成長とワーク・ライフ・バランスの両立は可能?不可能?
2024/4/22更新
はじめに
この記事は、就活生に向けて、自分の成長とワーク・ライフ・バランスを両立させる方法やその可能性について解説しています。
就活生にとって、会社選びは将来に大きく影響する重要な選択です。
自分が成長できる会社で働きたいと思う一方で、ハードワークをしてまで成長する意味について悩む方は多いでしょう。
多くの人は、仕事をする目的として「生活のためにお金を稼ぐ」と考えます。
その一方で、仕事に没頭する日々が自分にとって意味のあるものなのか、お金を稼ぐためにそれほどの労力を費やす必要があるのかという疑問に直面することもあるはずです。
ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、仕事にどう向き合っていくべきか、そして成長とは何かを考えるきっかけとして、この記事を参考にしてみてください。
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ワーク・ライフ・バランスのはじまり
1980年代後半、日本がバブル景気で活況な時代に「ワーク・ライフ・バランス」という考え方がアメリカで広まりました。
それまでは、仕事(ワーク)とプライベート(ライフ)を同列で考えることはなかったのです。
当時のアメリカでは、日本に先駆けて女性の社会進出が盛んに行われていましたが、最近では、仕事と子育てや家庭生活を両立させる支援の必要性が注目されています。
この必要性は働く女性だけでなく、子供のいない男性や女性にも広がっているのです。
日本では、2007年に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が制定され、それからわずか17年しか経っていません。
そのため、日本におけるワーク・ライフ・バランスの歴史はまだ浅いと言えるでしょう。
ワーク・ライフ・バランスが重要視される理由
労働者にとっても企業にとっても、ワーク・ライフ・バランスは重要視されています。
日本ではまだ歴史の浅いワーク・ライフ・バランスが急激に重要視されるようになった理由として、以下の4点が挙げられます。
労働力不足・人材確保の問題
ワーク・ライフ・バランスが重要視される理由として大きく取り上げられているのは、企業における労働力不足と人材確保の問題です。
ワーク・ライフ・バランスには、仕事とプライベートの調和を保つという意味が込められています。
しかしその多くは、「プライベート重視型」の論調に偏っている傾向にあります。
正社員で働く際、多くの場合はフルタイムで週5日労働というのが基本的な働き方で、柔軟性に乏しいでしょう。
子育てや介護などの理由で「働きたいけれど働けない」という労働者を確保するためには、柔軟な働き方を推進し、ワーク・ライフ・バランスを保つことが重要です。
ワーク・ライフ・バランス憲章が策定された当初は、長時間労働やパワーハラスメントといった問題が浸透している「ブラック企業」が問題視されていました。
そのため、会社選びの際に「働きやすさ」が重視されるようになりました。
現在、人手不足が深刻化する中、ワーク・ライフ・バランスを尊重し、優秀な人材を確保し、長期間の定着を促すことが企業の存続にとって不可欠と言えるでしょう。
雇用形態・働き方が多様化している
雇用形態や働き方の多様化は、ワーク・ライフ・バランスが重要視されている理由として挙げられます。
正社員として働くことが当たり前とされてきた時代とは違い、現代ではフリーランス、派遣社員やアルバイトといった非正規雇用として働きたいという方も増えています。
組織の一員として正社員雇用で働くことに対し、重荷を感じる人が増えているのです。
彼らはキャリアアップよりも一定の収入を確保することを重視し、プライベートの時間を大切にする働き方を好む傾向があります。
企業が多様な働き方に柔軟に対応し、仕事がプライベートの時間を奪わないためには、ワーク・ライフ・バランスを重視することが必要です。
女性の社会進出
ワーク・ライフ・バランスという概念が生まれたきっかけになった、女性の社会進出もワーク・ライフ・バランスが重要視される大きな理由です。
出産・育児などの女性特有のライフイベントによる優秀な人材の離職を防ぐために、ワーク・ライフ・バランスの推奨は非常に重要と言えるでしょう。
継続して働いてもらうためには、勤務時間や突発的な事情に対応できる柔軟な勤務形態の導入が必要です。
この柔軟性は、仕事と家庭の両立を求める女性の身心の疲労やストレスを軽減し、ワーク・ライフ・バランスの推進が働く女性と企業の双方にプラスの効果をもたらします。
少子高齢化
少子高齢化の進展により、日本は今後、労働人口の減少に直面する可能性が高くなっています。
この問題は社会全体に影響を及ぼし、労働力の確保は企業の発展にとって極めて重要です。子育てや介護などの理由によりフルタイムで働けない労働者も多く存在し、また、労働者自身の高齢化に伴い、業務負荷や労働時間の軽減が求められています。
生活の事情に応じて柔軟に働く時間や休暇を調整することで、一定程度の労働力を確保することができます。
ワーク・ライフ・バランスを重視することは、企業において働きやすい環境を提供するだけでなく、効率的な業務を実現し、安定した人材確保につながります。
成長するだけならだめなのか
「ワーク・ライフ・バランス」と「成長」という言葉を並べたとき、両立したいと考える人は多いです。
では、なぜ両立させたいと思うのでしょうか。
ワーク・ライフ・バランスという概念が浸透するほど、成長するためにはどうすればいいかと考えることから遠ざかっていく傾向が強くなります。
両立をしたいと思うこと自体は、決して間違っていません。
しかし、社会人としての基盤を築くためには、仕事を学び、知識を習得するために、一定期間は仕事に専念する必要があるでしょう。
ワーク・ライフ・バランスを重視しすぎると、「仕事に没頭するだけの生活は価値がない」という考え方が生まれがちです。
しかし、それは必ずしも正しいとは言えません。
成長には「成長痛」と呼ばれる時期が不可欠です。
企業は新卒社員を受け入れ、社会人としての基礎教育を行い、実務では先輩社員からの指導を受けながら仕事を覚える機会を提供しています。
新卒社員は基礎知識を身につけ、業務を習得し、成長していくことで、企業の発展に貢献する人材になることができるのです。
そのためには、まずは「成長すること」に焦点を当てることが重要と言えます。
成長とは何かを考えてみよう
成長とは何ですか?という質問に対し、明確な答えができる人は少ないでしょう。
新卒社員を対象としたある調査では、入社企業を選ぶ際に、「自分が成長できる会社だから」という理由を挙げた人が一番多かったという結果が出ています。
誰しもが「成長したい」という気持ちは持っていますが、自分にとって成長とは何かと詳しく語ることは容易ではないでしょう。
「成長とは何か」という問いに対する明確な回答ができるのは、自身の経験から得た成長を実感した人たちです。
社会人としてのスタート時点における新卒社員は、まだ人生の経験が浅く、成長に関する説得力のある答えを持つことは難しいでしょう。
しかし、20数年という時間を経て成長した人々は、社会人としてのスタートラインに立ち、新たな成長の機会に出会うことができると同時に、「成長の証」を得ることができます。
技術面と精神面の両面での成長について考えてみることも重要です。
例えば、面接を突破して内定を獲得することや、就活中に困難に直面しながらも最後まで諦めずに頑張り抜くことなど、技術的なスキルの習得と精神的な成熟の両方が「成長」の表れと言えるでしょう。
仕事の習熟度が高まることと、個人としての精神的な成長が両立することで、「成長」は成立します。
これらのバランスが成長の原点となるのです。
ワーク・ライフ・バランスにこだわり過ぎるとどうなる?
ワーク・ライフ・バランスにこだわり過ぎるあまり、就活がうまくいかなくなってしまう可能性があります。
就活生にとって、入社する企業を決める際には、給与やその他の労働条件、福利厚生などが記載されている募集要項の内容が重要です。
これらは企業側が就活生に提供する条件や利点となります。
企業から提供されるものがあれば、就活生も入社後に成長した自分の力を発揮し、企業に恩返しすることができるでしょう。
就活生が忘れてはいけないことは、自分が入社する企業を探す手段として就活を行うことです。
その際には、企業という「相手」が存在することを理解することが重要と言えます。
ワーク・ライフ・バランスへのこだわりが強すぎると、自分の条件ばかりに意識が向き、働きやすさを重視する傾向が強くなってしまうでしょう。
そのため、企業からは「この学生は本当に仕事をしたいのか」という印象を持たれる可能性があります。
就活の本来の目的は「仕事を見つけること」です。
そのため、自分の条件やワーク・ライフ・バランスに過度にこだわりすぎると、目的を見失ってしまう恐れがあります。
ワーク・ライフ・バランスは、仕事と生活の調和を意味するため、自分のプライベートだけでなく、仕事にも真剣に取り組む姿勢を持つことが大切です。
ワーク・ライフ・バランスの本来の意味
昭和では、「プライベートを顧みず、一心不乱に仕事をする」ことが当たり前でした。
一方、現代は「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が浸透してきています。
とはいえ、ワーク・ライフ・バランスという言葉の本来の意義から逸脱し、いつしか「ワークとライフを完全に切り離す」と解釈されるようになってきているのです。
ワーク・ライフ・バランスの本当の意味とは、仕事とプライベートのバランスをうまくとり、幸福度を上げていくことと言えます。
この状況は、仕事と生活が完全に切り離されておらず、どこかで重なり合っていると言えるでしょう。
現代では、休日でも会社のスマートフォンを手放せず、本当のリラックスが難しいという声が多く聞かれます。
これは、自分の仕事に意味を見出せず、ただ義務的に働いていると感じるからでしょう。
ある転職支援の仕事をしていた女性が、23時にクライアントと電話面談をする予定を入れたことがありました。
後輩は驚いた様子で、「23時から面談をするんですか?本来ならプライベートの時間ですよね…」と言いました。
するとその女性は、「そのクライアントは、第一希望の会社の最終面接を控えているんです。彼は現在仕事をしながら転職活動をしていて、夜しか時間が取れないんです。彼の熱意に応えたいんですよ。」と答えました。
夜の遅い時間でもクライアントのために尽力したいという情熱と意義を持っているからこそ、「ワーク・ライフ・バランス」が実現できるのです。
成長とワーク・ライフ・バランスの両立とは
結論から言うと、ワーク・ライフ・バランスと成長の両立は可能です。
両立を実現するには、物事に対する考え方の視点を高く持ち、多様な価値観を受け入れる姿勢が求められるでしょう。
仕事にだけ没頭していれば成長できる可能性は高いですが、その分プライベートを犠牲にしてしまうことになります。
一方で、プライベートを重視した生活をしているとそこそこの仕事しかできず、自己成長につながらないというジレンマに直面してしまうでしょう。
そのため、両立が難しいと感じてしまうのです。
仕事に没頭するあまり、周囲との関係性も薄れ孤独になっていくような錯覚に陥ってしまいます。
プライベートを充実させようということだけに注力すると、そもそもワークとライフのバランスを保つことはできないでしょう。
最近では「ワーク・ライフ・インテグレーション」や「ワーク・イン・ライフ」という新しい概念も生まれています。
人生を充実させることに重きを置き、プライベートも仕事のどちらも大切にしようという考え方です。
これによって充実した人生を送ることができると言われています。
新しい価値観を積極的に取り入れ、自分の人生はどうすれば充実するかを、仕事とプライベートの両面から考えましょう。
そうすれば、おのずと自己成長とワーク・ライフ・バランスの両立につながってくるはずです。
ワーク・ライフ・バランスは自分で創り上げるもの
ワーク・ライフ・バランスとは自らの力で創り上げていくものです。
企業や誰かから与えられるものではありません。
重要なことは、自分が仕事を通じてどのように人生を充実させていくかです。
ワーク・ライフ・バランスを保ちたいがあまり、自分の人生の軸を見失ってはとても残念です。
新卒で入社したての時期は、慣れない環境で仕事を覚えることに時間を費やし、先輩や上司とのコミュニケーションに悪戦苦闘する日々が続くでしょう。
体力的にも精神的にも負荷がかかり、この企業ではワーク・ライフ・バランスが保てないと感じる可能性もあります。
しかし、しんどい状況に陥ったからといって「ワーク・ライフ・バランスを保てない」ということではありません。
疲れすぎて寝るだけの週末が続くこともあるでしょう。
それでも、自分では気づかないうちに少しずつ成長しているはずです。
自分の仕事の意義を見出す努力をすれば、たとえプライベートの時間の一部を仕事に費やしたとしても、プライベートの時間が損なわれたと思うことはないでしょう。
仕事もプライベートも充実した人生を歩むことができるはずです。
ハードワークではなく、ワークハードという考え方
ハードワークという言葉を耳にすると、長時間労働を強いられ、ワーク・ライフ・バランスが保てないというイメージを持ってしまう人は多いでしょう。
このようなイメージを持っていると、「ハードな仕事をさせられている」という意識が根底にあり、主体的に仕事に向き合うことができません。
一方で、ワークハードとは「一生懸命働く」という意味です。
労働の対価として給与を受け取っているからには、自分に与えられた仕事に一生懸命取り組むことはごく自然なことです。
「あんなに夜遅くまで働いて何になるんだろうね。」
「働くのは好きだけどバリバリ働きたくはありません。」
などの言葉をよく耳にしますが、一生懸命働くことは決して間違ってはいません。
最初はしんどいとしか思えなかった仕事も、主体的に向き合うことで次第に意義を見出せるでしょう。
ハードワークという概念を捨ててワークハードという考え方に切り変えることで、仕事に対する意識に変化が生まれます。
今まで気づかなった「やりがい」を感じ、その積み重ねが自己成長につながるはずです。
まとめ
この記事では、成長とワーク・ライフ・バランスを両立させるために考えるべきことや、ワーク・ライフ・バランスの本来の意義などを解説しました。
成長とはどういうことなのかについても深く掘り下げました。
日本人は他の国の人と比べて働きすぎとよく言われていますが、ネガティブなイメージだけが先行しているような風潮があります。
高度経済成長期の日本人は、確かによく働き、ワーク・ライフ・バランスを保てていなかったでしょう。
しかし、それが不幸だとは一概には言えません。
仕事に対する考え方や価値観は時代とともに変化していきます。
現代の視点から見ると、約50年前の日本人の働き方は自分の人生を全て仕事に捧げているように見え、それを憐れむ声もあるでしょう。
今日の就活生にとって、ワーク・ライフ・バランスは企業選びの重要な基準とされています。
しかしそれ以上に多くの就活生は、自己成長ができる会社で働きたいと考えているはずです。
ワーク・ライフ・バランスの真の意味を理解すれば、自己成長との両立が可能になるでしょう。
この記事が、就活生にとって自己成長の意味や、仕事にどう向き合っていくべきかを考えるきっかけとなり、有益な就活をサポートすることを願っています。