建築学部出身の主な就職先は?主要な業界や就職先について解説!
2024/7/27更新
はじめに
建築学を専攻し、建築について総合的に学ぶことができる建築学部。
学ぶ領域は幅広く、住宅やビルの設計、生産、建築資材の開発、災害時の安全対策などを学ぶ建築工学分野や都市計画について学ぶ都市工学分野、さらに世界の建築文化やデザインなどを総合的に学びます。
建築学部で学んだ知識をどのように仕事で活かしていくのか、また、建築学部出身の主な就職先について知りたいと考えている就活生は多いのではないでしょうか。
本記事では以下のような建築学部出身の就活生を対象に、建築学部の経験を活かせる職業について紹介します。
- 建築学部出身の強みは何なのか知りたい
- その強みを就活でどのように活かすか知りたい
- 建築学部出身の主な就職先や職種が知りたい
- どんな人が建築関連の仕事に向いているのか知りたい
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建築学部の学生の就職活動対策とは
ここからは、建築学部出身の就活生に関する、就活対策について紹介いたします。
建築に関する学問を専攻している学生ならではの強みや、取得を目指すべき資格について解説していきます。
建築学部に在学中の就活生の強みを知る
- 建築学という専門性の高い学問を学べる
- 建築関連の各種資格を取得しやすく、取得していれば大きな武器となる
- 建築学部の学生コンペに出場するなど実績づくりができる
建築学部出身の就活生には上記のような強みがあります。
建築学を学んでいる学生は専門的な分野を専攻していることから、うまくアピールすれば、就活を有利に進められるでしょう。
特に学生コンペは多くの企業が協賛するなど、注目度は非常に高くなっており、絶好のアピールの機会となっています。
だからといって、就活が楽ということではありません。
大手ゼネコンや有名設計事務所への入社を目指すには、相応の実績を残す必要があります。
実績がないと、反対に就職活動でアピールするポイントがなく、苦労する可能性があるので注意が必要です。
建築学部在学中に資格取得を目指す
ここからは、建築学部在学中に取得を目指すべき資格について紹介します。
建築関係の資格を在学中に取得すると、就職活動の際にアドバンテージになるだけでなく、入社後も即戦力として勤務することができるので非常におすすめです。
建築学を専攻していないと受験することができない資格もあるので、ぜひ挑戦してみましょう。
【建築学部在学中に取得可能な資格一覧】
資格名 | 内容 |
二級建築士 | 戸建て住宅の設計や工事管理が可能となります。 二級建築士として実務経験を4年以上積むと一級建築士の受験資格を得ることができます。 |
二級施工管理技士 (第一次検定) | 施工管理技士は、施工計画の作成、現場の工程管理、安全管理、品質管理において必要な資格です。 資格の取得までに一次検定、二次検定に合格する必要があります。 |
建築CAD検定 | 建築CAD検定は、建築用図面を描く技術を測る検定です。 検定の合格には建築業法の知識も必要となるなど、法律分野を学ぶ必要があります。 |
建築積算士 | 設計士を目指している就活生におすすめの資格で、建築にかかわるさまざまな工程におけるコストマネジメント業務に関する知識を取得することができます。 |
福祉住環境 コーディネーター | 医療・福祉を受ける人々の住環境に合う設計の考え方を学ぶことができる資格です。 建築以外の知識も身につくのでオススメです。 |
インテリア コーディネーター | 空間設計、家具の選定やレイアウトに関するアドバイスを行うことができる資格です。 大手ハウスメーカーから工務店まで幅広く需要があるため、就活の際にアピールできるでしょう。 |
照明コンサルタント | インテリアコーディネーターと異なり、照明に特化した資格です。 現代の建築では照明が非常に重要視されており必要性が高まっています。 |
宅地建物取引士 | 不動産会社での勤務を目指す就活生にとっては必須の資格です。 入社後に取得するケースが多いですが、取得しておけば強みとしてアピールできるでしょう。 |
ゼミのパイプを活かし、OB訪問をする
建築学部に在学中の就活生は、積極的にOB訪問を行いましょう。
直接依頼するのはもちろん、教授などにお願いして紹介してもらうのがおすすめです。
OB訪問では、企業のホームページや、企業説明会では知ることのできない「生の声」を得ることができるでしょう。
志望企業の働き方や職場の雰囲気などが自分の考えや性格にマッチしているか確認することができるほか、就活のエントリーシート対策や面接対策になりますので、ぜひ話を聞いてみましょう。
建築学部出身の就活生が目指すべき就職先は?
ここからは、建築学部出身の就活生の主な就職先について紹介します。
具体的な企業についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
設計事務所
設計事務所は少数精鋭でデザイン性の高い建設設計を行う「アトリエ系設計事務所」、意匠・構造・設備設計など一連の作業を簡潔できる「組織設計事務所」に分類されます。
設計事務所の業務内容は、建物の外観、内装のデザインなどを手掛ける「意匠設計」、建物の安全性や使用性を検証する「構造設計」、設備機器の配置や配線などの設計を行う「設備設計」などが挙げられます。
①日建設計
出典元: 日建設計 採用情報
日建設計は、住友グループ系の組織系建設設計事務所です。
建築の設計監理、都市デザインおよび設計業務に関する調査・企画を手掛けています。
現在、国内18拠点を展開し、売上高594億円を誇るなど、国内ナンバーワンの組織設計事務所として業界をけん引しています。
代表的な建物として大阪の「梅田阪急ビル」「神戸ポートタワー」などです。
建築学部出身の就活生は、「建築設計」「スペースデザイン」「シビル(土木)」「設備設計」などの職種を目指すといいでしょう。
②株式会社日本設計
出典元:日本設計
日本設計は、1967年に設立された組織設計事務所です。
高層ビルの設計を強みとしており、代表作として「京王プラザホテル」「虎ノ門ヒルズ」などが挙げられます。
日本設計の売上高は217億円(2022年9月期)となっており、日本で2番目の規模の設計事務所です。
建築学科出身の就活生は「建築設計(計画意匠・設計技術)」「構造設計」、「環境・設備設計」などの職種を目指すといいでしょう。
ゼネコン
ゼネコンとは日本の都市開発を支える「総合建築業」を指します。
ゼネコンは建設プロジェクトの企画立案、事業計画の策定、設計、施工管理、安全管理などをマネジメントすることに加え、資金調達や法令遵守、地域住民へのフォローなどを総合的に担当します。
いわば建設現場の「まとめ役」のような存在です。
①鹿島建設
出典元: 鹿島建設
鹿島建設は、東京都港区に本社を置く総合建設会社です。
鹿島建設の歴史は古く、1840年(天保11年)鹿島岩吉が江戸末期の大名屋敷の出入り大工店「大岩」を構えたことがルーツとされています。
創業以降、明治初期の西洋館建築事業や、東北本線、山手線などの鉄道工事事業、軽井沢の別荘開発事業などを手掛け、事業を拡大してきました。
現在においては、超高層ビルの建設事業を強みとしており、フジテレビ本社ビル、霞が関ビルディング、六本木ヒルズなど有名な建設を次々と成功させています。
鹿島建設では土木事業、建築事業、開発事業、エンジニアリング事業、環境事業、技術研究事業、海外事業の7つの事業を展開しています。
建築学部出身であれば、さまざまな事業で活躍が期待できるでしょう。
②清水建設
出典元:清水建設
清水建設は、東京都中央区に本社を置くスーパーゼネコンです。
1804年に日光東照宮の宮大工を担当していた清水喜助が創業したのが、清水建設のルーツとなっています。
清水建設は民間工事を強みとしており、大型工事だけでなく、中小物件の受注にも積極的に取り組んでいるのが特徴です。
主な施工物件として、大阪国際空港ターミナル、東京ビッグサイト、横浜スタジアムなど幅広い分野の建設を手掛けています。
建築事業、土木事業、不動産開発事業、エンジニアリング事業など、幅広い事業を手掛けていることから、建築学部出身であれば、さまざまな事業で活躍が期待できるでしょう。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、戸建て住宅や賃貸住宅の建設、販売している企業を指します。
各ハウスメーカーがさまざまな機能を持った商品を用意しているのが特徴です。
ハウスメーカーでは建築士を求めており、実務経験のない二級建築士を積極的に採用して自社で育成しています。
建築学部出身の就活生の有力な就職先となりますので、ぜひチェックしてください。
①積水ハウス
出典元:積水ハウス
積水ハウスは、大阪市北区に本社を置く住宅メーカーです。
1960年に積水化学工業ハウス事業部が独立する形で創業されています。
戸建て住宅の建築・販売を中心に手掛け、2012年の販売戸数は45,098戸で国内1位を獲得しました。
売上高は1兆223億円を記録するなど高い人気を誇っています。
積水ハウスでは、設計の自由度と耐久性・耐震性を兼ね備えたオリジナル構法で、快適で安全な住まいを実現し、顧客満足度を高めています。
また、防犯面にも注力しており、「快適防犯」をテーマに掲げ、侵入しにくく狙われにくい住宅造りを行っているのです。
②住友林業
出典元:住友林業
住友林業は、東京都千代田区に本社を置く、住友グループに属する企業です。
住宅メーカーとして広く認知されていますが、林業・木材建材事業・不動産事業なども総合的に手掛けています。
住友林業は、「理想を叶える自由設計」と銘打って、住宅のデザイン面に注力しているのが特徴です。
オーナーへのアンケート調査で総合設計満足度99.2%を達成するなど、高い満足度を得ています。
また、オーナーが安心して暮らせる性能にも力を入れており、地震や火災から家族を守る家造りを行っているのです。
デベロッパー
デベロッパーとは、土地や街を開発する事業者のことです。
具体的な事業として、オフィスビル、商業施設、マンション、大規模住宅などの開発を手掛けています。
デベロッパーの仕事は、用地取得・企画・開発・販売・管理などに分類されているのが特徴です。
非常に規模が大きく、総合的な街づくりに携わることができる業界です。
①三井不動産株式会社
出典元:三井不動産
三井不動産は東京都に本社を置く総合デベロッパーです。
1941年に三井合名会社の不動産部門が独立したことがルーツとなっており、高度経済成長期に、地方都市への進出や東京都内での高層ビル建設事業に注力してきました。
創業以来、総合デベロッパーとして、オフィスビル、商業施設、住宅開発などを手掛けており、2023年3月期には業界トップの売上高2兆2,691億円を達成しています。
三井不動産は、賃貸事業を強みとしており、特に商業施設事業に注力しています。
代表的なサービスやブランドとして、「三井アウトレットモール」や「ららぽーと」が有名で、両施設は幅広い世代から高い人気を誇っています。
建築学科出身の就活生は商品企画を行う「事業部門」や施設運営や施設管理を行う「運営部門」で活躍が期待できるでしょう。
②三菱地所株式会社
出典元:三菱地所
三菱地所は1937年に創業した総合デベロッパー企業です。
長きにわたり街づくりを手掛けており、国内では丸の内、横浜みなとみらい21、海外ではアメリカやイギリスを中心に事業を展開しています。
中核事業として、国内主要都市でオフィスビルの開発を行う「オフィス事業」、さまざまなタイプの商業施設の開発および運営を手掛ける「商業施設事業」、その他にも「ホテル事業」「空港事業」「物流施設事業」など、幅広く事業を展開しているのが特徴です。
代表的な事業として「横浜ランドマークタワー」や「グランフロント大阪」の開業に携わっています。
建築学科出身の就活生は、「商業施設等の開発企画」や「マンション等住宅の開発企画」などを目指すのが良いでしょう。
インフラ企業
インフラ業界は、エネルギー関係、道路・鉄道関係、水道事業等、人々の生活に欠かすことのできない領域です。
建築学科出身の就活生がインフラ企業を目指す場合、インフラ設備の設計・建築や維持管理などに携わることになるでしょう。
①日揮株式会社
出典元:新卒採用情報サイト | 日揮ホールディングス株式会社(JGC HOLDINGS CORPORATION)
日揮株式会社はプラントエンジニアリング業界をけん引する企業です。
1928年に日本揮発油株式会社として設立され、1930年代からエンジニアリング事業を手掛けています。
日本の経済成長期に石油精製・石油化学プラントを受注し、プラントエンジニアリング企業としての地位を確立しました。
また、1960年代から現代にいたるまで、国内事業にとどまることなく、グローバルに事業を展開しています。
現在においても、石油精製施設や天然ガス処理施設などのエネルギープラント建設事業で世界有数の実績を残しています。
建築学科出身の就活生は、プラントの設計、管理などで業務に関わることができるでしょう。
②NEXCO3社
出典元:NEXCO東日本
NEXCO各社(NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本)は、2005年に日本道路公団の民営化により誕生した企業です。
全国の日本道路公団が管理していた高速道路や、自動車専用道路を引き継いでエリア別に管理を行っています。
NEXCO3社は、日本社会の大動脈ともいえる全国各地の高速道路を管理し、安心で快適な高速道路空間を提供することにより、人々の暮らしや経済活動を支えているのです。
建築学部出身の学生は、高速道路やサービスエリアなどの関連施設の建築、設計、施工管理などの分野で携わることになるでしょう。
公務員
建築学部を卒業して公務員になることももちろん可能です。
国土交通省や地方公務員の建築職で、建築学部で培ったスキルを活かすことができるでしょう。
地方公務員の建築職の場合、公共施設の施工管理を行うのが主な業務です。
各自治体によって異なりますが、建設・土地整備課、土木課や施工管理部門や、出先機関などに勤務することが一般的とされています。
建築関連の職業にはこんな人が向いている!
- リーダーシップを発揮できる人
- コミュニケーション能力が高い人
- リスク管理能力が高い人
- 空間認識力が高い人
- 数字・物理など理系分野を得意としている人
あくまで一例ですが、上記のような人物が建築関連の仕事に向いているでしょう。
上記で紹介したとおり、建設現場で指揮をとったり、住居やビル、インテリアのデザインを手掛けたりと、建築関係の業務内容は多岐にわたります。
就職する企業や職種によって求められる資質やスキルは異なりますので、志望企業の採用ページを徹底的にチェックするようにしてください。
また、専門性の高い職種を希望する場合は、今までの研究内容等が希望する職種で活用できるかどうかを企業説明会やOB訪問で確認し、ミスマッチをなくしましょう。
まとめ
本記事では、建築学部出身の就活生に向けて、主な就職先や、建築学部ならではの就活対策などについて解説しました。
建築学部は専門性が高く、就職活動に有利とされています。
しかし、在学中のコンテストで入賞するなど実績をつくったり、就職活動対策を充実させたりしないと、就職活動の難易度が上がってしまうことがあります。
建築学の勉強という本業と、コンテスト等の準備、就職活動と多忙となりますが、日々の活動を充実させて第一志望への内定を勝ち取ってください。
本記事が、建築学部出身の就活生の一助となれば幸いです。