【企業分析】森永乳業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業分析】森永乳業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2024/5/25更新

はじめに

森永乳業株式会社は、東京都港区に本社がある日本の乳製品メーカーです。

日本の乳製品メーカーは今回紹介する森永乳業・雪印メグミルク・ヤクルト・明治の4社で大きくシェアを占めており、そのうち森永乳業と雪印メグミルクの2社が売上高が並ぶトップ企業となります。

この記事では、森永乳業への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。

対象
  • 森永乳業がどのような会社なのか
  • 森永乳業の就職難易度はどの程度か
  • 森永乳業の新卒採用のプロセスを知りたい

ぜひ、最後までご覧ください。

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この記事の結論

先にこの記事の結論からお伝えすると、森永乳業の就職難易度は【高め】と考えられています。

難易度の高さは、もともとの世間の知名度の高さによる倍率の高さであり、特に女性から高い支持を受けているからです。

森永乳業は同業の競合に比べて報酬面でやや劣る面があるものの、競合が保守的な社風の改善に取り掛かっているなか、挑戦や意欲を大切にし持続的成長については競合より一歩先を進んでいるイメージがあります。

次の章から、各内容やその他就活に役立つ情報を紹介します。

森永乳業株式会社について

森永乳業とは

出典元:採用サイト | 森永乳業株式会社

会社概要

森永乳業株式会社は、1918年に「日本煉乳株式会社」として創立され、創業100年を超える日本の乳製品メーカーの老舗です。

現在の「森永乳業株式会社」となったのは1941年ですが、戦後にさらなる関連会社の合併等を経て、登記上の設立は1949年となります。

「森永のおいしい牛乳」「ビヒダス」などの定番商品は、長年堅調に推移しています。

また、海外ブランドとしては「クラフト」「サンキスト」「リプトン」とも提携しており、こちらも日本国内で高い人気を誇る飲食ブランドです。

森永乳業ではその長い社歴のなかで特に機能性資材と呼ばれる菌類の研究、特にビフィズス菌とラクトフェリンの研究で成果を上げており、これらが各種健康食品の研究開発と売上へ貢献しています。

新型コロナ流行により外食産業への打撃があるなかでも、森永乳業をはじめとする乳製品メーカーは大きく影響を受けず堅調に売り上げを維持してきました。

近年は生乳の飼料や原価等の高騰といった課題があるものの、乳製品の需要自体はインバウンド需要の復活で今後も安定した供給と売上が見込まれることが農林水産省でも予測されています。

 

各事業セグメントの解説

森永乳業株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。

事業部門活動内容売上高(2023年)
栄養・機能性食品事業「ビヒダス」「パルテノ」などのヨーグルト、「はぐくみ」「ミルク生活」などの粉ミルク、サプリメントなどの製造・宅配・通信販売1,237億円
主力食品事業飲料「マウントレーニア」、「ピノ」「パルム」などのアイスクリーム、チーズや牛乳などの製造1,702億円
BtoB事業クリームなどの乳原料商品や、ビフィズス菌・ラクトフェリンなどの機能性素材を企業に提供932億円
海外事業海外展開。北米では主に機能性素材の販売、アジア圏では乳幼児栄養食品や乳製品の販売を展開。ラクトフェリンの生産能力は森永乳業が世界1位となっている594億円
(2023年通期売上高)5,256億円

 

森永乳業で働いている社員は?

ここでは、森永乳業で働いている社員の基本情報について紹介します。

ここで紹介する情報は、2023年3月期(2022年4月~2023年3月)の業績に基づく有価証券報告書(2023年6月30日提出)に基づいた情報となります。

平均勤続年数は?

有価証券報告書によれば、森永乳業の平均勤続年数は16.5年となっています。

東証プライム企業においては、平均勤続年数は約17年といわれており、ほぼ平均的な勤続年数といえます。

ちなみに、従業員数は3,325名に対し、平均年齢は39.8歳と発表されています。

東証プライムには約1,600社ありますが、従業員数規模としては上位200位前後の規模、従業員平均年齢は約40.5歳といわれています。

主要乳製品メーカーを比較してみると、以下の通りです。

森永乳業従業員数3,325名、平均勤続年数16.5年、平均年齢39.8歳
雪印メグミルク従業員数3,118名、平均勤続年数15.4年、平均年齢41.2歳
ヤクルト従業員数2,765名、平均勤続年数18.4年、平均年齢42.5歳
明治※従業員数15,290名、平均勤続年数20.8年、平均年齢44.9歳

※明治乳業は非上場で情報公開されていないため、「明治ホールディングス株式会社」としての数字となります。

平均年収は?

森永乳業の平均年収は約620万円といわれています。

年収幅としては、280万円〜1300万円とされています。

東証プライム上場企業の平均年収は665万円といわれており、平均としては若干下回る形となります。

ここでも、主要乳製品メーカー4社の数字を比較してみましょう。

森永乳業平均年収620万円、年収幅280~1,300万円
雪印メグミルク平均年収723万円、年収幅400~1,200万円
ヤクルト平均年収850万円、年収幅300~1,200万円
明治※平均年収1,013万円、年収幅330~2,800万円

※明治乳業は非上場で情報公開されていないため、「明治ホールディングス株式会社」としての数字となります。

平均残業時間は?

残業時間について、正確な公開情報がないため信ぴょう性の確認はできませんが、インターネット上で確認できる口コミ等によれば、部署によって差があり、全体的には月20時間程度の平均的な残業時間といわれています。

ただし、工場管理の場合は24時間稼働の場合シフト勤務の実施や比較的残業が多いなど、部署や時期により残業が多くなることはあるようです。

働き方改革などの兼ね合いで、森永乳業でも残業は抑制気味であるという意見もありました。

ほかの主要乳製品メーカーの大まかな口コミをまとめてみましたが、いずれも配属先や時期的な状況によって左右されるため、一律に残業が多い・少ないと判断することは難しそうです。

森永乳業概ね月20時間程度。ただし部署や時期によって変わる。工場勤務の場合は残業が多くなる場合がある
雪印メグミルク概ね月20〜30時間程度。ただし部署や時期によって変わる。工場勤務者は残業が多くなる場合がある
ヤクルト基本的に毎日残業が発生する。残業抑制の取り組みは少なめ
明治部署によるが、残業抑制は進んでいる。製造部門は土日祝日関係ないが平日に休みが取れる

平均ボーナス額は?

森永乳業では、採用サイトで年2回(6月・12月)の賞与支給が明記されています。

年間の賞与平均支給額は3.5カ月分といわれています。

業績的に安定している業種のため、業績悪化による賞与支給なしが発生することは原則なさそうです。

賞与支給に関するほかの乳製品メーカーの状況も比較してみましょう。

森永乳業年2回支給(6月・12月)年間3.5カ月分
雪印メグミルク年2回支給(6月・12月)年間4.6カ月分
ヤクルト年2回支給(6月・12月)年間3.5カ月分。賞与金額は評価反映ではなく純粋に給与額からの算出か
明治年2回支給(6月・12月)年間5.4カ月+インセンティブ。ただし管理職などの上級職の場合は年俸制で賞与支給なし

どんな文化なの?

森永乳業の採用サイトからは、社員のインタビューをみることができますので、ぜひサイトへ訪れて読んでみてください。

それぞれがお仕事に邁進していることがわかりますが、特徴的なことは「それぞれ自分で課題を見つけ出している」という点かもしれません。

なお、新卒採用サイトでは「内定者のホンネ」という、実際に森永乳業に就職した先輩社員からのアンケートという非常に珍しいコンテンツもありますので、こちらも見ることをおすすめします。

社内の雰囲気は良い傾向で、自分からちゃんと動けば、周囲はしっかりと支えてくれる傾向と考えられます。

競合のメーカーに比べると数字的には報酬が高くないケースがありますが、モチベーションや取り組む姿勢に関しては、ほかのメーカーよりも質が高いといえるのではないでしょうか。

 

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

繰り返しとなりますが、国内の乳製品メーカーは上位4社が大きなシェアを持っていますので、森永乳業を目指すのであればこの競合4社をしっかりとつかんでおきましょう。

会社名売上高
(2023年)
平均年収就職偏差値・難易度社風
明治※1兆2530億円1,013万円62(Sランク)保守的→改革の最中
森永乳業5,256億円620万円60(Sランク)自律的・実力主義、研究に強み
雪印メグミルク5,843億円723万円58(Aランク)高い法令順守意識、酪農に強み
ヤクルト4,830億円850万円58(Aランク)古風・個性的

※明治乳業は非上場で情報公開されていないため、「明治ホールディングス株式会社」としての数字となります。

 

明治は乳製品も主要な製品ながら他食品事業も幅広く手掛けていること、ヤクルトは他の乳製品メーカーとは少し路線の違う独自色を出しているため明確に差別化できると考えられますが、森永乳業と雪印メグミルクは事業分野においても明確に競合しているメーカーといえるでしょう。

もう少し具体的に見ていけば、森永乳業は乳製品以外には基礎研究に特徴があり、機能性資材(ビフィズス菌・ラクトフェリン)を用いたヨーグルト製品に評判があります。

乳製品メーカー4社で比較すると、森永乳業は給与水準は低いながらも社員の意欲次第で成長し責任ある仕事を任せられるような環境にあるようです。

他のメーカーも自律性や責任の大きな仕事を任せられる環境はあるものの、森永乳業に比べれば保守的な雰囲気が残っているようにみられます。

売上的にはこの上位4社がメインとなりますが、もちろん売上だけではない魅力的な乳製品メーカーがほかにもあります。

調べていくなかで自分に合った会社が見つかるかもしれませんので、ぜひほかの観点からも自分で調べてみてください。

森永乳業の新卒募集要項について

ここでは、森永乳業の新卒募集要項(2025年)について記載します。

森永乳業は、ここ数年新卒募集に関して大きく方向を変えてはいませんが、最新年度の募集要項は必ず確認するようにしてください。

森永乳業では全国及び海外への勤務が可能なN社員コース(全国型総合職)とA社員コース(地域型総合職)の2パターンの募集が存在します。

A社員コースは技術職のみとなるため、文系学部出身者は必ずN社員コースとなります。

理系学部社員は選考に応じた研究職を志望できるほか、事務系にも志望することが可能です。

N社員コースとA社員コースの併願はできませんが、入社後はコース転換制度があるようです。

各項目N社員コース(全国型総合職)A社員コース(地域型総合職)
募集職種技術系

(研究開発・生産技術エンジニアリング・酪農)

事務系(営業管理・マーケティング)

技術系(生産技術)
初任給(2024年実績)技術系・大学院卒 245,000円

技術系・大卒 230,000円

事務系・大学院卒 235,000円

事務系・大卒 220,000円

大学院卒 234,000円

大卒 219,000円

昇給・賞与昇給年1回、賞与年2回(6月・12月)昇給年1回、賞与年2回(6月・12月)
勤務時間フレックスタイム制

または所定時間(7時間45分)

工場はシフト制

シフト制
年間休日工場は年間113日

それ以外は121日

年間113日
勤務地本社・東京、研究所・神奈川

支社支店は東北・関東・関西方面

海外はアメリカ・中国など7カ国

北海道・東北・関西などの11カ所、エントリー時に希望勤務地を選択

求める人材

森永乳業の求める人材

乳製品メーカーは堅調な産業で、上位のメーカーでも良くも悪くも、比較的保守的な社風が残るなか、森永乳業は社員の積極性を垣間見ることができるでしょう。

森永乳業の経営理念は以下のように示されています。

<経営理念>

乳で培った技術を活かし

私たちならではの商品をお届けすることで

健康で幸せな生活に貢献し豊かな社会をつくる

経営理念・ビジョン

 

森永乳業は一方で「サスティナビリティ中長期計画2030」を掲げており、SDGsにならう持続的成長をテーマとした経営に取り組んでいる最中です。

持続的成長を実現することは容易ではなく、自ら課題を見いだし自律的に取り組んで解決していこうとしなければならず、そのためには自らも常に成長を続けなければなりません。

競合メーカーも、経営層レベルでは危機感を持った改革を進めていますが、組織全体への浸透にはまだまだ時間がかかるように見られます。

森永乳業がこうした持続的成長を早期に実現できるよう順調に足取りをすすめていますので、こうした流れを加速できるような人材が求められているといえるでしょう。

新卒採用のフロー

森永乳業では、以下のような採用フローとなっています。

ただし、最新年度では従来と違う実施となる場合もありますので、必ず最新年度の情報を得るようにしましょう。

①新卒サイトへのエントリー

毎年4月に、翌々年3月卒業見込み者向けのエントリーサイトがオープンします(2024年4月は2026年3月卒業見込み向けのエントリーサイトが開設)。

在学大学や連絡先、アンケートなどの基本的な情報の登録となりますので、志望する場合は早めに登録を済ませておきましょう。

会社説明会やインターンシップ、最新の募集要項はこのサイト上で発表されます。

②会社説明会、インターンシップ

採用開始1年前には、会社説明会やインターンシップなどの情報・交流会が開催されます。

インターンシップは抽選の場合と選考が行われる場合があり、いずれも募集は若干名です。

森永乳業でのインターンシップ参加は選考で有利になるといわれているので、志望度が高ければ積極的に参加しましょう。

③エントリーシート→WEB適性テスト

本格的な採用シーズンになると、エントリーシート提出による書類選考が始まります。

エントリーシートでは自己PR、なぜ森永乳業を志望したかなどについての自由記述が求められます。

就職活動が始まるまでの間に、しっかりと自己分析と自己PR、それにつながる大学生活でのエピソードの深掘りを進めておきましょう。

WEB適性テスト(SPI)は、特に志望者が多い場合に行われる言語・非言語の問題を通じて適性や問題解決力を測るものです。

各企業でカスタマイズされていますが、傾向や問題の解き方のコツは似ていますので書籍などでの対策本の問題をひと通り解いておきましょう。

苦手な箇所の傾向対策はしておいてください。

④面接(複数回)

エントリーシートをもとに、さらにあなたの体験や自己PRについて、面接を通じて質疑が行われます。

この段階にまでくれば、ひと通り自己分析や企業分析は仕上がっているはずですので、あとは自分の思いを適切に伝えていくようにしましょう。

エントリーシートでは主に学生時代のエピソードを中心の質問が多かった一方で、面接では志望動機や業界分析、入社後のイメージといった部分も質問にあがる場合があるようです。

採用大学

森永乳業の採用大学の実績を以下に掲載しますが、有名大学をはじめ標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、特定の大学・大学院によるフィルターはないと考えられます。

<大学院>

青山学院大学、関西学院大学、東京大学、東京農業大学、東北大学 ほか

<大学>

青山学院大学、京都大学、慶応義塾大学、上智大学、中央大学、東京大学、東京女子大学、名古屋大学、一橋大学、早稲田大学、北海道大学、法政大学 ほか

 

偏差値の高い大学からの採用者もいますが、出身大学自体は幅広く受け入れられており、出身大学によらず優秀な人材を確保していることが伺えます。

ただし、新卒採用に関していえば、世間に広く認知されているメーカーでもありますので志願者数が多く倍率は非常に高いことが想定されます。

初期選考やWEB診断で簡単に落とされることのない基礎学力の高さ、思考力の高さはもちろんのこと、エントリーシートや面接でしっかりとしたアピールができることが求められています。

就職偏差値・難易度

森永乳業の就職偏差値は、以下のような理由から【高め】と判断されます。

森永乳業 就職偏差値考察
  • 世間からの認知度の高いメーカーで志望者が多い
  • 国の調査からも乳製品メーカーが今後も堅調であることが示されている
  • 学歴フィルターは存在しないが、高倍率の選考を通過するためには基本的な地頭の良さ、問題解決力、エントリーシートでの適切な表現力が必須

初期選考に突破するためには入念な準備と対策が必須となりますので、早い段階から準備を進め、自己分析や企業分析をしっかりと構築していきましょう。

まとめ

森永乳業は、日本を代表する乳製品メーカーです。

乳製品メーカーは上位4社で大きくシェアを占めており、特に雪印メグミルクとは業務分野も重なり売上高もほぼ互角の乳製品業界のツートップ企業となります。

ただし、乳製品メーカー自体が長年堅調なビジネスであったためか、他社は比較的保守的な社風が出ており、大手ではこれらの改革を進めていますが、森永乳業ではその点ではサスティナビリティをもとにした中長期計画の中盤まで進んでおり、競合よりも社員の意欲や能力の高さは一歩先に進んでいるイメージです。

ぜひこの記事を参考にしながら、よりよい就職活動を進められることを願っております。

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