履歴書を手書きするのはなぜ?企業が見ているポイントを解説
2024/10/22更新
はじめに
就職活動や転職の際に避けて通れないのが履歴書の作成です。
しかし、履歴書を手書きで作成すべきか、パソコンで作成すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
ITが発達した現代においても、手書きの履歴書を要求する企業は意外と多いものです。
この記事では、企業が手書きでの履歴書の提出を求める理由と、手書きがふさわしくないケースについて詳しく解説します。
本記事は、以下のような悩みを抱える就活生を対象としています。
- なぜ手書きの履歴書を要求されるの?
- 手書きの履歴書にはどんなメリットがあるの?
- パソコン作成の履歴書が適しているケースはあるの?
上京を志す地方学生ならジョーカツ!
あなたのキャリアを加速させるチャンス!
無料で利用できる快適な個室シェアハウス、
東京までの交通費サポート付き
首都圏の注目企業への就活ならジョーカツ
首都圏の学生ならスタキャリ!
理想のキャリアを実現へと導く第一歩!
あなたにピッタリのキャリアアドバイザーを選び、
自分にマッチする優良企業をご紹介
首都圏企業のES添削から面接対策まで、就活ならスタキャリ
履歴書は手書きとPC、どちらの企業が多いの?
結論から言うと、昨今の新卒就活市場において、手書きの履歴書が圧倒的に多い状況とは言えません。
履歴書をデータ(Wordファイルやpdf形式など)での提出機会が増えているからです。
ただし一定の条件下では、手書きの履歴書の方が評価される傾向にあるとは言えそうです。
Yahoo!が2015年に実施した意識調査(回答総数約15万票)では、「手書きの履歴書」が回答の72%を占めていたのです。
もちろん他人と履歴書の内容が全く同じになることなどありえませんが、「少なくとも手書きの履歴書が好印象ではある」と判断するには、十分な結果と言えるのではないでしょうか。
そう考えると、履歴書は手書きで書くものだという慣習が残っていることや手書きの履歴書を提出する人が一定数いることもうなずけますね。
手書きによる履歴書は今後減っていく
手書きによる履歴書は、今後徐々に減っていくものと予想されます。
ただ何の理由もなく学生にとってはデメリットの多い手法のため、今後は学生側の負担を少しでも軽減しようという企業側の思惑もあるようです。
またPC作成の履歴書の方が企業としてもクラウド上で管理しやすく、誰が読んでも読みやすいのも大きなメリットです。
双方のメリットが大きいことを考えても、今後は手書きによる履歴書は徐々に減っていくでしょう。
手書きとパソコンどっちで作成するべき?
多くの場合、受ける企業によって履歴書の作成の仕方は異なります。
業界・企業ごとによってそのやり方が分かれていることが多いです。
例えば、創業から長い歴史をもつ企業や大手企業、社員の平均年齢層が高い企業などは手書きで作成する場合が多くなるでしょう。
一方で、先進的な取り組みが注目されやすい外資系企業や、創立からあまり時間の経っていない若い企業、業務上PCの知識が必要となるIT系などでは、パソコンでの履歴書作成が好まれます。
郵送の場合や、面接時に持参するよう伝えられるときは、手書きの履歴書。
ファイルの手続きをすべてネット上で完結させる場合は、データの履歴書。
慣習としては大まかにこのようになってはいますが、すべての企業が当てはまるわけではありません。
企業から求められた条件に合致するよう、柔軟な対応ができることが大切です。
もし不安がある場合や、どうしても手書きorデータの履歴書が良いなどの希望がある場合は、直接企業の新卒採用担当に連絡をとってみるのも1つの手です。
そういった確認を取るという姿勢からも、熱意や本気度は伝わりますので、恐れずに連絡を取ってみましょう。
履歴書だけでなくエントリーシートもパソコンと手書きのどちらにすべきか迷っている方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
企業が手書きの履歴書を要求する5つの理由
「新卒の履歴書は基本的に手書き」という文化は、確かにこれまでの日本ではスタンダードな社会通念でした。
就職氷河期の頃も当然同様のやり方でしたから、とてもかなり長く続いている慣習と言えます。
現在はPCでの履歴書作成や共通エントリーシートの登場により、必ずしも手書きである必要はありません。
それでも企業側に手書きの履歴書を求められるのは、以下のような理由があるからです。
- 応募者の文体を見たい
- 就活生の熱意を図りたい
- 基本的なビジネススキルを確認したい
- 伝統を重んじている企業だから
- パソコンの使い方に不慣れな企業だから
応募者の文体を見たい
手書きと聞くと、やはり一番気になるのは「文字のきれいさ」という方が多いのではないでしょうか。
学習塾の「KUMON」を運営している株式会社公文エルアイエルによる、「美しい文字」についての興味深い調査結果が掲載されています。
「美しい文字で得すること」や「美しい文字が与える印象」などをどのように感じているかについて、30代〜50代の男女600人を対象に意識調査「美しい文字に関する意識調査」を実施しました。
その調査によれば、文字が美しい人に対して受ける印象として女性の印象は「上品」が46.0%、男性は「賢い・知的」が44.0%を占めるとの事でした。
この年代層は、おそらく就活生を面接する面接官の年代に当てはまるメインの層になるでしょう。
そう考えると、プラスの印象を与えるという点で「文字そのものがきれいであること」は大きなアドバンテージであると理解できます。
「企業への志望度や履歴書を書いた学生人の人柄を、こういった文字のきれいさや文体などの要素から推測できる」と考えている企業もあります。
やはり、きれいで見やすい字や見やすい字を書けると、第一印象アップにつながることは間違いありません。
就活生の熱意を図りたい
先ほども説明したように、履歴書を手書きすることは、根気と手間のいる作業です。
中には、「面倒くさいから、パソコンで済ませてしまおう」と考える人も、少なくないかもしれません。
もちろん、企業によってはパソコンの方が好まれる場合もありますが、
「こんなにぎっしりと、うちへの熱意をアピールしてくれている」
「これだけ時間を割いて、履歴書を丁寧に書いてくれている」
など、多くの企業はいまだに「手書き」にかける時間と手間、労力を「企業への熱意」として評価しているのが現状です。
将来さらにITが発展していくとなると、この流れがいつまで続くのか定かではありませんが、しばらくこの傾向は変わらないことでしょう。
基本的なビジネススキルを確認したい
手書きの履歴書は、就活生の基本的なスキルを確認する機会にもなります。
正しい漢字の使用や、読みやすい文字で記入できているかどうかは、基本的な国語力や表現力を示す指標となります。
決められた枠内に適切に情報を収めることができているかどうかによって、要点をまとめる能力や空間把握能力を推測することも可能です。
いずれのスキルも多くの職種で必要とされる基本的な能力であり、手書きの履歴書を通じてその一端を確認することができるのです。
伝統を重んじている企業だから
日本の就職活動において、手書きの履歴書は長年にわたって標準的な形式とされてきました。
多くの企業が、この伝統や慣習を重視し、継承していく意味でも手書きの履歴書を要求しています。
特に、保守的な業界や伝統を重んじる企業では、この傾向が強く見られます。
手書きの履歴書を通じて、日本の就職文化や企業文化を理解し、尊重する姿勢を確認したいという思いがあるのかもしれません。
パソコンの使い方に不慣れな企業だから
手書きの履歴書を要求する理由として、相手先企業や採用担当者がパソコンスキルに乏しい場合もあります。
パソコンやスマホなど、IT機器に慣れ親しんでいない世代がいるのも事実だからです。
現代の若者はIT機器に触れる機会が多く、ほとんどの人が最低限のPCスキルを身につけています。
ですが、仕事やプライベートでいっさいパソコンに触れる機会がないまま年齢を重ねた人は、強い苦手意識を持っている人が多いです。
会社内にITに強い人がいない、採用担当者がPCに疎い場合は、学生に手書きで履歴書を作成してもらうほかありません。
手書きは面倒かもしれませんが、企業側の都合も理解しておくことが大事です。
手書きで履歴書を作成しないほうがいいケース
手書きの履歴書にはメリットもありますが、状況によっては手書きで作成しないほうが良い場合もあります。
以下では、手書きではなくパソコンで履歴書を作成した方がいいケースについて解説します。
- デジタル業界への応募
- 外資系企業への応募
- 大量の企業に応募をする場合
- 文字に自信がない場合
- データでの提出が求められる場合
- 時間的制約がある場合
デジタル業界への応募
IT企業やデジタルマーケティング関連の職種に応募する場合、手書きの履歴書は適切でない可能性があります。
デジタルスキルが重視される業界であるため、パソコンで作成した履歴書のほうが好まれる傾向にあるからです。
手書きの履歴書を提出すると、パソコンスキルが不足しているという印象を与えかねません。
デジタル業界では効率性も重要視されるため、パソコン作成の履歴書のほうが適しているでしょう。
外資系企業への応募
外資系企業は一般的に、効率性を重視する傾向があります。
手書きの履歴書は、非効率的であるという印象を与える可能性があります。
多くの外資系企業では、英語の履歴書(レジュメ)が求められることも多く、通常パソコンで作成されます。
文化的な違いから、手書きの履歴書に対し、かえって違和感を持つ採用担当者もいるかもしれません。
大量の企業に応募をする場合
複数の企業に同時に応募する場合、手書きの履歴書はとても時間と労力がかかります。
各企業ごとに一から手書きで履歴書を作成するのは、効率が悪く、時間の無駄になってしまうでしょう。
パソコンで作成した履歴書であれば、基本情報を一度入力すれば、企業ごとに必要な部分だけを修正することができます。
就活を効率的に進めたい場合は、パソコン作成の履歴書のほうが適しているでしょう。
文字に自信がない場合
手書きの履歴書は、文字の美しさや読みやすさが重要な要素です。
自分の文字に自信がない場合、手書きの履歴書はかえってマイナスの印象を与える可能性があります。
乱雑な文字や読みづらい文字は、丁寧さや注意力がないと捉えられるおそれがあるからです。
自分の文字に自信がない場合は、パソコンで作成した履歴書のほうがきれいで読みやすい印象を与えることができるでしょう。
データでの提出が求められる場合
近年、オンライン応募システムを利用する企業が増えています。
履歴書のデータ送信が求められることが多く、手書きの履歴書は適していません。
手書きの履歴書をスキャンしてデータ化することも可能ですが、画質の低下や文字の読みづらさにつながるおそれもあります。
最初からパソコンで作成しておけば、データでの提出がスムーズに行えます。
時間的制約がある場合
急な求人や締め切りが迫っている場合、手書きの履歴書を作成する時間的余裕がないことがあります。
手書きの履歴書は、下書きや清書に時間がかかり、修正も容易ではありません。
一方、パソコンで作成すれば、短時間で完成させることができます。
修正が必要になっても、短時間で済むでしょう。
時間的制約がある場合は、パソコン作成の履歴書のほうが適しているといえます。
履歴書を手書きするデメリット
このように、履歴書は手書きした方が評価が高いことがわかりました。
ですが、ITが発達したこのご時世に、全て手書きで書くことは、とても大きな労力を伴いますよね。
「正直、めんどくさい…」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
履歴書を手書きするデメリットは、大きく次の3つ、
- 時間がかかる
- 修正が面倒
- 字のきれいさによって印象が変わる
時間がかかる
今や、どの家庭にもパソコンや携帯電話が標準的に備わっている時代です。
大学のレポート提出もweb上で済ませることがほとんどでしょう。
一度パソコンのタイピング入力に慣れると、わざわざ筆記用具を手にとって、手の裏をインクで黒くしながら手書きするのは、とても面倒な作業に感じます。
当たり前ですが、画数の多い漢字などはそれだけ時間もかかりますし、きれいな字を書こうとすると、必要以上に時間がかかってしまうことも少なくありません。
修正が面倒
手書きの履歴書の大きなデメリットとして、修正が容易にできないことが挙げられます。
パソコンや携帯であれば、「delete」を押せば済む話ですが、手書きだとそうはいきません。
履歴書を手書きする際、黒いボールペンなどで書くことが多いかと思いますが、ペンは一度書いてしまえば、修正が効きません。
もちろん、修正テープや修正ペンを使うという手もありますが、見た目が汚くなってしまいます。
何より「書き損じをした」という証拠になってしまうので、相手企業からの印象が下がってしまいかねません。
となると、せっかく途中まで書いたのに、一度でも間違えるとまた最初から全て書き直しをすることになり、とても苦痛を伴います。
字のキレイさによって印象が左右されてしまう
また、これは当然といえば当然ですが、筆跡や字体は個人によってそれぞれ異なります。
読むのにメガネが必要なとても細かな字を書く人がいれば、ダイナミックに大きな字を書く人もいます。
字のきれいな人にとっては、手書き履歴書は大きなアドバンテージとなるでしょう。
しかし、あまり得意でない人からすれば、マイナス以外の何ものでもありません。
せっかく中身の詰まった良い自己PRや志望動機を考えたとしても、字が汚ければ、それで魅力が半減してしまうでしょう。
履歴書を手書きで作成するときのコツ
履歴書を手書きで作成する際には、いくつかのポイントに注意することで、より良い印象を与えることができます。
以下に、手書き履歴書を作成する際のコツを紹介します。
- 文字の丁寧さと読みやすさ
- 正しい文法と敬語の使用
- 内容の具体性と簡潔さ
- 誤字脱字のチェック
- 清潔感のある用紙の使用
- 適切な筆記用具の選択
文字の丁寧さと読みやすさ
手書きの履歴書では、文字の丁寧さがとても重要です。
文字が雑だと、読む側に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
文字は大きすぎず小さすぎず、読みやすいサイズで書くように心がけましょう。
また、行や文字の間隔を均等に保つことで、全体が整った印象になります。
特に漢字はバランスに注意し、崩れないように書くことが大切です。
正しい文法と敬語の使用
履歴書には、正しい文法と敬語を使用することが求められます。
文法が間違っていると、基本的な日本語能力に疑問を持たれることがあります。
敬語も正しく使い、相手に対する敬意を示すことが重要です。
書き終えたら、必ず文法と敬語のチェックを行いましょう。
内容の具体性と簡潔さ
履歴書に記載する内容は、具体的でありながら簡潔であることが理想です。
例えば、学歴や職歴については、具体的な年月日や役職名を明記します。
また、自己PRや志望動機では、具体的なエピソードを交えつつ、簡潔にまとめることがポイントです。
長すぎると読む側が疲れてしまうので、要点を押さえて書くようにしましょう。
誤字脱字のチェック
手書きの履歴書では、誤字脱字があるととても目立ちます。
書き終えたら、必ず誤字脱字がないか確認しましょう。
特に、自分の名前や住所、応募先の会社名などの重要な部分は、何度も見直すことが大切です。
誤字脱字があると、注意力が不足していると判断されることがあります。
清潔感のある用紙の使用
履歴書は、清潔感のある用紙を使用することが基本です。
紙が汚れていたり、シワが寄っていたりすると、印象が悪くなります。
書き始める前に、手をきれいに洗い、紙に汚れがつかないように注意しましょう。また、消しゴムのカスが残らないように、丁寧に消すことも大切です。
適切な筆記用具の選択
手書きの履歴書を書く際には、適切な筆記用具を選ぶ必要があります。
黒のボールペンがおすすめです。鉛筆や消せるペンは避けましょう。
文字がかすんで読めなくなったり、内容を改ざんされたりすることを避けるためです。
ボールペンでも、インクがにじまないものを選んでください。
字がかすれたり、にじんだりしないように、書き心地の良いペンを選びましょう。
こちらの記事では内定率を挙げるための履歴書を書くコツを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
さいごに
本記事では、企業が手書きで履歴書を要求する理由について解説しました。
履歴書の作成方法は、就活生の個性や状況、そして応募先企業の特性によって最適な選択が異なります。
手書きの履歴書は、就活生の熱意や真摯さ、個性や人柄を効果的に表現できる一方で、デジタル業界や外資系企業への応募では適さない場合があります。
パソコン作成の履歴書は、効率的で修正が容易であり、デジタルスキルをアピールできますが、個人の温かみや独自性を表現しにくい面もあるでしょう。
重要なのは、応募先企業の要求や業界の慣習を十分に理解し、それに適した方法を選択することです。
応募先にあった作成方法を選択して、効率的に履歴書を作成しましょう。