「リアリティショック」とは?新入社員が辞める5つの原因と対策

「リアリティショック」とは?新入社員が辞める5つの原因と対策

2020年7月23日更新

はじめに

近年耳にすることの増えた「リアリティショック」という言葉。

「現実と理想の乖離」を意味し、元々は1958年に、マサチューセッツ工科大学(MIT)のシャイン教授が提唱した概念ですが、昨今の「働き方改革」の導入や「ゆとり世代」の採用に伴い、注目が集まっています。

 

リアリティショックの定義を再確認し、しっかりと対策を講じることで、新入社員の早期離職の予防に繋がります。

 

本記事では、新入社員が感じることの多い4つの原因、および対策法について解説します。

1.新入社員の3年以内の離職率は3割

人事向けオウンドメディア 「@人事」を運営するイーディアスによる、

2019年春入社の新入社員を対象としたアンケートによると、

入社前から退職時期を具体的に検討している学生は全体の1/4にも上っています。

 

 

(出典:「@人事 「あなたはいつ頃会社を辞める予定ですか?」2019年春入社の新入社員へ緊急アンケート」)

 

「半年~1年未満」「1年~3年未満」など、

具体的に年数まで検討している学生は、全体の24.4%に上っています。

 

これは、厚生労働省が毎年発表している「新規学卒就職者の離職状況」、

つまり「3年以内に離職する新入社員」が全体の3割に上るというデータと合致しています。

 

2.新入社員が陥りがちな5つのリアリティショック

「新入社員の3割は辞めてしまう」ことが事実であることに変わりはありませんが、ではなぜ、せっかく苦労して入社した企業を退社してしまうのでしょうか。

 

そこには、学生生活を終え、社会人に仲間入りを果たした新入社員ならではの「過度な期待」が要因であるといえます。

 

新入社員が直面するリアリティショックには、大きく次の5つ、

 

・業務内容

・人間関係

・他社能力

・評価制度

・福利厚生

 

これらがあるとされています。

 

2-1.業務内容

 

一番多いのが、

「期待していた業務内容と違い、雑用ばかり」

というケースです。

 

しっかりとした教育を受けて育ち、プライドを持った若者が増えている背景もあり、彼らにしてみれば、

 

「自分のスキルとあっていない」

「新規企画にすぐに携わらせてもらえると思っていた」

 

などと、

雑用や単純な事務作業ばかりの業務に、不満を持つ者も少なくありません。

 

成長機会や、達成感を感じる機会の少なさにより、自己承認欲求を満たせないといったケースが挙げられます。

 

またはその逆で、

「セールスはやらないと聞いていたのに、蓋を開けてみたら毎日数字を詰められ、精神的にキツい」

と、業務内容の違いにより戸惑ってしまう場合もあります。

 

 

2-2.人間関係

 

先ほどの業務内容と並び多いのが、

「上司とウマが合わない」

「仲の良い同僚がいない」

というケースです。

 

学生時代は自分の仲の良い、価値観の近い友人や知人らとのみ主に過ごしていた場合、

人間関係の構築に時間がかかってしまうことが挙げられます。

 

配属部署のチームと上手く馴染めなかった場合、

仕事で分からないことが生じた場合も聞くに聞けず、

結果として業務も上手くいかなくなってしまうという

悪循環に陥ってしまうケースもあります。

 

 

 

2-3.他社能力

 

「人間関係」の延長として、

「尊敬できる上司がいない」というケースです。

 

3年後、5年後のキャリアを考える際、

通常身の回りにいる上司をロールモデルとし、

「〇〇先輩のようになりたい」

と理想のキャリアを策定します。

 

ですが、そのような

「尊敬に値する上司がいない」

場合、あるいは

「説明会や面接で担当してくれた人事や役員は非常に魅力的だったが、現場の上司はそのような人物がいない」

という場合。

 

思い描いていた理想の企業像と、現場とのギャップに失望し、

「将来自分はこうはなりたくない」

と反面教師的に捉えられてしまいかねません。

 

または、非常に優秀な同僚がいる場合は、

「自分は〇〇のようにはなれない」

とネガティブ思考に陥ってしまい、

仕事へのモチベーション低下に繋がってしまいます。

 

 

3-4.評価制度

 

「自分はこれだけ頑張ったのに、成果として認められない」

あるいは

「給料が上がらない」

といったケースです。

 

例えば営業であれば、

個人でどれだけ新規案件を獲得しても

チームや配属部署で総合してまとめられてしまい、

個人実績として表彰されないようであれば、

モチベーションが下がってしまいかねません。

 

または、

「これだけ頑張っているのに、手を抜いている同僚の〇〇の方が評価されるのは納得がいかない」

という場合もありえます。

 

 

2-5.福利厚生

 

「やりたいことが特にない」まま入社に至った社員の場合、

福利厚生をモチベーションにしている者も少なくありません。

 

しかし、

「上司が全然休みを取得しないから、自分も休めない」

あるいは

「残業がないと聞いていたのに、毎日残業の連続。聞いていたのと話が違う」

という話もよくあります。

3.リアリティショックで新入社員の離職を防ぐ3つの対策

新入社員が直面する5つの「リアリティショック」の中で、

最も優先して解決すべき事項は

「人間関係」、つまりコミュニケーションに関する項目です。

 

先述の通り、上司や同僚とのコミュニケーションに支障をきたせば、業務面でのフォローアップにも支障が生じ、

結果として負のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。

 

リアリティショックによる新入社員の離職を防ぐためには、

 

・ジョブローテーションをきちんと回す

・タスクにおける意味と背景を伝える

・評価制度を改めて確認する

 

これらの実行が優先課題であるといえます。

 

3-1.ジョブローテーションなどで意識を統一する

 

企業が掲げる理念や価値観と、現場社員の意識に乖離がある場合、

現場社員へやりがいや達成感、理想や改善点について改めてヒアリングし、

意識を統一する必要があります。

 

それでもなお改善が見られない場合は、

ジョブローテーションを回すことで、互いの業務内容を理解することが可能になり、現場全体の意識改革にも繋がります。

 

 

3-2.業務へ目的意識を持たせる

 

新入社員が、業務に対しモチベーションが上がらない理由は、

その業務に対し意義を見いだせていないことが挙げられます。

 

どんな小さい業務でも、その背景と目的をしっかりと伝えて意味づけをすることにより、目的意識の改善に繋がることでしょう。

 

 

 

3-3.評価制度を見直す

 

今までの慣習にとらわれず、

「正しく適正に評価されているかどうか」

について、柔軟な発想で考え直す必要があります。

 

評価の仕組み自体に問題はないか、

また人員配置は適正になされているか、

成果報酬や昇給の制度に不平等な点はないかなど、

様々な観点からクリティカルに施策を講じることで、

新入社員のみならず他の社員のモチベーション向上も期待できます。

まとめ:リアリティショック予防対策で社員の幸せについて改めて考える

理想と現実の乖離によって生じるリアリティショック。

 

新入社員の場合、

まるで「一生働く」かのような過度な思い込み・期待による部分が大きいといえますが、

その対策について深掘っていくと、新入社員に限った話でもないことが伺えます。

 

ジョブローテーションを回すことや、

どんなに小さい業務でもしっかりと目的意識を持って取り組むこと、

そして評価制度の見直しといった「相互理解」を深めることは、

社員間での信頼関係の構築に留まらず、社員全体の幸福に繋がります。

 

新入社員の離職は一種のサインとして真摯に受け止め、

原因追求と社員の待遇改善に柔軟な発想を持って取り組むことが重要です。

 

監修:曽和利光(そわとしみつ)
人事コンサルティング会社、人材研究所代表。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と、人事・採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。人事歴約20年、これまでに面接した人数は2万人以上。

 

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