ものつくり大学の学生が選ぶ就職先No.1は?就活の実態と傾向を徹底解説
2025年9月13日更新
はじめに
ものつくり大学に在籍する学生の多くは「世の中の役に立つ『もの』は、すべて人間が作り出す」という理念を持っています。
理論と実践を融合させた学びを通じて、自らの手で社会に貢献できる技術者・技能者になるという明確な目標を持って就職活動に臨んでいるのが特徴です。
本記事では、ものつくり大学生に人気の就職先ランキングをはじめ、学生一人ひとりのキャリア形成を力強く後押しする大学の支援体制、そして満足のいく就職活動を成功させるための具体的なポイントを詳しく解説します。
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ものつくり大生が選ぶ就職先ランキングTOP5
ものつくり大学の卒業生が選ぶ就職先には、日本の産業を支える大手メーカーや社会インフラを担う建設業界の優良企業が名を連ねているのが特徴です。ここでは、近年の就職実績や学生からの人気度を基に、特に支持されている企業TOP5を具体的な特徴とともに紹介します。
第5位:スズキ株式会社
出典:スズキ
軽自動車や二輪車で世界的に知られるスズキは「小さなクルマ、大きな未来。」をスローガンに、人々の生活に密着したものづくりを続けるメーカーです。実践的な技術者を求める企業文化が、ものつくり大学の学生にとって大きな魅力となっています。
主な特長
- 人々の生活に寄り添うものづくり
世界中の人々の暮らしに役立つ、コンパクトで燃費の良いクルマやバイクを開発・生産する社会貢献性の高い仕事です。
- 若手から挑戦できる風土
「やってみよう」の精神を大切にし、若手社員にも積極的に仕事を任せる風土があります。自身のアイデアを形にできるチャンスが豊富です。
- グローバルな活躍のフィールド
インド市場で圧倒的なシェアを誇るなどグローバルに事業を展開しており、海外で活躍できる可能性があります。
社風・働き方
現場を大切にし、チーム一丸となってより良い製品を追求する、地に足のついた実直な社風です。部署間の垣根が低く、コミュニケーションが活発なのも特徴です。
- 自動車やバイクが好きで、ものづくりに携わりたい
- 若いうちから責任ある仕事に挑戦したい
- グローバルな舞台で活躍したい
- チームワークを大切にする会社で働きたい
第4位:株式会社大林組
出典:大林組
日本を代表するスーパーゼネコンの1つである大林組は、国内外のランドマークとなる建築物や社会インフラを手がけています。東京スカイツリーをはじめとする大規模プロジェクトに携われるスケールの大きさが、建設業界を志す学生を惹きつけています。
主な特長
- 地図に残る仕事
超高層ビルや大規模な橋梁、トンネルなど、社会の基盤となり、後世まで残る構造物の建設に携わる大きな誇りとやりがいのある仕事です。
- 最先端の技術力
建設業界のリーディングカンパニーとして、常に最先端の技術開発に取り組んでいます。最高の環境で技術者として成長できます。
- 充実した人材育成
新入社員研修はもちろん、OJTや階層別研修が充実しており、一人前の技術者へと着実に成長できる体制が整っています。
社風・働き方
「誠実なものづくり」を信条とし、品質と安全を何よりも重視する社風です。大規模なプロジェクトを成功させるため、多様な専門家が協力し合うチームワークが不可欠です。
- スケールの大きな仕事で社会に貢献したい
- 地図に残るような、ものづくりがしたい
- 最先端の技術を学び、専門性を高めたい
- 安定した大手企業でキャリアを築きたい
第3位:積水ハウス株式会社
出典:積水ハウス
住宅業界のリーディングカンパニーである積水ハウスは、お客様の人生に深く寄り添い、夢である「家づくり」をサポートする仕事のやりがいや大手ならではの安定性とブランド力から、建設学科の学生を中心に多くの支持を集めているのが強みです。
主な特長
- お客様の「生涯のパートナー」となる仕事
住宅の提案から設計、施工、アフターサービスまで、お客様と長期的な信頼関係を築きながらその方の人生に深く関わります。
- 業界を牽引する技術力とブランド力
高い耐震性や優れたデザイン性、環境配慮技術など業界トップクラスの商品力があるため、自信と誇りを持ってお客様に提案できます。
- 「ものづくり」の専門性を活かせる
お客様の理想を形にする設計職や現場の品質を管理する施工管理職など、大学で培った専門知識を直接活かせる職種が豊富です。
社風・働き方
お客様第一の姿勢が徹底されており、誠実で真摯な社員が多いのが特徴です。各分野のプロがチームを組んでお客様の家づくりをサポートするため、チームワークを大切にする文化があります。
- お客様と深く長く付き合う仕事がしたい
- 質の高い、誇れる商品を扱いたい
- 安定した大手企業でキャリアを築きたい
- チームで協力してものづくりに取り組みたい
第2位:清水建設株式会社
出典:清水建設
大林組と並ぶスーパーゼネコンの清水建設は「子どもたちに誇れるしごとを。」というメッセージで知られています。伝統建築の保存・修復から最新鋭のビル建設まで幅広い分野で高い技術力を発揮しており、ものづくりへの真摯な姿勢が学生から高く評価されているのが特徴です。
主な特長
- 伝統と革新を両立するものづくり
数多くの文化財の保存・修復を手掛ける伝統技術と未来の社会を創造する革新的な建設技術の両方に携われます。
- 「人」を大切にする社風
創業以来「論語と算盤」を拠り所に、人を大切にする経営を貫いています。社員が安心して長く働ける環境です。
- 手厚い教育制度
現場でのOJTに加え、技術研究所での研修など技術者を育てるための教育制度が充実しています。
社風・働き方
誠実で真面目な社員が多く、一つひとつの仕事に誇りと責任感を持って取り組む社風です。若手の意見にも耳を傾け、挑戦を後押しする温かい雰囲気があります。
- 質の高い誇れるものづくりがしたい
- 伝統的な建築にも最新の建築にも興味がある
- 人を大切にする会社で安心して長く働きたい
- 手厚い研修制度のもとで成長したい
第1位:大和ハウス工業株式会社
出典:大和ハウス工業
住宅事業を中核としながら商業施設、物流施設、環境エネルギー事業など幅広い領域で事業を展開する企業です。その事業の多様性と若手から挑戦できる風土がものつくり大学生を惹きつけ、人気の高い就職先となっています。
主な特長
- 社会課題の解決に貢献
住宅の提供だけでなく、街づくりや再生可能エネルギー事業などスケールの大きな事業を通じてより良い社会の実現に貢献できます。
- 多様な事業領域とキャリアパス
住宅の施工管理、設計から法人向けの事業施設開発、海外事業まで本人の意欲と適性次第で多様なキャリアパスが描ける環境です。
- 挑戦を後押しする企業文化
「チャレンジする人を応援する」という文化が根付いており、若手にも積極的に大きな仕事を任せる風土があります。
社風・働き方
「世のため、人のため」という創業の精神が根付いており、社会貢献への意識が高い社員が多いのが特徴です。変化を恐れず、常に新しいことに挑戦するスピード感のある職場です。
- スケールの大きな仕事で社会に貢献したい
- 若いうちから多様な経験を積んで成長したい
- 安定した大手企業でキャリアを築きたい
- 変化を楽しみ新しいことに挑戦するのが好き
就活で成功したいなら、性格診断を受けてみよう
人気の企業ランキングを見て「自分にはどんな働き方が合っているのだろう?」と改めて考えた方も多いのではないでしょうか。自分にぴったりの就職先を見つけるには、まず自分自身の強みや価値観を客観的に理解する必要があります。
性格診断ツールを活用すれば、自分が大切にする働き方や、どのような環境で力を発揮できるタイプなのかを明らかにできます。自己分析を深め、後悔のない企業選びをするための一歩として、ぜひ活用してください。
学科別での進路傾向の違い
ものつくり大学の進路傾向について、学科ごとに見ていくとそれぞれの専門性が卒業後のキャリアにどう結びついているかがより鮮明になります。
製造学科:大手メーカーの技術職が中心
製造学科では機械、電気、情報、化学といったものづくりの基盤となる幅広い技術を学びます。卒業生の多くが知識と実践力を活かせるメーカーの技術職として活躍しています。
- 主な進路先: スズキ、SUBARU、日野自動車、本田技研工業、トヨタ自動車、日産自動車、三菱電機
- キャリア観の特徴: 研究開発、設計、生産技術といった職種で、製品が生まれるプロセスに直接関わりたいという志向が強いです。豊富な実習で培った課題解決能力と実践力を、日本のものづくりを支える現場の最前線で発揮することにやりがいを見出します。
建設学科:スーパーゼネコン・大手ハウスメーカーが中心
建設学科では、木造建築から鉄骨・鉄筋コンクリート造まで建築と土木の知識・技能を幅広く学べるのが強みです。卒業生の多くが専門性を活かせる大手ゼネコンやハウスメーカーの技術職に進みます。
- 主な進路先: 大和ハウス工業、清水建設、大林組、積水ハウス、鹿島建設、竹中工務店、戸田建設
- キャリア観の特徴: 自らの手で、地図や人々の記憶に残る大きなものをつくり上げたいという「ものづくりへの情熱」が顕著です。ゼネコンで大規模プロジェクトの施工管理に携わったりハウスメーカーでお客様の理想の住まいを設計・施工したりと、自身の専門技術で社会に貢献したい強い意志を持っています。
OB/OGインタビュー|卒業生の体験談
実際にものつくり大学から有名企業に就職した先輩たちは、どのような考えで企業を選び、どんな準備をして内定を勝ち取ったのでしょうか。今回は、大和ハウス工業と積水ハウスに就職したOB/OGの体験談を通じて、リアルな就活の現場と成功のヒントをお届けします。
大和ハウス工業へ就職したOBからのアドバイス
「他企業で面接を数回受けて慣れておくことや、ES含めて軸が一貫した受け答えを意識すること、企業の公式HPなどの情報をできるだけインプットしておくことが重要だと考えます。」と話しています。
積水ハウスへ就職したOGからのアドバイス
「事前にモチベーショングラフを提出するため、細かく自己分析を行っておいた方がいいです。一次面接で言ったことの振り返りと、どうしてもハウスメーカーがいい理由、積水がいい理由を明確にしておく。」と述べています。
ものつくり大学のキャリア支援センターではどんな支援が受けられる?
ものつくり大学は「全員と面談、全員を就職させる」という強い意志のもと、学生一人ひとりが希望する「ものづくり」のプロフェッショナルになるための強力なサポート体制を整えているのが特徴です。
学生が自ら歩み出す活動を支援
ものつくり大学のキャリア支援は単に就職先を紹介するのではなく、学生が自らの意志でキャリアを切り拓く力を養うことを基本方針としています。その中心となるのが、1年次から始まる体系的なキャリア教育です。
「キャリアデザイン」の授業を通じて早期から自己理解を深め、ものづくり業界や社会の仕組みについて学びます。学年進行に合わせて、業界研究や実践的な面接対策など段階的なプログラムを提供し、学生の主体的なキャリア形成をサポートします。
インターンシップの充実
ものつくり大学が特に力を入れているのが、就業体験であるインターンシップです。全学生の半数以上が参加するこのプログラムは、単位としても認定されます。
夏季・後期・春季と複数回実施され、参加前にはビジネスマナーや心構えを学ぶ事前指導、参加後には経験を次に活かすための事後指導を徹底しているのが大きな特徴です。日本のものづくりを支える企業の現場を肌で感じる貴重な機会であり、実践力を高め、入社後のミスマッチを防ぐ上で大きな役割を果たしています。
キャリアセンターを設置
キャリア支援の拠点となるのが「キャリアセンター」です。ここには、キャリアカウンセラーの有資格者をはじめとするキャリア支援の専門スタッフが常駐しています。
最大の特徴は、全学生を対象とした「全員面談」を基本としている点です。「自己分析のやり方がわからない」「エントリーシートを添削してほしい」「面接に自信がない」など、就職活動に関するあらゆる悩みや不安を、一対一でじっくりと相談できるのが強みです。
入社後のキャリアパス
ものつくり大学の卒業生は、大学で培った「実践的な技能・技術」を武器にそれぞれの分野で「ものづくりのプロフェッショナル」としてのキャリアを築いていきます。
入社後は配属先の現場でOJTを通じて実務経験を積み、即戦力として活躍します。その後、特定の技術分野を追求するスペシャリストや複数の技術者を束ねてプロジェクトを率いるプロジェクトマネージャー・リーダーへとキャリアアップしていくのが一般的です。
満足のいく就活を円滑に進めるための3箇条
納得のいく就職活動とは、単に有名企業から内定を得ることではなく、自分自身の価値観や目標に合った企業と出会い、入社後もいきいきと働き続けられるキャリアをスタートさせることです。
そのためには、戦略的な準備と自分自身と深く向き合う姿勢が必要です。ここでは、ものつくり大学生が就職活動を成功させ、後悔のない選択をするための基本的な心構えを3つのポイントに絞って解説します。
その1)明確な「就活の軸」を定める
就職活動を始めるにあたって、重要なのが「就活の軸」を定めることです。これは、企業選びにおける自分なりの譲れない基準や価値観を意味します。例えば「地元関東に貢献したい」「人と深く関わる仕事がしたい」「長く活躍できる環境で働きたい」など、何でも構いません。
この軸が明確であれば、膨大な企業情報に惑わされることなく、自分に合った企業を効率的に探せます。さらに、面接で志望動機を語る際にも、一貫性のある力強いメッセージとして相手に伝わるでしょう。
その2)他人と比較せず、自分のペースを守る
就職活動は、友人や周りの学生の進捗状況が気になり、焦りを感じてしまいます。特に「友人がもう内定をもらった」「自分だけが取り残されている」といった比較は、百害あって一利なしです。
就職活動の進め方やゴールは人それぞれであり、早く内定が出ることが必ずしも成功ではありません。大切なのは、他人と比べるのではなく過去の自分と比較して成長できているかを確かめることです。自分の軸を信じ、自分のペースで着実にステップを進めましょう。
その3)不採用は「相性の問題」と捉え、過度に落ち込まない
就職活動を行っていると、不採用通知を受け取ることもあるでしょう。しかし、その結果に一喜一憂し、過度に落ち込む必要はありません。採用は、学生の優劣を決めるものではなく、あくまで「企業との相性(マッチング)」で決まる部分が大きいと理解しましょう。
企業の求める人物像と自分の強みや価値観が合わなかっただけで、あなた自身の価値が否定されたわけではありません。不採用の結果は冷静に受け止め「この会社とは縁がなかっただけ」と気持ちを切り替え、次の選考に向けて準備を進める前向きな姿勢が、最終的な成功を引き寄せます。
まとめ|ものつくり大学生の就職活動はここがポイント!
ものつくり大学の学生が納得のいくキャリアをつかむためには、大学の強みである「圧倒的な実践力」と「ものづくりへの情熱」を、自信を持ってアピールする必要があります。
企業からは、ものつくり大学生の即戦力となる高い技能・技術と真摯にものづくりに向き合う姿勢が高く評価されているのが魅力です。さらに、以下のポイントを意識することで、後悔のない進路選択につながるでしょう。
- キャリアセンターを徹底的に活用する: 親身な個別相談や豊富な企業情報を最大限に利用し、計画的に就活を進める。
- 「実践経験」を自分の言葉で語る: 豊富な実習経験を、具体的なエピソードと企業の求める能力に結びつけて伝える。
- 業界研究を深める: 学内説明会やインターンシップに積極的に参加し、企業のリアルな情報を収集する。
これらの視点を持ち、ものつくり大学での学びに誇りを持って、自分らしいキャリアの第一歩を踏み出してください。皆さんの挑戦を心から応援しています。