
「最近読んだ本は?」への答え方を解説! (例文あり)
2020年3月21日更新
はじめに
「最近読んだ本を教えてください。」
一度は出会うはずのこの質問。
あえて難しい本を提示するべきなのか、普段読んでいる本で良いのか、
はたまた雑誌などと述べて、少し違った角度で説明するべきなのか。
簡単なように見えて、
実は奥が深いこの質問。
質問の意図について考えていると、
「志望業界の本を読んでおいた方が良かったのだろうか、、」
など、とりとめもない思考のループにハマってしまいます。
本記事では、
・面接官の質問意図
・回答の構成
・良い例文と悪い例文
について、解説していきます。
記事を最後まで読み、
こんな質問が飛んできても冷静に答えられるよう、
自分なりの答えを用意しておくようにしましょう。
1.「最近読んだ本」を問う5つの意図
「なぜ面接官は「最近読んだ本」の質問をするのだろうか」
就活生なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
企業がこの質問を問う目的は、大きく分けて次の5つ、
・説明能力を図りたい
・あなたの知識量が知りたい
・読書習慣があるのか確認したい
・あなたの興味を抱いている分野を知りたい
・アイスブレイキングがしたい
これらがあります。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1-1.説明能力を測りたい
まず考えられるのは、「就活生の説明能力」つまり、
「プレゼンテーション能力を知りたい」ということです。
この場合、あなたが選んだ本は大して問題ではなく、
・あなたがその本をどのように説明するのか
・どんな振る舞いを用いて説明を行うか
といった、プレゼン能力を見ているのです。
社会人になれば、
社内会議や顧客への営業、取引先との商談など、
様々な側面でプレゼンテーション能力が必要になってきます。
まずは概要の説明から入るのか、
相手がどれくらい知っているかを測るため、
「〜は知っていますか?」
というように、質問を挟みワンクッション置いてからトークを始めるのか。
あるいは、
いきなり内容や、印象的な場面の説明から入り、
話に緩急をつけるのか。
同じ内容を語るにしても、話し方次第で、
相手への印象も全く異なってきますね。
そのため、面接官は
「最近読んだ本」という難しくないテーマで、
就活生のトークスキルを判断しているのです。
特別、難しい本を選ぶ必要はありませんので、
「相手に寄り添う」ことを意識し、
自分の言葉で語れるようになっておくと、心強いでしょう。
1-2.読書習慣があるのか確認したい
プレゼンテーションスキルの次に面接官が見ているのは、
「日頃から読書習慣があるのかどうか」
つまり
「自発的に学ぶ意識を持っているのか」
をみています。
学生時代から読書を通じ、知識を蓄える習慣を持っている人間は、
社会人になってからも自ら足りない部分を補うために
「自発的に収集活動を行う、読書を通じて学ぶ姿勢を持っている」
と判断されます。
すなわち、
「自ら学ぶ姿勢を持っているので、吸収も早く、成長スピードも早い、“非常に伸び代のある人材”」
として、高評価されるようになるのです。
ノースキルの人材を雇う「新卒採用」という場面ならではの視点、とも言えますね。
もし質問されている時点で勘付いたら、
単に本を読んでいることを伝えることに加えて
「なぜその本を読んでいるのか」
を伝えるようにしましょう。
「私は〇〇のような理由で、××の本を読むことで△△を学びとろうと考えています」。
あなたが面接官だったとしてどんな印象を受けるでしょうか?
少なからず、きっと
「自らよく学ぶ、素直な良い人材だ」
と感じるに違いありません。
1-3.知識量が知りたい
面接官は
「あなたの知識量があるのか、あなたに知的好奇心があるか」
を見ています。
社会人として働くことになると、
必要なスキルはその業界の専門分野だけでは足りません。
取引先やクライアントと話を合わせるために、
幅広い知識が求められる機会が多くあります。
特に近年の傾向として、そのような状況を反映し、
「自身の知識のストックを用いて、仕事をこなす人材」
が求められるようになっています。
日頃から読書を行なっている人間は、
読書量に比例して知識のストック量が多くなります。
特に、学術的な書物が好きな人は、
自分の知識の幅をアピールする良い機会になることでしょう。
1-4.あなたの興味を抱いている分野を知りたいから
突然ですが、
面接の場で面接官とあなたが会話する時間はどれくらいですか?
おそらく1時間もないでしょう。
面接官は、エントリーシートと面接を通じて
あなたの合否を判断するわけですが、
たったそれだけでは、
あなたがどんな人間で、どんなことに興味があるかなど、
分かるはずもありません。
あまりにも選定材料が少なすぎます。
そのため、「選考」は抜きにして、就活生のことを知るために
「最近読んだ本は?」
と質問する面接官もいます。
この場合、読み手の思考や属性を投影する「本のジャンル」が重要になってきます。
特に個人面接では、学生の回答を元に深掘りを行うため、
最初の糸口としてあなたの関心ごとを知ろうとする場合が多いです。
ですので、
変に勘ぐったりせず、ありのままの答えをした方が、
その後の質問でも変に取り繕うことなく、きちんと回答できるはずです。
1-5.アイスブレイクのため
様々な目的を解説してきましたが、
そのどれもと違っている理由があります。
それはアイスブレイクです。
人生が決まる瞬間である、大事な面接。
就活生であれば、
「緊張するな」と言われても緊張してしまいますよね。
そこで、就活生の緊張をほぐすために、
この質問を用いる場合があります。
特に質問の意図はなく、何かを引き出すための質問でもありません。
「面接官の質問に答えること」への心理的ハードルを下げることが目的ですので、特に深いことは考えず、思うがまま答えましょう。
2.「最近読んだ本は?」の回答の構成
これまで、「最近読んだ本」について問う5つの意図について見てきました。
続いて、実際にどのように回答すれば良いのか、
その型を押さえましょう。
順番としては、
①結論
②動機
③概要
④学び
となります。
それぞれを文章にして表現すると、以下のようになります。
結論:「私が最近読んだ本は△△が書いた○○です。」
動機:「本を読むことになった経緯」
概要:「選んだ本の概要」
学び:「本から得た知識は何どのように活かされているか」
これらの基本構成を抑えた上で、回答を行いましょう!
特に最後の「学び」が重要です。
何を学んだのか、それを何に活かすつもりなのか。
しっかり説明できるようにしましょう!
3.「最近読んだ本は?」良い例文と悪い例文
構成がわかったところで、
続いて実際の例文を見てみましょう。
3-1.良い例文
まず最初に、SHOWROOMでお馴染みの前田裕二さんの著作、「メモの魔力」を例にとって見ていきましょう。
私が最近読んだ本は、前田裕二さんの「メモの魔力」です。(結論)
以前から前田さんの生き方や哲学に関心があり、店頭に並んでいたので読むことにしました。(動機)
この本は、メモについての話かと思いきや、メモを通じて自分の思考をクリアにする方法が紹介されています。(概要)
私もこの本を通じて、自分のメモから自分の潜在意識に対する気づきや、将来の方向性について思考を深めることが出来ました。(学び)
普段から、前田さんを代表とした若き経営者・起業家に関心があることへのアピールにもなりますし、
最後の質問は、「自分が将来やりたいこと」とリンクしているので
面接官から深掘りの質問が飛んできたとしても、
答えることはそこまで難しくないはずです。
3-2.悪い例文
続いて、悪い例文を見ていきましょう。
NGな回答としては、大きく次の3つ、
・「本は読まない」
・「目的意識なしに、ただ趣味感覚で読んだ本」
・「読んでいない本を“読んだ“と嘘をつく」
これらがあります。
「本を読まない」という回答がNGなのは、明白ですよね。
自分から「読書習慣(学習意欲)は無い」と宣言しているようなものですし、
面接官も、こちらにアピールチャンスを与える目的もあって質問してきているのに、そもそも会話自体が成立しなくなってしまいます。
また、趣味の延長線上で選んだ本も、あまり印象が良くありません。
先ほど解説したように、
「最近読んだ本」をわざわざ聞いているのは、5つの意図があります。
ですので、こちらも何の気なしに、本当に「ただ読んだ本」を答えてしまうと、非常に浅い印象を与えてしまいかねません。
もちろん、そこにきちんと意義を見出せれば問題はありませんが、
きちんと向こうの意図を汲み取った方が、
面接官を満足させられる回答に近づくはずです。
また、”嘘をつく”のは、言語道断。
百戦錬磨の面接官からすれば、
こちら側の嘘など、簡単に見破られてしまいますし、
「大事な場面でも嘘をつくなんて、社会人になったときに虚偽の報告や記録改ざんをしかねないのではないだろうか」
と、信用が下がってしまいます。
これらの回答は、
信用と印象を下げるだけですので、やめるようにしましょう。
まとめ
今回は「あなたの最近読んだ本を教えてください」という質問を通じて、
面接官の意図を5つの観点から解説しました。
そして私たちはどう答えれば良いのか、
それぞれの観点に基づいて回答方法を取り上げました。
この質問が全てではありませんが、面接官の視点を意識することは、
志望企業から内定をもらう近道になる可能性があります。
深掘りしすぎてはNGですが、
「こう答えたら、面接官はどのように感じるだろうか?」
を意識しながら、回答するようにしましょう!