【例文あり】自己PRでふざけるのはアリ?注意点を把握してユーモアある就活という選択
2024/5/22更新
はじめに
就職活動の基本的な作法はどうも堅苦しい感じがする……。
自分はもっと楽しく就職活動をしたい、ちょっとしたおふざけや笑いのある就職活動があってもいいんじゃないか、と考えたことはないでしょうか?
本記事では、一見するとふざけたような自己PRも就職活動に活かせるかどうか、という内容をご紹介します。
結論としては、独創的でユニークな自己PRは、業種や業界・会社単位ではなく、それを見る人単位で受け取り方に差があります。
結果、あなたの本来の個性や良さが伝わるかどうかはハイリスク・ハイリターンですので、よほどの確信がない限りは「普通」で勝負したほうが良いでしょう。
ただし、それでもあなた自身の独自性を発揮したい場合は、やってはいけないことをしっかりと認識したうえで、より良いアピールを生み出してみるのはいかがでしょうか。
本記事では、以下のような方に向けたものとなります。
- ふざける感じの面白い自己PRをしてもよいのか?
- 「面白い」自己PRを作る際の注意点や具体例を知りたい
本記事を通して、皆さんにとってより良い就職活動になることを願っています。
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ふざけるのは自由だが「越えてはいけないライン」を知る
自分の個性を出すためには、生真面目な文書よりも多少ユーモアや笑いを出していきたい、就職活動をお堅く考えず楽しく取り組んでいきたいと考えている方もいるかもしれません。
それによりあなたの持つ個性がしっかりと発揮できるのであれば、一般常識やルールを逸脱しない範囲であれば、あなたらしさを求めた活動することに問題はありません。
しかし、注意をしなければならないのは、そうはいっても、就職活動は、企業活動の中では(良くも悪くも、ともいえますが)フォーマルな位置づけをしているので、多くの人とは逆を行く行動をすることになります。
それが「印象に残る」可能性もあれば「悪目立ちする」というリスクがあることはしっかり認識してください。
ユーモアや面白い自己PRをする前に、「越えてはいけないライン」をおさえておきましょう。
悪ノリはハイリスク・ハイリターン、感性は担当者によって違う
大企業はお堅い感じでなければならない、一方クリエイティブやベンチャーなら独創的なアピールが好まれる、という論調がありますが、これは結論からいうと「担当者によって違う」であり、業種や業界で画一的なわけではありません。
世間的に非常に格式高いとされるような企業であっても、ユーモアにあふれて面白いことを好む人も当然いますし、ベンチャー・スタートアップ企業のようなフットワークの軽い企業で、ビジネスにおいては極めて格式や態度を重視していることもあります。
同じ会社であっても、ユーモアを好む人と好まない人とで分かれるのは事実です。
ユーモアが好きな人でも、ふざけた感じの自己PRを「面白い」と評価する人もいれば、TPOを考えれば就職活動でやるのは違うと感じる人もいます。
人それぞれに考えの違いがあるのは当然のことです。
さまざまな感性の人がいる会社の中の採用担当者が、どう受け止める人なのかは事前にわかりようがありません。
また、あなたやあなたの仲間内ではウケが良かった態度や言動が、場合によっては不愉快にさせることがあります。
あなたの考えているような目新しい自己PRが通用するかどうかは、ほぼ「賭け」の要素といってよいでしょう。
担当者に対して、あなたの狙いがハズレだった場合に挽回することが非常に困難だからです。
担当者は表面上だけではなく、その思惑や真意まで含めて把握しようともちろん努力はしますが、とはいえ、表面上があまりにも奇抜だった場合、悪目立ちによって評価ラインが意図せず下がる可能性があることを理解しましょう。
独特な自己PRは、ハイリスク・ハイリターンなのです。
確実性を求めるという意味では、一見すると「普通の」表現で勝負したほうが、無難といえます。
尊重や敬意がないふざけはNG
自己PRする際にありがちのダメなパターンとして、自分以外の誰かを小馬鹿にしたり、誰かを見下して自分を持ち上げるようなアピールをするケースがありますが、これは絶対にNGです。
- 「他の部員は配慮なく自主性もなかった、自分だけは理解して率先して行動できた」
- 「教授はいつも自分のことをバカにしていたが、卒業論文の完成度の高さで見返してやった」
- 「マナーの悪いお客さんばかりを相手にするバイトだったが、自分なりに工夫することで売上に貢献した」
この手の表現が許されるのは気の許す利害関係のない間柄だけで、そうでない場合は評価が大きく下がります。
あなたのエピソードを出すときに他人とのかかわりについての言及が必要な場合、相手を下に見て、相対的に自分を高めようとしていないかは、どのようなアピールをするときにも気にすべき事項です。
事実として実際にそうだったとしても、他人を下げることなく自分の良さをアピールできるように心がけましょう。
また、ふざけた感じで見られるパターンの別例として、集団面接やグループディスカッションにおいて、他の志望者の回答を「踏み台」にする形でアピールをする手法を取る人がいますが、これも良くありません。
- (集団面接で前の人の発言に対して)「私もそのように思ったこともありますが、私の場合はそうではなく…」
- (グループディスカッションで)「〇〇さんはそういいますが、考え方が甘いと思います。私が思うのは…」
グループディスカッションでは議論を進めるうえで他の人の意見をどう取り扱うかを述べる場面があったときにも、他人への尊重や敬意がないと取られる発言をすることは避けましょう。
グループディスカッションで一緒に議論する相手はあなたにとって蹴落としたいライバルかもしれませんが、議論のときは自分より目上の相手、あるいは自分以外の参加者は就活生ではなく実は社員かもしれない、ぐらいの心持ちでいるほうが良いかもしれません。
これは就職活動に限らず対人関係における基本的なマナーですが、「相手に恥をかかせない」ことはとても大事で、就職活動では特に注意しましょう。
志望度が高くない会社ならふざけてもいい?
SNSやバズり系の動画で、受かる気のない会社や志望度が低い会社にふざけた感じの武勇伝を取り上げられることがあります。
ネタとしての受けは良いですが、実践することは全くおすすめしません。
実際就職活動を進めていくと、ある程度内定の見込みも出ている、あるいは実際にもう内定が出ているが、その会社に入る可能性が低い面接やディスカッションがすでに決まっている場合、落ちてもよいのでちょっとふざけた感じで参加してみようか、などと考える人がいます。
相手の会社の気持ちを考えてみましょう。
通常業務で多忙な中、採用活動には特別に時間を割いており、ほかにもすべき仕事がたくさんある状況です。
採用担当者の実情にしてみれば、入社する気のない人に時間を使うことは無駄以外の何物でもありませんし、あなたへの対応が減ったぶん、ほかの人や仕事に割り振ることができます。
また、面接に対応するような優秀な担当者は、書類の人の名前やその言動、面接をしたことは、例え1回きりだったとしても意外と覚えているものです。
あなたにとってその会社はおふざけで志願し、落とされただけだとしても、何かの経緯で実際に就職した会社先の取引先や関係先となり、もしあなたのふざけた言動や行為を相手方が覚えていたら…という、可能性ゼロではないリスクを、わざわざ背負ってまでやるべきでしょうか?
ハイリスク・ハイリターンだが刺されば強いユニークPR
ここまでは、ふざけた感じの自己PRがもたらす注意点をご紹介してきました。
それらをしっかり踏まえたうえで、それでも独自性を出していきたいと考えている人に向けて、ここではいくつかのアドバイスをお伝えします。
エピソードや経験の面白さが特徴的であること
最も重要なことは、無理をしてでも面白おかしくする必要はないということです。
面白いエピソードだったからこそ、生真面目な文章ではなく、ちょっとひょうきんな形で表現にすることで、相手にもその面白さを共有してもらうような動機であることが理想です。
後半の章で具体例を出しますが、あなたが用いたい面白さが合致しているかどうかは、しっかりと検討をする必要があります。
そのエピソードを取り上げるか、その表現方法が適切かどうかといった点は、一種のテクニック的な側面が強く、また、それを面白いと受け止めてくれるかどうかも、受け取る人次第のところもあります。
よほど確信が持てるものでなければ、奇をてらわず素直にその事実関係をシンプルに伝える「普通の」自己PRのほうが堅実です。
奇抜な導入であってもしっかりと締める
確かに起伏のない文書より、多少ドラマチックでインパクトのある文書のほうが、数多くの中から印象に残るものである可能性は高いです。
注意しなければいけないのは、奇抜なノリがいつまでも延々と続くのは効果を落とすということです。
ましてや面白い導入から始まって、結論もなく、ただ面白そうなエピソードの話で終わってしまうのは、そもそも自己PRや就職活動という目的を見失っています。
自己PRが終止ふざけることがユーモアのある自己PRではなく、最後まで話を聞いた結果「この人はしっかりしている」と思わせることが重要です。
企業が求めているのは「面白い人」ではなく「何かをしっかりやり遂げることができる人」であることは忘れないでおきましょう。
ちょっと奇抜な自己PR文でこそ「結起承」が大事になります。
最初の結論は、目を引くちょっとふざけた導入かもしれませんが、そこから先の「起承」はほかの真面目な自己PRと同様、地に足の着いた経験と冷静な自己分析を出してこそ、ほかの人から印象が一つ飛び出たユーモアな自己PR文となります。
こうしたテクニックが使いこなせると「この人は普通なこともできるうえで、あえて巧みなテクニックを使うことができる」と、注意点で述べたユーモアの好き嫌いの個人差とは違う次元で、適切に評価されるようになります。
その自己PRを見て、一緒に働きたいと思える人になっているか?
「人間的には好きだけど一緒に働くのはちょっと…」というタイプの人間関係があります。
学生時代は利害関係はそれほど強くなく、ピンとこないかもしれませんが、社会人になるとこういった人に少なからず出合うことがあるでしょう。
就職活動でこのような印象を与えることは当然デメリットです。
あなた自身が非常に魅力あふれる人というところまでは伝わったのに、でも採用するにはちょっと…と思われるのは不本意ではないでしょうか。
一緒に働きたいと思える人というのは、例えば以下のようなケースです。
- 大きな仕事をする上で、任せてもよいと思える安心感がある
- 頼りがいがある、困難を乗り越えようとする意志がある
- その人から学びがあり、的確な示唆や冷静な視点で物事を好転させる力がある
一方で、以下のケースだと「一緒に働きたくない」と思うパターンです。
- 何か厳しいことがあると、率先して逃げたり他人になすりつける
- 言葉に深みがなく、上っ面で責任がない
- 熱意がない、人の熱意を茶化したり正面から向き合ってくれない
就職活動は、あなたの面白さやユーモアさで決まるものではなく、あなたが組織の一員として、何か大きなことに取り組み、成功に導けるような人が必要とされています。
あなたのユニークな自己PRを見たとき、あなたを仲間にしたい、共に働きたいと思ってくれるような内容になっているでしょうか?
面白い人どまりどころか、面白そうだけど一緒に働くにはちょっと…と思われる自己PRにならないように、しっかりと見直しておきましょう。
ユニークな自己PRの例
ここでは、いくつかユニークに思える自己PRの例を紹介します。
繰り返しとなりますが、こういった自己PRが通用するかどうかは人により異なり、場合によっては真相を受け取ってもらえず自分が思ったよりも低い評価を下されてしまう場合もある、諸刃の刃です。
表現の仕方一つで印象が大きく変わってしまうことに、十分注意をしてください。
例文① 自虐や短所から自己PRに変えていく
私の自己PRは、私が自己PRが苦手ということです。大学時代はサークル活動に所属もせず、アルバイトやボランティアに参加したこともありません。生き方が不器用だといわれることがあります。しかし、高校の頃から○○大学に憧れ、この専攻で学びたいという純粋な気持ちがありました。大学では自分の知らなかった知見や、その分野の権威である教授から解説してもらえたことが非常に刺激的でした。私が大学時代で成し遂げたただ一つのことは、自分の好きなことに深くのめり込むことができたということです。
【ポイント】
他人を下げて自分を良く見せようとしたり他人に恥をかかせたりするようなことは、対人関係としてNGだというのは先にお伝えした通りです。
しかし、これを逆手にとり、自分をあえて下げる自虐や短所から、自己PRに展開していくというテクニックです。
長所や欠点は個性の評価の切り口でしかないので、欠点を長所に、長所を欠点に変えることは、個性をしっかりと自己分析できていれば難しいことではなく、整合性を崩すものでもありません。
ただ、捉えようによっては「最初から長所として自己PRすべきでは?」と思う人もいるので、このテクニックが必ず有効とは限りません。
この例が効果的となるほかの例としては、自分が良く陥る失敗談などを踏まえて、その結果どういう経験や気付きを得たか、という話の流れも有効です。
当然ですがこれは自己PRですので、最後まで自虐や反省点で終始してはアピールにはならない点も注意しましょう。
あくまで、表現としてのテクニックの一つということを認識してください。
例文② 独特なキャッチコピーから始まる自己PR
私は大学時代、仲間から「質問生成AI」と呼ばれていました。自分が疑問に思ったことはその場で解決できないと気が済まない性質です。しかし、それで自分が誰かから嫌われることはありませんでした。理由は2つあります。1つは、質問はその人にとって思いもよらないアイデアや想定していなかった視点からの投げかけであったこと。1つは、同じ質問を繰り返さず、調べれば誰でもわかる質問はしないので、その人と一緒に考えるような質問であること。質問の中に議論やお互いの思いなど話を膨らませていき、質問をきっかけに始めたコミュニケーションそのものを大切にするように努めています。
【ポイント】
キャッチコピーを作りエピソードを展開することは、実はふざけでもなんでもなく、単純に自己PRとして非常に有効です。
キャッチコピーを作ることで必然的に結論を先に述べる「結起承」の文体となり、読みやすいです。
キャッチコピー自体は突飛なものかもしれませんが、それに続くエピソードや捉え方がしっかりとしていると、キャッチコピーの突飛さよりも人となりとして印象に残ります。
しいて注意点をあげれば、キャッチコピーはその単語単体で誰でもわかるものでなければ効果が減ります。
内輪のあだなやそのキャッチコピーを語るうえで背景情報や追加のエピソードで捕捉しなければわからないようなものは避けましょう。
もちろん、下品な言葉や差別的な用語を使うのはやめましょう。
例文③ ニッチな特技や珍しい経験、地元ならではのトーク
私はとあるゲーム大会で日本代表となったことがあります。そのゲームは3人1組でオンライン上で対戦を行うゲームで、大会に出場した仲間とはいまも現実で会ったことはなく、ゲームの中で知り合ったメンバーでした。顔の見えないネットでの世界での意思疎通には難しい点もありながらも、気軽にいつでもメッセージをやり取りできる、仲間を信じて自分も信頼されるように務めることでお互いを高め合い、結果として世界的にも実力のあるチームを結成することができました。いまは対面だけではなくオンラインなど、さまざまな働き方が求められる時代ですが、その中で効率的にできるようになったこと、その中でも忘れてはいけない大事な部分とをしっかり意識し、大きな挑戦を続けていきたいと考えています。
【ポイント】
普通の人では経験したことのないようなテーマには、誰もが興味をひきつけられるものです。
ただしこれも、最初の1文で「それは何だろう?」とわからない単語や用語をもってきてしまうとインパクトが薄れてしまいますので、できるだけ最初の一文は何がすごいか、珍しいかをひきつけられるようなものになるようにしましょう。
似たような傾向として、地方企業であれば、地元ならではのトークや話題を組み込むのも一つのテクニックです。
これも、地元の出身者であれば共感を得やすいですが、採用担当者が必ずしも地元出身とは限りませんので、そうでなければ関心が得られないリスクもあります。
ニッチな話題は導入としてよいとして、それに紐づくしっかりとした自己分析と自己アピールは欠かさないようにしましょう。
まとめ
自己PRでふざける…言い方を変えればユニークで独創的なものにすることにおける注意点と、それを踏まえたうえでのいくつかのテクニックや具体例を紹介しました。
他人とは少し違う特徴的な自己PRは、ハイリスク・ハイリターンで、受け取る相手によっては適切な効果が出ない可能性があることも覚悟しましょう。
面白いエピソードや人柄を語るために効果が出せる確信があれば、使ってみる手もありますが、他人を馬鹿にしたり恥をかかせるような使い方をするのは絶対にやめましょう。
このアドバイスがあなたの就職活動の一助となることを願っております。