い領域の症例に関わりたいと考えるようになり、総合病院への就職を希望しました」と語ります。
びわこリハビリテーション専門職大学のキャリア支援ではどんな支援が受けられる?
びわこリハビリテーション専門職大学では、学校法人藍野大学が運営する藍野大学キャリア開発・研究センターを通じて、学生一人ひとりの進路希望に寄り添う充実した支援が提供されています。
個別就職相談・面接指導
各ゼミの担当教員が学生をさまざまに支援する制度が整っており、就職活動に向けても手厚いサポートを受けられます。実際の支援では、就職試験の時期には定期的に研究室に通い、志望先に適した履歴書の内容や表現の工夫、面接時に想定される質問への答え方など細かい指導が特徴です。
この個別指導により、学生はしっかりと準備を整えることができ、自信を持って面接に臨み、第一志望の病院に合格する成果を上げています。
国家試験対策支援
本学に在籍している学生へ国家試験等の対策や就職情報の提供を行い、キャリアサポートの充実に取り組みます。2024年度の国家試験では、理学療法学科で受験者数66名、合格者数57名、合格率86.4%、作業療法学科で受験者数25名、合格者数17名、合格率68.0%の実績を達成しています。
実習制度を活用した進路指導
実習で整形外科クリニックや総合病院、介護関連施設など、理学療法士が関わる各職域を学ぶ機会を提供し、学生が実際の医療現場を体験することで適切な進路選択ができるよう支援しています。
実習を通して視野が広がり、他の分野にも興味を持つ学生が多くいます。特に、内定をいただいた病院での経験が印象深く、職場環境やスタッフとの関わりを通じて「ここなら自分も成長できる」と感じたことが、進路決定の大きなきっかけとなっています
法人全体のネットワーク活用
学校法人藍野大学には、藍野大学、びわこリハビリテーション専門職大学、藍野大学短期大学部、藍野高等学校、明浄学院高等学校が設置されており、一貫性のある体系的な教育システムを構築し、これまで多くの医療人を輩出してきました。
この開学より培ったさまざまな教育資源やネットワークを生かしたノウハウにより、豊富な就職先情報と実績に基づいた効果的な支援が可能となっています。
その結果、1期生の45.7%が滋賀県内に、21.7%が隣接する京都府内に就職し、理学療法学科、作業療法学科ともに就職率100.0%の優秀な実績を達成しています。
入社後のキャリアパス
びわこリハビリテーション専門職大学を卒業した後のキャリアは、就職先の医療機関や個人の専門志向によってさまざまですが、共通して見られるのは「専門性の追求」と「地域医療への貢献」を軸としたキャリア形成です。
大学病院や基幹病院に進んだ卒業生は、入職後数年で認定理学療法士や専門理学療法士の資格取得を目指すケースが多く、学術活動と臨床実践を両立させながらキャリアを積み重ねます。特にびわリハ卒の人材は、実習制度で培った多領域対応能力を活かし、複数の診療科を経験しながら総合的な視点を磨く機会に恵まれる傾向があります。
一方で、専門病院においては回復期リハビリテーションの集中的な経験が可能で、短期間での技術向上が期待できる分、管理職への昇進や他施設への転職といったキャリアアップも活発に見られます。数年の臨床経験を経て認定資格取得や大学院進学を果たす人も多く、専門性を起点とした自律的なキャリアが一般的です。
また、地域中核病院や福祉施設など地域密着志向の職場を選ぶ卒業生も少なくありません。こうした分野では、地域包括ケアシステムへの参画と長期的なポジション形成が重視されますが、近年では訪問リハビリテーションや介護予防事業への展開を見据えたスキル設計も重要視されるようになっています。
いずれの進路でも、入職後の実地経験を通じて専門分野を絞り込む「専門領域の選択」の過程は重要であり、働きながらも自らの適性や興味を継続的に見極める姿勢が、現代のリハビリテーション専門職のキャリア形成には不可欠です。
満足のいく就活を円滑に進めるための3箇条
びわこリハビリテーション専門職大学の学生が就職活動を進めるうえで重視すべきことは、実習制度と大学の支援体制を最大限活用し、自身の適性に合った医療機関選びを確実な情報で実行することです。就職率100.0% の実績を支える成功要因を分析すると、準備段階での取り組みが大きく影響していることが分かります。本章では、円滑かつ納得のいく就活を実現するための基本指針を3つの観点から紹介します。
その1)実習制度を活用して職場理解を深めよう
就職活動の出発点は、実際の医療現場での体験を通じた職場理解にあります。実習で整形外科クリニックや総合病院、介護関連施設など、理学療法士が関わる各職域を学ぶ機会を最大限活用しましょう。
- 各実習先での業務内容と職場環境の詳細な観察
- 指導者や先輩スタッフとの積極的なコミュニケーション
- 患者さんとの関わりを通じた理学療法士の役割理解
- 実習記録での振り返りと自己分析の蓄積
医療業界専門誌や最新の医療ニュースに目を通しておくと、医療機関への理解がぐっと深まります。実際、1期生の中には「スポーツ分野に進みたい」と考えて入学したものの、実習を通じて視野が広がり、ほかの分野にも関心を持つようになった学生もいます。こうしたように、早い段階から幅広い情報収集を行うことが、自分に合った進路をスムーズに絞り込むための大きな助けになるのです。
その2)大学の個別支援制度を徹底活用しよう
びわこリハビリテーション専門職大学では、各ゼミの担当教員が学生一人ひとりを手厚くサポートする体制が整っています。就職活動においても、少人数制の強みを活かした個別指導が受けられるのは大きな魅力です。
具体的には、次のようなサポートを通じて着実に力を伸ばせます。
- 定期的に研究室へ通い、継続的な指導を受ける
- 志望先に合わせた履歴書の内容や表現の工夫を学ぶ
- 面接を想定した実践的な質疑応答の練習
- 教員からの客観的フィードバックをもとに自己分析を深める
成功事例の1つに、就職試験の時期にこうした指導を継続的に受け、履歴書の仕上げ方から面接対応まで丁寧に準備を重ねた結果、自信を持って試験に臨み、第一志望の病院から内定を獲得した例があります。
このように、大学の個別支援制度を積極的に活用することで、自分に合ったオーダーメイドの対策が可能となり、就職活動を大きく有利に進められます。
その3)地域医療ニーズを理解して戦略的に活動しよう
1期生のうち、45.7%が滋賀県内、21.7%が隣接する京都府内に就職していることからも分かるように、大学の理念でもある地域医療への貢献を理解したうえで、戦略的に就職活動を進めることが重要です。
- 滋賀県内の医療機関の特徴と求める人材像の研究
- 豊郷病院、公立甲賀病院、琵琶湖中央リハビリテーション病院など主要就職先の分析
- 京都府などの隣接地域も含めた広域的な就職市場の把握
- 「滋賀県内のリハビリテーション専門職の充足」に貢献する使命感の醸成
社会的背景にある「地域のリハビリテーション専門職不足」を理解し、自分のキャリアビジョンと地域貢献の両立を図ることで、より説得力のある志望動機を構築できます。
まとめ|びわこリハビリテーション専門職大学の学生の就職活動はここがポイント!
びわこリハビリテーション専門職大学の学生が納得のいくキャリア選択を実現するためには、実習制度による現場体験と教員による個別指導を両輪とした戦略的な姿勢が必要です。特に新設校の1期生として、前例がない中でも就職率100.0%を達成したことは、これらの取り組みの有効性を実証しています。
以下のポイントを押さえることで、後悔のない進路選択につながるでしょう。
- 実習での現場体験:職場環境やスタッフの方々との関わりから「ここでなら自分も成長できる」と実感を得る
- 個別指導の最大活用:担当教員からの細かい指導により、志望先に特化した対策を実施
- 地域医療への理解:滋賀県を中心とした地域医療ニーズを踏まえた戦略的な就職活動
これらの視点をもとに、地域医療への貢献と個人のキャリア実現を両立させた現実的かつ希望に満ちたキャリアを築いていくことが求められます。皆さんも、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士としての第一歩を踏み出すために、ぜひこれらの制度を積極的に活用していきましょう。
