「就活力」って何?自分のやりたい就活に集中するための提言
2024/5/22更新
はじめに
「就活力」という単語をご存じでしょうか?
就職活動を始めた方、もしくはこれから始めようとしている人にとって、どこかで見かけたことがあるかもしれません。
結論をいうと、この記事では「就活力」自体が何かは明確にはしません。
「就活力」という単語が使われている背景と、その単語を求めている人がどういう状況にあるかについて説明をしています。
「就活力」という言葉の裏には、就職活動におけるつかみどころのない不安があります。
逆にそういった不安を解消していくことで、周りに振り回されず、あなたらしい就職活動を進めていくことができるようになっていくことでしょう。
本記事は、以下のような方に向けたものです。
- そもそも「就活力」って何?を知りたい方
- 「就活力」に何かネガティブなものを感じる、実態を知りたい
- 就職活動で何をすればよいのか漠然な不安がある
本記事を通して、皆さんにとってより良い就職活動ができることを願っています。
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「就活力」は就活生を惑わす合言葉
実際に「就活力」という単語でインターネットを検索してみたことはあるでしょうか。
検索上位も含めて、情報商材やセミナーの紹介サイトがでてきます。
しかし、この単語の定義を明確にしている一次情報はほとんど出てきませんし、日本語の辞書には存在しません。
いくつか、ウェブ上の記事や書籍の中で独自に定義をしているものもあります。
なお、検索する限りは「就活力」に相当するような外国語も存在しませんでした。
似たような存在はあるかもしれませんが、どうやら「就活力」と表現できる概念は、特に日本で認識されているようです。
まずは、この単語の正体を探っていきましょう。
「就活力」は新卒採用向けに使われている
「就活力」というキーワードで情報商材やセミナーを紹介しているサイトのほとんどの対象は「新卒採用」の就活生です。
就職活動とは新卒に限らず、アルバイト求人、転職活動、定年退職後のシニア採用も「就職活動」のはずですが、なぜか、「就活力」を求めるのは新卒を対象にした就職活動です。
これは、就職志願者の特性を考えれば明快で、新卒採用とほかのアルバイト・転職・シニア採用にははっきりとした違いがあります。
アルバイトは基本的に手続きが簡単で単純に人手を求める業種です。
面接を行うこともありますが、就職活動で考えられるような高度な自己分析を求めるようなシビアなものではありません。
転職活動やシニア採用では、人となりを確認することはあるかもしれませんが、その人は何をしてきたかの実績と、その結果として新しい場所で何ができるかということが重視されます。
しかし、新卒の就職活動は、あらゆる採用活動においてとても特殊な存在です。
新卒採用活動は早ければ稼働の1年以上前から行われ、1~2カ月かけて経営層まで巻き込んだ面接を通じて選び、卒業するのを待ったうえで、ようやく業務を開始します。
しかも、面接で問われるのは、ほとんどの場合、必要な業務知識や技能ではなく、一般常識や汎用的な課題解決能力、そして自己PRやこれまでの人生で取り組んだことといった、かなり漠然とした内容で評価基準もあいまい、実際に何を優先するかは会社ごとの采配で決まります。
一方で、志願者に現時点での業務経歴やキャリア、社会的地位は問われません。
むしろ、新卒採用では社会人経験・キャリア・実績がゼロであることが普通です。
こういった特殊な採用プロセスを、各人が手探りで進めていかなければならない中で、「就活力」というキーワードが新卒の就職活動向けに発せられています。
「就活力」を知ることであなたにメリットは生まれるか?
ところで「就活力」が何者かを知ったとして、あなたにどのようなメリットが生まれるでしょうか。
何か定量的な測定をした結果、あなたの「就活力」が高いとわかったら、あなたは安心するでしょうか?
逆に「就活力」が低いと判定されたとき、あなたは悲観しながら就職活動を進めざるを得ないのか、一定の「就活力」の水準になるよう努力するのか、それとも誰かの元で働くことは諦め、自ら経営者となって起業をするしかないのか?あるいは「就活力」がどこかで認められると、あなたの就職活動がどの会社でも有利になるように働くような仕組みがあるのか?など、こうして考えていくと、「就活力」というキーワードの持つ性質が少しずつ見えてくるのではないでしょうか。
就活生が抱える不安を狙う「就活力」に注意!
あまりにも実態が見えにくく、これまでの学力測定や入学試験といったものと違って明確な基準や点数化ができない就職活動は、多くの人にとって不安なことです。
「就活力」というキーワードを使った情報商材やセミナー、あるいはウェブ記事や動画なども、とりあえず「就活力」という何か目を引くキーワードで不安と関心をもとに、人と情報集めをしている可能性も捨てきれません。
実際「就活力を測定します」と謳ったサイトで、診断結果にメールアドレスを登録させた結果、スパムメールを送り付ける悪徳業者がいるようですので注意が必要です。
あなたが「就活力」というキーワードに着目したとき、もしくは誰かが「就活力」という単語を発したとき、その言葉の定義は何かを冷静に考えてみましょう。
なお、本記事では「就活力」という単語に対する明確な定義はせず、「就活力」を測定するといった内容もありません。
代わりに、就職活動で何をすべきかということを本記事で明確にしていきます。
正体がよくわからない就職活動に対して不安を抱えているなら、その正体を少しでも明確にしていけば、抱えている不安も、不思議なキーワードにも惑わされる可能性も少なくなるのではないでしょうか。
就職活動はハンデを伴う場合があることを知ることがスタート
「就活力」って何?というタイトルにしておきながら恐縮ですが、一旦この単語は脇に置いておきます。
新卒採用は、昔に比べれば現在は志望者への間口は広く開かれ、採用基準においても不当な差別や偏見をすることはなくなってきました。
専門的な理系職種は別として、どの大学のどの学部に出ているかは不問としている採用がほとんどです。
しかし、まず理解しておかなければいけないのは、就職活動は決して平等ではないということです。
それは、あなたの望んだ未来が最初から閉ざされているという意味ではなく、スタートラインが人によって異なっており、スタートラインの違いに気づかずに走り始めてしまうと、届いたかもしれないゴールにも届かなくなる可能性があることを示しています。
スタートラインが違うということ、まずそこに気づき、受け入れて、そこからどう自分の思い描く未来にできるかを考えるのが就職活動のスタートです。
あなたが大学に入るまでの人生はやり直せない
日本は高度経済成長のころから長らく終身雇用制度をとっており、優秀な学生を確保するために学歴や所属している大学で入れる会社が決まっていたという時代がありました。
いまでも明確にしないまでも学歴フィルターをとっている企業はありますが、その考えは古い傾向にあります。
企業によっては、面接実施者やグループディスカッションの審査員をする社員には出身大学をあえて知らせないというケースもあります。
しかし、現実では大企業や有名企業は、学力の高い有名大学出身者が占める傾向です。
これは学歴を表に出さなくても、下記のような優秀な人物像が、結果的に上位の大学に出ていることが多いからといえます。
- 適性試験のような課題解決や一般常識問題、知識問題をほかの人より高いスコアで突破できる
- 書類選考において合理的な表現手法や教養を元に取りまとめができる
- 面接において相手の納得の得られるコミュニケーションができる
これは、出身大学の成果もあるかもしれませんが、その大学に入るに至るまでのその人の人生経験によるものともいえます。
あなたがいま所属している大学も、入試を受ける段階で、どの大学にするか、あるいは同じ大学であってもどの学部にするかという選択があったのではないでしょうか。
本当はもっと高い目標があった場合、いろいろな事情を考慮した結果として、いまあなたはその大学に所属しています。
もし、あなたが高い目標に手が届いていたら、あなたは現時点よりもより多くの知識や経験を得られていた可能性はあります。
もちろん、あくまでも可能性の話であり、理想としている環境のほうが必ず優れた結果になるとも限りません。
もちろん、大学の入試時点の学力・偏差値がすべてではありませんし、どのような環境であっても、大学生活の中では、講義・ゼミに限らず、あなたに多くの学びや経験をもたらしてくれたはずです。
あなたが過ごした大学生活は取り戻せない
就職活動で求められるのは、直近のあなたの経験や行動、原則は大学入学以降の経験を求められています。
たまに新卒採用で、高校生以前の自分の経験を自己PRに使う方がいますが、その場合ほぼ確実に「大学で何をしてきたのか?」と採用担当者は聞いてくるでしょう。
大学で何もしなかったとまでは思わないでしょうが、自己PRの発端が大学以前の出来事だったとして、それが大学入学後に何か生かそうとしなかったのか?ということは純粋に疑問となります。
採用側にとっては高校生以前のエピソードはあまりにも時間が経ちすぎていますし、現在と高校生以前では生活状況が大きく変わっていると考えるのが普通です。
もちろん、中学高校での経験が地続きとなって大学時代に続いているのであれば良いですが、そうであっても話の中心は直近の大学時代である必要があります。
あなたが何か自己PRするに足りる活動を大学在学中に一切してこなかった、何も考えずに気づけば大学3年生になって、就職活動が始まる段階になっていざ何かカッコいいことをしようと考えたところで、挽回することは難しいでしょう。
あなたの個性とエピソードは唯一無二の財産である
ここまで、かなり厳しいことを書いてきました。
人によってはあまり気持ちよく受け止められないかもしれません。
しかし、これが「自己分析」です。
良い面も悪い面も、自分の置かれた状況を自分から少し離れた目線で冷静に観察することが求められます。
あなたが大学に入ってからの数年間、文字通り「何もしなかった」ということはないはずです。
- 目立った活動はしていなかったけれど、勉強はやってきた
- 大した成果は出なかったけれど、仲間たちと共にサークル活動をしてきた
- アルバイトばかりしていたが、実際にお金を稼ぐことや誰かのために働くことに時間を費やしてきた
- 大学という環境に興味も関心も持てなかったけれど、趣味やインターネットで自分の興味を持つ話題を追い続けてきた。
あなたが過ごしてきた時間、しかも貴重な大学生の時代に、あなたの人生の糧となったイベントはきっとあるはずです。
ありふれた経験かもしれませんし、他人に自慢できるほどの立派な成果は出せなかったかもしれません。
しかし、その経験や体験で感じたことが、あなたの今を形作っており、それはあなたにとっての財産です。
就職活動で求められているのは、そのような経験を、あなたなりに分析し、あなた自身の言葉で説明することです。
面接官は同じ時期にたくさんの学生を見て話を聞いています。
ましてや責任者や経営者は、新卒採用者に毎年会うだけではなく、最前線で何十年と働いている人たちと日々接しています。
あなたの言葉が表面上の繕いなのか、ちゃんとした経験に基づいたものなのかどうかは、会社規模の大小にかかわらず、大抵の経営者なら気付くはずです。
そして、あなたの個性や成長の伸びしろが、会社にとって相応しいかを真剣に見定めています。
言葉巧みであることは、ないよりもあることに越したことはないですが、そこに大きな心配をする必要はありません。
自分自身を理解し、周りが見えていて、少し先の未来まで考えているかどうか。
特に就職活動で自身を相手に示すときには、こういったことがしっかりできている必要があるのです。
就職活動で「強くなる」には
実際に就職活動が始まると、次から次へと有名企業の内定をとれる人もいれば、一生懸命活動しているのに内定がなかなか決まらないという人もいます。
これ自体は、紛れもない事実です。
こういった差が生まれることが、結局は「就活力」なのでしょうか?
改めて、就職活動で何をすべきかを整理してみましょう。
自分で「決めた」という事実が、あなたの武器になる
就職活動中は、あなたと同じく就職活動をしている人たちの情報が、自然と耳に入ってくることがあります。
いまの時代は、SNSなどを通じてまったく見知らぬ人の、順調(もしくは不調)な就職活動状況を目にすることもあるかもしれません。
それによってあなたのモチベーションが上がるなら多少活用することも手ではありますが、そういった情報を気にしすぎて、落ち込んだり無駄にストレスを溜めてしまうケースも少なくありません。
あるいは、結果を急ぐあまり、判断に焦ってしまい事あるごとに自分自身が振り回されているように感じることもあるでしょう。
就職活動において気を付けるべき行動があります。
- 周りがそうしているから、自分もやらないといけないと思った
- 人と比べて行動を決める
- なんとなく流れにまかせて行動している
行動に主体性がなく、自分でもよくわかってないし、その結果どうなるかもよくわかってない行動だと気付いたら、一度立ち止まりましょう。
就職活動は、できる範囲で最大限、あなた自身がコントロールしましょう。
最終的にあなたがすべき行動は「自分が入りたいと思った会社の内定をとり入社する」です。
就職活動に勝ち負けはありませんが、以下のような判断はおすすめできません。
- 特にやりたいこともないので、とりあえず志望して内定が出た会社に決めた
- やりたいことはあったけど、見栄や世間体で入る会社を変えた
- 親や知人、大学教授等の推薦があったので、そのまま流れで決めた
こうした経緯であっても、優れた業績を残していく人はもちろんいます。
ただし、主体性がなく決まった環境における一番の試練は、困難な問題に直面したときです。
「こうなったのは〇〇のせいだ」と他責に走り、状況の打開をすることなく逃げることへ正当性を見出すようになってしまう可能性があります。
実際、目の前の状況が、あなたのせいではない別の原因だったとしても、困難への突破力として「ここにいることは、自分自身で決めたことだ」という明確な芯があることは非常に強い武器です。
就職後は、明確な答えのない難しい問題へ取り組むことや、ときには理不尽な要求や交渉に巻き込まれることもあるでしょう。
そのとき、最後の支えとなるのは、あなたがその場所にいることを決めた瞬間の意志、つまり就職活動をしていたときの初心なのです。
必要なのは「自己分析」と適切に伝える「言葉選び」
- あなたがどういう人物かという自己分析
- 大学時代に経験したエピソード、そこで得た気付きなどの深掘り
- なぜその会社を目指したいと思ったか、動機の深掘り
就職活動ではこれが揃っていれば準備が整ったといえるでしょう。
人気企業ではそもそも志望者が多いため、足きりに使われる選考試験(多くはWEB適性診断、場合によっては筆記試験)に振り落とされない地頭の良さ、あるいは似た傾向の問題に対する解き方の慣れやコツの習得といった部分も加えられます。
企業によって問いかけ方法にさまざまなバリエーションがありますが、結果として聞きたいことはこの3点です。
注意したいのは、これらがあなたの頭の中で整理ができているだけでは不完全だということです。
これらを他人にできるだけ正確に伝えることが最低限求められます。
本当に良い経験をして明確な動機があっても、面接官や採用担当者にきちんと伝えようと努力しなければ伝わりません。
実際に伝えたところで、あなたの想いが100%伝わることはなく、アウトプットの仕方や受け取り方で欠損や変形が生じます。
欠損をいかに少なくするかは「表現力」というより「言葉選び」といえるでしょう。
語彙を広く知っていることは無駄ではありませんが、相手に伝わらなければ意味はありません。
難しい言葉よりも平易な言葉のほうがシンプルに伝わる可能性が高いのです。
これらは、小手先のテクニックよりも、実際に場数を重ね自分自身で調整するしかないでしょう。
事前の準備や整理を重ねれば重ねるほど、テクニックに頼ることなくシンプルに表現でき、不整合も解消されていきます。
まずは、あなたの中で落とし込みができ、明確に分析できているかで決まっていくのです。
まとめ
「就活力」とは何か、どうやって「就活力」を高めていくことができるか、ということは、この記事ではお伝えしませんでした。
大事なことは、就職活動に対する不安を受け止め、実際に自分のスタートラインがどこにあるかといった自己分析をしっかりとこなし、それを伝える言葉選びに磨きをかけていくことが、就職活動を進めていくうえで大事なことです。
就職後、あなたが困難に直面したときに最後の支えとなるのは、就職活動で「あなた自身がやると決めた」という意志になるので、ぜひそれを作り上げる就職活動にしてください。
この記事によって、あなたの就職活動がよりよいものになることを願っております。