安定と成長の両立は可能?大手の子会社のメリットとデメリット
2024/3/31更新
はじめに
大手企業の傘下にある子会社は、安定性と成長性を兼ね備えた魅力的な職場として注目されています。
しかし、親会社の影響を受けやすかったり、出世機会が限定されたりといったデメリットも存在するのです。
本記事では、大手子会社で働くことのメリットとデメリットを詳細に解説していきます。
あなたにとって大手子会社が適した職場かどうかを判断し、将来のキャリアプランの参考にしてください。
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大手の子会社とは?
大手子会社とは、大手企業が100%出資または過半数出資している企業のことを指します。
親会社の資本力やブランド力、経営資源を活かせる一方、独立性の低い企業文化を持つ場合もあるのです。
大手の子会社で働くメリットとは?
大手子会社で働くメリットとして、大きく分けて6つあります。
①安定性
大手企業の傘下にあるため、倒産リスクが低く、安定した雇用環境が期待できるはずです。
景気の影響を受けにくく、長期的なキャリアプランを立てやすいというメリットもあります。
②ブランド力
親会社のブランド力を活かせるため、取引先や顧客との信頼関係を築きやすいというメリットがあります。
また、知名度が高いため、採用活動においても有利に働くでしょう。
③福利厚生
親会社と同等の充実した福利厚生を受けられる場合が多く、健康保険や雇用保険、各種手当などが充実しています。
育児支援制度や介護支援制度なども充実しているケースが多く、ワークライフバランスを実現しやすい環境と言えそうです。
④研修制度
親会社のノウハウやスキルを活かした充実した研修制度を受けられる場合があります。
専門知識やスキルを身につけることができ、自己成長に繋がるというのがメリットです。
⑤転職の少なさ
親会社と比較して、転勤が少ない傾向があります。
家族や地域との繋がりが重要視されるライフスタイルを送りたい方にとって、大きなメリットです。
⑥人脈の強さ
親会社やグループ企業との人脈を形成しやすいというメリットがあります。
将来的に転職する場合や、ビジネスチャンスを得る場合に有利に働くでしょう。
「大手の子会社はやめとけ」その理由とは?
よくネット上などでも見かける「大手子会社はやめとけ」のワード。
そう言われる理由は大手子会社にもデメリットがいくつかあるからです。
大手企業の下で働けるのだから「安定性」や「ブランド力」といったメリットがありますが、大手子会社だからこそのデメリットも潜んでいます。
大手の子会社で働くデメリットとは?
では大手子会社で働くデメリットとして、どのようなことがあるのでしょうか?
大手子会社で働くデメリットとして、大きく分けて6つあります。
①自由度が低い
会社の方針などが親会社の意向に大きく左右されるため、意思決定の自由度が低く、独立性が低いというデメリットがあります。
②出世機会が制限される
子会社で働いている人の直属の上司は、その子会社の社員ではなく、親会社から役員が派遣されるケースが多いです。
そのため、子会社社員の出世機会が限定される場合があります。
③給与水準が低い傾向にある
子会社の社員である場合、親会社よりも給与水準が低い傾向があります。
ただし、能力や実績に見合った評価を受けられるかどうかは、企業によって異なるのも特徴です。
④意思決定が遅い
意思決定の権限が親会社にあるため、迅速な判断や行動が難しい場合があります。
⑤独立性の低さ
親会社に依存しているため、独立心が育ちにくいというデメリットがあります。
⑥閉鎖的な環境にある
親会社との関係が密接なため、外部との交流が少ない閉鎖的な環境になる場合があります。
子会社の種類
子会社には「完全小会社」「連結子会社」「非連結子会社」の3種類があります。
大手子会社におけるメリット、デメリットも、子会社の分類によって大小異なってきますので、あらかじめ種類についても知識を深めておきましょう。
①完全子会社
親会社が全ての株式を保有している会社を、「完全子会社」といいます。完全子会社の場合、グループ企業全体を通して決算を行います。
完全子会社化は、意思決定の迅速化や、他の子会社との経営統合を目的に行われるのです。
グループ企業全体を通して決算を行うことを「連結決算」といいます。
完全子会社のメリット
- 親会社の意向を完全に反映できる
- 安定性が高い
完全子会社のデメリット
- 独立性が低い
- 親会社の影響を受けやすい
②連結子会社
親会社が株式を過半数保有しており、その親会社にとって売り上げや総資産などの視点から重要性のある会社と見なされた会社は、その親会社にとって「連結子会社」となります。
連結子会社のメリット
- 親会社の財務諸表に合算されるため、企業グループ全体の財務状況を把握しやすい
- 親会社の経営資源やノウハウを活用できる
- 安定性が高い
連結子会社のデメリット
- 親会社の連結財務諸表作成基準に影響を受ける
- 意思決定が複雑になる
- 連結対象から外れる可能性がある
③非連結子会社
親会社にとって売り上げや総資産などの視点から重要性が低いと見なされた会社は「非連結会社」になります。
非連結子会社のメリット
- 独立性が高い
- 独自の事業展開が可能
- 連結財務諸表作成基準の影響を受けない
非連結子会社のデメリット
- 親会社の財務諸表に合算されないため、企業グループ全体の財務状況を把握しにくい
- 親会社の支援を受けにくい
- 安定性が低い
大手子会社の効率的な見つけ方
大手子会社といっても星の数ほどありますし、子会社の種類や業種などによって自分に合った会社を探すのは至難の技。
そこで、いかに効率よく大手子会社を見つけたら良いのか。
その方法について紹介します。
①エージェントの紹介してもらう
前提として、大手企業の子会社に関しての求人情報は比較的少ないです。
自分で求人を探すこともできますが、効率が悪いのであまりおすすめしません。
そのため、大手企業の求人を探す場合には、就活エージェントに相談した方が効率が良いです。
1つのサービスだけではなく最低でも3つの就活エージェントにまとめて相談することをおすすめします。
②求人サイトで検索する
求人サイトで「子会社」と検索して自分で探すのもおすすめの方法です。
求人サイトには、フリーワードで検索できる機能があります。
探す方法はその検索ボックスで「子会社」と入力して検索するだけです。
検索すると、「子会社」というキーワードが含まれている求人が全て表示されるため、検索された全ての会社が大手企業の子会社とは限りません。
そのため、検索結果の中から大手企業の子会社を選択していく必要があります。
そういった手間はありますが、何もない状態から大手企業の子会社を探すより効率よく短時間で探せるでしょう。
③逆求人サイトを活用する
就活エージェントと併せて活用して欲しいのが「逆求人サイト」です。
逆求人サイトとは、登録情報を掲載しておくだけで、企業からスカウトが届くサービスになります。
逆求人サイトのメリットは何と言っても企業側からスカウトが届くので、探す手間がなく「楽」という点です。
放置していてもスカウトが届くサービスと、自分で求人を探す方法の2つを併用すれば、より効率よく大手子会社の求人を見つけることができるでしょう。
失敗しない大手子会社の選び方
大手企業の子会社の中でも、おすすめできる企業の特徴をご紹介します。
「大手企業の子会社」と言ってもその数はものすごく多く、やみくもに探しても、運良く子会社の優良企業を見つけることができる確率は決して高くないでしょう。
大手子会社の優良企業を見つけるためには、以下の特徴に当てはまるかどうかを参考にしましょう。
【大手企業の子会社でおすすめできる企業の特徴】
- 売上や営業利益が右肩上がりである
- 成長業界または今後も需要のある業界の子会社である
- 3年後の離職率が3割未満であること
売り上げ、利益共に右肩上がりの企業
売上や営業利益が右肩上がりであれば、大手企業の子会社の中でも優良企業の可能性があります。
なぜなら、数年間ずっと売上や営業利益が伸びているということは、親会社の方針がしっかりしている可能性が高いからです。
そうなれば、子会社自体も、企業としてしっかりしていなければ右肩上がりとはいきません。
つまり、売上や営業利益が右肩上がりということは「経営基盤がしっかり整っている」ということです。
成長企業または今後も需要が見込める業界
その企業の業界にも注目してみましょう。
グループ全体を通して成長業界であったり、今後も需要のある業界の子会社なら、企業として狙い目の可能性があります。
成長業界は新しいプロジェクトが立ち上がったり、上位のポジションが空いたりと、とにかくチャンスが多いのが良い点です。
チャンスを活かして成果をあげていけば、その分だけ自分の給料や昇進に繋がっていく機会も多くあるでしょう。
3年後の離職率が3割未満であること
その企業の3年後離職率が3割未満かどうかも確認しておくとよいでしょう。
なぜ3割かというと、およそそのあたりの割合が離職率の平均値だからです。
離職率が3割を大きく上回っているようだと、その企業はたったの3年以内で辞めたくなる「何か」がある可能性が高くなります。
その「何か」の例としては以下のような原因が考えられそうです。
有名な大手子会社10選
大手子会社にはどんな会社があるのでしょうか。
数多くの大手子会社の中から厳選し、事業内容も含めて紹介いたします。
大手子会社への就職に興味がある人はぜひ参考にしてください。
1. 株式会社NTTデータ
出典元:NTTグループ公式ホームページ
- 親会社:NTT株式会社
- 事業内容:ITソリューション事業、システムインテグレーション事業、BPO事業など
2. 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
- 親会社:日立製作所
- 事業内容:ITソリューション事業、システムインテグレーション事業、コンサルティング事業など
3. 株式会社東芝デジタルソリューションズ
出典元:東芝デジタルソリューションズ
- 親会社:東芝株式会社
- 事業内容:ITソリューション事業、システムインテグレーション事業、デジタルサービス事業など
4. 株式会社NECネッツエスアイ
出典元:NECネッツエスアイ
- 親会社:NEC株式会社
- 事業内容:ITソリューション事業、システムインテグレーション事業、ネットワーク事業など
5. 株式会社富士通システムズ
- 親会社:富士通株式会社
- 事業内容:ITソリューション事業、システムインテグレーション事業、BPO事業など
6. 株式会社デンソーテン
出典元:デンソーテン – DENSO TEN Japan –
- 親会社:デンソー株式会社
- 事業内容:カーエレクトロニクス事業、情報通信機器事業、自動運転システム開発など
7. 株式会社アイシン精機
出典元:株式会社アイシン- AISIN CORPORATION
- 親会社:アイシン株式会社
- 事業内容:自動車部品事業、パワートレイン事業、車体システム事業など
8. 株式会社ジェイアール東日本企画
- 親会社:東日本旅客鉄道株式会社
- 事業内容:駅ビル事業、商業施設開発、広告事業など
9. 西日本ジェイアールバス株式会社
出典元:西日本ジェイアールバス株式会社
- 親会社:西日本旅客鉄道株式会社
- 事業内容:高速バス、路線バス、観光バスなどの運行
10. 株式会社三菱UFJ銀行
出典元:三菱UFJ銀行
- 親会社:三菱UFJフィナンシャル・グループ株式会社
- 事業内容:銀行業務、金融商品販売、資産運用サービスなど
これらの企業は、いずれも親会社の基幹事業を支える重要な役割を担ってる大手子会社です。
また、近年では新規事業への進出や海外展開にも積極的に取り組んでいる企業も多く、大手企業だからできる事業展開も見せています。
大手子会社に向いてる人
下記3つの特徴に当てはまる人は大手子会社に向いています。
- プライベートの時間を重視している人
- 基盤がしっかりしている企業を求めている人
- 福利厚生が充実している企業に身を置きたい人
大手子会社の大きなメリットは親会社の福利厚生を受けられるということ。
もちろん、大手子会社が全てホワイトに近い企業とは限りませんが、労働条件が良くてあまり知られていない穴場の大手子会社を見つけることができれば勝ち組と言っても過言ではありません。
何より「安心」や「安定」を求めている人は大手子会社に勤めていた方が精神的にも過ごしやすいのかもしれません。
大手子会社に向いてない人
下記3つの特徴に当てはまる人は大手子会社に向いています。
- 挑戦意欲が高い人
- 出世意欲が高い人
- 自分の成果をより評価してもらいたい人
大手子会社は、上に親会社がいるので経営的に安定しているというメリットがありますが、創立してから間もないようなベンチャー企業と比べると、社員一人一人の売上に対するモチベーションは低い傾向にあります。
そのため、ガンガン結果を出して評価してもらいたいという人には向いてないかもしれません。
また、役員クラスの人は、ほとんどが親会社からの出向できている人なので、出世意欲が高い人にはおすすめしません。
大手子会社への就職に対するQ&A
Q:大手子会社でもリストラされることはありますか?
A:大手子会社でもリストラの可能性はあります。
例えば、子会社が赤字になって親会社に吸収された場合、吸収される子会社の社員がリストラされる可能性があるのです。
リストラされるリスクに備えるために、転職に関する知識を前もって身に付けておきましょう。
Q:大手子会社と大手グループ企業の違いはなんですか?
A:「大手子会社」とは、親会社が株式の半数以上を持っており、実質的な支配を親会社がしている会社のことを指します。
それに対してグループ会社は株式の半数以上を保有する会社はなく、親会社に決定権がありません。
親会社が子会社に一定の影響を与えている大手グループ企業といいます。
Q:中小企業と大手子会社ならどちらが良いですか?
A:中小企業と大手子会社のメリットデメリットを踏まえて良し悪しを個人的に決める方が良いと思います。
大手企業の子会社は
- 親会社の後ろ盾があるので一般的な中小企業よりも恵まれている面が数多くある
- 安定性としては比較的しっかりしている
このようなメリットがありますが、会社としての行動の判断や経営方針がほぼ親会社の意向に沿うことが多いため、自由度が低い傾向があります。
例えば、モノづくりが好きであったり、自分からどんどん意見を発していって様々なビジネスにチャレンジしていきたい人には向いてないかもしれません。
対して中小企業のメリットとしては
- クリエイティブな業種であれば自分の作りたいモノが実現しやすい
- 少数精鋭のような会社であれば社員の意見が通りやすい
といった点が挙げられます。
さらに、中小企業やベンチャー企業などであれば、自発的に意見を発したり動く人材を求める企業が多いです。
ただ、特に上に大きな会社があるわけではなく、単体で経営している企業が多いため、安定性としては大手子会社より低い傾向にあります。
多少待遇面を犠牲にしてでも自分の意見が通りやすい環境にいたかったり、クリエイティブな仕事をしたいなら、中小企業のほうが向いているかもしれません。
Q:子会社から親会社に異動はできますか?
A:子会社から親会社への異動の可能性はゼロではありません。
しかし、これは稀なケースです。
なぜ稀かというと、親会社にとって人材を採用する方法は「外部から人材を採用する」か「子会社から人材を引き抜くか」の2択となります。
しかし、親会社である大手企業にはブランド力があるので、転職希望者からも人気が高い企業が多いです。
そのため、採用したいポジションの求人を出せば、一定数の応募者を集めることはそう難しくありません。
それに対して子会社の社員は、そもそも親会社の7〜8割の年収で雇用しているケースが多く、転籍させてまで親会社がその社員を引き抜くということは、その社員が「よほどの人材である」ということでしょう。
それだけ優秀な能力があり、親会社から出向してきた上司に気に入られれば、可能性が全くないわけではありません。
なので、親会社に異動できる可能性はありますが、かなりレアなケースと考えたほうが良いでしょう。
まとめ
大手子会社には「安定性」や「ブランド力」といったメリットがある一方、親会社の影響力や出世の機会といった面でデメリットを感じてしまう人もいるかもしれません。
就職前に今回ご紹介したメリットとデメリットをよく理解したうえで、自分のキャリアプランに合った企業を選ぶことが何よりも重要です。
ぜひ頑張ってくださいね。