研究職アカデミアのメリットとデメリットは?就職の仕方と年収を徹底解説
2024/3/22更新
はじめに
「研究職のアカデミアってキャリアはどうなの?」
「研究職アカデミアの年収や就職方法を詳しく知りたい」
研究職アカデミアを目指す就活生が、働くメリットとデメリットや環境を知りたいと思っているかもしれません。
本記事では、研究職アカデミアのメリットとデメリットについて解説し、アカデミアでの就職方法や年収についても詳しく説明します。
向いているタイプまで説明しますので、研究職アカデミアを就活の視野に入れている方は参考にしてみてください。
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研究職アカデミアとは?
研究職アカデミアは、学術的な研究や教育活動に従事する職業で、大学や公的研究機関などの学術機関での職も含まれます。
仕事内容は、次世代の知識や技術の発展に貢献し、新たな知識の創造教育活動や幼児社会への価値を提供します。
アカデミアは非営利団体であり、基礎研究や応用研究、新たな知識や技術を見据え、学生や社会に提供すること、そして学生の指導や教育活動、次世代の研究者や専門家の育成に貢献しています。
研究職のアカデミアと民間企業の違いは?
研究職のアカデミアと民間企業との間には、以下の違いが存在します。
- 経済的安定性の観点からの違い
- 目的と仕事内容の違い
- キャリアパスの違い
- 働く時間の違い
それぞれの観点からその違いを詳しく説明します。
経済的安定性の観点からの違い
研究職のアカデミアでは安定した収入が得られる一方で、民間企業では収入の変動が大きい場合があります。
また、大学や公的研究機関での職務により一定の給与が保証されます。一方で、民間企業では業績やプロジェクトの成果によって収入が左右され、時には不安定な状況に陥ることがあります。
大学や研究機関からの給与が定期的に支払われ、研究費や補助金などの支援も受けられます。しかし、民間企業では市場競争や経済の変動に左右され、収入が不安定になることがあります。
目的と仕事内容の違い
研究職のアカデミアでは学術的な研究や教育が主体であり、民間企業では市場競争や利益追求が主な目的です。
また、研究職のアカデミアでは学術的な研究や教育活動に重点が置かれます。一方で、民間企業では商品やサービスの開発、市場競争における優位性の確保が主な目的となります。
キャリアパスの違い
研究職のアカデミアでは学術的なキャリアパスが提供される一方で、民間企業では経営やプロジェクト管理などの多様なキャリアパスが可能です。
なぜなら、研究職のアカデミアでは、教育や研究活動に関連したポジションが提供されるからです。しかし、民間企業では商品やサービスの開発、経営戦略の策定など、ビジネスに関連した多彩な職種が存在します。
たとえば、研究職のアカデミアでは、教授や研究員、助教などのポジションがありますが、民間企業ではマーケティングマネージャーやプロジェクトリーダー、経営幹部など、経営やビジネスに関連したポジションが多岐にわたります。
働く時間の違い
研究職のアカデミアでは大学教員の出勤や退勤の時間は決まっておらず、自由に決められる裁量労働制を取っています。そのため、残魚という概念がなく残城代が支払われません。
また、大学研究者の残業時間はおおよそ1日4〜5時間、月80〜100時間と言われていますが、民間企業は企業に属しているため残業代の支払いや過度な残業時間もありません。
研究職でアカデミアに就職するメリット
研究職でアカデミアに就職することには以下のメリットがあります。
- 自分主体で研究をすすめられる
- 多種多様で自由な研究が行いやすい
- 応用研究では社会実装を目指せる
- 最先端の研究をしている専門家から助言をもらいやすい
それぞれのメリットについて詳しく説明します。
自分主体で研究をすすめられる
自分の興味や関心に基づいて研究を進めることができ、自らのアイデアや仮説を追求する自由度がアカデミアでは高いです。
大学や研究機関では、研究テーマやアプローチに関して比較的自由度が高く、独自の研究プロジェクトを立ち上げられます。独自の視点やアイデアをもとに研究を進めることで、自己成長や専門知識の深化が期待できます。
また、研究職のアカデミアでは、独自の研究計画を立て、自らの興味や関心に基づいて研究を進められます。たとえば、自然科学の分野では新たな実験手法の開発や未解決の問題の解明に取り組むことができます。
多種多様で自由な研究が行いやすい
アカデミアでは、多様な研究テーマや方法論が受け入れられ、自由な研究が行いやすい環境が整っています。自由なアカデミックな環境が研究者の創造性を刺激し、新たな発見を生み出す土壌となります。
また、大学や研究機関では、異なる学問分野や研究グループとの協力や共同研究が活発化し、多様な視点やアプローチからの研究が行われます。
たとえば、社会科学と工学の融合による新たな社会システムの設計や、人文科学と自然科学の連携による持続可能な技術の開発などが挙げられるでしょう。
応用研究では社会実装を目指せる
アカデミアの研究者は、応用研究を通じて社会の課題解決やイノベーションの推進に貢献することができます。
基礎研究だけでなく応用研究にも力を入れており、その成果を社会に還元する取り組みが行われています。このような社会貢献の機会は、研究者にとってやりがいのある活動となります。
また、アカデミアの研究者は、環境問題や医療技術の向上など、社会的課題に対する解決策や革新的なアプローチを提供できます。たとえば、持続可能なエネルギー源の開発や新薬の研究開発などが挙げられます。
ですので、社会実装を目指せることができるでしょう。
最先端の研究をしている専門家から助言をもらいやすい
アカデミアでは、世界的に有名な専門家や研究者との交流が盛んであり、最先端の知見や技術にアクセスし、助言をもらえます。
世界中から優秀な研究者が集まり、国際的な学術交流や共同研究が行われています。これにより、若手研究者や学生は最先端の研究トピックに触れ、専門家から直接助言を受ける機会を得ることができます。
また、世界的に有名な専門家や著名な研究者がセミナーやワークショップなどの形で登壇し、最新の研究成果や技術動向についての講義やディスカッションをおこなえます。
これにより、若手研究者は専門知識や研究手法に関する貴重な知見を得られます。
研究職でアカデミアに就職するデメリット
これまで研究職でアカデミアに就職するメリットを説明しましたが、以下のデメリットも存在します。
- 研究費を自分で獲得する必要がある
- 研究スピード
- 経済的安定では企業の方がよい
詳しく見ていきましょう。
研究費を自分で獲得する必要がある
アカデミアでの研究職では、研究費を自ら獲得する必要があり、その過程に時間や労力を要することがありますが研究費の獲得が研究活動の重要な要素となっています。
しかし、研究費の申請や審査は競争が激しく、採択されるまでに時間がかかることがあります。また、研究費が得られない場合、研究活動の継続が難しくなる場合もあります。
ですので、国内外の公的機関や財団から研究助成金を申請する必要があります。この過程では、研究計画の立案や申請書の作成、審査委員とのコミュニケーションなどが必要ですが、研究費の採択率は低く、複数回の申請が必要な場合もあります。
アカデミアでは研究費を自分で獲得する必要があり、獲得する過程ではとても厳しいと言えるでしょう。
研究スピード
アカデミアでは、研究成果を得るまでの時間が長く、成果の公表や応用に時間がかかる場合があります。研究プロセスは、慎重な実験や分析を経ておこなわれているため、成果を得るまでに時間がかかることがあります。
また、研究成果を学術論文や学会発表として公表するまでのプロセスも複雑であり、公表までに時間がかかることがあります。
経済的安定では企業の方がよい
アカデミアの研究職では、給与や福利厚生面で企業に比べて経済的な安定性が低い場合があります。大学や研究機関の予算に依存しており、研究費の獲得やプロジェクトの採択によって収入が左右されます。
そのため、経済的な安定性が低く、特に若手研究者や非常勤の研究員にとっては給与面での不安定性が大きいです。
また、非常勤の研究員やポスドクなどは契約期間が限られており、安定した収入を得ることが難しい場合もあります。研究職のポスドク雇止めも、珍しくありません。
アカデミアの研究職に向いているタイプ
アカデミアの研究職には、特定のタイプの人材が向いています。以下の4つが、アカデミアの研究職に向いているタイプと言えるでしょう。
- 一つのことをやり続ける人
- 未知の領域で研究成果を出したいと思っている人
- 知的好奇心が学問的な探求に志向してい人
- 長期的な視点を持っている人
詳しく説明していきます。
一つのことをやり続ける人
アカデミアの研究職に向いているのは、一つのテーマや課題に集中し、継続的に取り組むことができる人です。
深い専門知識や熟練した技術が必要とされる場合があります。そのため、長期間にわたって同じテーマや課題に取り組み、徐々に専門知識を積み重ねていくことが求められます。また、研究には時間がかかることが多いため、忍耐強く取り組むことが重要です。
たとえば、特定の疾患の治療法を開発する研究者は、多くの時間をかけてその疾患についての知識を深め、様々な治療法を試行し、効果を検証する必要があります。そのため、一つの研究テーマに長期間取り組むことが必要です。
未知の領域で研究成果を出したいと思っている人
アカデミアの研究職に向いているのは、新しい知識や技術を開拓し、未知の領域で研究成果を出したいと思っている人です。
既存の知識や技術を基にして新たな知見を発見し、学問や社会に貢献することを目指しています。そのため、積極的に新しいアイデアや仮説を立て、その検証に取り組む姿勢が重要です。また、研究の過程で失敗や挫折がつきものですが、それを乗り越えて前進する意志も求められます。
新しい医薬品の開発や未知の現象の解明など、未知の領域に挑戦する研究者は、多くの場合、リスクを伴うプロジェクトに取り組みます。しかし、そのような挑戦こそが、学問や社会に大きな影響を与える可能性を秘めています。
知的好奇心が学問的な探求に志向してい人
アカデミアの研究職に向いているのは、知的好奇心が旺盛で学問的な探求に興味を持っている人です。
知識の拡大や問題の解決に向けて、学術的な探求心が求められます。研究者は常に新しい知識や理論を吸収し、自らの研究に活かすことが重要です。たとえば、、自らの研究テーマに関連する最新の研究論文や書籍を積極的に読み、自らの研究に活かすことが求められます。
また、学術的な議論や国際会議への参加など、知的刺激を求める姿勢も重要です。学術的な議論や国際会議へ参加すると、他の研究者との議論や意見交換を通じて、自らの研究をより深化させる可能性があるからです。
長期的な視点から世界や社会の未来を見据えている人
長期的な視点から世界や社会の未来を見据えている人は、研究職のアカデミアにおいて重要です。
長期的な視点を持って研究テーマを検討し、そのテーマに対して解決します。現在の社会や世界の課題を解決し、将来の世代に良い影響を考えています。
短期的な成果だけでなく、自分の研究が長期的に持続可能であるかどうかも考慮します。
また、社会の変化や技術の進歩などの労力を考慮に入れながら、自分の研究が未来の世界にどのような価値を引き出すかを洞察しようと考えます。社会やより良い未来を実現するための基盤になります。
このように、長期的な視点から世界や社会の未来を見据えている人々は、研究職のアカデミアに向いているでしょう。
研究職でアカデミアに就職した人の年収
アカデミアでの研究職に就職した人の年収は、様々な要因によって異なりますが、一般的には民間企業と比較して高くはありません。『2018年度賃金構造基本統計調査』によれば、大学の准教授の平均年収は約870万円で教授の平均年収は約1100万円となっています。
しかし、これはあくまでも「准教授」「教授」といったポストの場合です。
「ポスドク」の平均年収は約367万円とされており、年齢を加味しても、とても高い水準とは言えません。
以下では、アカデミアに就職した人の年収について詳しく説明します。
- 研究費や補助金に依存する給与: アカデミアでの研究職の多くは、研究費や補助金によって資金が支援されます。そのため、研究費の獲得状況やプロジェクトの規模によって給与が決定されることがあります。
- 学歴や経験の影響: 大学や研究機関における役職やポストによっても年収が異なります。たとえば、教授や准教授などの役職に就いている人は、一般的に高い給与を得ることができますが、若手の研究員やポスドクの場合は年収が低いです。
- 地域や研究機関の規模: 研究職の年収は、地域や研究機関の規模によっても大きく異なります。大都市圏の大学や研究機関では一般的に給与水準が高くなる傾向がありますが、地方の小規模な機関では給与が低いことがあります。
研究職のアカデミアに就職する方法
アカデミアでの研究職に就職する方法は様々あります。以下の3つがあります。
- 博士課程を修めていることが前提
- 公務員試験
- ポスドク
それぞれの方法について詳しく説明します。
博士課程を修めていることが前提
アカデミアでの研究職に就職するためには、一般的には博士号を取得していることが求められます。博士課程では、研究に特化した学問的な知識やスキルを身につけることができます。博士号を持つことは、アカデミアでの研究職に就く上での重要な資格となります。
公務員試験
一部の国や地域では、大学や公的研究機関での研究職に就くためには公務員試験を受ける必要があります。公務員試験では、研究職に特化した科目や試験が用意されています。合格することで、大学や研究機関での研究員や教員としての職に就くことが可能となります。
ポスドク
博士号を取得した後、一部の研究者はポスドク(Postdoctoral researcher)としての道を選びます。ポスドクとは、博士号取得後に行う短期間の研究職であり、より専門的な研究を行う機会を提供します。ポスドクを経験することで、より高度な研究スキルを身につけ、将来的に大学や研究機関での研究職に就くことができる道が開かれます。
まとめ
研究職アカデミアのメリットとデメリット、就職方法、年収について、紹介しました。
研究職のアカデミアに就職するメリット
- 自分主体で研究を進められる
- 多種多様で自由な研究が行いやすい
- 応用研究では社会実装を目指せる
- 最先端の研究をしている専門家から助言をもらいやすい
研究職のアカデミアに就職するデメリット
- 研究費を自分で獲得する必要がある
- 研究スピードが遅くなる場合がある
- 経済的安定性では企業の方がよい場合がある
アカデミアの研究職に向いているタイプ
- 一つのことをやり続けることが得意な人
- 未知の領域で研究成果を出したいと思っている人
- 知的好奇心が学問的な探求に向いている人
研究職のアカデミアに就職する方法
- 博士課程を修めていることが前提
- 公務員試験を受ける
- ポスドクを経験する
研究職アカデミアの魅力は、自主性の高い研究環境と多様な研究テーマでの自由度の高さです。研究者として未知の領域で成果を上げたい方や知的好奇心が学問的な探求に向いている方にとって魅力的な職場です。また、アカデミアでは最先端の研究を行う専門家から助言を得られるため、研究の質が向上します。一方で、研究費の獲得が難しく、研究スピードが遅くなることや経済的安定性の低さがデメリットとして挙げられます。
アカデミアでの就職方法は、博士課程の修了や公務員試験の受験が必要です。さらに、博士号取得後にポスドクとして研究経験を積むことも一般的です。年収については、一般的には民間企業に比べて低い傾向がありますが、具体的な数字は職種や経験によって異なります。