理系の就活生は必見!研究概要書の書き方のコツを解説

理系の就活生は必見!研究概要書の書き方のコツを解説

2024/05/18更新

はじめに

理系の就活生が企業に提出を求められることが多い、研究概要書の書き方について詳しく解説していきます。

研究概要で企業がチェックするポイントや上手にまとめるコツ、注意すべきポイントなどをご紹介しますので、まだ作成できていないなという就活生や、どのように記載したらいいのか分からないという就活生はぜひご覧ください。

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研究概要とは

研究概要とは、自分が行った研究内容や結果をまとめた書類のことです。

具体的な記載内容は、以下のとおりです。

記載内容
研究内容・研究内容(概要)

・研究の目的と背景

・研究手法や実験方法

研究結果・実験の結果

・研究の成果

・考察

・今後の展望

その他(実績や補足)・取り扱いに慣れている実験機器

・学会や論文投稿の実績

・研究手法や実験方法


研究概要は、企業が理系の就活生に対して提出を求める場合が多いです。

研究概要では、研究内容そのものだけでなく「分かりやすく伝える力」や「持っている技術」「問題解決能力」などを見て、就活生を総合的に判断しています

そのため、研究概要を作成するときは、研究に関する知識や経験だけでなく、入社後に活かせる力が見られていることを意識して、簡潔で分かりやすい研究概要にすることが大切です。

研究概要書で企業がチェックするポイント

就活の研究概要で企業に見られることは、大学で取り組んだことや研究を通して得た成果、読者の読みやすさを考えて作成されているかなどです。

5つの項目に分けてポイントを解説していきます。

大学での活動内容

企業がチェックするポイントの1つ目は、大学で行った研究内容です。

どのような研究テーマで、入社後のどのような場面で活かせるのかを簡潔に記載すると良いでしょう。

企業の人事は全員理系であるとは限らないので、専門用語は使わず、文系の人でも伝わりやすい内容にすることを意識してください。

また研究に取り組んだ際に、内容だけでなくどんな意識をもって取り組んだのか、工夫したことなどを記載すると良いでしょう。

例えば「周りの意見を聞き、広い視野をもって研究に勤しんだ」など、意識したこともあわせて記載すると好印象になります。

発想力や臨機応変さなど

企業がチェックするポイントの2つ目は、発想力や独自の工夫があるかどうかです。

企業は時代の流れに合わせて事業内容を変えていく必要があり、新しいアイデアを提案できる人は重宝されます。

研究において成果に繋がったアイデアや、独自の視点をもとに行った実験はアピール材料となるので積極的に記載しましょう

例えば「他のチームメンバーはAまたはBという研究方法を選択していましたが、私は×××の観点からCの研究方法を導きました。

結果としてCが予想していた内容に最も近い結果を出すことができました」といった内容です。

他の人が思いつかないようなアイデアで結果を出したことをアピールできれば、就活で有利になるでしょう。

研究を通して得たもの

企業がチェックするポイントの3つ目は、研究を通して得た成果です。

成果を記載するだけではなく、実験から得られた成果や、成果に対する意見もセットにして書きましょう。

ビジネスにおいてはPDCAサイクルが重要とされています。

そのため企業の人事は「研究から何を得て、次にどう活かしたのか」を重視しているというわけです。

例えば「Aという研究結果には〇〇の視点に欠けていた。

そのため、次の実験には新たな項目を取り入れ、Aで足りない視点を補った」といった文章だと、PDCAサイクルを意識できていることが伝わります。

研究から得た学びを、次の実験にどう活かしたのかを書けるとさらに良いですね。

コミュニケーション能力やポテンシャル

企業がチェックするポイントの4つ目は、コミュニケーション能力やポテンシャルです。

まずコミュニケーション能力としては、他者理解や意思伝達力などが見られます。

具体的には、相手の意図を把握できているか、専門分野にあまり詳しくない人の立場に立った伝え方を意識できているかなどです。

ポテンシャルでは研究者としての素質をチェックします。

具体的には、就活生の関心分野や判断基準、取り組んだ研究成果、成果を出すまでの過程などの観点から総合的に判断します。

読者の読みやすさを考えて作成しているか

自分の好きなように書くのではなく、読者の読みやすさを考えて作成しているかどうかも重要なポイントです。

例えば、エントリーシートの場合は、文章のみになるので、最初に結論を記載したり適度に改行して読みやすくしたり、論理的な構成にすることなどが工夫できるでしょう。

パワポの場合は、文字数を必要最低限に抑えてパッと見だけで伝えたいことが伝わるか、見やすくするためにグラフなどを挿入しているかなどがチェックされます。社会人になればどんな職種であっても、簡潔にわかりやすく人に伝える能力が必須です。

読者にとって読みやすい研究概要になっているか不安であれば、できれば文系の第三者に読んでもらい、伝わりやすさをチェックしてもらいましょう。

面接での質問内容

就活の際に提出が求められる研究概要は、いわばエントリーシートと同じような位置づけです。

そのため、企業の人事は研究概要の内容をもとに、面接での質問内容を考えながら読んでいます。

面接では、企業の人事が書類で理解しきれなかった就活生の考えや、問題をどう対処したか、成果に対してどのように考えているか、といった事を聞かれることが多いです。

研究概要に記載した内容は、面接での質問材料となる可能性が高いので、内容を深堀されても答えられるように準備しておきましょう。

自分が特に工夫したことや力を入れたことを記載すれば、面接時も強みをアピールしやすくなるはずです。

研究概要書の作成形式

研究概要の形式は提出先の企業によって変わります。

一般的には文章のみの場合や、パワポを使う場合などが多いです。

ここではよくある提出形式である、文章のみの場合とパワポ使用の場合に分けてご紹介します。

文章のみ 

エントリーシートと同じように、文章のみで提出を求められる研究概要もあります。

使用する文字数やソフトなどは企業から指定がありますが、一般的にはMicrosoft Wordを使ってA4用紙1枚から2枚程度にまとめることが多いようです。

パワーポイント(パワポ)

パワポを使用して研究概要をまとめる場合もあります。

記載する内容は文章のみの場合と同じになりますが、イラストやグラフなどを入れて、視覚的に見やすくするのがポイントです。

指定がない場合に使用するフォントや色

短文ならCalibriやArialがおすすめ

研究概要を書く際のフォントは、短文の場合はCalibriやArialがおすすめです。

特にパワポで資料を作成する場合は、短文が多くなるのでCalibriかArialのどちらかを選ぶと読者にとって読みやすい研究概要になります。

企業からフォントの指定がある場合は、もちろんその形式に従いますが、書式が自由であればどちらかを使いましょう。

長文ならゴシック体、英数字はTimes New Romanが最適

長文に使用するフォントは基本的にゴシック体、英数字に対してはTimes New Romanを使用しましょう。

どちらもシンプルな書式のため、論文などに使用されることが多いです。

もちろん、企業から指定されたフォントがあれば、それに従いましょう。

注意点として、1つの書類に複数のフォントが混ざっていると文章全体の統一感がなくなってしまうので、日本語の場合はゴシック体、英数字の場合はTimes New Romanに統一すると良いでしょう。

色はなるべく統一する

研究概要でグラフを入れるときや文字を強調する場合は何色も使わず、使用する色を必要最低限に留めるのがおすすめです。

使用する色が多いと、どこが大切なのかが分かりにくくなり、読者に伝わりづらい研究概要になってしまいます。

どうしても複数色を使用したい場合は、同系色の色味を選ぶなどして、統一感を持たせることが大切です。

例えば、大切な部分は赤、グラフは青など、読者に伝わりやすい規則性のある配色であれば、上手くまとまって見えるでしょう。

あくまでも自分ではなく、読者が読みやすい研究概要になっているかがポイントです。

研究概要書を上手にまとめるコツ

研究概要を上手くまとめるコツは、文系の人にも伝わるように専門用語を使わないことや、簡潔で読みやすい文章にすることなどが挙げられます。

以下11の項目に分けて見ていきましょう。

1枚のポスターにまとめるイメージで

研究概要は1枚のポスターで内容を伝えるイメージで書くことが、上手くまとまるポイントです。

具体的な構成としては、以下を確認してください。

  1. 表題
  2. 研究の概要と背景
  3. 実験内容や発生した問題
  4. 解決策と得られた成果
  5. 総評(学びや考察など)


上記のような流れで記載すると、一連の流れが分かりやすく、取り組んだ内容や得た成果が伝わりやすくなります。

一冊の本を1枚のポスターにまとめるようなイメージで作成することが、読者に伝わりやすい研究概要にするコツです。

文字数制限に気を付ける

一般的に研究概要は、企業から文字数を指定される場合が多い傾向にあります。

作成する際には、必ず指定された文字制限を守るようにしましょう。

文字数を守ることは時間を守るのと同じくらい、基本的なマナーの一つです。

文字数を守るコツとして、最初に書き上げたときに文字数が多くなってしまったら、不要な文章を削除して行きましょう。

逆に文字数が足りていない場合は、より詳細な説明を付け加えてできるだけ具体的に記載することをおすすめします。

多すぎても少なすぎても評価が下がってしまう恐れがあるので、なるべく指定の文字数に近づけることを意識しましょう。

簡潔で分かりやすい文章を意識する

先ほども記載しましたが、研究概要を作成するときは、簡潔に分かりやすくまとめることを心がけましょう。

人に分かりやすく伝える能力は、研究概要を作成するときだけでなく、エントリーシート作成時や面接時、さらにはその先の仕事でも必須な能力になります。

社会人に必須の能力をアピールするためにも、文章ではまず結論から記載し、次にその結論に至った理由と具体例、まとめの順番で書くと、論理的かつまとまりのある文章になります。

大企業の人事は何百もの研究概要を読むこともあるので、読みにくい文章の場合は目を通してもらうことすら難しくなるでしょう。

ロジカルな文章を作成できれば、人事に好印象を与えられます。

専門用語は使用しない

先述した通り、企業の人事の中には理系ではない人も含まれますし、就活生の研究テーマについて詳しく知っているとは限りません。

知識が浅かったり、完全に初心者であることも考慮して、難しい専門用語は使用しないようにしましょう。

理系の就活生が普段当たり前に使用している専門用語は、社会では通用しない場合が多いと思っておいた方が無難です。

自分では専門用語を使っているつもりがなくても、年代が違う人や違う分野を専攻している人にとっては理解できない言葉もあるかもしれません。

可能であれば、身近な人や文系の友達などに研究概要を読んでもらって、初心者でも理解できる内容になっているか確かめてみてください。

研究結果だけはNG!学んだことも記載する

研究概要を記載するときは、研究結果だけを書くのでは内容として薄すぎます。

結果だけだと他の就活生と内容が被りやすく、差別化が難しくなるため、実験の結果から学んだことや、自分の考えを書くことが大切です。

例えば「自分の予想通りAという結果が出たので、次回の実験でも同じフレームワークを使用し、さらにBという条件を加えることでより精度が向上すると考えました」のように、実験結果から感じたことを次にどう活かすかを伝えましょう。

研究概要を書き上げたら、自分なりの考察や研究結果を通して学んだことがきちんと記載できているかを確認してください。

入社後どう活かせるかを記載する

研究概要を書くときは、研究を通して得た経験や技術を志望企業でどのように活かせるのかを記載することがポイントになります。

研究を通して何かを学んだだけでは、入社後にどのような活躍が期待できるか分からないからです。

企業の人事に「この就活生は自社の事業に貢献できそうだな」と思ってもらえるような内容にすることを意識しましょう。

例えば、研究過程である仮説立案・検証・実行・振り返りの流れは、ビジネスにおけるPDCAと同じ流れです。

つまり研究概要の内容から、入社後にPDCAを正しくまわせる人物であるかが判断されます。

研究過程がしっかりと実行できており、入社後にどう活かせるかアピールできる人は高評価となるでしょう。

文末を揃える 

研究概要を書くときは、「です・ます調」または「だ・である調」に文末を統一するということもポイントです。

企業から指定がない場合は、どちらを使用しても良く、自分の書きやすい方を選びましょう。

ただ「です・ます調」と「だ・である調」が混同してしまうと文章の統一感に欠けるだけではなく、ビジネス文書において基本的なマナーが身についていないという印象を与え、低評価に繋がってしまいます。

研究概要を書き始める前に企業からの指定を確認して、指定がなければ文末をどちらの形式に揃えるのかを決めましょう。

書き上げたら、文末が統一されているか見直すことも大切です。

他者に添削を頼む

先述したように、文系の人や自分の研究内容によっては、未知の単語を使用している可能性もあります。

そのため、できる限り簡単な言葉を使用して、専攻分野に関することは中学生でも分かるような文章を意識することが大切です。

もし自分が書いた内容が伝わるか自信がなければ、文系の友人などに意味が伝わるかチェックしてもらいましょう。

想定される質問をまとめておく

先述したように、研究概要は企業が面接で質問する際の材料となる可能性が高いです。

そのため、研究概要が完成した後に、企業の人事から質問されそうな内容を考えておくことも重要です。

企業の人事が研究概要の内容をもとに質問する代表例として、以下が挙げられます。

質問の代表例
  • 研究内容について、専門外の人が疑問に思うところ
  • 問題が発生したときどのようなことに工夫して解決したのか
  • 得られた知識やスキルを入社後に活かすとき大切だと思うことは何か

上記以外にも、自分の企業概要を読んでどのようなことを聞かれるか、考えておくと良いでしょう。

質問される内容が自分では分からない場合は、教授や先輩に添削してもらい、想定される質問内容を聞いてみるのがおすすめです。

質問を想定して答える準備までする

上記では研究概要が完成したら、企業の人事が質問してきそうな内容を推察しておくことが大切だとお伝えしましたが、想定される質問にどのように答えるべきかもセットで考えておきましょう。

そうした準備をしておくことで、面接では心に余裕が生まれ堂々と挑めるようになるでしょう。

併せてその質問にどう答えるか、回答も準備しておくと安心です。

実際の面接で述べる内容を準備しておけば、当日は堂々とした態度で余裕をもって臨めるでしょう。

また、回答は考えるだけでなく、実際に声に出して読み上げることで内容が定着しやすくなり、面接で話す実践練習にもなります。

面接時に話すときは、面接官の目を見て語尾までハキハキと話すことを意識してください。

普段はできていても、面接では緊張してしまって思うようにできないという場合もあるので、目の前に面接官がいると思って一度は練習しておきましょう。

誤字脱字・内容に間違いや嘘がないかチェックする

研究タイトルや研究室情報は読者にとって最初に目に入る情報です。

これらは特に間違えないように気を付けましょう。

主なチェックポイントを以下にまとめました。

ポイント
  • 研究テーマや研究タイトルは簡潔に書く
  • 研究テーマなどが複数ある場合は、箇条書きにする
  • 「所属ゼミ/研究室の研究テーマ」「所属ゼミ/研究室の研究タイトル」は、研究室全体で取り組んでいる内容を書き、「自身の研究タイトル」「自身の研究テーマ」は、自分が担当している内容を書く
  • 数字や基本情報に誤りがないか確認する

注意すべきポイント

注意すべきポイントを紹介します。

参考文献は2つまで

まず、参考文献の記載が多すぎるのは、あまり良くありません。

参考文献は2つまでにしましょう。

参考文献や参考資料がある場合は、文章のどの部分が参考文献の対象となるのかが分かるように番号を付け、あわせて文献名、資料名を記載すると良いです。

【記載例】

1)△△△、バイオセラミックス、3、××-××(2002).
2)××××、“バイオメカニクスシリーズ□□”、〇〇(1993)pp.×-×

守秘義務に違反しない

守秘義務についても注意が必要です。

研究室での実績を具体的に伝えようとするあまり、まだ開発途中のプロジェクト内容や取引企業名まで記載するなどして、守秘義務についておろそかになっていませんか?

具体的な実績を記載する際は、守秘義務に違反しないことを念頭に置きましょう。

「職務上の秘密を守る」ことや「個人情報を開示しない」ことはどの企業でも共通ルールとしてあるので、社会人として守秘義務にも配慮した姿勢が求められます。

まとめ

理系の就活生に向けて、研究概要の書き方を解説しました。

研究概要で企業がチェックするポイント、作成形式や指定がない場合のフォント・色をご紹介し、上手にまとめるコツや注意すべきポイントを解説しています。

研究概要は簡潔に分かりやすく書くことがポイントです。

文系の人にも伝わるように専門用語の使用は避けましょう。

企業の人事に好印象を与えるためには、研究内容だけ記載するのではなく、研究を通して得た経験や技術を、志望企業でどのように活かせるのかを記載することが大切です。

フォントや色にも工夫して、人事の印象に残るような研究概要書を作成しましょう。

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