自然保護官ってどんな仕事?年収はどのくらい?を徹底解説
2024/8/21更新
はじめに
就活生の皆さんの中には、自然や動植物等が大好きで、「自然を取り扱う仕事がしたい」という人もおられるのではないでしょうか。
実際、植物観察をしたり、動物との触れ合うことに特に関心がある場合、「自然の中で働くことができたら、どれだけ素晴らしいことだろう」と考える人も決して少なくないと思われます。
そうした中で自然との触れ合いを任務とする仕事の1つが「自然保護官」です。
自然保護管は、環境省の職員としてさまざまな自然環境に関する業務に従事する国家公務員であり、「レンジャー」という別名があります。
しかし、自然環境に関する業務といっても非常に幅が広いのが実情であり、なにをどこまで所掌するのが自然保護官の任務なのか、この情報だけでは明確になりません。
国家公務員として仕事をするのであれば、それだけ重要性があるものと認められ、仕事の内容もかなりハードだったりしないだろうか、といった不安も頭をよぎります。
そこで、この記事では、自然保護官とは、どのような仕事に従事する職業なのか、自然保護官になるにはどのような勉強をする必要があるのか、自然保護官の年収はどの程度なのか等、自然保護官に関する事項全般について詳しく解説していきます。
- 自然保護官とは、どのような仕事なのか知りたい
- 森林や野生生物が好きな人、自然を守る仕事がしたい人であれば、自然保護官に向いているの?
- 自然保護官の年収はどのくらい?
この記事では、自然にかかわることが好きで、自然保護官の仕事に就くことに興味ないし関心がある学生/就活生を対象にして、自然保護官の仕事内容や年収等に関する事項を中心として、自然保護官になるうえで有益となるを提供することを目的としています。
自然保護官の仕事に関心があり、自然保護官について深く知りたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
また、自然保護官の仕事内容や年収等に関する事項以外の業界全般については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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自然保護官
自然保護管とはどのような仕事をする人なのでしょうか。
ここでは、まず自然保護官とは、どのような地位にある人なのか、そして、この仕事が生まれる経緯について解説していきます。
自然保護官は環境省に所属する国家公務員
自然保護官は、環境省の職員として、さまざまな自然環境業務に関わる仕事をする国家公務員です。
自然保護官は、別名「レンジャー」とも呼ばれます。
その職務の内容を概観すると、国立公園の管理、外来種対策、野生鳥獣の保護、ペット動物の愛護、エコツーリズムという事項に代表される、いわば人間と自然とのふれあいの推進等がこれにあたります。
業務範囲の幅は非常に広いと言えます。
自然保護官誕生の経緯
それでは自然保護官は、どのような経緯で誕生したのでしょうか。
自然保護官が誕生するに至った経緯を知ることは、その職務の内容や責任範囲等を学ぶ上で有益であると言えます。
自然保護官は、米国の国立公園の「パークレンジャー」に倣い、1953年(昭和28年)に12名の人材が各地の国立公園に「現地駐在管理員」として配置されたことに端を発しています。
自然保護官の職務内容
自然保護官の仕事は、いったいどのような内容なのでしょうか。
その名称自体から想像すると、アウトドアでの業務が中心となるような印象を受けますが、実際はそうではありません。
ここでは、自然保護官の具体的な職務の内容を解説していきます。
総説
次に、自然保護官は具体的にはどのような仕事をするのでしょうか。
上述のように、「国立公園の管理、外来種対策、野生鳥獣の保護、ペット動物の愛護、エコツーリズムという事項に代表される、いわば人間と自然とのふれあいの推進等」という説明では抽象的にすぎ、学生/ 就活生としては、自然保護官がどのような仕事をする仕事なのか、明確に理解することができません。
よって、自然保護官の具体的な仕事の内容を見ていくことにします。
国立公園の管理に関する許認可
国立公園においては、開発行為を無条件で行ってしまうと、自然環境が破壊され、公園内の動植物を適切に保護することができなくなります。
このような地雷を未然に防止する必要から公園内における開発行為等は法律で規制をうけています。
自然保護官は、事業者からなされる開発等に関する許認可の申請に対し、その申請者より開発等に関する内容等のヒアリング等を行い、内容を十分に確認したうえで許諾の可否を判断します。
国立公園内の巡視
上記の許認可と関連性がある事項ですが、許認可のなされた開発等が当初なされた許認可申請の内容どおりに実施されているか、国立校管内の巡視を行うことも自然保護官の仕事になります。
国立公園内の自然環境、動植物が保護されているかの確認を行うのです。
自然保護官は、その際、国立公園内のビジターセンター(公園内の情報展示・案内施設)、歩道・トイレの他、展望台の見回り等も行います。
こうすることにより、人々が安全で快適に自然と触れ合うことができるようになるのであり、そのために必要となる管理行為を行います。
公園づくりに関する計画等の立案
国立公園においては、その自然環境を厳正に保護する区域を設定する他、自然環境保護のための規制の強弱や施設の建設計画等が含まれます。
自然保護官が定期的に公園内の調査を実施し、必要に応じて計画の見直しをしたり、新たな計画の立案を行います。
自然再生の推進
自然保護官は、何らかの事情により破壊されるに至った自然環境を回復することを目的として、関連するNPO団体や地域の住民と連携することを通じ、自然再生事業を推進します。
自然保護官は、自ら公園内の清掃活動にも従事し、国立公園を訪れる人々のために自然観察会のイベントを開催することもします。
自然保護官になるには
自然保護官の仕事に就くためには、どうすれば良いのでしょうか。
ここでは、国家公務員採用試験に合格して環境省に入賞する必要があること、大学では自然環境、林学、農学等を学ぶことが必要であること等について解説していきます。
国家公務員採用試験の合格が必要
自然保護官として仕事をするためには、まず国家公務員採用試験の総合職(自然系)に合格し、環境省地方環境事務所に配属される必要があります。
自然保護官は、国家公務員採用試験の森林・自然環境区分の他、化学・生物・薬学区分からも採用される可能性があります。
環境省地方環境事務所に配属された後においては、全国10数か所ある自然環境事務所または自然保護官事務所のいずれかに勤務することになります。
なお、自然保護官にも転勤があり得るところであり、2年〜3年ごとに転勤となることが通常であると言われています。
採用人数
年度によって採用人数にバラつきが生じるため、確定的なことはいえませんが、環境省の採用人数は決して多くないのが実情であることに注意が必要です。
特に、自然保護官としての採用の場合、少ないと年数名、多いとしても20名以下にとどまることが実情です(大体15名程度)。
なお、国家公務員採用試験においては、実際の採用に至るまでのステップとして「官庁訪問」があります。
この官庁訪問では、受験者は自身の志望する各府省を訪問し、業務の概要説明や面接を受け、業務に対する意欲の程度や適性の有無に関する判断を受けることになります。
官庁訪問時の面接の際に自然保護官の職に就くことについて積極的にアピールすることも良いかもしれません。
自然保護官は、自然や動物が好きなことに加え、その詳しい知識を豊富に保有していないと務まらないと言えます。
試験全般について付言すると、国家公務員採用試験は、特に優秀な学生が多く受験してくるので、在学中よりしっかりと受験勉強を行うとともに、志望動機や国家公務員として仕事に従事する決意を固めておくことが肝要であるといえます。
自然保護官になるための専攻
上述のように、自然保護官になるには国家公務員採用試験に合格する必要がある音が分かりました。
よって、就活準備の途中から急遽、民間企業への就職から自然保護官へと方向転換するということは現実的ではないことが理解できます。
それでは、自然保護官の仕事に就くことを希望する場合、大学ではどのような学部・学科ないし専攻であることが有利になるのでしょうか。
この点については、大学で自然環境、林学、農学等を学び、専攻することが一般的であると説明されています。
すなわち、自然保護官の職に就くことを志望する場合には、大学の理工系学部に進学し、自然環境・林学・農学・環境政策等を専攻すると良いでしょう。
あらためて説明するまでもないことですが、国家公務員採用試験は非常に難易度が高いことで知られ、特にその総合職を志望するのであれば、他の受験者との間で相当にハイレベルな競争を行い、それに打ち勝つ必要があります。
このため、大学において所定の専攻で専門知識を身に着けつつ、併せて国家公務員採用試験に合格するための受験準備を地道に行うことが必要になるわけです。
また、受験勉強に直結することではありませんが、学生時代のうちにパークボランティアや自然保護関連のアルバイト等を経験しておくと、自然保護官の仕事をより深く理解することにつながる可能性があります。
自然保護官の役割と資質
自然保護官の役割は、国内の自然環境と野生生物を保護することにあります。
このため、関係法令により種々の規制がなされています。
自然保護官は、そうした関係法令の運用を担い、自然環境を破壊しない開発行為のみを許認可し、その環境を守るために計画を作成します。
この意味で、自然保護官の中心的な役割は、自然保護環境事務所等に代表されるオフィス内での許認可事務と計画作成になるわけです。
すなわち、オフィスワークが中心となる実務です。
自然保護官は、自然保護地域に対し、保護行政を実施する役割を担います。
このため、上記のオフィスワークに加えて、現場の調査や巡視等を行うことになるわけですが、自然保護地域のパトロール等の現場仕事二相当する業務については、基本的には自然保護官を補佐する任務を負うアクティブ・レンジャーが対応することになります。
このアクティブ・レンジャーは、環境省の非常勤職員であり、自然保護地域のパトロールを行う他、現場調査の業務を遂行します。
なお、レンジャーとして活躍するためには、自然についての幅広い知識や理解力を備えることに加え、知らないことを学ぶ向上心が求められます。
地域の関係者との連携、協力も必要不可欠であり、そのための協調性や柔軟性、課題に真摯に取り組む気持ちは勿論、関係者との間で適切かつ円滑なコミュニケーションを行う能力も重要になります。
また、国立公園や野生生物の生息地などで作業や調査に従事するため、自動車が立ち入ることの困難な山林や湖沼等を各種の装備を携えて移動することも少なからずあり、相応の体力と精神力も必要になります。
自然保護官の年収
自然保護官の年収は、どの程度の金額になるのか、大変気になるところです。
ここでは、自然保護官の年収をはじめ、諸手当等の待遇面について解説を加えていきます。
国家公務員としての給料が支給
自然保護官の給料は、国家公務員の給与体系に準ずるものになります。
初任給は採用区分や配属地域により、スタート時点では20万円~22万円程度になりますが、その後は年齢や勤続年数等が上がるに従って、昇給していくことが期待されます。
他の国家公務員の場合と同様に、基本的には年功序列の構造を取るため、経験年数が増えるほど収入は増加すると言えます。
もっとも、収入が増加するとはいっても、大手民間企業に匹敵するほどの高収入を得ることは現実的には困難です。
自然保護官の平均的な年収は、500万円~600万円ほどになると言われています。
他の待遇は、他の国家公務員と同様
年収・給与を除く他の待遇面に関しては、扶養手当、住居手当、通勤手当等に代表される諸手当、さらに年2回のボーナスも国家公務員として定められる内容が適用されます。
国家公務員として各地への転勤の可能性もありますが、その点については通常の民家企業も変わりはなく、多様な業務経験を通じて自身のキャリアを形成していくことになります。
以上のように、自然保護官の平均的な年収は500万円~600万円になります。
これを高額と見るか否かは、人により区々であると思われます。
ただ、国家公務員としての安定性は魅力的であり、この点でも自身に興味のある事項を極めることのできる自然保護官を目指すことは意義あることではないでしょうか。
自然の中で働きたい方必見!自然に関わる仕事の求人や年収例 – キャリアアップステージ (asiro.co.jp)
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自然保護官のやりがい
国家公務員としての自然保護官は、自然環境の保護という重要な任務を負っています。
こうした重責を担う自然保護官のやりがいは、どのようなものであるかを解説していきます。
自然環境という重要なテーマに取り組むことができる
自然保護官という職務の最大のやりがいは、自然環境の保護という壮大な規模のテーマに最前線で取り組むことができることにあると言えます。
自然保護官は、保護するべき対象の多さに比して、その人数は決して大人数とは言えません。
しかし、そうした自然保護官には、我が国の自然を守り、これを後の世代に適切な形で残していくという極めて重要な使命を帯びていると言えるのです。
自然保護官として自然保護の最前線に位置していることの誇りを実感できるはずです。
実際、自然保護官の仕事は、それぞれの地域特有の自然に接することが必要になるため、自然に触れることに関心を持つ人にとっては極めて魅力的で意義ある仕事として位置付けられるはずです。
加えて、実務を遂行するにあたって、各地域の関係者や各々の領域の専門家と連携して対応にあたる機会も少なくなく、こうした経験を通じて自身の専門分野の質を高めることにつながり、自身の満足度も向上していくことでしょう。
自然保護官の適性
自然環境の保護の担い手である自然保護官には、どのような人にその適性があるのかを解説していきます。
自然保護に対する強い使命感
それでは、自然保護官の職務は、どのような人が向いていると言えるでしょうか。
まず、自然に関する事項全般に対する興味や関心を持っていることが大前提となります。
このこと自体に疑問を挟む余地はありません。
加えて、こうした自然保護というテーマに対する強い使命感を持つ人に向いているといえるでしょう。
なぜなら、単に自然に対する興味や関心があるとしても、その自然環境の破壊を防ぎ、良好な環境を確保し、これを現代のみならず、その後の世代に確実に引き継ぐという役割を達成していくためには、それをやり抜くだけの使命感が不可欠だからです。
既に垣間見たように、自然保護官になるためには国家公務員採用試験に突破し、環境相に入省する必要があります。
そのための試験は相当な難関であることが知られており、これを突破するためにはそのための学力はもちろん、強い意思が必要になります。
加えて、公園内の巡視等の対応もあるため、登山の知識や十分な体力も要するでしょう。
自然保護官は二刀流
自然保護官は、既に説明したように、オフィスワークを中心としながらも、自然環境の中で、貴重な動物の生息状況のh交差するため捕獲に必要な作業員の手配をしたり、調査結果のデータを集計し、分析してする等、アクティブに活動していく場面があります。
その意味では「二刀流」を実行するイメージであるとも言えます。
自然保護官の辛いこと
自然保護官は、自然環境の保護という極めて重要な任務を遂行していますが、それだけに自然保護官特有の辛い部分、悩みも併せ持つことがあります。
ここでは、自然保護官にとって辛いことを説明します。
細かな調整業務等が多い
自然保護官は、通常、自然環境事務所等のオフィスで業務に従事し、実際はその多くがオフィスワークになるわけです。
国立校案内の建設許可に関する書類審査、食害対策や地域で開催される自然に関するイベントに関するミーティング参加、自然再生事業の計画等、細かな業務が少なくありません。
加えて、関係各所との調整業務も加わります。
終日オフィスでの作業に没頭しなければならないこともあり、自然保護官の中には自然に触れることよりもオフィスでの書類仕事の方が多いことを特に負担とかんじる人もいるようです。
ですが、これも自然保護のために必要な事務なのです。
これなくして自然保護は実現しえないことをあらためて確認したいところです。
こうした役割をも含め、自然保護官にはその自然保護のための責務が託されていることを再度自覚し、オフィスワークと現地調査等の二刀流を成し遂げることが期待されているのです。
まとめ
この記事では、自然保護官という仕事について、それがどのような仕事なのか、自然保護官になるにはどうすればよいのか、大学ではどのような分野を専攻するひつようがあるのか、さらには自然保護官の年収やその他の待遇面等について全般的に解説しました。
自然保護官の職務の重要性は高く、自然環境の保護が叫ばれる昨今、その役割はさらに高まることが予想されます。
この記事や参照ページにて紹介した記事の内容を上手に活用して、自然保護官に対する理解を深めてください。