商社業界の就活について徹底解説!商社のビジネスモデルや5大商社について紹介
2024/6/21更新
はじめに
就活生から根強い人気を誇っている商社業界。
給与水準の高さや世界中をまたにかけて仕事ができる点などから、選考が高倍率になることで知られています。
この記事では、商社への就職を希望している就活生に向けて、以下の内容についてまとめています。
- 商社のビジネスモデルについて
- 総合商社と専門商社の違いについて
- 商社業界をけん引している5大商社について
- 商社の選考対策について
商社の選考通過率を高めるには、まず商社のビジネスモデルについて理解するところからはじめましょう。
収益を上げる仕組みや商材について知識をつけることで、志望動機の具体性も高まります。
「自分の強みをどのように商社で活かしていくのか」「自分の夢をどのように商社で実現させるか」をイメージしながら読んでいただけると幸いです。
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商社のビジネスモデルについて
商社のビジネスモデルは、大きく「トレーディング」と「事業投資」に分類することができます。
それぞれの特徴について解説していきます。
トレーディングとは
商社の行うトレーディングとは、国内外で「商品・商材を売りたい企業(人)」と「商品・商材を買いたい企業(人)」を仲介し、利益を得ることを指します。
利益の種類は仲介したことによる「手数料収入」と売値と買値の差額である「利ざや」の2種類です。
また、商社は単純に「売り手」と「買い手」を結びつけているわけではありません。
商社が保有する「販売ノウハウ」「豊富な物流網」「資金力」を提供します。
すなわち、「マーケティング価値」「物流価値」「金融価値」など付加価値をつけることにより、ビジネスをより強固なものにしているのです。
事業投資とは
事業投資とは「他社に自社の経営資源を投資し、その企業の価値向上とともに利益を得る手法」です。
経営資源とは「ヒト・モノ・カネ」を指します。
つまり、豊富な経営資源を提供することにより、投資先の価値を高めるのです。
企業価値が高まったことによるキャピタルゲインを得ることはもちろんのこと、投資先の企業の強みと商社の経営資源を掛け合わせ、新規ビジネスを創出することがもう一つの目的です。
商社が取り扱っている商材は?
商社が取り扱う種類は、「鉄鋼」「半導体」「食品」「繊維」「エネルギー」「医薬品」「化学」「日用品」など多岐にわたります。
商社は「カップラーメンからミサイルまで」と揶揄されるように、幅広い商材を取り扱うことが特徴です。
商社はどこでビジネスを行うの?
商社は世界中に拠点を構えており、世界中で業務を行う必要があります。
必然的に勤務している社員は、海外に駐在する可能性があることを心得ておきましょう。
世界各国で勤務する可能性があるので、多国語を習得していることは大きな強みとなります。
エントリーシートへの記入や面接時には、積極的にアピールしましょう。
総合商社と専門商社の違いについて
商社には「総合商社」と「専門商社」が存在します。
2つの大きな違いは「扱う商材や分野の領域」です。
あらゆる分野のあらゆる商材を使ってビジネスを展開する「総合商社」に対して、得意としている分野や、商材を限定的に取り扱っている商社を「専門商社」と呼んでいます。
それぞれメリット、デメリットがありますので、就職先を検討する際は、自己分析を徹底的に行い、自分が求める働き方を明確にして選考に臨みましょう。
商社業界をけん引している5大商社について解説!
ここでは、商社業界を引っ張っている商社5社について詳しく説明していきます。
①三菱商事
出典元:三菱商事 – Wikipedia
三菱商事とは
三菱商事は、東京都千代田区に本社を置く総合商社です。
2022年度の有価証券報告書によると、三菱商事には約4,400人の従業員が従事しており、収益は約2兆4,000億円となっています。
1954年に創業して以来、順調に業績を伸ばし、世界中に広がる約1,800の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。
地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8グループ体制で事業を展開するほか、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も担っているのです。
三菱商事は、創業以来の社是である「三綱領」の考え方を大切にしています。
「三綱領」とは、「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」の3つから成る言葉で、事業を通じ、豊かな社会実現に向け、透明性のある経営を全世界規模で行うことを意味しています。
この考え方をもとに、商社業界および三菱グループをけん引する存在として事業を展開しているのです。
三菱商事の強み
三菱商事の強みは、総合力の高さです。
三菱重工、三菱東京UFJ銀行とともに、三菱グループの御三家といわれるだけあって、さまざまな分野に強みを持っていますが、特に、天然ガスや金属などの「資源分野」の利益がずば抜けています。
また、コンビニエンスストアのローソンを子会社に持つなどリテール事業などの非資源分野にも注力しており、今後も成長を続けるでしょう。
②住友商事
出典元:住友商事 – Wikipedia
住友商事とは
住友商事は東京都千代田区に本社を置く、総合商社です。
2022年度の有価証券報告書によると、住友商事には約5,000人の社員が在籍しており、約5,900億円の収益を上げています。
住友商事のルーツは1919年に設立された「大阪北港株式会社」で、不動産経営などを手がけていました。
その後、順調に事業を拡大し、1970年代には総合商社としての経営基盤を確立。
グローバルベースで収益力を強化するため、海外広域運営体制をスタートさせるなど、さまざまな取り組みを行い、社会問題の解決に向け、事業を展開してきました。
主な事業として、鉄鋼、輸送機、都市開発、ライフスタイルなど合計8グループを展開しており、グローバルに広い領域での対応を可能としています。
住友商事の強み
住友商事は、住友系企業との関連性が高い「金属」や「輸送機・建機」、国内で安定した事業基盤を有する「メディア・生活関連」などを強みとしていることが特徴です。
また、非資源分野での安定した収益確保が重要取組事項とされており、全社をあげて取り組みを推進しています。
③伊藤忠商事
伊藤忠商事とは
伊藤忠商事は、大阪市北区と東京都港区に本社を置く総合商社です。
伊藤忠商事には、約4,000人の社員が在籍しており、年間約4兆2,071億円の収益を誇る企業として5大商社の一角を担っています。
伊藤忠商事は、創業者である伊藤忠兵衛の言葉から生まれた「三方よし」の考えを企業理念としています。
「三方よし」とは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の精神を意味し、自社の利益だけでなく、取引先や社員の期待に応えること、日本経済や地域社会の発展に貢献することを目標に掲げ事業を行っているのです。
2024年6月に自動運転トラックを用いた物流サービスプロバイダーであるGatik社への出資を発表するなど、社会問題解決に向け事業を展開しています。
伊藤忠商事の強み
伊藤忠商事の強みは非資源分野です。
特に生活消費関連ビジネスを強みとしており、資源分野と非資源分野のポートフォリオのバランスが良いので、安定して収益を挙げることに成功しています。
伊藤忠商事は、単体従業員数が大手総合商社で最少ながら、2015年度(2016年3月期決算)には最終利益で三菱商事を抜き、総合商社業界でトップとなるなど、素晴らしい経営成績を残しています。
これは、資源分野を強みとしている三菱商事と三井物産が資源価格の下落に苦しんだことが理由として挙げられますが、安定した事業ポートフォリオを構築していた伊藤忠商事の作戦勝ちといえるでしょう。
④三井物産
出典元:三井物産 – Wikipedia
三井物産とは
三井物産は東京都千代田区に本社を置く総合商社です。
実は「総合商社」という企業形態は日本特有のもので、総合商社のビジネスモデルは三井物産がつくり上げたといわれています。
三井物産は明治時代から積極的に海外に進出し、販路の開拓を行いました。
当時の外交官から「公館(大使館など)なけれど物産あり」と言わしめるほど、世界進出を行っていたのです。
総合商社のさきがけとして事業を展開している三井物産ですが、事業の面以外にも「人の三井」と呼ばれ、優秀な人材を多数輩出していることで知られています。
大日本麦酒(現:アサヒグループホールディングス、サッポロホールディングス)、大正海上火災保険(現:三井住友海上)、東レなどの企業は三井物産出身者が設立しました。
三井物産の強み
三井物産は資源分野を強みとしており、資源分野の中でも特に金属資源分野に注力しています。
また、鉄道などのインフラ分野、消費財の製造・販売分野などの非資源分野にも注力しており、ポートフォリオを再編する動きが強まっているようです。
⑤丸紅
出典元:丸紅 – Wikipedia
丸紅とは
丸紅株式会社は東京都千代田区に本社を置く、みずほ銀行系の総合商社です。
丸紅のルーツは伊藤忠商事の創業者である伊藤忠兵衛の行商にあるとされており、5大商社の一角を担っている伊藤忠商事とは同根にあたります。
2022年度の有価証券報告書によると、丸紅には約4,300人の従業員が勤務しており、約2兆2,000億円の収益を上げています。
丸紅は社是である「正・新・和」の考えを大切にしており、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献することを目指しているのです。
2020年に原油価格の暴落による減損損失を計上しますが、2021年には大規模な黒字転換を果たすなどリカバリーに成功しています。
今後も5大商社の一角として商社業界をけん引していくでしょう。
丸紅の強み
丸紅は伝統的に紙・パルプ部門、食料部門、電力部門を強みとしています。
特に穀物事業では、穀物の取扱量は国内1位を記録するなど順調です。
また、中期経営計画では「グリーン戦略」を強化することを公言しています。
グリーン戦略とは、環境負荷の低減や持続可能社会の実現を目指す戦略を指し、丸紅は環境配慮型食料事業・新エネルギー事業に注力していくとしています。
これらの取り組みにより丸紅は、総合商社業界のグリーン化推進のトップランナーとなるのではないでしょうか。
商社に求められる人材とは
商社が求める人材について、各社で示している細かな方針はあるものの、大きく共通しているのは「価値創造に向け挑戦することができる人材」です。
商社のビジネスで重要なのは、新規需要や新規ビジネスの創出です。
自由な発想や独自の視点からビジネスについて、考えることのできる人材を求めています。
例として、三菱商事は「将来の経営人材として活躍できる人材」を、伊藤忠商事では、「お客様目線で自立して仕事を進めることができる人材」をそれぞれ求めています。
一方で、住友商事ははっきりとした求める人材像を示していません。
同社は2018年からエントリーシートを廃止し、就活生一人ひとりの本質を見て採用したいと考え、対話重視の採用に切り替えています。
この分野なら誰にも負けないという点をアピールする「ナンバーワン採用」や、入社後の部署を明示したうえで採用を行う「キャリアビジョン採用」など、時代に合わせて採用の方法も多様化しているのが特徴です。
改めて自己分析を行い、他者にない自分だけの強みは何なのかを確認し、選考に臨みましょう。
商社で働く際に求められるスキルとは
- コミュニケーションスキル
- 語学力
- 柔軟性
- 体力
- 忍耐力
- リーダーシップ
- 創造力
上記のスキルを入社前にすべて兼ね備えている人材は少ないでしょう。
入社してからスキルアップしていけば問題ありませんが、入社前に「これだけは誰にも負けない」という強みがあれば、エントリーシートや面接でアピールしましょう。
商社業界の選考対策について
ここからは、難関で知られる商社業界の選考を突破するために「エントリーシート作成のポイント」や「面接でのポイント」について解説します。
エントリーシート作成のポイント
エントリーシートは、選考の第一関門といえます。
通過率を高めるために、以下のポイントをおさえましょう。
エントリーシートを作成する際は「PREP法」を用いて作成することを心がけてください。
「PREP法」とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、そして再びPoint(結論)の頭文字から名付けられている構成方法です。
必ず結論を先に述べ、論理的に文章を作成しましょう。
また、企業はエントリーシートで以下のポイントをチェックしています。
- 就活生の志望度の高さはどうか
- なぜその企業を志望しているのか
- 入社後のビジョンや夢はあるかどうか
- 質問に対して的確な回答であるかどうか
- アピールポイントに根拠があるか
エントリーシートは良くも悪くも、文章だけで就活生のポテンシャルを判断しますので論理的かつ明確に個性を表現することが重要です。
各企業のエントリーシート対策については、以下のリンクをご覧ください。
面接でのポイント
商社の面接を受ける際のポイントについて解説します。
結論から申し上げると、商社の面接だからといって気負うことはありません。
ありのままの自分を採用担当者に伝えましょう。
商社は日々変化する社会情勢に対応すべく、多様な人材を求めています。
自分という人間を最大限表現すれば問題ありません。
とはいうものの、以下のポイントをおさえておくのがよいでしょう。
- 面接のマナーを守ること
- 「PREP法」を意識し、結論を簡潔に述べること
- 自分本位で話すのではなく、面接官と「会話」すること
- 話し方や言葉遣い、所作を意識すること
- 企業分析を徹底してから面接に臨むこと
上記の5つは基本中の基本ですので確実におさえるようにしましょう。
以下の記事で面接のコツなどについて解説しています。ぜひご覧ください。
商社を目指す就活で鬼門となる「ケース面接」対策
商社やコンサル業界の面接では、論理的思考や問題解決能力を問う「ケース面接」が実施されることがあります。
「ケース面接」とは、与えられた課題に対して制限時間内に対応について具体策を提案する面接方式です。
代表的な例として、「都心部の満員電車の現状と改善策について説明してください」このような課題が与えられます。
この問題では、例題が与えられず、自分で仮定を立てて推定する力が求められますので、以下の流れで対応しましょう。
【ケース面接の対応方法例】
- 「フェルミ推定」を用いて前提・仮定を立てること
(電車のキャパシティと利用者数を算出する) - 満員電車の混雑状態を解消するためにゴールを数値化する
(乗車率を何%にするか決定する) - 有効な手段について答えを用意する
(電車の利用者を減らす取り組みを行う・乗車定員を増やすなど) - ゴールの数値を示し、面接官に回答する
面接が、いきなり「ケース面接」形式で行われると、何をしていいかわからずパニックに陥ってしまう可能性があります。
「ケース面接」対策ばかり行うのは本末転倒ですが、商社の内定を勝ち取ろうと思うのであれば、最低限の知識は備えておきましょう。
詳しい「ケース面接」の対処方法は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
さいごに
この記事では、商社への就職を希望している就活生に対し、商社のビジネスモデル、5大商社の特徴、選考対策について解説しました。
商社業界は就活生から人気の業界で、選考は高倍率になる可能性が高いでしょう。
特に、本記事で紹介したような5大商社の就職偏差値は非常に高く、ポテンシャルの高い就活生が集まる傾向にあります。
しかし、明確な志望動機をアピールして選考対策を充実させれば、学歴、文系、理系問わず、内定を獲得できるチャンスがあるでしょう。
ぜひ、この記事を参考にし、内定を獲得できるよう頑張ってください。