リモートワーク(在宅ワーク)がベースになるのは、どんな業種?を徹底解説!

リモートワーク(在宅ワーク)がベースになるのは、どんな業種?を徹底解説!

2024/6/21更新

はじめに

コロナ禍を契機として、ビジネス界においてはリモートワーク(在宅ワーク、以下「リモートワーク」といいます)が導入され、今では、多くの企業に取り入れられた印象を受けます。

就活生の皆さんも、ご両親をはじめご家族が従来は朝早くから出社していたのに、今では出社する機会が大幅に減少し、代わりに自宅や近隣のシェアオフィス等において、パソコンを用いて仕事をする姿をご覧になったことがあるのではないでしょうか、

その一方で、すべての人がリモートワークをしているわけではないことも事実です。例えば、実店舗で買い物をする際、お店には顧客対応等を行うスタッフを見かけます。

そこで疑問に思うのは、リモートワークに適する業種と適さない業種があるのではないかということです。

本記事ではリモートワークについて以下を知りたい就活生を対象にしています。

対象
  • リモートワークに適しているのはどのような「業種」か
  • リモートワークに適する「職種」はあるのか
  • リモートワークを実施する場合の注意事項はあるのか

リモートワークについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

また、リモートワーク以外の業界全般については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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リモートワークって何?

リモートワークとは

まず、最初にリモートワークとは、どのような内容のものを指すのか、簡単に説明しておきます。

リモートワークとは、オフィスとは別の場所で仕事をする勤務形態をいいます。

自宅等からオフィスに向かう通勤時間(往復)を大幅に削減することができるため、その分の時間を業務そのものに集中させることにつながり、業務の効率化を実現することができるでしょう。

また、仕事を離れた後は、子育てや介護の他、自己啓発等に充てることもでき、従来のようにオフィスに出勤して仕事するスタイルでは、困難な事項にも対処することが可能になりました。

なお、リモートワークとテレワークは、基本的に同じ意味に用いられています。

 

リモートワークの普及率は?

リモートワークの普及率

導入企業は5割超

それでは、リモートワークはどの程度普及しているのでしょうか。

コロナ禍においては、感染症の普及を抑える必要から、社員が出社せずとも業務を遂行することができる方法としてリモートワークが導入された経緯があります。

しかし、その後、コロナが従来と比べて落ち着きを取り戻した状態において、その実施状況はどのようなものでしょうか。

この点について、総務省による「令和4年通信利用動向調査」によると、リモートワーク導入企業は5割超に上っていると言います。

コロナ禍からのより戻しも次いで、国土交通省の「令和5年度テレワーク人口実態調査ー調査結果(概要)-令和6年3月」によれば、次のような結果が示されました。

調査結果
  • 地域別にみると、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)では、1.9ポイント減少したが、令和2年度以降は3割超の水準を維持している
  • コロナ禍以降の直近1年間のテレワーク実施率は、どの地域も減少しているが、全国平均ではコロナ流行前時点のテレワークをしたことのある人の割合と比べて高い水準を維持(従来よりは高い水準となっているものの、コロナ禍からのより戻しが見られる)
  • さらにテレワークの実施頻度についてみると、週1日以上テレワークを実施する人の割合は、令和2年度から増加し、令和5年度は7割超となった
  • 社員の半数以上が週3日以上のテレワーク実施を、7割以上が週1以上の出社と組み合わせたハイブリット型の勤務を希望している 
  • 若い年代ほど「勤務先の方針に従い、出勤」する割合が低く、「テレワーク可能な働き方ができるよう勤務先と交渉」または「転職または独立起業を検討」する割合が高い傾向にある

若手はリモートワークを重視する傾向

この調査結果によれば、コロナ禍以降、多少のより戻しはあるものの、リモートワークの利用は継続しており、その流れは今後も続くものと推測できるでしょう。

また、若手社員ほどオフィスへの出勤をする意識が低い傾向にあることから、就活生においても、リモートワークによることの可否を就活に当たって重要な要素として考えている可能性があることが想像され、企業においても、就活生にそうした意識の可能性があることを考慮しておきたいところです。

 

リモートワークのメリット・デメリット

このようにリモートワーク自体は定着し、なおかつ、若手になるほど支持されていますが、

そのメリットとデメリットのうち、主要なものをあらためて整理しておきましょう。

メリットデメリット
  • 通勤の負担が軽減される
  • 鉄道混雑や交通渋滞が緩和される
  • 出勤が負担になる人(子育て、介護、病気、けが、障がい、加齢等)も働き続けられる
  • 災害や事故発生時でも業務を行うことができ、BCP(事業継続性)が確保される
  • 生活(家事、趣味・娯楽、介護、育児・子育て等)や健康を重視するようになる
  • 運動不足になる、外出が減る
  • オン・オフの切り替えが難しくなる
  • コミュニケーションがとりづらく、業務効率が低下する

 

現在もリモートワークを継続している人の約4割は、生活全体に対する満足度が向上したと考えているとのことです。

中でも、子育てのしやすさや心の健康に対する満足度の割合が約3割となっています。

 

リモートワークに適した「職種」については、次の記事で解説されています。非常に分かりやすく記述されており、参考になる記事なので、ぜひ読んでみてください。

リモートワークに適した業種とは?

リモートワークに適した業種

トップ3は、「情報通信業」「金融・保険業」「不動産業」!

リモートワークを実施するのに適した業種があります。

その典型と言えるのが「情報通信業」です。

情報通信業のリモートワーク導入率は、2020年時点で92.7%にのぼっています。

パソコンと通信環境が整えば、仕事をすることができるので、情報通信業に従事する人は、その特徴を活かしてリモートワークをすることができるでしょう。

情報通信業に続くのが「金融・保険業」です。

金融・保険業も2020年時点で68.1%の企業がリモートワークを導入しています。

金融・保険業に肩を並べるのが「不動産業」です。

不動産業のリモートワーク導入率は、2019年時点では25.4%にとどまっていましたが、翌2020年には68.1%に達しました。

 

リモートワークに適する業種の特徴5選!

特徴1.場所と時間を問わない

リモートワークに適した業種の最大の特徴は、仕事をするうえで「場所と時間を問わない」ことです。

すなわち、特定のオフィスないし場所に出向いて仕事をする必要がないため、自身が仕事をしやすい場所を選ぶことができるでしょう。

その場所としては、自宅であったり、近隣のシェアオフィスを利用することが考えられます。

また、自宅等であれば、室温の設定なども基本的に自身の好みに合わせて設定することができますし、デスクや椅子等も自身にとって使いやすいものを選ぶことによって、より効率的・機能的に仕事を進めることができるはずです。

 

また、リモートワークは仕事をする時間帯も自身の都合で選択することもできるでしょう。

早朝から仕事を開始し、午後早めに切り上げるということも可能ですし、子育てや介護等の事情のある人は、それに合わせて業務時間を設定することができるはずです。

 

もっとも、会社によってはリモートワークをする際の場所・時間・方法等について、全て社員の自由とされているわけではなく、一定の条件が付されることが通常といえます。

よって、リモートワークをするにあたり、あらかじめ会社が定めるルールを十分に確認し、これを遵守したうえで実施する必要があることをしっかりと確認しておいてください。

 

特徴2.オンラインで完結できる

他の社員やクライアントと直接対面することなしにオンライン上で仕事を簡潔することができることもリモートワークに適した業種の特徴です。

WEBライターやデザイナーの仕事がその典型例です。

オンライン上で成果物を納入することで、関係者間でその成果を共有できるわけです。

人間が実際に現物を確認する必要があったり、人から人へ手渡し等する必要のある仕事についてはそのようにいきません。

 

特徴3.仕事の内容が明確

リモートワークは、社員による業務の成果の合否判定にあたり、いわゆる熱意等の曖昧なものではなく、業務の内容が所定の使用条件を充足したものとなっているか、を判断するため、仕事の内容が明確であるという特徴があります。

これは言い換えると、社員の働きぶりを評価者にみてもらい、「あの社員は頑張っている」こと自体を評価対象とするものではないということです。

つまり、単にたくさん汗をかいていることだけでは業績として評価されるものではなく、具体的な仕事として「結果」を残す必要があるのです。

クライアントから求められている成果物(資料)の作成やデータ入力等がこうした結果に相当します。

加えて、リモートワークでは、オフィスベースとは異なり、自身の傍に上司や先輩がいて適宜指導や助言をしてくれる状況にはないため、会社ないし職場であらかじめ詳細な業務マニュアル等が定められており、そのマニュアルに則って仕事をしていくことになります。

業務マニュアルが上司や先輩の代わりを務めてくれることになるわけです。

 

特徴4.人的コミュニケーションを対面でしなくても済む

リモートワークは個人で仕事を進めることができるため、基本的には、他人とのコミュニケーションを必須とするものではないといえます。

もちろん、会社員として組織に属している以上、自身が属するチームのメンバー間で定期的なミーティングが実施されることはありますが、その場合もオフィスに出社して対面形式で行う必要は必ずしもなく、オンライン上でのミーティング形式を採用することで対応可能になります。

また、チームでのミーティングの他、自身が仕事を進めるうえで疑問ないしは解決することを要する課題が発生した場合にも、上司や先輩との間で直接の対面をするのではなく、ミーティングと同様にオンライン形式で相談等をすることで疑問ないし課題の解決に結びつけることができるという特徴があります。

 

特徴5.社員・スタッフが減少しても仕事に支障を来さない

リモートワークは、基本的に自身に課せられた仕事をこなしていくものであるため、個人プレーの色彩が強いといえます。

必ずしもチームワークを重要視するものではないため、社員やスタッフの員数が確保されていることを必須とするものではありません。

このため、試案やスタッフが減少したとしても、一時的な混乱はあるとしても、その後の調整が可能であり、結果的に仕事に対して支障を来さないといえるでしょう。

 

リモートワークに適さない業種の代表例

接客業

次に、リモートワークに適さない業種についても見ておきましょう。

まず、飲食店やホテル・旅館等の宿泊に関する業務については、リモートワークによることは困難だといえます。

なぜなら、その業務の性格上、人と直接接することによりサービスを提供する必要があるためです。

もっとも、接客業について一部リモートワークを導入することにより、従業員の員数を減少させ、業務効率化を実現する余地は残されています。

製造業

工場等において原材料を加工して製品の製造を行う業務も完全なるリモートワークの実施は困難だといえるでしょう。

もちろん、AIの利用を通じてリモートワークを導入する可能性もありますが、現状では、社員・スタッフによる技術を駆使する側面が強いといえます。

配送業

商品・物の梱包、検品、配送等に関する業務もリモートワークによることは難しい面があります。

業務の性質上、人間の手による仕事が要求されます。

もちろん、配送業もその業務の一部、例えば、事務処理等の共通系の管理業務についてはリモートワークを導入する余地はありますが、完全なリモートワーク化の実現は困難だといえるでしょう。

リモートワーク実施上の留意点

リモートワーク実施上の留意点

留意点1:セキュリティリスクに十分に気を付ける

リモートワークにより業務に従事する人が最も注意しておかなければならないことがセキュリティリスクであるといえます。

これは、パソコンと通信環境が整えば基本的に仕事を進めることのできるリモートワークの最大の脅威です。

とりわけ情報漏洩にはどれだけ注意してもしすぎることはありません。

自宅において仕事をする場合であっても、業務上の管理情報を取り扱っているわけですから、メールの誤送信をはじめ、不用意な形で会社の重要な情報が漏洩することのないよう、十分に気を付ける必要があります。

また、自宅以外の場所でああるシェアオフィスを利用した場合にも、自身の隣のボックスに入って仕事をしている人は社外の人物であることを意識し、オンラインでのミーティングをする際にも声の大きさに配慮する必要があります。

また、業務で使用するパソコンのウイルスチェック等、会社で定められた事項について適切に励行することも忘れてはなりません。

近年、企業における情報事故が絶えません。

情報事故の発生は、企業に対する評価を一瞬にして下げてしまう可能性があることをあらためて確認しておくべきです。

一旦、失った信用を取り戻すことは並大抵のことではありません。このことを十分に意識して仕事をしてください。

留意点2:業績評価の対象が成果そのものになる

オフィスベースの業務であれば、たとえ、業績そのものは必ずしも芳しいものでなかったとしても、出社した上で残業も多くこなすことなどにより、上司をはじめ周囲の人たちに働きぶり・仕事熱心さを認めてもらうことで業績面で及ばない部分を穴埋めしてもらう余地もないではありません。

しかし、リモートワークでは、上司は部下の勤務している姿を始終見ているわけではないため、こうした穴埋めを期待することは困難です。

つまり、リモートワークで仕事をする人の評価は、業績=成果物そのものになります。

このため、評価を受ける立場の社員としては、「一所懸命に頑張りました(しかし、結果は良くありませんでした)」という説明では評価されないのです。

高い評価を受けるためには、顕著な結果を出す必要があるでしょう。

留意点3:コミュニケーション不足に陥る

リモートワークにおける典型的な課題の1つがコミュニケーション不足に陥ることによる弊害です。

オフィスで仕事をする場合には、休日勤務等の場合を別にして、自分ひとりだけが会社にいるということはなく、周囲で職場の上司や同僚等が一緒に仕事をしていることがほとんどになります。

その場合、人にとって口数の多い人や少ない人がいることは当然として、オフィスにいる間は、周囲の人たちとの間で何らかの会話がなされることが通常です。

その会話の内容は、業務そのものに関する情報共有、意見交換、今後の事業展開に関する議論等の他、職場の同僚の顔色等を見た上で、その体調を気遣う内容のものもあるでしょう。

そうした、いわば何気ない会話を含め、人間は他者とのコミュニケーションを通じて成長したり、支えられたりするものなのです。

しかし、リモートワークの場合には、各自が場所的に離れた位置で仕事をしているため、孤独感に襲われやすい状況にあります。

一人で黙々と仕事をする方が仕事をしやすいというタイプの人であれば、特段の問題も生じないかもしれませんが、会話等をはじめとする人付き合いを自身のenergyにする人については、コミュニケーション不足によるストレスを感じ、ひいては心身の不調に陥ってしまう危険もあります。

留意点4:生産性が低下するおそれがある

リモートワークは、自宅等で仕事をするため、自身の周囲には上司も同僚もおらず、その仕事ぶりを管理監督する人が間近にはいないことになります。

このため、手を抜こうと思えば抜けてしまうことが可能であり、その結果、業務遂行上、生産性が低下してしまうおそれがあります。

オフィスに出社している場合には、周囲の視線もありますし、同僚等も一所懸命に仕事をしており、その姿を見ているので、「自分も負けずにしっかりと結果を出そう」とするので、いつの間にか手を抜いてしまうということはまずありませんが、リモートワークの場合にはこのような落とし穴があるのです。

万一、自身の生産性が低下した場合、自身の業績評価に影響することは避けられませんし、会社としての業務品質の低下も来したならば、会社の評判・信用にも悪影響をあたえてしまうことになるでしょう。

 

まとめ

この記事ではリモートワークがベースになる業種、すなわちリモートワークに適した業種はどのような業種なのか、について解説しました。

リモートワークを行うにあたっては、その業種について既に一定レベル以上のスキルや実績があることが前提となるといえるでしょう。

リモートワークにおいても、従来のオフィスベースでの仕事と同様に、納期等の期限に間に合うよう、結果を出す必要があることに変わりありません。

絶えず上司等による管理監督がなされているわけではない環境化において、自身を律しながら仕事をこなしていくわけですので、働く場所・方法を問わず、仕事に対して主体的かつ意欲的に取り組むことのできる人材が採用可能な働き方であるといえるでしょう。

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