【就活生必見】半官半民と第三セクターの違いとは?メリットやデメリットを含め徹底解説
2024年8月15日更新
はじめに
この記事では、半官半民企業と第三セクターについてご紹介します。
加えて、働く上での特徴やメリットデメリットも徹底解説しています。
また、向いている人と向いていない人の説明もしておりますので、ご自身がどちらに当てはまるか見極めにご活用ください。
安定性を求めている就活生であれば、「半官半民」「第三セクター」という言葉を1度は聞いた事があるでしょう。
しかしその詳細は不明なままである方が多くいます。
企業の特徴を捉えておくことは、就職先を選ぶにあたって非常に重要なことです。
この記事を読めば、半官半民企業と第三セクターについて理解を深めることができます。
是非最後までお読みください。
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そもそも「半官半民」と「第三セクター」とは
安定性に優れているとよく言われていることから多くの就活生が興味を抱いている「半官半民」と「第三セクター」ですが、実は詳しく理解していないという方が多くいます。
ここではそれぞれについて説明していきます。
半官半民について
まずは「半官半民」についてです。
簡単に説明すると、事業を国及び地方公共団体が経営する公企業と民間が共同で出資することで行っている事業形態のことです。
中には元々は国営が運営していた公社という組織であった場合もあります。そのため、現在においても公務員気質の名残があるところが多々あるようです。
第三セクターについて
続いて「第三セクター」についてです。
簡単に説明すると「第一セクター」(国及び地方公共団体が経営する公企業)と第二セクター(民間企業)の共同出資によって経営している企業のことです。
また、これに加えNPOや市民団体など非営利団体も「第三セクター」に入ります。
違いは何?
どちらも共通していることは、政府または地方公共団体と民間企業の共同出資によって経営している企業ということです。
半官半民とは事業形態のことを指しており、第三セクターでは日本国政府または地方公共団体が民間企業と共同出資により独立して事業を手掛けている法人のことです。
つまり、第三セクターとは半官半民の形態をとっている株式会社や社団法人ということになります。そのため、第三セクターは半官半民企業の一種だと考えればよいでしょう。
「半官半民」「第三セクター」で働く上での特徴
ここでは「半官半民」「第三セクター」で働く上での特徴を紹介します。
これらを理解すれば、一般企業との大きな違いが分かるでしょう。
特徴をそれぞれ解説していきます。
民間企業でありながら、公務員のような働き方が可能
一般的な企業との大きな違いの1つが、民間企業でありながら公務員のような働き方ができることです。
また半分民間企業でありながら、一部は税金が含まれているため比較的安定しています。
また、福利厚生もしっかりと完備されています。
政府が経営に関わっている
政府または地方公共団体と民間企業の共同出資によって経営している企業ということは、経営に政府が関わっているということです。
そのため、担当省庁などと絡んだ人事異動があります。これらによる特徴をわかりやすい例で説明すると以下のようなものがあります。
- ある部署の部長は省庁からの出向であり、そこからの許可が出なければ業務を開始できない
- 出向組は通常2〜3年で異動し、交代していく
これらはもちろん企業によって異なります。
社内の決裁に時間を要する
これまでの役所の体質が色濃く残っているため、社内の決裁がかなり厳しいです。
企業によりますが、電子決済が未だに導入されていないところではハンコを貰うために回ります。
決裁の種類によっては、承認を得るための決裁者が10名を超えることもあります。
そのためハンコを貰うだけでも、非常に時間がかかるということです。
さらに、委任契約が長期間にわたるものや金額が多額なものである場合は、業者の選定も入札やプロポーザルなどの手続きが執拗であり、厳格であることが多いです。
こういった時には社内の決裁だけで1か月を要する場合もあると言われています。
これは役所気質であることが原因です。役所感覚からすると、同じ業者にずっと委託するというのは、癒着の温床という意識になってしまうのでしょう。
できれば、同じ業者に委託したいですがこうした手間がかかるとしても、変更しなければなりません。
人事異動によって組織の方向性がかなり変わる
「半官半民」「第三セクター」の特徴は担当省庁とのかかわりがあるということですが、出向で上司が担当省庁の人になる場合もあります。
組織の方向性はその人次第です。
会社全体の方針を決める重要な役職の人が定期的に変わるということは、突然業務内容が変更される可能性があるということになります。
実際働いていた方からの声には以下のようなものがありました。
「昨年まで取り組んでいた業務が、今年は突然なくなった」
「昨年までなかった業務が急に増えた」
これらは非常によくある事態だと言われています。
人事評価の優先度が高い
人事評価での優先度が高くなってしまうのは、担当省庁との関わりがあることが要因だと言われています。
一般企業の中には営業成績次第でキャリアアップしていけることが可能ですが、「半官半民」「第三セクター」では顧客第一という考えではないため、人事評価が優先されます。
昇任試験なども定期的にある企業もあるようですが、その面接準備や資料作成、論文の添削などの対策は業務の合間にやっている程度です。
社内での評価が重要視されることから、資料作りなど通常の業務も社内にいかによく見せるかが出世のカギになります。
「顧客優先」ではなく、社内での評価を優先することは一般企業では考えられません。
これは「半官半民」「第三セクター」企業だからこその特徴だと言えるでしょう。
「半官半民」「第三セクター」で働くメリット・デメリット
「半官半民」「第三セクター」について詳しく説明してきました。就活をするのであれば、こうした企業で働く上で、どんなメリットやデメリットがあるのかを知っておく必要があります。
まずはメリットについてそれぞれ解説していきます。
メリット
安定性抜群
メリットの一つ目は、安定性抜群であることです。
100%民間企業でないということは、一部税金が投入されているということになります。
そのため、比較的安定した企業だと言えるでしょう。
実際、新型コロナウイルス感染症などにより大打撃を受けた民間企業が多くありましたが、そうした状況下において業績が下がったにも関わらず賞与までしっかりと支給されていました。
また、近年問題視されている退職金もしっかりと完備されています。
コロナ禍などによる影響を受けないという点は、経営に政府が半分関わっているからこそ得られるメリットです。
そのため安定性を求める方にはおすすめな企業と言えるでしょう。
公務員試験と併願しやすい
メリットの二つ目は、公務員試験と併願しやすいということです。
「半官半民」「第三セクター」の企業は、主に公共性の高い事業を担っていることから、公務員と業務内容も非常に似ている面もあります。
そのため、面接での対策がしやすいと言われています。
全くジャンルの異なる業界を併願すると、自己分析面接での志望動機を考えるのが大変です。
しかしながら、似ている業界を志望すれば比較的に作りやすくなります。
こうした理由から、公務員試験と併願したい学生にとっては志望するのに適した企業だと言えるでしょう。
社会貢献ができる
メリットの三つ目は、社会貢献できるということです。
一般的な民間企業の最大の経営目的は利潤の追求です。
しかしながら「半官半民」「第三セクター」の企業は、地域開発や公共交通機関など本来国や公共団体が行う事業に、民間の資金を投入する目的で設立されています。
そのため、消費者優先で事業を進める姿勢をアピールしている企業が多いです。
人の役に立つ仕事をしたいという方には、非常に適した企業であると言えるでしょう。
福利厚生が充実している
メリットの四つ目は、福利厚生が充実しているということです。
よくある福利厚生は以下のようなものがあります。
- 持株積立の利率が良い
- 食事券の補助がある
- 住宅手当
- 携帯電話等の貸与
- 団体保険に格安で加入できる
給与面に関しては、一部が税金であることからものすごく高いというわけではなく、一定水準程度の場合が多いです。
しかしながら、給与面以外での面で手厚くなっています。
これらは企業によって異なりますが、過去には社員旅行でお金が支給されたというケースもあります。
福利厚生の充実は、ホワイト企業であるかどうかの見極めにも含められることが多いです。
こうした理由から、「半官半民」「第三セクター」のメリットの1つと言えるでしょう。
続いてデメリットについて解説していきます。
デメリット
古い体質の名残がある
デメリットの一つ目は古い体質の名残があるということです。
一般企業では簡素化されてきている業務であっても、「半官半民」「第三セクター」の企業では昔と変わらないやり方をしている場合があります。
一般企業であれば、2日で終わる業務であっても5日要することもあります。
時間がかかってしまう要因は、デジタル化がされていないことや社内の決裁が厳しいことが大きいです。
最先端の技術を用いてスピード感のある仕事をしたいという方は、物足りなさを感じることでしょう。
やりがいを感じられない可能性がある
デメリットの二つ目は、やりがいを感じられない可能性があるということです。
多くの「半官半民」「第三セクター」の企業では、消費者優先という考え方があり、経営目的を利潤の追求としているわけではありません。
そのため、同業他社と競争したり、目に見える成果を増やすために奮闘したいという競争心のある方は向いていないと言えます。
デジタル化が遅れている
三つ目のデメリットはデジタル化が遅れているということです。
「半官半民」「第三セクター」の企業では、会社の設備が古くデジタル化されていない場合が多くあります。
現在でも、資料説明や出張時に持ち出しているのは紙媒体です。
また、社内会議でもPCで議事録を取るのではなく、手書きでメモを作成することを推奨している企業もあります。
「半官半民」「第三セクター」の企業にはメリットもあればデメリットもあります。
こうした両方の面を理解しておけば、就職してからのギャップを減らすことができます。
ご自身がどちらを重視したいか考えるようにしましょう。
「半官半民」「第三セクター」で働くのに向いている人・向いていない人
無事内定を貰い社会人になれたとしても、やっていけるのかと多くの就活生が不安に感じています。
ここではどんな人が「半官半民」「第三セクター」に向いているのか、また向いていない人について特徴を紹介します。
自分がどちらに当てはまるか確かめてみましょう。
まずは向いている人の特徴です。
向いている人
ホワイト企業や安定した企業への就職を志望している人
向いている人の特徴の一つ目はホワイト企業や安定した企業への就職を志望している人です。
「半官半民」「第三セクター」の企業は、役所気質であるところが多く、働き方が公務員に似ています。そのため、比較的残業が少ないと言われています。
また、財源の一部に税金が投入されていることで、他の一般企業に比べて経営が安定しています。
これらの理由から、ホワイト企業や安定した企業への就職を志望している方には適した企業であると言えるでしょう。
公務員試験も併願したい人
向いている人の特徴の二つ目は公務員の試験も併願したい人です。
「半官半民」「第三セクター」の企業は、業務内容が地域開発や公共交通機関といった、公務員と似ていることが多くあります。
公務員の試験も受けたいという方にとっては、業務内容をイメージしやすかったり、面接対策をしやすいなどのメリットがあるでしょう。
競争することが苦手な人
向いている人の特徴の三つ目は競争することが苦手な人です。
前述している通り「半官半民」「第三セクター」の企業の経営目的は、利潤の追求ではありませんので、同業他社と競争するということはありません。
そのため競争するよりも、日々の業務を一つ一つこなしていきたいという方には適した職場だと言えます。
また、一般企業では重要視されることの多い数字やノルマに追われるということもなく、温和な雰囲気の企業が多いと言われています。
こうした理由から、競争することなくのんびりとした職場で、ワークライフバランスを充実させたいという方に向いていると言えるでしょう。
向いていない人
実力で勝負したい人
前述しましたが「半官半民」「第三セクター」の企業では、人事評価が優先されます。
加えて、昇給や昇任も役所の体制に似ているため、年功序列で決まることが多いです。
そのため、バリバリ結果を出して実力で勝負したいという方にはあまりおすすめな企業とは言えません。
ボランティア精神のない人
「半官半民」「第三セクター」の企業の業務内容は、地域開発や公共交通機関など市民のためになることです。
市民の役に立っていることは、数字などで目に見えて成果がわかるものではありません。
つまり「人の役に立ちたい」というボランティア精神がなければ長く勤めることに苦痛を感じてしまいます。
こういった理由から、ボランティア精神のない方は向いていないと言えるでしょう。
頻出質問に回答
ここでは就活生がよくあげる「半官半民」「第三セクター」に対する質問に答えていきます。
半官半民・第三セクターと公務員はどう違うの?
大きな違いは出資の半分が民間企業であるということです。
政府が関わっていることによるメリットを受けることも、民間企業であるからこそ活動できる仕事もどちらもあります。
公務員のような働き方ではありますが、民間企業の部分も半分はあるということを理解しておきましょう。
半官半民・第三セクターと公務員なら、どちらがいいの?
一口に公務員と言っても、市役所の職員や県庁、国家公務員、消防士や教師など種類はさまざまあります。
半官半民・第三セクターの企業にも地域活性化に関わる仕事もあれば、地方テレビ局などさまざまです。
ですので、この回答は人によってそれぞれ異なると言えるでしょう。
ただ、1つ言えることとしては、「半官半民」「第三セクター」の方が、何か特定の領域があるということです。
国や市民の人の役に立ちたいのであれば公務員、何か特定の領域で国や市民の人ために役に立ちたいと考えているのであれば「半官半民」「第三セクター」が向いていると言えます。
平均年収は?
「半官半民」「第三セクター」の企業は、多種多様ですので平均年収は明かされていません。
ただ言えることは、政府が出資に関わっているので一部税金が投入されているということです。
つまり、安定しており一般企業の平均水準は満たしている企業が多いと考えられます。
【言語/非言語/英語完全網羅】SPI初心者でも対策できる資料配布中!
SPIなどに自信がない。
SPIが原因で選考に進められない。
そんな学生のためにまとめたものがSPI頻出問題集です。
SPIの出題範囲である言語/非言語/英語といった問題を完全網羅しています。
丁寧な解説付きなので、今から勉強する人でも安心して取り組めます!
まとめ
今回は「半官半民」「第三セクター」の企業についてご紹介しました。
働く上での特徴やメリット・デメリットについても徹底解説しました。
半官半民とは、簡単にいうと政府と民間企業の共同出資によって設立した企業であり、公務員のような働き方ができます。
安定性があり社会貢献できるというメリットがある反面、古い体質が残っていたり、デジタル化されていないなどデメリットもあります。
どちらを優先するかは貴方次第です。ご自身が社会人になるにあたって何を大事にしたいか考えるようにしましょう。
また向いてる人と向いていない人についても説明しました。自分は「半官半民」「第三セクター」に就職して大丈夫かと不安に思う方は、どちらに当てはまるかチェックしてみるとよいでしょう。
後悔のない就活を行うには、企業研究をしっかりと行い入社後のギャップを減らすことが重要です。
ぜひ、この記事を役立ててください。