卒業後三年以内なら新卒なのか?既卒や第二新卒との違いも解説!
2024/10/25更新
「内定をもらえなかった」
「希望の会社の内定がない」
上記のように考えると選択肢に上がるのは既卒として就活するか、一旦適当な会社に就職して第二新卒の枠を狙うか、などの選択肢が浮かぶかと思います。
- 新卒と第二新卒・既卒の違い
- 三年以内の既卒のメリット・デメリット
- 第二新卒のメリット・デメリット
そこで本記事では、大学卒業後三年以内なら新卒扱いになる既卒について解説していきます。
大学卒業後、三年以内の既卒や第二新卒での就職活動を検討している人には必見の記事ですので、ぜひ最後までご覧ください。
卒業後三年以内なら新卒扱いになるって本当?既卒とは?
結論、大学を卒業して三年以内であれば新卒扱いで就活をすることが可能になる場合があります。
というのも、厚生労働省が「卒業後三年以内の既卒者も新卒枠に加えて採用するように」という方針を2010年に発表したためです。
では、「既卒者」とはどのような人たちを指すのでしょうか?
一般的には、大学を卒業した後、正社員として就職しなかった人たちのことを指します。
「既卒」と表現する場合も多いです。
つまり、大学を卒業した後、正社員として就職しなかった「既卒」である人に新卒採用の枠を与えられる可能性があることになります。
そのため、「第二新卒」と表現されるような同じ年代の人たちと選考における企業の扱い方も変わってきます。
「新卒」とはいつまでを指す?
新卒は基本的に、年度末に卒業する予定の大学や短大、専門学校、高校などの在学生を指します。
しかし、企業によっては、学校の卒業後3年以内であれば新卒としている場合もあるようです。
3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!」によると、「青少年雇用機会確保指針」の改定により、「卒業後3年までの既卒者を新卒扱いとする」という指針が設けられました。
厚生労働省の「労働経済動向調査(令和5年8月)の概況(3)既卒者の応募可否及び採用状況(p.14)」によると、「新卒枠に既卒者も応募可能だった」とする企業は前年より12%増加し、全体の70%という結果になっています。
つまりは、卒業後にフリーターやニートをしていた既卒者の場合も、新卒として採用してもらえるチャンスがあるといえます。
ただし、すべての企業で既卒者が新卒採用枠に応募できるわけではないので、申し込みの際は注意が必要です。
求人情報や採用ページに「●年以降に大学・大学院を卒業・修了した方で、卒業・修了後に就業経験(正社員雇用)のない方」といった記載があれば応募できるため、事前に確認するようにしましょう。
志望している企業の求人にこのような記載がない場合は、既卒者も応募できるか電話やメールで問い合わせてみてください。
新卒と既卒・第二新卒との違い
新卒と似たような立ち位置に既卒と第二新卒がありますが、これらの人達と新卒とでは一体どのような点が異なるのでしょうか?
続いては新卒と既卒・第二新卒との違いについて比較してみましょう。
「既卒」との違い
第二新卒は、卒業後に正社員として就職したものの、3年以内に離職した方を指す言葉です。
年齢の明確な基準はありませんが、「20代」とされるのが一般的な考え方です。
30代になると「中途採用者」となり、卒業後3年以内であっても第二新卒扱いにならないことが多く見られます。
新卒や既卒と異なるのは、一度は正社員として就職している点です。社会人経験があるので、履歴書に職歴を記載できるのは大きな強みになるでしょう。
「第二新卒」との違い
既卒とは、学校卒業後に進学や正社員就職をしなかった方を指します。
卒業後に契約社員や派遣社員、アルバイトといった非正規雇用で働く場合も該当し、第二新卒と同じく明確な年齢に基準はありません。
三年以内の既卒のメリット・デメリット
本章では三年以内の既卒と第二新卒の違いへの理解を深めるために、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
- 三年以内の既卒…すでに学校を卒業しているが、正社員としての就業経験のない人
- 第二新卒…学校を卒業してからおよそ三年以内だが、正社員として企業に就職した経験がある人
社会人経験の有無が重要なポイントになってきます。
三年以内の既卒のメリット
三年以内の既卒で就活をするメリットは、「新卒」として選考を受けられる可能性があることです。
冒頭でも述べたように、全ての会社で「新卒」として選考に進むことはできる訳ではありませんが、日本の新卒カードは偉大です。
総合職での募集が非常に多く、入社後に様々な経験を積みながら、自分の希望や適正に合ったキャリアの形成につながります。
三年以内の既卒のデメリット
三年以内の既卒で就活を行うデメリットは、「なぜ既卒となったのか」という問いに答えなくてはならない点です。
企業側や人事側へ「既卒」はどのような印象を与えるでしょうか?
正直なところ、ポジティブか印象を与えるのは難しそうじゃないですか?実際、ネガティブな印象を持つ人がいることも事実です。
そのため、そのネガティブな印象を持つ人に「既卒になった理由」の説明は必須といえます。
第二新卒のメリット・デメリット
次に第二新卒のメリット・デメリットについて解説しますので、参考にしてください。
第二新卒は、既卒に対して社会人経験があることが大きなポイントです。
第二新卒のメリット
第二新卒の最大のメリットは、社会人経験があるがゆえに扱いやすいのではないか、と期待されていることです。
例えば、社会人経験がなければ、基本的な社会人としてのマナーや業務としてのパソコンの使い方などは、明確には分かりません。
ただ、第二新卒であれば、そのような基礎スキルをある程度所持していることが期待できるので、企業側からすると教育面のコストカットになります。
また、マインド的にも業務を知っているので、現実的な視点を持っていることも多く、そのような人は企業からしても育てやすいです。
このように社会人経験があるため、扱いやすいというイメージを企業が持っていることが就職活動において大きなメリットとなります。
第二新卒のデメリット
第二新卒として就職活動を行う最大のデメリットは、「また辞めるんじゃないかな…」と企業側に思わせてしまうことです。
聞いたことがある人も多いと思いますが、一般的に新卒で入社する社員の三年後離職率は3割程度と言われています。
第二新卒として就活している時点で、3割という少数派であり、企業や人事が不安を持つことは想像に容易いですよね。
特に、新卒で入社した企業に務めた期間が1年未満である場合、第二新卒に期待される基本的な社会人スキルすら身についていないと企業側に判断されても仕方ないですよね。
このように第二新卒として就職活動を行う際には、基本的な社会人としてのスキルを身につけている、辞めないという意思を伝える努力が重要となってきます。
三年以内の既卒と第二新卒はどちらが有利なのか?
結論、一般的には「第二新卒」の方が有利です。
めちゃくちゃ有利というわけではないですが、社会人経験がある分有利といえます。
前章で述べた通り、社会人経験のある人は「心構えができている」といえます。
一方、三年目の既卒者はどうでしょうか?
既卒の場合は企業側からすると、「本当に正社員としてやっていけるのか?」という不安があるのは容易に想像できますよね。
また、就活もすることなく既卒になってしまった人は、「なぜ卒業後に働こうとすらしなかったのか?」という疑問を持たれても仕方ありません。
このように短い期間でも「働いていた」という実績は既卒に比べると有利になります。
ただ、大切なのは既卒であるか、第二新卒であるかという問題ではなく、選考過程において企業から良い評価を得ることの方がはるかに重要です。
「どちらが有利だから無理」とかではなく、何を伝えれば評価されるのか、自分を評価してくれる企業はどんな会社なのかをきちんと考えて就職活動をするようにしましょう。
既卒三年以内の就活のポイント
就活が長引くと身体的にも精神的にも負担が大きくなり、就活を進めていくモチベーションを保つのが難しくなります。
ここでは、既卒三年以内で就活を成功させるための6つのポイントを紹介していきます。
- 既卒になった理由をまとめておく
- 空白期間に対する質問の回答を準備する
- 行動量を増やす
- 資格を取得する
- 入社後のビジョンを明確にする
- エージェントを利用する
既卒になった理由をまとめておく
既卒になった理由は、必ず採用担当者が聞く内容だと思って、準備しておきましょう。
既卒になった理由を聞かれたら、好印象を与えるために嘘をつく必要はありませんので、素直に伝えることが大切です。
しかし、伝え方次第では、ネガティブなイメージを与えてしまう可能性があります。
重要なのは、既卒になった理由とそれを踏まえて「これからどうしていきたいか」という意思をセットで伝え、働く意欲をアピールすることです。
空白期間に対する質問の回答を準備する
次に重要なポイントは、既卒としてどのように過ごしてきたのかも答えられる準備をしておくことです。
既卒の期間に取り組んでいたことを聞くことで、仕事に対しての意欲や熱意を把握しようとしています。
アルバイトや派遣社員として働いていたとしても、その事実を伝えるだけでは不十分です。
取り組んできたことを通して、何を学び、何を考え、どのように成長したのかなどを伝えると良い印象をもってもらえます。
既卒3年目のように空白期間が長い場合は、なぜ今になって働く意欲につながったのか、という自身の変化についても回答できると良いでしょう。
行動量を増やす
既卒は新卒や第二新卒に対して、就活が不利になってしまうことは確かです。
そのため新卒や第二新卒と同じような動きだと、内定を貰うのは困難になってしまいます。
業種や職種を絞り込みすぎず、関連企業や周辺の業界にも目を向け、応募できる企業数を増やしていくことが大切です。
業種や職種によっては、職歴や経歴に関係なく幅広く採用をしているところもあります。
このような企業は、ポテンシャルや人間性を重視しているので、努力次第で採用される可能性が十分にあります。
なるべくたくさんの企業にエントリーして、内定を貰う可能性を高めていくことがおすすめです。
資格を取得する
資格を取得すれば、スキルや知識が身につくので関連性のある仕事への就職が有利になります。
やりたい仕事がすでに決まっている方は、その仕事に関連する資格の取得を目指してみましょう。
企業から見ても、「資格を取得している=即戦力となる・仕事への意欲がある」と判断できるので、採用に前向きになってくれるメリットもあります。
しかし資格によっては取得に時間が掛かるものもあるため、しっかりとスケジュールを立てて計画的に進めていくといいでしょう。
入社後のビジョンを明確にする
空白期間が長い場合、仕事をする生活から離れてしまうと、将来に対するビジョンがあやふやになりがちです。
「ただ働きたい」だけではなく、入社後に成し遂げたいことや将来目指す自分の姿を採用担当者に伝えると「入社する目的を見出している」と良い印象を持ってもらえるでしょう。
エージェントを利用する
既卒3年目となると「就活市場についてよく分からない」「就活の進め方が分からない」など、不安も大きくなるでしょう。
そんな時は、就活エージェントを活用するのも一つの手です。
就活エージェントを活用すれば、分からないことや不安なことが出てきた時に、気軽に相談できるため、安心して就活を進めていけます。
さいごに
本記事では、大学卒業後三年以内なら新卒扱いになる既卒について解説し、近い立場である第二新卒と比較しながら理解を深めてきました。
結論、三年以内の既卒者であれば新卒採用の枠に潜り込むことができる可能性は十分にあるといえます。
三年目以内の既卒であれ、第二新卒であれ大事なことは「有利不利を考えても今はどうにもしようがない」ということです。
不安になるのは仕方ありませんが、有利不利を過度に気にしないことが重要になります。
ベストを尽くしていれば、次への道が少しずつ拓けてくるはずです。
本記事が大学卒業後、三年以内の既卒や第二新卒での就職活動を検討している人の参考になれば幸いです。