
ウェブ面接で面接官が気をつけるべきことまとめ!
1.はじめに
現在の社会情勢の影響で、オンラインでの説明会や面接、面談などを余儀なくされている企業が多いのではないでしょうか。
オンラインでの就活に翻弄されてしまうのは決して就活生だけではないはずです。
今回はまだわからない部分が多いウェブ面接において企業側や面接官からして気をつけるべきことをピックアップしてお届けします!
前途多難なこの状況に企業が立ち向かう手助けが少しでもできれば幸いです。
2.ウェブ面接で面接官が注意すべきこと
面接ツールの使い方がよくわからなかったり、面接している相手にしっかり内容が伝わっているのかなど、慣れないウェブ面接では多くの不安が考えられます。
面接が途切れてしまうなどの最悪のケースを考えておくのも大切ですが、事前にできるだけの準備はしておきたいものです。
ウェブ面接で面接官が気をつけるべきことは大きく以下の2つにグルーピングできます。
- インターネット環境や準備の段階での注意点
- 面接中の注意点
それでは順番に見ていきましょう。
2-1.インターネット環境や準備の段階での注意点
まず、ウェブ面接の前の準備の段階で気をつけるべきことをまとめます。
意外と注意が向かなかったりすることもあるため、一つ一つ入念にチェックし、万全な状態で就活生とのウェブ面接に臨みましょう。
周囲の音には要注意
マイクが思っているより周囲の音を拾ってしまうため、就活生側がこちらの言った内容を聞き取りにくい場合が考えられます。
就活生は自宅やできるだけ静かな環境で面接を受ける場合がほとんどですので、こちらもできるだけ静かで雑音の少ない環境を用意するのが望ましいです。
また、社内であると機密情報や業務に関わる会話が就活生に漏れ聞こえてしまう可能性も考えられます。会社のコンプライアンス意識に対する疑念に繋がってしまうこともあるので執務室などではなく、極力個室や会議室での実施が良いでしょう。
映像と音声の事前確認
映像や音声に異常がないかを事前に接続して確認しましょう。面接中に音声が乱れたり、映像が映らなくなったりするトラブルが起きると、コミュニケーションに支障が出たり、相手の集中力を途切らせてしまったりと様々な弊害が生じます。
最悪の場合、ウェブ面接が続行不可能になって就活生と日程再調整になってしまう可能性もあります。
微小なトラブルも起きないように、特に音声、映像は入念にチェックしましょう。
背景も意識
執務室だと、周囲を人が横切ったり、雑多な視覚情報が入り込んでしまうために就活生が集中できません。また場所によっては会社自体に散らかった印象を就活生に与えてしまうため、やはり壁や周囲が整って綺麗な印象を与える個室や会議室が望ましいです。
インターネット環境の事前確認
インターネットの環境が整っていること、トラブルの心配がないことは快適なウェブ面接を行う生命線となります。インターネットの環境が劣悪だと、面接官にとっても就活生にとってもかなりのストレスとなり、面接どころではなくなってしまいます。
良好なインターネット環境は言うまでもなくウェブ面接の大前提となるので、不備がないか、面接を行う前に必ずチェックしておきましょう。
緊急連絡先の確認
予想できないトラブルやすぐには解決不能なアクシデントが起こることも頭に入れておきましょう。万が一、通信が途切れたり、面接が続行不可能になった時にすぐに次のアクションの指示を就活生に出せるように相手の緊急連絡先を控えておくことが大切です。
予期せぬ問題にこちらが迅速な対応を見せれば就活生も不安が軽減し、むしろ面接している会社の良い印象が強くなるかもしれません。会社の信頼や印象に関わることも考慮して、しっかりと準備しておきましょう。
照明にも注意
ウェブ面接では直接の面接とは違って、雰囲気や細かいテンションが伝わりにくいです。そのため面接官の印象を決める大きな要因は表情であり、その表情を明るく見せる照明の強さや明るさは非常に大切になってきます。
画面越しに見る相手の表情は特に暗く見えることが多いため、ウェブ面接を始める前に今一度照明の角度や強さを確かめ、面接官の顔が最も明るく見えるようにしましょう。
2-2.面接中の注意点
ここまで、ウェブ面接の準備段階での注意点を述べてきましたが、万全な準備が整ったら次はいよいよ面接本番です。
前提となる最低限の環境整備やリスクヘッジを済ませたら、今度は面接中のコミュニケーションの部分での注意点を確認しながら面接を進めていくようにしましょう。
「遠慮は不要である」と伝えておく
初めに、「対面よりやりにくいですよね」と言うことを面接官と就活生でお互いに確認し、
その上で、「音声の乱れがあって聞き取りにくい部分があったら、遠慮なくおっしゃってください」と念押しで伝えておきましょう。
「聞き取れなかったけど、まあいいか」というコミュニケーションの放棄が重なるとどうしても精度の高い面接をすることができなくなり、就活生に適切な評価を下せなくなります。
自己紹介をしっかりと行う
ウェブ面接は直接対峙する面接よりも肌で感じられる情報が少なく、就活生は面接官の為人を想像しづらいです。オンラインで面接を始める前はいつもより詳しく、またフランクに自己紹介を行って就活生との信頼関係を築く土台づくりを行いましょう。
「ウェブ面接でもしっかりと信頼しながらコミュニケーションが取れる」と言うだけで就活生にとってはかなりの安心感につながります。
いつもよりハキハキと話す
こちらもウェブ面接ならではの注意点になります。万が一、音声が乱れることがあったとしてもできるだけ相手が聞き取りやすいようにあらかじめ大きな声で、はっきり、ゆっくりと話すことを心掛けておきましょう。
矢継ぎ早に話すような面接官が相手だと就活生も「今聞き取れなかったけど、面接官が話しているから遮るのは申し訳ない…」と感じてしまい。コミュニケーションに不調が生じます。
適宜確認を入れる
面接官の話している内容が聞き取れていなかったり、聞き間違いで誤解が生じていつ可能性も買うりょしましょう。
具体的には「ここまで聞き取れなかった部分はありますか?」と聞くのが親切です。
「ここまで大丈夫ですか?」などのぼんやりとした確認だと就活生は「大丈夫です」と条件反射で答えてしまうケースが多いので、YES or NOの確認ではなく、5W1Hでの確認でウェブ面接中のコミュニケーションの誤差を是正していきましょう。
面接の内容を遡った確認でもしやすい流れを作ってあげることがとても大切になります。
目線に注意
ウェブ面接は画面越しに面接をしますが、実際に自分のPCの画面に映っている自分が相手の画面に映っているわけではありません。
特に画面内の相手を見ながら面接をしてしまうケースが多いですが、それだと相手に見下ろしている印象を与えてしまいます。
相手の画面に映る自分を撮っているのはPC画面の上部についている内蔵カメラですので、相手とアイコンタクトをとるためにはカメラを見て話すことが必要になります。
また画面を見て下向きになってしまうと照明の光が顔に当たりにくく、表情も暗くなってしまうので注意が必要です。
大袈裟なリアクションをとる
直接の面接よりも場の雰囲気や空気感が伝わりにくいウェブ面接では、就活生に対する配慮として、いつもよりも大きなリアクションをとることを心掛けてください。
リアクションがしっかり見えることで就活生も自分の言ったことが相手にちゃんと伝わっていることを確認でき、安心します。
逆に、就活生の行っていることが聞き取りにくくちゃんとリアクションが取れない時には面接官からもしっかりと聞き直し、話の理解度などに誤差が生じないように注意しましょう。
3.おわりに
いかがでしたか。
まだ慣れないオンラインでの採用活動で意外に気づかない盲点などもあったかと思います。
ポイントは、いつもよりも少しオーバーに、就活生とのコミュニケーションに誤差が極力生じないような進め方を心がけることです。
就活生も不慣れなオンライン就活に不安を抱いているのは変わりませんから、まずは採用者側から就活生を安心させてあげられるようなコミュニケーションを心掛けましょう。
監修:曽和利光(そわとしみつ)
人事コンサルティング会社、人材研究所代表。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と、人事・採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。人事歴約20年、これまでに面接した人数は2万人以上。