理系の最強資格はコレだ!を徹底解説!

理系の最強資格はコレだ!を徹底解説!

2024/8/21更新

はじめに

理系、すなわち工学部、理工学部等に代表される学部の学生さんの中には、大学院に進学し、研究者を目指す人も一定数おられると思いますが、学部を卒業または大学院の修士課程(博士課程前期)を終了した後、企業等に自身の活躍の場を求める人も多くいます。

就活においては、企業研究・業界研究はもとより、自身のエントリーシートの準備や面接での受け答えの仕方等、気になること、不安に思うことが多々あります。

そんな中で自身のアピールに役立つ資格を取得することができたならば、心強いとは思いませんか。

この記事では資格を取得したい理系の就活生を対象にしています。

対象
  • 就活に有利な資格ってあるの?
  • 就活まであまり日数がないけど、今からでも取得できる資格は?
  • おススメのテキストや効果的な勉強方法はないの?

理系の資格について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

また、理系の資格以外の業界全般については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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理系資格とは

まず、最初に「理系資格」とはどのような資格を意味するのでしょうか。

論者によっては、「試験内容に理系の知識が必要だったり、理系の人が多く受験する資格」をいうと説明しています。

要は、「その資格に合格するために、数学的その他の技術的知識ないし技能を重要な要素とする資格」だと思えばよいでしょう。

このような性格を持つ資格は数多くあり、中には誰もが知っていると言っても良い高度な資格があります。

例えば、医師や一級建築士がこれに該当します。

ただ、医師も一級建築士も大学において専門的なコースに進み、学ぶ必要があり、一般的な就活を前提とした資格取得と同じ土俵で論じるのは就活生に混乱を与えてしまうおそれがないとはいえません。

そこで、この記事では、医師等の資格・職業については対象から除外し、近時、理系の学生に人気の高い、知財分野、IT分野等における有力な資格を紹介するとともに、合格を勝ち取るうえでの秘訣をお伝えすることにします。

 

知財分野

知財分野の理系の最強資格

弁理士

弁理士は、特許や商標など、知的財産権に関連する法的な仕事を取り扱う専門家です。

職務内容は、知的財産に関する権利を取得するための申請書類の作成や産業財産権の紛争解決、コンサルティング業務など多岐にわたります。

依頼人から報酬の支払を受け、特許権等の権利取得のための特許庁に対する手続きを行ったり、特許庁による処分に不服がある場合の不服申立て等の代理も行います。

試験外観

出願手続き3月上旬~4月中旬
短答式試験時期:5月中旬~下旬
場所:東京、大阪、仙台、名古屋、福岡

※短答式筆記試験に合格しないと次の論文式筆記試験を受験することができません。

合格発表:6月上旬頃
論文式試験時期:6月下旬~7月上旬
場所:東京、大阪

※論文式筆記試験は必須科目と選択科目の片方のみでも受験可能です。
ただし、両科目に合格しないと次の口述試験を受験することはできません。

合格発表:9月中旬頃<予定>
口述試験時期:10月中旬~下旬
場所:東京
最終合格発表10月下旬~11月上旬頃
受験資格特にありません。
(学歴、年齢、国籍等による制限は一切ありません。)
受験手数料特許印紙12,000円

※収入印紙では受験できませんので注意してください。
特許印紙は郵便局で購入できますが、局によってはとりあつかっていないところもあります。
このため、事前に電話等で確認することをおススメします。

 

弁理士試験の具体的な試験期日は、毎年1月中旬頃に官報で公告されます。

このため、当該官報を参照するか、特許庁の公式サイトで試験日程等を確認することとしてください。

効果的な学習法

弁理士試験は、国家資格の中において、司法試験や公認会計士試験等と同様に難解な試験の1つです。

このため、完全な独学での受験勉強は効率的であるとはいえないでしょう。

受験指導機関(いわゆる受検予備校)を利用することがよいといえます。

もちろん、相応の費用負担を要することなので、慎重に検討していただく必要がありますが、多くの受験生は何らかの形で受験指導機関を利用しているようです。

苦手な科目や答案練習・模試等に絞って利用してみることもよいでしょう。

 

知的財産管理技能士

資格概要

就活生の中には、「弁理士という仕事には魅力を感じるけど、難易度が高そう」とか、「知的財産には興味があるけど、弁理士の業務ほど深く専門的でなくてもいいんだけど」と思っている人はいないでしょうか。

そんな就活生におすすめなのが知的財産管理技能士です。

知的財産管理技能士とは、企業等において自社の知的財産を適切に管理、活用して貢献することのできる能力を備えていることを国家資格を持って証明された人材をいいます。

業務内容としては、特許、商標、著作権等の取得、保護、活用に関する戦略の企画立案と実行や、それに伴うリスク管理、契約交渉等をあげることができます。

企業において、ビジネスモデルを支えるのが知財マネジメントです。

ビジネスの世界では、研究開発者・技術者、クリエイター、デザイナー、経営企画、販売営業等々といったあらゆる人材について身に着けておくべきスキルの1つです。

知財の管理は、ビジネス界において重要なテーマとされているので、この資格を保有することは、今後、非常に有利になると言えるでしょう。

試験外観

知的財産管理技能士の特徴は、レベルに応じて級が設けられ、試験範囲や受験資格が異なることです。

1級と2級については、それぞれ知財業務に関する一定の実務経験(2級は2年以上、1級は4年以上)があることが必要になるため、通常の就活生は、これを満たすことができません。

よって就活生としては3級に焦点を当てる戦略がよいでしょう。

等級業務国家資格
1級特許専門業務一級知的財産管理技能士(特許専門業務)
コンテンツ専門業務一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)
ブランド専門業務一級知的財産管理技能士(ブランド専門業務)
2級管理業務二級知的財産管理技能士(管理業務)
3級管理業務三級知的財産管理技能士(管理業務)

 

知的財産管理技能士3級

出願手続き原則として、年3回実施。
各回によって、実施する試験、実施地区が異なる。
学科従来の試験方式(紙試験)とCBT方式とがある。
実技同上
受験資格知的財産に関する業務に従事している者または従事しようとしている者」。
つまり、知財管理業務を目指そうとしている人であれば誰でも受験できる。
受験手数料6,100円

 

3級の合格率は約70%であり、これは国家資格の中でも比較的高い合格率といえます。

もちろん、試験である以上、合格率が高いとしても油断は禁物です。

試験の出題範囲としては、以下のように説明されています。

技能検定試験の合格に必要な技能及びこれに関する知識の程度

知的財産管理の職種における初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに 関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業 においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、 中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解 決することができる技能及びこれに関する初歩的な知識の程度)を基準と する。 

試験科目及びその範囲

試験は、学科試験と実技試験とに分かれます。出題範囲は、知的財産に関する競争力の保護(ブランド保護、技術保護、コンテンツ保護、デザイン保護)と活用(契約、エンフォースメント)に分かれます。下記の「参照ページ」をご覧ください。

効果的な学習法

3級の試験は、基本的に独学でも十分合格し得るといえます。

著作権法と特許法が特に重要ですので、テキストに沿って学習を進めてください。

テキストとしては、知的財産教育協会が編集する公式テキスト「知的財産管理技能検定3級公式テキスト(改訂14版)」があります。

このテキストは、「事例とQuestion」「Lesson」「正解と解説」の3部から構成されています。

理系の学生は、法律用語になじみのない場合が多いかもしれず、法律用語に慣れる必要があることからテキストの他に法律用語辞典を購入するなどして、手元においておき、必要に応じて参照していくとよいでしょう。

合格するために必要になる勉強時間がどのくらいかは気になるところです。

目安としては平均して2〜3か月程度、50時間以上といわれています。

もっとも、勉強時間としてある程度まとまった時間を確保することができるのであれば、1か月かからず(最短2週間程度)に合格レベルに到達するという意見もあります。

知的財産に興味のある人は受験してみてはいかがでしょうか。

3級に合格した後、更に知的財産関係を深めてみたいという気持ちになった場合には2級を受験するのも良いですし、上述の弁理士試験への挑戦も視野に入れてみると良いでしょう。

 

IT分野

IT分野の理系の最強資格

情報システムの安全性を確保するために必要な高度の知識と技術を有する専門家を育成することを目的とする資格である情報処理安全確保支援士について詳しく紹介していきます。

情報処理安全確保支援士

資格概要

情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)は、日本のサイバーセキュリティ分野における国家資格です。制度であるといえます。

情報処理安全確保支援士の資格を取得することにより、業務品質の向上が実現することに加え、キャリアアップや幅広い分野での活躍が期待できます。

この試験はサイバーセキュリティリスクを分析して評価を行い、事業・サービス・情報システムの安全確保を任務とするセキュリティエンジニアや、技術と管理の両面から有効な対策を助言ないし提案するセキュリティコンサルタントを目指す人に適しており、近年、注目を集めています。

業務と役割

情報セキュリティマネジメントに関する業務、情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保に関する業務、情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用に関する業務、情報セキュリティインシデント管理に関する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者に対する指導を行います。

情報処理安全確保支援士の役割
  • 情報セキュリティ方針及び情報セキュリティ諸規程(事業継続計画に関する規程を含む組織内諸規程)の策定、情報セキュリティリスクアセスメント及びリスク対応などを推進又は支援する。
  • システム調達(製品・サービスのセキュアな導入を含む)、システム開発(セキュリティ機能の実装を含む)を、セキュリティの観点から推進又は支援する。
  • 暗号利用、マルウェア対策、脆弱性への対応など、情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用を推進又は支援する。
  • 情報セキュリティインシデントの管理体制の構築、情報セキュリティインシデントへの対応などを推進又は支援する。

試験事件・出題形式等

時間区分試験時間出題形式出題数/解答数
午前150分四肢択一30問/30問
午前240分四肢択一25問/25問
午後150分記述4問/2問

 

試験範囲

【午前1】

テクノロジ系基礎理論、アルゴリズムとプログラミング、コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、ヒューマンインターフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査、
ストラテジ系システム戦略、システム企画、経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ、企業活動、法務

 

【午前2】

テクノロジ系データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェ開発管理技術
マネジメント系サービスマネジメント、システム監査

 

【午後】

試験内容
  • 情報セキュリティマネジメントの推進または支援に関すること
  • 情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保の推進または支援に関すること
  • 情報および情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用の推進または支援に関すること
  • 情報セキュリティインシデント管理の推進または支援に関すること

情報処理安全確保支援士試験の合格率は20%前後であるといわれています。

難しい試験であることは事実ですが、合格すれば、セキュリティの専門家として企業等で活躍できるので、興味や関心のある理系の就活生の皆さんは取り組みを検討してみてください。

効果的な学習法

既に基本情報技術者や応用情報技術者試験に合格しているなど、IT分野に関する勉強法を確立している人は、自身の方法論に従って学習していただくことで良いです。

一方、まだ勉強法が確立できているというわけではない人の場合には、多くの受験生が使用しているテキストを読み進めることから始めてみてはいかがでしょうか。

情報処理安全確保支援士に関するテキストとして定評のあるもの、代表的なものは次のとおりです。

おすすめテキスト
  • 情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2024年版
  • 令和06年 春季 秋季 情報処理安全確保支援士合格教本
  • 徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書 令和6年度
  • ゼロからスタート! 教育系YouTuberまさるの情報処理安全確保支援士1冊目の教科書

上記の中で特におすすめは、「情報処理教科書」です。その理由は情報量の豊富さにあります。

「セキュリティとは」にはじまり、ISMSの管理面、暗号技術、ネットワークセキュリティ技術、これらに関連する法務事項に至るまで丁寧に解説されているのです。知識の有無が合格の重要な要素となりますので、情報量が豊富であることが最大のウリになります。

 

基本情報技術者

資格概要

基本情報技術者試験は、IT業界で仕事をするうえで基礎的な能力を身に着けているかを問う試験です。

いわば、ITエンジニアの登竜門ともいうことができます。

情報処理安全確保支援士を受験したいが、「段階を踏んで受検計画を立てたい」と考える人は、基本情報技術者から取り組むのもよいです。

年間10万人もの人が基本情報技術者試験を受験するといわれています。

基本情報技術者試験に合格すれば、プログラミングやソフトウェアなど、ニーズの高いIT知識を身に着けていることの証明になります。

さらにマーケティングやマネジメント等の関連知識をも学ぶことができ、その結果、自身のキャリアアップにもつながる可能性が高まります。

業務と役割

基本情報技術者は、上位者の指導の下に、次の役割を果たすことになります。

基本情報技術者の役割
  • 組織及び社会の課題に対する、ITを活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義に参加する。
  • システムの設計・開発、汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、利用者にとって価値の高いシステムを構築する。
  • サービスの安定的な運用の実現に貢献する。

出題形式

科目試験時間出題数/回答数出題形式内容
科目A90分60問/60問多肢選択知識
科目B100分20問/20問多肢選択技能

 

効果的な学習法

基本情報技術者については、理系の学生であれば、独学で十分に合格し得るといえます。

一般般に定評があるといわれているテキストの中から自分に合うものを使用すればよいでしょう。

参考情報として基本情報技術者試験に関するテキストとして定評のあるもの、代表的なものを挙げておきます。

おすすめテキスト
  • かやのき先生の基本情報技術者教室
  • キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
  • いちばんやさしい基本情報技術者
  • 情報処理教科書出るとこだけ 基本情報技術者

「かやのき先生の基本情報技術者教室」は、参考書+問題集という構成であり、いわばオールインワンタイプのテキストであるといえます。

イラストをはじめ図解が豊富であるため、理解がしやすいように工夫されています。

各節の解説内容は比較的短めなので、スキマ時間を効果的に使って学習を進めるには好都合です。

「いちばんやさしい基本情報技術者」は、多くの図解を用いて丁寧な解説がなされ、重要な箇所で過去の本試験で繰り返し問われている事項の過去問を掲載しています。

基本情報技術者試験は満点を取る必要があるわけではなく、細かな知識を追い求め始めるとキリがなく、受験者としては不安が募るばかりとなるため、重要な頻出事項に重点を置くテキストは使いやすいといえるでしょう。

 

まとめ

この記事では、理系人材に向けて取得しておくとキャリアアップに繋がる可能性が高まる資格を紹介しました。

理系の資格は、その種類・数ともに非常に多く、この記事で紹介したものが全てではないことはもちろんですし、ここに掲載していない資格で重要性があり、今後もキャリアアップ等のために有力刃物は少なくありません。

就活生の皆さんにおかれては、自身の興味や関心、さらには将来的な目標等に合わせて取得を目指す資格を選べばよいでしょう。

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