専門商社と総合商社の違いを徹底解説
2024年2月28日更新
はじめに
専門商社と総合商社、どちらも聞いたことはあるけれど、その違いについては曖昧な人も多いでしょう。
どちらも就職先として魅力的ですが、特徴や違いを理解すれば、どちらが自分に合っているかが明らかになります。
今回は、そんな専門商社と総合商社それぞれの特徴や強み、弱みなどをご紹介していきます。
専門商社と総合商社の違いについて興味がある以下のような就活生を対象に、解説を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
・専門商社と総合商社の違いが気になる
・専門商社と総合商社の仕事内容を知りたい
・専門商社と総合商社のどちらを目指せば良いのかわからない
また、他の業界については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
専門商社と総合商社の違いは以下のとおりです。
専門商社
- 特定の分野に特化している。
- 高い専門性を活かしたビジネス。
- 比較的小規模な事業も展開している。
総合商社
- 多種多様な商材を扱う。
- 豊富な経営資源がある。
- 時代の変化に対応できる柔軟性がある。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
「商社」の仕事
専門商社と総合商社は、どちらも「商社」である点では同じです。
つまり、専門商社と総合商社には共通する業務があるのです。
そこで、専門商社と総合商社の違いについて解説する前に、まずは「商社」がどのような事業に携わっているのかを確認していきましょう。
トレーディング
商社の業務として真っ先に思い浮かぶのは「トレーディング」です。
トレーディングとは生産者から原材料を仕入れ、取引先であるメーカーに販売する事業です。
つまり商社はモノを調達し、それを国内で販売する業務に携わっていることになります。
このトレーディング事業は、メーカーや小売店の仲介によって発生する手数料によって利益を得るビジネスです。
事業投資
商社は従来のトレーディングだけでなく、事業に対する投資も行っています。
つまり、商社は有望な事業に対して投資をし、配当などを得ることで利益を上げています。
例えば、総合商社がガスや石油の探鉱開発事業に対して投資をしていることは有名です。
商社による事業投資では、商社が持っている多様かつ膨大な情報や資金力、人材、経営ノウハウなどの経営資源を投入できるでしょう。
事業経営
商社は事業投資とともに、事業経営にも積極的です。
先ほども述べたように、商社は膨大な情報や資金力、人材、経営ノウハウなどの経営資源を投入できます。
そのため、特に総合商社では単に企業を買収するにとどまらず、買収した企業の経営に対して積極的に携わったり、人材を派遣したりして利益をより大きくできます。
例えば、ローソンには三菱商事が、セブンイレブンには三井物産が、ファミリーマートには伊藤忠商事が出資あるいは子会社化しています。
参照:
専門商社の特徴と強み
専門商社とは、特定の商品やサービスを専門的に取り扱う商社です。
特定の商品やサービスの売上が全体の50%以上である商社が、専門商社と呼ばれます。
専門商社にはいったいどのような特徴があるのでしょうか。
この項目では、専門商社の特徴や強みについてご紹介します。
専門商社3つの分類
専門商社は主に3つに分類できます。
第一に 挙げられるのは、「総合商社系専門商社」です。
総合商社によって、特定の商品やサービスを専門的に扱う子会社として設立された専門商社が総合商社系に分類されます。
総合商社で扱うのは難しい小規模事業や、市場規模が比較的小さい商品を担当することが多いでしょう。
また、グローバル展開に積極的な傾向があるため、社員が海外で活躍することも期待できます。
代表的な企業としては、伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワン、三菱商事エネルギーなどがあります。
第二に「メーカー系専門商社」があります。
これもまた、特定の専門メーカーの貿易部門やグループ会社として設立された専門商社を指します。
取り扱う商品はかなり限定されますが、経営が安定する傾向があるのです。
代表的な企業としては、JFE商事、花王カスタマーマーケティング、日産トレーディングなどが挙げられるでしょう。
第三に、「独立系専門商社」が挙げられます。
「総合商社系」や「メーカー系」とは異なり、自社独自のノウハウやコネクションなどを駆使して、事業を転回しています。
他の二つと比べ、商品や取引先の自由度が高いことが特徴です。
代表的な企業としては、兼松、阪和興業、豊島などが挙げられます。
以上のように、専門商社は3つに分類されます。
専門分野に特化した仕事
専門商社は特定の分野や産業に焦点を当て、その分野における専門的な知識やノウハウを持ってビジネスを展開しています。
例えば、電子部品、化学製品、医療機器など、ある特定の産業や商品に焦点を当て、その分野における専門的な知見を蓄積しているのです。
そのため専門商社は、顧客に対して高度な専門知識を提供することが可能となります。
また、特定の分野において有しているグローバルなネットワークや厳格な品質管理体制を活かし、顧客のニーズに適した製品を効率的に提供できるのです。
その他にも専門商社は自社が持っている専門知識をもとに、顧客に対して戦略的なコンサルティングができます。
例えば、新製品の導入、効率改善、コスト削減など、ビジネス上の様々な課題に対して助言や解決策を示すことが可能です。
顧客との強固なパイプ
専門商社は携わる分野が限られていることから、取引先との強固なパイプを構築できます。
専門商社は特定の分野に関する豊富な知識や情報を有しています。
そのため、顧客のニーズや課題を深く理解することが可能であり、それに基づいた的確な提案をすることができるのです。
特定の分野における顧客と継続的にコミュニケーションを行うため、互いの期待や課題に対する共通理解を構築できます。
これにより、専門商社は顧客との安定的かつ長期的な取引関係を築けるため、ビジネスの安定性と信頼性が向上することになります。
さらに、顧客との強固な関係性は、物資の調達や供給チェーンを効率的に管理することを可能とし、時間やコストの削減につながるでしょう。
以上のように、専門商社が構築する顧客との強固なパイプは、ビジネスにおいて持続的な利益獲得のために必要不可欠な要素なのです。
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専門商社の弱み
専門商社の特徴と強みを解説してきましたが、専門商社ならではの弱みもあります。
この項目では専門商社の弱みについてご紹介します。
業界の影響を大きく受ける
専門商社は特定の分野に特化していることから、携わっている分野の動向に大きく影響を受けます。
つまり、その業界や製品の市場状況や需要の落ち込みによって専門商社の売上は左右されてしまう傾向があるのです。
また、取り扱っている分野に国がかけている規制や法律が変更された場合、専門商社は全面的に対応しなければなりません。
もし規制の厳格化や変更が業界全体に大打撃を与えるものなら、専門商社のビジネス自体が危機に瀕してしまう可能性さえあるでしょう。
以上のように、専門商社は業界の影響を直に受けてしまうので、業界全体の動向やリスクに対する適切な対策が必須になります。
限られた商材しか扱えない
専門商社は特定の分野に対する専門性が高くなる一方で、多様な商材に触れる機会は少ないと言えます。
つまり、習得できるスキルや知識に偏りが生じてしまうことで、転職の際には専門性がかえってデメリットになってしまうことがあるのです。
特にニッチな商材を取り扱っていた場合、その経験を他の業界や企業で活かしていくのは難しいでしょう。
キャリアパスが狭まってしまうという点で、高い専門性がかえってデメリットになってしまう可能性があるのです。
参照:
総合商社の特徴と強み
「総合商社」は欧米には存在せず、日本や韓国にしかない独特の事業形態です。
特定の分野に対する専門性を持つ専門商社に対して、総合商社は幅広い商材と多岐にわたる事業展開で、ダイナミックなビジネスを手がけています。
そんな総合商社にはいったいどのような特徴があるのでしょうか。
この項目では、総合商社の特徴や強みについてご紹介します。
五大商社
総合商社には「五大商社」と呼ばれる企業があります。
つまり、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事です。
三菱商事は、五大商社のなかで最も企業規模が大きいとされています。
その証拠に、2023年3月期の最終利益は1兆1,180億円、総資産は22兆円となっており、企業規模が非常に大きいことがわかります。
三井物産は、金属やエネルギーなど資源に関する事業に強みを持つ総合商社です。
また、今後は再生可能エネルギーに対して積極的に取組んでいくようです。
伊藤忠商事は、日本国内の消費者にとって身近な商材を取り扱う傾向があります。
例えばファミリーマートやconverse、ほけんの窓口、外為どっとコム、evianなど、私たちが良く知る商品やサービスに携わっています。
丸紅は、金属や食料に強みを持つ企業です。
さらに今後は、グリーン事業に対して積極的に事業展開を行っていきます。
住友商事は、デジタル・メディア事業を手がけていると言う点で特徴的です。
SHOP CHANELやJCOMなどのテレビメディアを有しています。
以上が五大商社と呼ばれる企業ですが、ここに豊田通商と双日を加えて七大商社と呼ぶこともあります。
多種多様な商材を扱う
「ラーメンから航空機まで」と言われるように、総合商社はエネルギー、鉱業、農業、化学、自動車、機械、食品、物流、金融など、多岐にわたる事業分野を手掛けています。
総合商社は、これらの事業を展開するにあたり、国際的な取引を積極的に行っています。
そのため総合商社は、潤沢な経営資源とネットワークを有しており、これを活用してさらなる商品の流通や事業展開を可能としているのです。
また、多様な商品や事業を手がけることで、特定の産業や地域でのリスクへの対処ができるでしょう。
例えば一部の事業が不振でも、他の分野が利益を生むことでバランスを取ることができます。
以上のように、総合商社は多種多様な商材を取り扱うため、各事業分野ごとに異なる商品、取引先、市場動向を把握し、適切な戦略を展開する必要があります。
時代の変化に対応できる柔軟性
総合商社は扱う事業の分野が多岐にわたるために、時代の変化に対して柔軟に対応ができます。
例えば、総合商社の収益においては資源分野が重要な役割を果たしており、特に投資権益から得られる収益の比率が高い傾向です。
資源ビジネスの比率が高まると、短期的な資源価格の変動が収益に大きな影響を与えるリスクが存在します。
その証拠に、2016年3月期には資源価格の下落により、大手総合商社の売上が赤字に転落するなど資源価格の変動が業績に与えた影響が見られました。
そこで近年では、非資源分野に力を入れることで、各社が収益の帳尻を合わせています。
すなわち、総合商社は多岐にわたる商材を取り扱っているため、状況に合わせた方針の転換が可能です。
以上のように総合商社は柔軟な事業展開によって、「冬の時代」を経験しながらも生き残っています。
さらに今後は、AIやIoT、新エネルギーの流れに対応するためのビジネスモデルを構築することが期待されています。
参照:
【総合商社:業界研究】五大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・丸紅・住友商事)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
総合商社の弱み
ここまで総合商社の特徴と強みを解説してきましたが、総合商社ならではの弱みもあります。
この項目では総合商社の弱みについてご紹介します。
仕事量が膨大
総合商社は事業領域が広範でかつ多様なので、仕事量が非常に膨大になる傾向があります。
総合商社が主に手掛けている鉄鋼、エネルギー、食品、化学、自動車、ITなどの各事業分野は、それぞれ異なる特性や取組むべき課題があります。
また、総合商社は国内外で幅広い地域に拠点を持っているため、各地域ごとに異なるビジネス環境、文化、法律、規制などへの対応が必要です。
各領域におけるプロフェッショナルな知識やスキルを要求され、社員は常に勉強しなければなりません。
さらに、総合商社は製造業者、小売業者、流通業者、金融機関など、多くの異なる取引先との関係を構築しなければなりません。
これらの関係を管理するためには、さまざまな業界の動向や要件に通じた専門知識と効果的な交渉が必要です。
つまり、社員は自身の担当領域に関する日々の勉強に加えて、高いバイタリティも必要になるでしょう。
他にも、多岐にわたる事業を管理する上で、複雑なリスク管理や法令の遵守を考慮しなければなりません。
つまり、総合商社にとって政治的、経済的な地域リスク、法的な要件への対策は必須です。
さらに、実際にクライシス(危機)が生じた場合は、その対応を迅速に行う必要があります。
その際は、業務が通常時よりもさらに膨大になる可能性があります。
以上のような理由により、総合商社の社員は異なる業界や地域における様々な仕事に取り組まなければならないのです。
総合商社で働く社員は、広範な知識、専門的なスキル、コミュニケーション能力、戦略的思考が求められ、それゆえに日常的な業務が非常に複雑で多忙になります。
地域リスクがある
地域リスクとは、企業が特定の地域で事業を展開する際に直面するさまざまな不確実性や問題に関連するリスクを指します。
これは政治的、経済的、社会的な要因に起因するものであり、特定の地域での変動や不安定性が企業の業績や投資に影響を及ぼす可能性があります。
地域リスクには主に以下のようなものがあります。
政治的リスク
特定の国や地域での政治的な不安定性や変動が、事業に大きな影響を与える可能性があります。
政府の政策変更、政治的な対立、紛争、政治的な不確実性などが含まれます。
経済的リスク
特定の地域での経済の不振や通貨の不安定性は、収益や財務状況に悪影響を与える可能性があります。
景気後退、通貨の急激な変動、貿易制限などが該当するでしょう。
法的リスク
特定の国や地域での法的な変更や法的紛争が、事業に対するリスクです。
法規制の変更、契約履行の困難、知的財産権の侵害などが含まれます。
社会的リスク
特定の地域での社会的な不安定性や問題が、企業の評判や事業に影響を与える可能性があります。
労働問題、人権侵害、地域社会との対立などが挙げられるでしょう。
自然災害
特定の地域が自然災害の発生リスクが高い場合、企業は地震、洪水、台風などの自然災害による被害に備える必要があります。
これは特に、地域ごとの気象パターンを考慮する必要があるのです。
総合商社はグローバルに事業を展開しているため、以上のような地域リスクを常に考慮しながらビジネスを進めていかなければなりません。
参照:
【総合商社:業界研究】五大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・丸紅・住友商事)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
まとめ
専門商社は、その名の通り特定の分野を専門に事業を展開しています。
そのため専門性の高い知識やノウハウを有しており、それらを活用して顧客との強固なパイプを構築することができます。
しかし、その専門性の高さゆえに業界の影響を大きく受けてしまうという弱みがあります。
一方で、総合商社は多種多様な商材を取り扱います。
総合商社は国際的な商品取引や事業を展開し、膨大な経営資源を獲得することに成功しています。
また、多様な商品やサービスを手掛けているため、リスクを分散させたり、時代の変化に柔軟に対応することが可能です。
しかし、総合商社は多岐にわたる事業分野に参入しているがゆえに仕事量が膨大です。
また、事業を展開するうえで、地域ごとのリスクに対応していかなければなりません。
以上が専門商社と総合商社の違いとなっています。
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