薬学部卒業後の就職先とは?各就職先の就職者の割合や平均年収についても解説

薬学部卒業後の就職先とは?各就職先の就職者の割合や平均年収についても解説

2024/5/24更新

はじめに

この記事では、主に薬学部の就活生を対象に、卒業後の就職先や人気企業ランキング、各就職先の就職者の割合、平均年収などをご紹介します。

就職先に悩んでいる薬学部の就活生はぜひ最後までご覧くださいね。

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薬学部卒業は勝ち組?就職の割合や平均年収について解説

薬学部を卒業後に、就職した人と就職しなかった人の割合を下の円グラフで算出しました。

薬学部卒業後の就職者の割合グラフ

薬学協議会「令和3年3月卒業生および大学院修了者の就職動向調査」を見ると、令和3年度に6年制の薬学部を卒業した大学生は全国で9,879名おり、そのうち就職した人は6,305名です。

この調査からは、薬学部を卒業した学生の63.8%が就職していることが分かります。
(※就職しなかった人には、調査時には就職先が未定だった人や無給実習した人、進学した人も含みます)

また同調査によると、薬学部を卒業後に就職した人のうち、医薬品販売業や保険薬局に携わる人は全体の50.5%という半数を占めており、医療機関で薬剤師として従事している人を含めると68.9%と7割近くに達します。

薬剤師は国家試験の合否で内定状況は異なりますが、それを鑑みても7割近くの卒業生が薬剤師として薬局や医療機関で働いていることになり、まあまあ高めの就職率だといえるでしょう。

薬学部を卒業した人の平均年収

薬学部出身者の平均年収は506万円といわれています。

また、薬剤師の平均年収は548万円です。

全国の平均年収を見ても約400万円なので、薬学部出身者の平均年収は全国平均よりも100万円程度高いということになります。

薬剤師の平均年収は高い傾向にある

薬学部を卒業した学生でかつ薬剤師の資格を取得している場合の給与水準は、一般的な会社員と比べて高い傾向にあります。

厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査( 一般労働者 職種)」によると、20〜24歳の薬剤師の平均月収は30.46万円で、そこから年収を割り出すと年収は約365万円(年収については「年間賞与その他特別給与額」を含めず「所定内給与額」のみから算出)という結果が出ています。

なお、25〜29歳の薬剤師の場合では、平均月収は31.4万円となり、推定年収は約377万円です。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 (一般労働者 新規学卒者)」によると、一般的な新卒会社員の平均月収は21.7万円で、平均年収は約260万円であり、薬剤師の年収のほうが大幅に上回っていることが分かります。

また、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 (一般労働者 職種)」から全国の薬剤師の平均月収と年収を計算すると、平均月収は38.77万円、平均年収は約465万円という結果になりました。

一方、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 賃金の推移」によると、一般的な労働者の平均月収は31.2万円で、平均年収は約374万円なので、薬剤師の方が約90万円近く年収が高いということがいえます。

したがって、薬剤師の給与水準は初任給から安定して高い傾向にあるといえるでしょう。

薬剤師=勝ち組ではなくなってきている

現状の推定年収のみを見れば勝ち組といえる薬剤師ですが、その一方で将来性を不安視されている面もあります。

厚生労働省が公表している「薬剤師の需給調査」によると、将来的に薬剤師の供給総数が需要総数を上回ってしまうという結果が出ています。

 

また、厚生労働省の「令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計」をみると、地域によって薬剤師の数に大きなばらつきがあることも見て取れます。

薬剤師は今後も、都市部ほど飽和状態になると予想されており、都市部での就活は特に難易度が高くなるといわれています。

さらに、薬価の改定や調剤報酬の変化などの影響により、薬剤師の収入低下に繋がることも危惧されています。

そのため、現状では「薬剤師=勝ち組」とはいえなくなってきているのです。

 

将来の不安を払拭するためにも、薬剤師の国家試験に受かったからといって安心するのではなく、今後の薬剤師は国家試験にプラスして武器となるスキルを身につける必要があるでしょう。

 

薬剤師以外にもある!薬学部の主な就職先一覧

薬学部卒業後の就職先として真っ先に思い浮かぶのが「調剤薬局や病院」ですが、実際はさまざまな就職先の選択肢があります。

薬学部卒の能力を活かせる就職先は医療機関に留まりません。

下記の円グラフは、一般社団法人薬学教育協議会が発表した「6年制学科卒業生就職状況」(令和3年3月)を元に、就職先の割合について作成したものです。

6年制学科卒業生就職状況グラフ

この円グラフの結果から、「保険薬局」への就職が61%と一番多く、その次に22.4%の「病院・診療所」、9%の「企業」と続きます。

その他にも行政や医薬品販売業へ就職した人がいることも分かります。

薬学部卒業後の主な就職先

薬学部卒業後の主な就職先と、おおまかな業務内容について解説していきます。

 

調剤薬局

薬学部を卒業した大学生のうち、約半数以上が就職先として選択しているのが保険薬局や、ドラッグストアに併設している調剤薬局での仕事です。

主な業務内容は、処方箋をもとに医薬品を調合する調合業務、患者様に薬を受け渡すときに服用方法や効能について説明する服薬指導、患者様の処方された医薬品や現在の服用状況の情報入力などを行う薬歴管理などです。

近年、調剤薬局では「かかりつけ薬局」としての役割だけでなく、健康の相談ができる身近な存在としての役割が求められています。

介護支援の柱として地域貢献が期待されています。

 

病院・医療施設

医療現場の第一線である病院は、薬剤師のスキルを十分に発揮できる就職先です。

おもに市民病院や大学病院などの薬剤科や薬剤部に所属し、医師や看護師などと一緒にチームを組んで業務にあたります。

チーム医療の一員としてコミュニケーションを密に取る必要があります。

一般的に調剤薬局で処方される外用薬や内服薬に加えて、集中治療室で使用する注無菌製剤の取り扱いや各種薬剤の準備など、大学の薬学部で学んだ知識だけではなく臨床で身につけていく業務が多いのが特徴です。

 

ドラッグストア

病院や調剤薬局と比較すると、オープンな雰囲気が特徴のドラッグストアは、アルバイトや登録販売者、美容販売員など、さまざまなスタッフが働いており、色々なお客様とも接するためコミュニケーション力が求められます。

医薬品のアドバイスや、お客様からの健康相談、レジ打ちや商品の陳列など、業務内容も幅広く店舗によってはPOPの作成や宣伝などを行うこともあります。

 

製薬会社(研究職・MR・開発職・CRA・コールセンターなど)

新薬を開発する研究職、医薬品の情報提供と営業を行うMR、臨床試験を行うCRA、問い合わせ対応をするコールセンター勤務など、製薬会社では薬学部で学んだ専門知識を活かせる職種が多くあります。

製薬会社は国内だけではなく外資系の企業も多いため、福利厚生や休暇制度が充実している点がポイントです。

ライフワークバランスを重視する薬学生に人気の就職先になっています。

 

行政

行政官や麻薬取締官、薬事監視員、検疫官、科学捜査研究所研究員として監視や指導を行います。

たとえば、国家公務員として薬事行政に携わったり、地方公務員として地域住民の衛生や健康を守るなど、薬学の専門知識を活かせる職種が多くあります。

また、これらの業務に携わるには、公務員試験に合格することが必須です。

 

意外な就職先

ここまでは、薬学部卒業後の就職先としてメジャーなものをご紹介してきました。

今回は薬学部卒業後の就職先として意外と知られていない職種をご紹介します。

ぜひ、これからの就職活動の参考にしてみてください。

 

公務員薬剤師

公務員薬剤師の業務は特殊なものが多く、病院や薬局で働く薬剤師とは異なるキャリアを積むことになります。

医療の現場で働くことは少なく、行政を中心とした仕事に携わる場合はデスクワークが中心となります。

公務員薬剤師の特徴として挙げられるのは、安定性の高さです。

一般企業のように倒産の恐れがないため、安心して働き続けることができるでしょう。

公務員薬剤師には「地方公務員薬剤師」と「国家公務員薬剤師」の2種類に分かれており、それぞれ以下のような業務内容になります。

国家公務員薬剤師厚生労働省をはじめとした中央官庁など薬価の算定や診療報酬・調剤報酬の改定、医薬品メーカーなどに対する医薬品の品質管理や製造管理の監視指導、薬剤師国家試験に関する見直しや資格取得後の研修制度の検討など
地方公務員薬剤師保健所地域の保健管理・衛生管理、地域の施設に対する新規開設許可、立ち入り検査、食品に含まれる添加物などの規格基準検査、放射性物質等の検査など化学検査全般を行う試験検査業務、インフルエンザやその他の感染症に備えた健康危機管理、医療供給体制整備、創薬研究、治験、住民の健康相談など
地方自治体が運営する公立病院外来調剤、病棟業務、医薬品の管理業務など
衛生研究所細菌の検査・研究業務、食品や医薬品などの安全確保、食中毒や感染症の予防など

 

麻薬取締官

麻薬取締官は国家公務員で、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に所属しています。

主な業務内容は、違法麻薬や覚せい剤などに関する情報の収集、流通経路の捜査、薬物使用者の逮捕、押収された薬物の鑑定、薬物依存者の更生支援などです。

薬物が乱用されないために活動しています。

また、麻薬取締官になるには、薬剤師国家試験を取得するほか、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部が実施する採用試験に合格する必要があります。

 

学校薬剤師

学校薬剤師は、学校保健に携わり、子どもたちの快適な教育環境を提供することが主な役割です。

業務内容は学校内での薬品類の使用や管理、保健指導や健康相談、照明・採光・換気などの学校環境衛生の維持管理などさまざまな業務があります。

また、子どもたちと接する機会が多いことから、教育現場にふさわしい人間性であることも求められるでしょう。

 

就職先企業人気ランキングTOP5

1位 日本調剤

第1位は「日本調剤」です。 

日本調剤は、総合病院や大学病院の門前薬局を中心に、全国展開する保険調剤薬局チェーン企業です。

調剤薬局事業のほか、ジェネリック医薬品の供給にも一早く進出していました。

現在は「2030年に売上高1兆円、調剤薬局市場でのシェア10%」というビジョンを掲げており、精力的に活動の場を広げています。

日本調剤の強みは、全国有数の総合病院・大学病院の処方せんを多く取り扱い、高度な在宅医療や薬学管理を担う環境であるということです。

薬剤師として成長するにはうってつけの環境といえます。

また、教育環境も充実しており、約1ヶ月の新人研修や1年間の個別指導に加え、病院と薬局の両方を経験できる「社外ジョブチャレンジ制度」などが準備されています。

特にこの「社外ジョブチャレンジ制度」は、薬剤師としてのキャリアを広げることができるため、学生から注目を集めています。

2位 アイングループ

第2位は「アイングループ」でした。

アイングループは全国に約1200店舗もの保険調剤薬局を展開する、業界売上高最大手の保険調剤薬局チェーン企業です。

アイングループの特徴は、病院建物内・敷地内など、医薬連携と患者様の利便性とを追求した超好立地の薬局を数多く展開している点です。

また、健康サポート活動やかかりつけ薬剤師も積極的に拡大しており、95%以上もの店舗で在宅医療に取り組んでいます。

ガン治療をはじめとする、高度医療に貢献できる薬剤師の育成に向け、社員研修には「病院研修」を導入し、全国の大学病院などと連携して薬剤師の育成に力を入れています。

また、専門資格の取得支援は全21種類も実施しているため、さまざまな分野のプロフェッショナルを目指すことが可能です。

業界売上高最大手という安定性と、全国のさまざまな医療機関と連携が取れている信頼の厚さなどが、学生の人気を集める理由でしょう。

3位 味の素

味の素グループは、創業から「おいしく食べて健康づくり」を掲げており、日本を含め世界35の国と地域に拠点を置いています。

「食品」と「アミノサイエンス」という2つの事業を中心に、社会課題の解決に取り組んでいます。

具体的には加工食品の製造販売や、世界が注目するアミノ酸分野での研究・商品開発、さらには医療・健康分野へと、うま味調味料「味の素」だけにとどまらず幅広い事業をグローバルに展開しています。

味の素は2030年までに、「アミノサイエンス」を活かしていくことができるヘルスケア・フード&ウェルネス・ICT・グリーンの4つの強固な事業を構築することを目指しています。

 

ヘルスケア事業では、予防や治療の進化と、健康寿命を伸ばすことへの貢献を目指し、フード&ウェルネス事業では、食を通して自己実現とWell-beingへの貢献、ICT事業ではスマート社会と半導体の進化への貢献、グリーン事業では、新しい食の基準の創造循環型バイオサイクルへの転換をそれぞれ目指しています。

国内外に強力で高シェアな食品ブランドを複数保有していることが特徴で、近年の原燃料高やインフレであっても利益を確保できるという安定性が学生の人気を集めている理由でしょう。

4位 国立病院機構

国立病院機構は、厚生労働省が運営していた国立病院・国立療養所が独立行政法人化して誕生した、日本国内最大級の医療機関グループです。

全国140の病院を一つの組織として運営しています。

近畿グループでは、近畿管内の20病院の支援機関として、医療サービスの向上を図るとともに、効率的な病院運営の実現や地域のニーズにあった医療の提供に取り組んでいます。

医療事業であり、今後高齢者人口が増えるに伴って、需要が伸び続けることや、日本最大の医療グループであり、スケールが大きいことなどが学生の人気を集めていると思われます。

5位 クオール

クオールグループは、研究開発をはじめ、製造・販売・調剤まで患者様に関わるヘルスケア分野で一貫した充実のサービスを提供する総合ヘルスケアカンパニーです。

グループの相乗効果の最大化と新事業の強化を図ることで、さらなる成長を目指しています。

クオールでは、高度で幅広い専門性を持つ薬剤師を育成するための教育プログラムが充実しています。

また、独自に実施している「QOL認定薬剤師制度」によって、高度先進医療に対応し、高い専門性を持つ薬剤師の育成を実現しています。

クオールはこれまで、患者様の利便性を徹底的に追及し、生活に密着した店舗展開を行ってきました。

地域や処方元医療機関の特性に合わせた「マンツーマン薬局」をベースとし、店舗作りを行ってきました。

その一方で、ビックカメラやローソンなど異業種との連携による「街ナカ薬局」「駅ナカ薬局」「駅チカ薬局」などさらなる利便性を追求した店舗の展開も拡大しています。

 

まとめ

薬学部を卒業した学生の63.8%が就職しており、薬学部出身者の平均年収は506万円と全国平均よりも100万円程度高いことが分かりました。

薬学部卒業後の代表的な職業として、薬剤師が挙げられますが、近年の薬価の改定や調剤報酬の変化などの影響により、薬剤師の収入は減少していくことが危惧されています。

そのため、「薬剤師=勝ち組」とはいえなくなってきているのが現状です。

しかし、薬学部の卒業後の進路は、薬剤師以外にも色々な就職先があることが分かっており、薬学部の専門性を活かせる職場はたくさんあるので、ぜひ自分に合った就職先を探してみてくださいね。

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