商社の一般職にはお嬢様が多い?商社の特徴や環境について徹底解説!

商社の一般職にはお嬢様が多い?商社の特徴や環境について徹底解説!

2024/7/23更新

はじめに

就職活動を行っていると、選考や採用に関するさまざまな情報を耳にするでしょう。

本記事では、企業を志望する上で、企業の採用傾向や実態を知りたい就活生に向けて、疑問の解消に繋がるよう解説をしていきます。

最後までお読みになれば、商社の一般職にはお嬢様が多いのではないかという疑問が解消されるでしょう。

なぜ商社の一般職にはお嬢様が多いと言われているのかを、商社の特徴や環境、職務内容や、その後のキャリアなどを基に解説していきます。

この記事は、以下のような点を知りたい就活生が対象です。

対象
  • 商社の一般職にはお嬢様が多いのか
  • 商社の一般職ってどのような仕事をするのか
  • 商社の一般職における採用傾向について知りたい

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この記事の結論

商社業界の一般職には、お嬢様が多いと言われています。

採用される学生のバックグラウンドを確認してみると、確かに、お嬢様が採用される可能性が高いことを否定できません。

一般職は、教養や語学力があり、社交的な振る舞いができる方がマッチする傾向にあります。

そのため、お嬢様が多い可能性も考えられます。

近年では、早慶出身の学生が総合職でなく、一般職を志望する傾向にあるため、求められる能力や採用難易度が上がっていることも留意しておきましょう。

商社業界とは?

商社業界とは?

商社業界は、「トレーディング事業」や「事業投資・経営」が主な事業です。

商社と一口にいっても、総合商社から専門商社まで幅広く、取扱い商材は多岐に渡ります。

商社のイメージといえば、海外から原材料を買い付けてメーカーに卸し、製品やサービスの売買を仲介することでしょう。

海外製の原材料を使用して製品を作っているメーカーは、非常に多いです。

メーカーの要望にあった材料を見つけ、企業と交渉し買い付けを行うことは、やりがいも大きく、グローバルで活躍できる仕事の一つにもなっています。

自社で原材料を見つけ、直接買い付けや交渉を行うメーカーもありますが、商社が持つネットワークと交渉力や資金力によって、調達可能になることもあります。

商社の機能は日本では健在です。

選択の基準は人それぞれですが、大手総合商社ならさまざまな経験を積むことができるでしょう。

大きな買い付けを経験することも可能です。

自身の興味がある原料や、興味のある地域でのビジネスに強みを持つ企業を選び、専門性を高める人もいます。

次の章からは、人気の高い商社業界の一般職として働く人々の特徴や、近年の採用傾向について解説していきます。

商社の一般職とは

商社の一般職とは、社員のサポートや事務・庶務全般を行う仕事です。

総合職に比べると、女性の採用割合が高いことや給与の低さ、転勤や配置換えがないことが特徴です。

一般職の職務内容は企業によっても異なりますが、派遣社員の配置などにより、全体的に変化してきています。

一般職の業務の一部が派遣社員へと移ることで、総合職のサポートや実務の一部など、事務職以上の役割を担うことも出てきました。

一般職の仕事内容として、代表的なものを下記に紹介します。

主な職務内容
  • 見積書、請求書作成
  • 契約書作成
  • 発注書作成
  • 出荷関連業務
  • 納期調整
  • データ入力
  • 顧客代理対応
  • 輸入、通関業務
  • 営業アシスタント業務

企業や部署によっても細かな業務は異なります。

しかし、WordやExcelでの資料作成、専用システムへの入力など、基本的なPC操作が必要とされるデスクワークであることが一般的です。

求められるスキルや資質

商社の一般職では、どのようなスキルや資質が求められるのかについて解説します。

大手企業になるほど高いスキルを求められる印象がありますが、必ずしもそうとは限りません。

大手では、分業制を取ることで、特定の業務のみをこなすことが求められるでしょう。

その一方で、中小企業では、少数精鋭で幅広く業務をこなすスキルが求められる場合があります。

志望企業の職務内容や業務体制などは、事前に確認しておきましょう。

一般的に、下記のようなスキルが共通して求められる傾向にあります。

①コミュニケーション力

一般職と聞くと、コツコツ事務作業を行っているイメージを持つ方もいるでしょう。

しかし、商社の一般職では、営業社員に代わって顧客対応やクレーム対応をすることがあります。

商社では、企業と企業の間に入るため、双方に対して調整が必要です。

また、企業間に挟まれることもあり、コミュニケーション力と調整力が求められる場面も多いです。

顧客に対してだけでなく、社内で円滑に業務を行う上でも、互いにきちんとコミュニケーションを図れる人材が求められます。

②社交性

社内外問わず人との関わりが多いため、コミュニケーションを大事にし、主体的に関係性を築ける「社交性のある人」が好まれやすいです。

これには、単に会話のキャッチボールが円滑にできることだけでなく、傾聴力や伝達力にも優れていることが含まれています。

社交性は、立ち振る舞いや表情からも感じられることがあります。

社交性の高い人は自分に自信があり、魅力的に見える他、相手からも好かれやすいです。

人脈を広げやすい傾向にもあるため、長く働いて欲しい人材として重宝されるでしょう。

商社は、総合職の転勤など人が流動的な中で、一般職は変わらず長く働けます。

そのため、常に場の空気や関係性を作っていける社交性を持つ方が望まれるのです。

③語学力

企業によって異なりますが、商社では「語学力」が求められやすいです。

海外メーカーとの取引が多い商社では、英語や中国語などがビジネスレベルだと歓迎されやすいでしょう。

求められるレベルや内容は企業によって異なりますので、事前に志望企業の求めるスキルを確認しておいてください。

必要なスキルと想定される業務
  • スピーキング&リスニング:電話対応、調整・交渉、クレーム対応など
  • リーディング:メールや各種書類内容のチェックなど
  • ライティング:文書作成、請求書・発注書作成、メール対応など

「英語に抵抗のない方」という募集条件でも、単語を調べたり、翻訳機能を使用して英語のメールや発注書を確認できればいい場合もあります。

語学力があるほうが好ましいですが、現時点で自信がない方は、入社後に語学力を磨く意思をしっかりと示しましょう。

一般職の採用傾向

商社の一般職の採用傾向

近年、商社の一般職は採用人数の減少に加え、高学歴化の傾向があります。

以前であれば、一般職は女子大出身のお嬢様枠という印象がありました。

しかし今では、早慶出身の女子学生が割合の多くを占めるようになってきました。

なぜそのような傾向が見られるようになってきたのか、その要因として下記のような点が挙げられます。

①派遣社員の登用による職務内容の変化

採用人数の減少について挙げましたが、この大きな要因が、派遣社員の登用です。

派遣会社の求人では、商社の一般職の募集がよく見られるようになってきています。

商社で働いてみたいだけなら、正社員よりも派遣社員のほうが比較的採用のハードルは低いでしょう。

企業としても、派遣社員を採用することで正社員が行う業務が整理され、一般職の社員もこれまでとは異なる高度な業務に集中できて好都合です。

これによって、一般職の社員はさらにやりがいを感じるでしょう。

これが魅力の一つとなっています。

併せて、育児休業や時短制度の拡充などでライフステージの変化があっても、復職しやすいことから離職率が低下しています。

そのため、一般職の新規採用枠が減少していると考えられるのです。

②ワークライフバランスを重視している

商社に限らず、近年ではプライベートに重きを置く傾向にあり、仕事とプライベートの両立をしていけるかが、企業選びのポイントの一つになってきています。

以前ならば、高学歴な学生は総合職に就くのが自然な流れでした。

しかし、現在では、総合職は転勤があることや、一般職よりも残業など急な対応に追われることが多いことから、両立しにくい印象を持たれています。

そのため、早慶をはじめとした高学歴な学生も、意図的に一般職を選択するようになってきているのです。

優秀な学生が一般職の選考に集中することで、必然的に人材のレベルや選考の難易度が上がり、採用実績も難関大学の学生が多くを占めるようになっています。

 

商社の一般職で働くメリット

商社の一般職で働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、代表的な2つのメリットについて確認してみましょう。

メリット①転勤がない

一般職は基本的に転勤がなく、転居の必要もありません。

そのため腰を据えて働くことができ、プライベートとの両立もしやすいです。

一方で総合職は、さまざまな経験を積むために、国内外問わず異動が発生しやすいでしょう。

しかし、その分スキルの向上や出世にも繋がりやすくなります。

メリット②他業界の一般職よりも高収入

いわゆる事務職にあたる一般職は、総合職や営業職に比べると給与が低い傾向にあります。

大卒でも200,000円に満たないケースがあるくらいです。

その点、商社の一般職では求められるスキルが他の一般職よりも高いこともあり、収入はやや高い傾向にあります。

商社の一般職で働くデメリット

商社の一般職で働くことのメリットについて前述しましたが、必ずしもメリットばかりではありません。

商社の一般職で働くことには、下記のようなデメリットもあります。

デメリット①急なトラブルが発生しやすい

商社の一般職は、総合職に比べるとワークライフバランスが保ちやすい点が志望者増加の要因になっています。

とはいえ、他業界の一般職と比較すると、急なトラブルなどによる残業が発生しやすいです。

海外との取引などに携わっているため、時差の問題や物流の問題など、トラブルに直面することがあるのです。

企業によって方針は異なりますが、一般職と言えども、急なトラブルの対応は避けられないでしょう。

デメリット②キャリアアップが見込めない

一般職を選択する理由はさまざまありますが、良くも悪くもキャリアアップの見込みは低いでしょう。

以前に比べ、産休や育休制度、時短勤務制度の拡充で、出産後も仕事を継続する人が増えています。

そのため、一般職の離職率は低くなっていると考えられるのです。

一般職の中でも、役職が上がっていく人は一部います。

しかし、海外転勤をしたい、買い付けを行いたいといったように、他の経験を積みたいと感じた場合、その機会を得られにくいのはデメリットです。

働いていく中でキャリアに対する考えが変わった時、職種転換が可能な企業なら可能性はあります。

ですが、一般的には、事務職採用は部署の配置換えは可能でも、業務の内容が大きく変わる機会は少ないでしょう。

商社業界の大手企業紹介

大手商社企業と一般職の募集状況についてご紹介します。

高い売上高を誇る総合商社、専門商社それぞれ大手企業の求人を確認したところ、一般職の新卒募集要項はほとんど見られませんでした。

特に5大商社と呼ばれる、伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事においては、伊藤忠商事のみが現在掲載募集されています。

採用枠が減少すると、募集を行っている企業に応募が集中しやすいことを想定しておきましょう。

企業①伊藤忠商事

伊藤忠商事

出典元:伊藤忠商事

伊藤忠商事は大手総合商社であり、5大商社の1つと言われています。

繊維や金属からエネルギー、食料、金融まで、幅広い分野での取引や事業投資を行っている企業です。

国内よりも海外拠点を多く持つ伊藤忠商事では、事務職でも多忙であり、一般的な事務以上の職務にも携わるため、業務遂行力や語学力が求められます。

伊藤忠商事では、総合職と事務職の募集をしています。

一般職の給与は大卒・院卒225,000円、賞与は2回(夏期・冬期)です。

近年の採用人数については、2023年度はやや多い23名でしたが、基本的に十数名です。

採用予定人数も6〜10名となっているため、狭き門だと言えます。

 

企業②三井物産

三井物産

出典元:三井物産

伊藤忠商事らと並び、5大商社の1つとされる大手総合商社です。

金融資源やエネルギーから、流通事業やウェルネス事業、ICT事業まで、多角的に事業を展開している企業です。

人材育成に特に力を入れており、海外研修に参加することもできます。

特定の地域に興味のある方、現地で学んでみたいと思う方は、地域のエキスパートを目指せる英語圏以外の地域に年単位で研修に行くことが可能です。

成長環境が整っていると言えるでしょう。

新卒採用は総合職のみであり、一般職や事務職での採用情報は確認できませんでした。

2024年7月1日からは職種分類を廃止し、総合職に一本化されています。

懸念材料となりやすい転勤については、定期的に有無を選択できるでしょう。

総合職は転勤が必須であり、一般職はキャリアを積めないという実態が変わりつつあります。

 

企業③三菱食品

三菱食品

出典元:三菱食品

三菱食品は総合食品商社であり、食品に特化した専門商社です。

専門商社の中でも高い売上高を誇り、加工食品から菓子類や酒類まで幅広く取り扱っています。

新卒募集に関しては、アドバンス職(総合職)の募集のみです。

総合職にはマーケティングや経理も含まれますが、職種紹介や社員インタビューからは、事務職や一般職に関する情報は得られませんでした。

転職サイトには、一般職の勤務経験がある方の口コミが掲載されていたため、採用を行っていた時期はあると考えられます。

しかし、制度の拡充で出産後も働けるようになり、一般職の離職率が下がったことや、派遣社員での補填から、現在は募集していないのでしょう。

 

商社の一般職にお嬢様が多いのか?

商社の一般職にお嬢様が多いのか?

本記事のテーマでもある、「商社の一般職にお嬢様が多いのか」という点について、検証してみましょう。

お嬢様が多いと言われる理由は、商社という環境特性や求められるスキルなどを含め、下記のような点が影響していると考えられます。

語学力がある

商社では語学力が必要とされることが多く、語学力の高い人材が採用される傾向にあります。親の仕事の都合で海外に住んでいた経験や留学経験がある人は、経済的にも豊かな印象を持たれやすいでしょう。また、違った文化や国での経験がある人は、社交性も合わせ持っていることがあります。

偏差値の高い大学や女子大出身が多い

幼稚舎からエスカレーター式の学校が多い早慶女子や、女子大などからの採用実績が多いことで、お嬢様が多いイメージを持たれやすいでしょう。また、高学歴の学生は総合職を志望し、キャリアを積むイメージがあることから、一般職を選択する女性は、非キャリア志向というイメージを持たれやすいです。

ふんわりとした印象の女性が多い

社員インタビューなどで一般職の女性社員を見ると、明るさと落ち着きを兼ね揃えています。服装や見た目もふんわりとした印象の女性が多いです。愛嬌があり笑顔も見られます。心身の余裕もそうですが、見た目にも時間やお金をかける余裕がある印象のため、お嬢様のイメージと合致しやすくなります。

 

以前は「女性=お茶汲み」という時代もあり、コネ入社や顔採用といったこともありました。

しかし近年では、大手商社でも応募条件に、「現役社員の子女や兄弟姉妹でないこと」を含めているところがあります。

コネ入社を排除しようとしているのでしょう。

「商社の一般職ではコネ入社や顔採用をしている」というネガティブなイメージを払拭しようとする動きが見られるのです。

商社の一般職には、お嬢様が多いという点はいまだに完全には否定できません。

しかし、結婚を機に退職する女性が多かった時代から変わり、結婚や出産をしても仕事を続けたい女性にとって、商社の一般職は人気の高いポジションです。

このことが、商社の一般職の環境の変化に影響しているのでしょう。

まとめ

本記事では、商社の一般職について解説してきました。

商社の一般職は、以前まではお茶汲みや庶務を行う女子社員が多いイメージがありました。

そのため、あくまで結婚までの仕事として捉える女性が多い印象でしたが、近年ではそれが変わりつつあります。

早慶などをはじめとした偏差値の高い大学出身の学生は、総合職としてキャリアを積むことよりも、一般職を選ぶ傾向にあります。

やりがいとワークライフバランスの両方を叶えたいと考え、一般職を志望する傾向が高まっており、実態は変わりつつあるのです。

一方で、現在一般職の空きは出にくく、採用枠の減少も見られるため、選考の倍率や難易度は上がり、狭き門です。

就職活動においては、学歴フィルターや顔採用があるなどの噂も耳にしますが、噂を気にする必要はありません。

まずは自分の能力を高め、企業が求める人材とマッチするように、しっかりとアピールしていきましょう。

スキルを求める企業であれば、あなたが培ったスキルがきちんと評価されます。

自信を持って選考に臨めるように励んでください。

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