「同業他社ではなく当社なのですか」と面接で聞かれたときの回答について解説
2024/4/21更新
はじめに
「同業他社ではなく当社なのですか」という就活の面接で聞かれる質問は、とても重要な質問です。
この質問から企業は就活生の自社への就職の本気度合いを確認しているためだからです。
企業の志望理由は、企業研究を綿密に行っていてないと答えることが難しい点も、就活生のその企業の志望度合いを確かめる理由のひとつにあります。
また、この質問は「当社の強みは何ですか」「なぜ他の企業にしなかったのですか」という内容で聞かれることもありますよ。
この記事では、面接の対策に力を入れている皆さんに向けて、「同業他社ではなく当社なのですか」と企業から質問があったときの回答ポイントや注意点などについて解説しています。
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企業はなぜ面接で「同業他社ではなく当社なのですか」と聞くの?
就活生に向けて企業が他社よりも自社を選ぶのかを聞く理由については、主に3つあります。
しっかり理解をして面接に挑みましょう。
就活生の就職希望の度合いを知りたい
企業は就活生になぜ自社を選ぶのかを問うことにより、その人の就職希望の度合いを計りたいと考えています。
その就活生が心の底からその企業に入社したいという気持ちがあるとしたら、徹底的に企業のことを調べ上げ、同業他社もピックアップして比較し、その企業の希望理由を明確に回答できるだろうと考えているためです。
就活生にとっては、面接を受ける企業にどのくらい就職を希望しているのかをアピールする重要な機会にもなります。
そのため、企業研究や業界研究をしっかりと行いましょう。
企業研究の行い方には、以下があります。
- 企業HP、就活サイトや書籍で調べる
- 業界研究を行いその企業のポジションを知る
- 同業他社との違う点を分析する
- 説明会に参加する
- インターンシップに参加する
- OB/OG訪問を行う
他にも、企業研究の方法はあるため、自分でも調べてみてくださいね。
どの程度で企業を理解しているかを知りたい
企業への就職希望する理由をはっきりと出すためには、事前のしっかりとしたリサーチが必須です。
簡単に答えを出せる質問ではないため、企業はこの質問を通して就活生がどの程度自社について理解をしているのか、を把握したいと考えています。
同業退社よりもその企業を志望する理由を伝えられなかった場合は、企業の理解を深めようとしてないことが分かってしまうため、入社を希望していないと判断される可能性があります。
就職を希望している場合は、この質問には必ず答えられるように事前に対策を練っておくことが大切です。
就活生の能力について知りたい
会社を希望する理由を適切に回答するためには、論理的に説明する能力が必要になります。
日常の会話で会社の志望理由について話する人は多くはないため、準備が必要になるでしょう。
企業は面接でこのような質問をすることで、就活生に論理的に思考する能力を持ち合わせているのかを確認しようと考えています。
論理的に回答するポイントは、以下の順番にすることです。
- 結論
- 理由
- 例
- 結論
こちらを参考にして、面接で論理的な思考能力があることを企業にアピールしましょう。
面接での「同業他社ではなく当社なのですか」についての回答ポイントを解説
この質問に適切に回答できた場合は企業からの印象が良い結果となり、選考に進めるチャンスも掴みやすくなりますよ。
回答ポイントを3点解説しますね。
なぜその企業を志望するのかを最初に話そう
まず初めに、なぜ同業他社よりその企業を選ぶのかという具体的な理由を伝えることが大切になります。
面接での回答は、結論から話すことがポイントです。
最初に長々と理由などを話して、最後に選ぶ理由を話すことは企業からの印象が良くありません。
結論ファーストで話すことは、今後の仕事における報告やメール連絡などにおいても重視されます。
志望理由を簡潔に述べた後は、なぜそう考えているのか、その理由の詳細を伝えましょう。
この理由がはっきりしてないと、企業に少し調べただけだと思われかねないため注意が必要です。
その企業における魅力を同業他社と比較することでアピールしよう
企業の魅力というものは、他と比べて明確になります。
なぜ魅力が明確であるのかを、同業他社と比べた違いについても話しましょう。
もしかすると回答した魅力は他社の魅力でもあったり、業界全体では当たり前になっている場合があります。
特に業務内容が似ている企業が多い業界では、注意が必要です。
同業他社との違いを明確に回答できたら、企業にしっかり企業研究や業界研究を行ったのかを示すことができますよ。
その企業がなぜ魅力的であるのか考える理由を伝えよう
その企業に対して、どうして魅力的に感じるのかを話しましょう。
大袈裟に話しすぎることは逆に嘘っぽく見えるため注意が必要ですが、その企業を選んだ理由を話すことによって、どれほど自分がその企業へ就職を希望しているかを知ってもらえます。
また採用活動には多大な時間や費用、手間がかかるため、企業は本気で就職を希望している人に内定を出したいと考えています。
他の面接でも同じ回答をしている、と思われるような内容を話すことは避けましょう。
自分の企業を選んでいる基準を伝えよう
同業他社ではなく、どうして面接を受けている企業を選んだのかという理由を伝える場合、自分の企業選びの基準について示すとより効果的に企業に好印象を持ってもらえるでしょう。
「私はこの部分を企業を選ぶ基準にしています。御社のこちらに関する部分に関して、他社のものよりも基準が高いという観点から、御社の魅力はこの部分だと分析しています。」とはっきりと話せば、企業は納得してくれるはずです。
また、なぜその基準を大切にしているのかの理由についても付け加えると、説得力が増すでしょう。
理由が自分の経験に基づくものであるともっと良いです。
例えば、「御社のこの事業に挑戦してみたい理由は、私のこの経験に起因するためです」という例です。
具体的な理由がないと、企業側に本当にそうなのかと勘づかれてしまう可能性があります。
エピソードを交えて回答しよう
同業他社ではなくその企業を選ぶ理由について回答する場合、具体的なエピソードを交えながら伝えると相手がより理解しやすくなります。
顧客目線を持って比較しながら話すと、好印象を企業に持ってもらえる可能性が高いでしょう。
ひとつの手として、他社のサービスや製品と比較して例をあげるというものがあります。
その場合は、注意点があります。
志望企業の志望理由をよく見せたいがために他社のサービスの評価を下げて話す、などのマイナス評価をするのは避けましょう。
入社後に悪口を言う人間だと、企業から判断されてしまう可能性があります。
「同業他社ではなく当社なのですか」という面接の質問の注意点について解説
面接における同業他社よりも、その企業を選ぶ理由についての回答を考えるときの注意点を説明します。
企業に他の面接でも同じことを言っているだろうと思われる回答や、その企業の事業内容と繋がりが薄いものを志望理由だと話すことは避けた方が良いです。
エントリーシートでの回答と一貫性を持たせること
面接でもエントリーシートにも企業への志望理由に関係した質問をする場合が多いです。
企業や面接の段階にもよりますが、面接の多くでは面接でエントリーシートも参考にしながら質問をしています。
この場合に気をつけるべきことは、面接の受け答えとエントリーシートの回答内容に一貫性を持たせることです。
もし、面接で答えるその企業の志望理由をエントリーシートに記載した内容から変える場合は、「エントリーシートに記載した内容の他にも、こちら商品やサービスも御社の特別な魅力と感じています」といったように、魅力に感じる部分に変更が生じたのではなく、魅力と感じる部分が増したために内容が変更されたという伝え方をしましょう。
他の面接でも同じことを言ってると思われる内容にしないこと
企業は当社を選ぶ理由は何かと就活生に問いかけることで、就活生の自社に対する入社したいという想いの度合いについて確認したいと思っています。
そのため、以下の内容は避けましょう。
- 他の企業にも伝えていると思われるような内容
多くの同業他社が提供しているサービスや商品を理由としたり、「社員を大切にしているため」「社員の方の人柄が良いと感じたため」などという薄い内容の回答は企業に良い印象を持ってもらえない可能性があります。
そればかりか、企業研究や業界研究を真面目に行っていないと見なされ、選考に残れないかもしれません。
その企業への入社を本気で希望するならば、企業研究は欠かさず行い、その会社にしかない魅力や志望理由を徹底的に見つけ出しましょう。
事業内容以外をその企業の志望理由にはしないこと
面接を受ける企業をなぜ志望するのかについて面接で問われたときは、その企業の事業に関係した内容を伝えることが選考に進みやすくなる秘訣となります。
福利厚生や給与が志望する理由のひとつと考えたとしても、そこを強みとすると企業からはそれら目当てで、1番重要な業務内容に関心を持っていないのでは、と思われかねません。
その企業の福利厚生や給与が魅力的な理由は、社員の方々が一生懸命に働き、素晴らしい功績を出してきたためです。
魅力的な福利厚生や給与を維持するためには、社員が業務に全力で取り組み続けることが必要になりますよね。
そのことに気づけば、やはり企業の業務や商品に魅力を感じることが似た事業の他社よりもその企業を選ぶ理由だと考えた方が懸命でしょう。
企業研究を怠ったことがわかる回答はしない
面接する企業を同業退社よりも志望する理由についての回答で、以下の内容は避けましょう。
- サービスや製品についての理解があまりないことがわかる
- その企業を志望する理由に関する根拠がない
- 他の企業とのサービスや製品との比較がない
このような回答の場合、企業研究を怠っていたと勘づかれてしまう可能性があります。
他社サービスについても、どのようなものがあるのかはインターネット上で問題ないため調べておき、その企業のサービスと比べておきましょう。
面接の「同業他社ではなく当社なのですか」という質問に備えるべきこと
面接にて企業に「同業他社ではなく当社なのですか」と面接で聞かれたときのために備えておくべきことをご紹介します。
確実に準備をして、その企業へ入社したいという意気込みをアピールしましょう。
企業の情報を事前に調べておこう
言うまでもない話ではありますが、面接を受ける企業の情報は事前に調べておきましょう。
企業のホームページから情報を調べることは、誰しもが行っていると予想されます。
また、その企業を選んだ理由の回答に対して「他の会社でも行っていますよ」などと、さらに深い質問を受ける可能性もあります。
そのため、他の人と差をつけるために、誰もが知っている情報との差別化を測りましょう。
以下に紹介しますね。
企業の開催するイベントに参加しておこう
企業が開催するイベントに参加すると、その企業の見据えている未来や経営方針などをさらに深く知ることができます。
志望する企業の魅力を見つけ出すヒントになるでしょう。
インターンシップ
興味がある企業のインターンシップにはできる限り参加しておくことをおすすめします。
インターンシップに参加した人に内定を優遇する企業もあるようです。
多くの企業は、インターンシップを大学3年生の夏に実施します。
インターンシップは、1日で終わるものから2週間以上の長期のものまで様々です。
中には参加自体に選考があるインターンシップもあります。
長期的なインターンシップの方が実際に企業に勤務している社員の方々との交流するチャンスが多いですが、短い期間のインターンシップでも、その企業に対する志望理由を探すには十分なはずです。
OB/OG訪問
OB/OG訪問は、企業を深く知り、魅力を深掘りすることに最適です。
志望する企業で働いている社員の方と実際に話せる絶好の機会になりますよ。
その企業のことを詳しく聞くことができるかもしれません。
インターネット上では聞きづらいことや、企業についての本音などは、オフラインだと比較的気軽に話しやすくなりますよね。
OB/OG訪問の評価を選考の際の参考にしている企業もあるため、事前にマナーなどはしっかり勉強しておきましょう。
同業他社についても調べておこう
企業を志望する理由について考えるときは、同業他社と比べて考えますよね。
そのため、他の企業についてもある程度は調べておきましょう。
志望する企業と業務内容や業種が近い企業を探し、以下について志望企業と比べてみましょう。
- 自分がその企業に対して魅力に感じること
- 他の企業にはない、その企業の魅力
- その企業が同業他社より優れている部分
- それぞれの企業の弱み
これらが分かれば、面接でなぜ同業他社ではないのかを質問されても回答に困ることはないでしょう。
ここまで業界研究を行っていることに、企業側も好印象を持ってくれることが予想できます。
面接を受ける企業で自分はどう活躍したいのかを考える
面接を受ける企業で、自分がどうなりたいのか明確なビジョンを考えましょう。
その企業を選ぶ理由を話すときに、「企業のこの強みを魅力と感じています。自分はこのように活かして活躍していきたいと考えています」など、将来像についても伝えると入社意欲の高い就活生だと、印象に残ってもらえる可能性が高まります。
漠然と将来像を伝えるのではなく、自分の能力や強みなどをどうやって活かしてその企業の事業の発展させていけるか、を伝えることがポイントです。
自己分析を行いその企業を志望する理由を明確にする
面接を受ける企業を選ぶ理由を明確にするには、自己分析が有用です。
自己分析で行う自分史の作成により、自分がその企業を選ぶほどになぜ魅力を感じるのかを考えてみましょう。
その企業が理想としている人材になれるような回答にすることは、しない方がおすすめです。
無理に近づけようとせずに、自分の基準をしっかりとつくって志望する理由を考えましょう。
面接で「同業他社ではなく当社なのですか」と質問されやすい業界とは
同業他社よりなぜ自社を選ぶのか問いかける企業には、どのような業界に位置するものが多いのでしょうか。
主に2種類ありますので、解説しますね。
事業内容が似ている企業が多い業界
同業他社との違いの回答を求める企業が多い業界は、事業内容やサービスが似ている企業が多い業界になります。
同業他社と似通っている、事業内容やサービスのどの部分に違いや魅力を感じるのかを就活生に聞いて、その就活生が自社をどのくらい理解しているのかを知りたいと考えています。
この質問をする業界の例をあげますね。
- IT業界
- 金融業界
- 人材業界
上記以外の業界でも、同業他社との違いがあまりない業界にいる企業の面接を受ける場合は、他者との違いをしっかり洗い出し、その企業を志望する理由を伝えましょう。
地方にある企業
地方にある企業も、同業他社との違いを質問する傾向にあります。
都市部の企業よりも規模も売り上げも高くないこともあり、もし就活生が都市部の企業の内定を受けた場合はそちらに行ってしまうかもしれない、という懸念があるためです。
そのような企業の懸念を払拭するためにも、同業他社との異なる点を比較して見つけ出し、志望理由として答えましょう。
おわりに
面接で「同業他社ではなく当社なのですか」と質問されたときの回答について解説しました。
企業はこの質問の回答から、就活生がどのくらい入社したいと考えているのか、を見極めたいと考えています。
「他社よりもその企業を選ぶ理由」というものは、その企業や業界についてしっかり研究をしていないと見つけ出すことができず、答えることが難しいものです。
回答するときには、最初にその企業を志望する理由を伝えましょう。
その後は論理的に回答することを心がけることが大切です。
その企業の魅力は同業他社との比較から分かるものであるため、他社と比較しながら伝えましょう。
具体的なエピソードも交えて話すと、より効果的に志望する理由を企業に伝えられますよ。
他の企業にも同じことを話していると思われないように、しっかりと企業研究や業界研究も行います。
そして、志望理由に関する内容はその企業の業務内容やサービスといった仕事に関するものにしましょう。
福利厚生や給与を理由にすると、仕事に対して関心が薄いと思われかねません。
企業研究のために、インターンシップへの参加やOB/OG訪問を行えるとより良いですね。
その企業で働く人と交流をすることにより、志望する企業の詳細をストレートに聞くこともできるチャンスがあるかもしれません。
面接で志望する企業の理由を魅力的に伝えて、その企業に入社したいという意欲を効果的にアピールしましょう。