面接と面談の違いって何?面談の目的とは?
はじめに
就活で「面接」という言葉はよく用いられますね。
一方で、「面談」という言葉も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
その違いを知らずにいると、困ったことになってしまうかもしれません。
今回は、面接と面談の違いを説明しながら、面談について詳しく説明していきます。
1. 面接と面談の違い
面接と面談の大きな違いとしては、選考過程に組み込まれているか否かです。
面接は、選考過程の中で行われます。反対に、面談は選考過程に組み込まれていません。
平たく言えば、面接では採用されるかどうかが決まります。
まず、面接についてもう少し詳しく説明します。
1-1. 面接の目的
企業が面接を開催する目的は、学生の能力や性格、意思を確認し、採用するかどうかを判断することです。
採用選考では、エントリーシートや適性審査など他の選出方法もありますが、面接を選考のメインと捉えている企業がほとんどです。
というのも、実際に顔を見て話を聞くことが、最も相手のことを知れると考えているからです。
面接の形式は、実際に人事が学生と面と向かって話し、質疑応答をする対面式が主流ですが、近年ではウェブ面接、録画面接なども増えてきました。
形式が変わっても、企業が面接を開催する大きな目的は変わらないので、学生側も自分の魅力を最大限PRする姿勢は変える必要はありません。
ここまで、面接について少し詳しく見てきましたが、面接は既に体験したことがある人や、意味や目的を理解している人が多いのではないでしょうか。
次は面談について詳しく見ていきましょう。
2. 面談の目的
面談は選考過程に組み込まれていないと先ほど述べました。それでは、企業が面談を開催する目的は、いったいなんなのでしょうか。
面談の目的は、学生に自社の魅力を伝え、志望度と入社意欲を高めてもらうことです。学生の入社における懸念を払拭し、選考のモチベーションを高めたいと考えています。
したがって、面談では、学生と人事が対等な関係で話し合うことができます。学生にとっては、人事の方とフランクに話ができ、面接では聞けないことをフランクに話すことができるという魅力的な場でもあるのです。
3.面談の種類
面談にもいくつか種類があります。今回は3つご紹介します。
・カジュアル面談
カジュアル面談は、最も一般的な面談です。
もともと転職の際によく行われているもので、取り入れる企業も増えてきました。
選考とはほとんど関係のない場合が多いですが、最低限のマナーは守るようにしましょう。
面談であまりに印象が悪いと選考に影響が出る場合もあります。
学生は積極的に質問をしたり、就活の悩みを打ち明けると良いでしょう。
・リクルーター面談
リクルーター面談は、リクルーターと呼ばれる、採用担当者ではない若い社員が、本格的な就活が始まる前にカジュアルにコミュニケーションを図る面談を行います。
リクルーター面談では、カフェやレストランで食事をしながら面談をすることもあります。
企業によっては、リクルーターの評価が高ければ選考をいくつかスキップさせる場合もあるため、注意が必要です。
企業側も早期に学生と接点が持つことができるため、優秀な学生を囲い込む方法として利用することも多いようです。
・内定者面談
内定者面談は、その名の通り採用が決まった内定者と面談をすることです。内定者面談の目的は、内定者の入社意思の確認と、入社後すぐに会社に馴染めるようフォローアップすることです。
面談の内容としては、
・内定者に入社後求められる役割
・新人育成のプロセス
・内定者の意思の再確認
・最終的な疑問解消
などがあります。
4.面談の流れ
実際に面談はどのような話をして進むのでしょうか。
面接の流れは、3段階に分かれています。
アイスブレイク
↓
自己紹介
↓
質疑応答
まず担当者は学生の緊張を解くために、アイスブレイクを行います。
アイスブレイクといっても、肩肘張った大げさなものではなく、簡単な世間話のようなものです。内容は人によって様々ですが、ニュースの話題や、どこからきたのかなど気楽な話をします。
アイスブレイクは、この後学生が自己開示し、気兼ねなく質問ができるようリラックスしてくれることを求めているので、学生側も自然体で向き合いましょう。
次にお互いの自己紹介をします。
企業の説明は、説明会や資料にあるような基本的な情報から、会社の雰囲気や選考に関することなど、
社員と直接話さなければ聞けないような話を聞くことができるので、企業への理解を深めることができるでしょう。
最後に、お互いに質疑応答をします。学生側からも気軽に質問をしてみましょう。その場で思いついた質問でももちろん良いですが、もし思いつかなかった時のために事前にいくつか考えておくと良いでしょう。悩みなどがあれば、このタイミングで相談するのも良いです。
5.面談で注意するべき事
5-1. 面談は選考と無関係ではない
面談は選考過程の一部ではありませんが、選考に全く影響がないわけではありません。マナーが悪かったりすれば、選考に不利になる可能性はあります。
反対に、リクルーター面談のように、
面談での評価が高ければ選考に有利に働く場合もあります。
したがって、面談では自分の素直な気持ちや質問をすることはもちろん大切ですが、うまく使えば担当者に自分の良い印象を与えることができるので、
気を抜きすぎないようにしましょう。
5-2. 面談の質問内容を考えておく
面談では質問や相談する時間が必ず設けられます。
この時間を有効に活用するために、事前に質問内容を考えておくのが良いでしょう。
きちんと企業について調べたことがわかるような質問であれば、志望度の高さをアピールすることもできます。
担当者も少ししか質問をしてくれないよりは、沢山の質問をしてくれる方が嬉しいはずです。
5-3. 服装は基本はスーツ
服装に何も指定がなければ、基本的にはスーツで良いです。
私服指定や私服可であれば、私服を着用するのは問題ありません。
しかし、面談とはいえ、社会人と仕事の話で会うのですからオフィスカジュアルな服装で会うのがよいでしょう。
服装によって相手に与える印象はかなり変わります。
おわりに
面接と面談の違いは、選考過程の一部であるか否かです。
企業側が採用する人を選ぶ視点でみているのが面接で、
企業側が選考にきてもらえるよう不安を解消する場が面談です。
面談は学生にばかりメリットがあると思っているかもしれませんが、企業側も学生の志望度を高めるという目的があります。
面接よりは気を張らずに参加することができますが、全く気を抜いてしまわないようにしましょう。
また、面接と面談の違いに気づかず、同じスタンスで参加してしまうと痛い目を見る可能性があります。
企業は面接と面談を使い分けていますので、どちらが行われるのか必ず再確認してみてください。
監修:曽和利光(そわとしみつ)
人事コンサルティング会社、人材研究所代表。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と、人事・採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。人事歴約20年、これまでに面接した人数は2万人以上。