スカウト型採用で採用難を打破!自社に有力な人材の探し方
2020年8月15日更新
はじめに
採用担当者の間ではスカウト型採用という言葉が
口にされることがあるのではないでしょうか?
このスカウト型採用は逆求人とも言われ、
近年ベンチャーの中小企業などから大企業までもこの手法を取り入れ始め、
じわじわと増加傾向にある採用手法です。
スカウト型採用の特徴とは一体何なのか?
どういった状況でスカウト型採用を用いるべきなのか?
今回はスカウト型採用を取り巻く疑問にお応えし、その正体に迫りたいと思います!
1.スカウト型採用の特徴とは?
スカウト型採用とは、近年利用する就活生や企業が増加しており、
その名の通り、就活生を採用企業側からスカウトして引き抜く採用手法です。
具体的な方法は、
就活生がスカウト型採用のためのサイトやアプリなどに氏名、大学名、自己PR、自分を象徴するエピソードやプライベート写真などを登録し、
それらの情報をもとに企業が直接メッセージを送ってアポをとり、
選考に持ち込むというやり方です。
代表的なサイトとしては
・「OfferBox」(オファーボックス)
・「FutureFinder」(フューチャーファインダー)、
・「キミスカ」
・「iroots」(アイルーツ)
などがあります。
このスカウト型採用の特徴として挙げられるのは、
まず欲しい人材にターゲットを絞りやすいということです。
特定の個人ではないにせよ、
プロフィールや自己PRなどから就活生の職能やポテンシャル、属性を見極めて、
欲しいタイプの就活生にダイレクトにアプローチすることができます。
またスカウト型採用は、
SNSやサイトにおけるメッセージでのやりとりなどで直接的に就活生に働きかけるので、
自社のブランド力に依存しません。
たとえ、自社がまだ小規模で大企業に比べてブランド力に欠ける場合でも、
就活生に対する手厚いフォローや丁寧なアプローチによって、
欲しい人材の心を掴むことができます。
ただし、
公募したりブランドで大勢の就活生にリーチする採用手法ではないため、
それだけ採用に手間や丁寧さが求められるという意味では、
コストパフォーマンスを考えた時のリスクや効率の面でやや難点があると言えます。
2.採用難の現状を把握しよう
スカウト型採用は、
採用難に立ち向かう新しいタイプの採用手法ではありますが、
実際に現状がどのように採用難なのかを知っておく必要があります。
採用難と一言で言ってもその実態や判断の仕方は様々です。
よく採用市場の良し悪しを見るために有効求人倍率という数字が用いられますが、これはあくまで一つの指標に過ぎず、
この倍率だけからは採用市場の状況を判断するのは難しいでしょう。
採用市場の実態も考慮に入れることで、
採用難の本質的な原因が見えてきます。
まず、採用市場が抱える問題として、
企業に求められている労働人口の減少が挙げられます。
いまどの企業も欲しがっている労働力とは新卒から40代までの比較的若い労働者であり、
働き盛りの人たちですが、少子化の影響もあってこれからどんどん減少していくと考えられます。
当然、少なくなった若い労働力を企業が取り合う形となり、
採用難が起こるのです。
また、採用市場において求人広告が氾濫しているという問題も挙げられます。
従来のオーディション型採用であれば
求人広告などの公募で就活生が企業に赴き、
選考を重ねるというような採用手法が当たり前でしたが、
この採用手法の入り口となる求人広告が多様化していて就活生も迷ってしまいます。
迷った就活生が各々異なる求人サイトに流入することで
一つの求人に対する求職者が分散してしまい、採用難の傾向が高まります。
さらに、今特殊な現状として
従来のオフラインでの説明会や面接などの採用活動を行えず、
オンラインでの採用活動で想定外の不調が生じている企業もあります。
このような採用市場の現状を踏まえつつ、
採用手法を選び、優秀な人材を効率よく採る力が企業に求められるのです。
3.スカウト型採用は採用難を解決する糸口
スカウト型採用は、
欲しい人材にターゲットを絞って直接リーチするという点で、
大規模な公募での採用が悩んでいる「欲しい労働力の減少」や「求人広告の氾濫」などの問題をかいくぐります。
つまり、従来のブランド力で押す採用や公募での採用が強かった現状はだんだんと変わりつつあり、
結果的に、より手間をかけて丁寧にスカウトした方が優秀な人材を効率よく採用できる可能性があるのです。
特にベンチャーなどの中小企業においては、
このスカウト型採用の重要性はかなり高まります。
首都圏の優秀な人材がブランド力のある大企業に吸い上げられてしまう中で、企業側から「あなたが欲しい!」とアピールすることで、
本当に欲しい人材を採用できる可能性があるのですから。
ただ、ここで最も大切になるのは採用担当者のフォロー力強化です。
企業側から就活生に働きかける分、手間や時間がかかるため、
スカウト型採用では「採る」ことを最重要項目にしなくてはなりません。
そのためには、
やはり採用担当者が選考フローの中でターゲットの就活生としっかり向き合い、信頼を勝ち取っていく必要があります。
またオフラインでの採用活動が困難な現状では、
就活を本格的には始めたいとは思っているものの、
実際どうすれば良いのか分からない就活生が全国に散らばっていると考えられます。
そのような就活生のニーズに対して、
オンラインでより身近に感じられるアプローチができるのが
スカウト型採用の強みでもあります。
ぜひ全国で就活の駆け出しに困っている就活生に助け舟を出すつもりで、
スカウト型採用の強化に乗り出してみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
スカウト型採用は、従来のオーディション型採用に比べて
状況に対し柔軟に対応できるということが分かりました。
しかしその一方で、一人の就活生に割くリソースの比重が多いので、
丁寧かつ確実なフォローが必要不可欠になってきます。
また、オンラインでの採用活動が激化していくことが考えられる現状では、
他社競合や今までオーディション型採用がメインだった大企業さえも
スカウト型採用を本格化することが多いに考えられます。
スカウト型採用についての理解、自社のアピールポイント、
自社が本当に求める人材について今一度見直し、
満足のいく採用活動ができるように対策していきましょう。
監修:曽和利光(そわとしみつ)
人事コンサルティング会社、人材研究所代表。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と、人事・採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。人事歴約20年、これまでに面接した人数は2万人以上。