スポーツドクターになるには?年収・資格・仕事内容など徹底解説
2024年2月20日更新
はじめに
スポーツ選手の支えとなる存在の「スポーツドクター」に憧れる人は多いのではないでしょう。
しかし、スポーツドクターといっても具体的にどんな仕事をするのか、どう目指せばいいのかわからない人もいるはずです。
そこで本記事では、「スポーツドクターになるための方法」についてわかりやすく解説しています。
- スポーツドクターにはどうやったらなれるの?
- スポーツドクターの仕事内容や年収は?
といった疑問を抱く就活生を対象に、有益な情報をまとめていますのでぜひ参考にしてください。
また、業界一覧については、以下の記事で概観しているのであわせてご覧ください。
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スポーツドクターの仕事内容
スポーツドクターといっても、スポーツ関連の仕事だけをしている人は多くありません。
一般的には病院内で働きつつ、状況に合わせてスポーツドクターとして働くことが多いです。
そのため、今回は病院での仕事とその他(現場)での仕事に分けて紹介します。
マッチドクター・会場ドクター
マッチドクター・会場ドクターのイメージとしては、緊急時にかけつける救急外来のような仕事です。
アスリートだけでなくその会場内にいる運営スタッフや観客など、すべての人を対象とし、誰かがケガをした場合に治療するのが役割です。
たとえば以下のような人が対象となります。
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その場で応急処置しますが、場合によっては病院へ搬送することもあります。
何も事故やトラブルが起きなければ、ただ試合を観戦してるだけで終わる可能性も十分にあるでしょう。
逆に、規模の大きい大会では観客数や運営スタッフも増えるため忙しくなる可能性もあります。
帯同ドクター・チームドクター
帯同ドクター・チームドクターは、マッチドクター・会場ドクターよりも選手との距離が近い仕事です。
帯同ドクターは、主に単発の仕事で、選手またはチームと帯同しながら、大会や合宿などでサポートします。
チームドクターは、日ごろから選手やチームのメディカルチェックをして、コンディションを整える仕事です。
選手の健康状態を管理し、使用しているサプリメントや薬がドーピングの対象になっていないか、現地での食事や衛生面の管理ができているかといったサポートをします。
いきなり帯同ドクター・チームドクターになることは難しいため、まずはマッチドクター・会場ドクターから経験を積み上げていくのがおすすめです。
病院内での仕事
病院内では、病院に受診しに来たアスリートに対して治療する仕事です。
現場での仕事は応急処置が中心ですが、病院内の仕事は専門的な治療をするケースが増えてきます。
治療といっても一般的な患者に対する治療とは異なります。
アスリートの場合は、選手ごとに状況(シーズン中・大事な試合前・スタメンかサブかなど)が異なるので、それに応じて治療方法や治療時期を検討しなければなりません。
アスリートは現場で活躍することが仕事であるため、早期復帰を希望する人が多いです。
もちろん早期復帰させることは重要ですが、再発による長期離脱のリスクもあるため、アスリートの状況をしっかり把握し、一人ひとりに合った適切な判断を下すことが役割の一つです。
病院での仕事はアスリートの選手生命に関わる仕事なので難しいですが、それがやりがいでもあります。
スポーツドクターの平均年収について
スポーツドクターの平均年収について見ていきましょう。
スポーツドクターの平均年収は?
スポーツドクターの平均年収は「658万円~869万円」と言われています。
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、整形外科の平均年収は1289万円です。
出典:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」
スポーツドクターの仕事は整形外科医と似た仕事になるため、整形外科医の平均年収を参考にしてください。
上記のグラフを見ると1,000万円~1,500万円の割合が一番高く、次いで1,500万円~2,000万円です。
もちろん、帯同ドクター・マッチドクター・(チームが)プロ・アマなど状況によって年収が大きく異なりますが、比較的高年収が期待できる職業といえるでしょう。
スポーツドクターとしての収入は「658万円~869万円」となるため、整形外科医などを兼務しながら働くことで収入をさらに増やせるはずです。
平均年収を上げるには
スポーツドクターの平均年収は、働く環境によって大きく異なります。
平均年収を上げるには、少なくとも専属のスポーツドクターとして働くことです。
その中でも、アマチュア選手ではなく、プロ選手の専属スポーツドクターとして働くことができれば、高収入が期待できます。
たとえば、社会人野球のスポーツドクターと、海外で活躍している大谷翔平選手のようなプロ野球選手のスポーツドクターとでは、収入の開きは非常に大きいです。
高収入になればなるほど国内に留まらず、海外遠征なども帯同する必要があります。
プロのチームや選手に帯同するためには、実績・経験・豊富な知識が必要です。
誰でもすぐにプロ選手の専属になれるわけではないので、まずは小さなことからコツコツと経験を積み上げていきましょう。
スポーツドクターになるために必要なこと
スポーツドクターは誰でもなれるわけではありません。
スポーツドクターになるためには、資格が必須です。
また資格以外に必要な知識や能力もあるので見ていきましょう。
スポーツドクターに必要な資格
スポーツドクターになるために必要な資格は「医師免許」です。
スポーツドクターと聞くとカジュアルに聞こえますが、ドクター(医者)であるため医師免許が必須です。
医師免許を取得するためには、医学部に進学する必要があります。
医師免許は必須ですが、その他にも3つの資格が必要となるケースが多いため、紹介しておきます。
必要となるケースが多い資格は以下の3つです。
- 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
- 日本整形外科学会認定スポーツ医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
「日本スポーツ協会公認スポーツドクター」は、日本スポーツ協会が制定している資格です。 アスリートの健康管理・ケガの予防・診断・治療・競技能力向上のサポートをするために役立ちます。 資格を取得するためには、医師免許を取得してから4年以上の医療経験があること、日本スポーツ協会や加盟団体から推薦されていること、の2つが必要であるため、少し取得するにはハードルが高いです。 また4年ごとに資格更新もあるので、資格を取れば終了ではありません。 スポーツドクターとして高収入を得たい、大きな大会やオリンピックなどでも活躍したい人は必ず日本スポーツ協会公認スポーツドクターを取得しておきましょう。 |
日本整形外科学会認定スポーツ医
「日本整形外科学会認定スポーツ医」は、日本整形外科学会が制定している資格です。 アスリートのアスレチックリハビリテーションの指導をする際には必要となります。 資格を取得するためには医師免許はもちろん、整形外科専門医の資格やスポーツ医学の研究会を受講する必要があります。 こちらの資格も取得後から5年ごとに更新があるため、資格を取得して終了ではありません。 |
日本医師会認定健康スポーツ医
「日本医師会認定健康スポーツ医」は、日本医師会により制定された資格です。 メディカルチェック・運動・処方・健康寿命などに関する指導をするために役立ちます。 他の2つと違い、医師免許さえあれば資格を取得できるので、取得のハードルとしては低いです。 また研修医でも取得でき、講習会に参加して申請するだけで取得可能です。 高齢化社会が進む現在においては健康寿命も注目のキーワードになるため、資格を取得していれば活躍できる場が広がるでしょう。 |
この3つの資格は必須ではないですが、スポーツドクターとして活躍していく場合には必要になるケースが多いため、積極的に取得しておきましょう。
スポーツドクターに必要な知識や能力
スポーツドクターには上記の資格を取得するための知識が必要ですが、それ以外の知識や能力も必要です。
- 幅広い医学に関する知識
スポーツドクターは整形外科医に近い形で仕事をしますが、整形外科以外にも内科・外科の知識も必要です。
筋肉や骨の専門というイメージがありますが、貧血や腹痛、風邪のような症状を見るケースも少なくありません。
女性アスリートの場合は婦人科の知識が必要になるなど、幅広い知識が求められます。
すべて完璧に知っておく必要はありませんが、整形外科以外の知識も学んでおくといいでしょう。
- メンタルケア能力
アスリートは日々、さまざまな悩みを抱えながら競技に挑んでいます。
「ケガで試合に出られない」「思った成果が出せない」など、悩みを抱えているアスリートに上手く接し、メンタルケアもしていきます。
カウンセラーのように相手に寄り添った形で対応し、コミュニケーションがとれるように心がけましょう。
- 語学力
プロのスポーツ選手に帯同する場合、海外に行くことも視野に入れなければなりません。
その場合、語学力がなければ対応できません。
渡航先に必要な薬を調達する時や、渡航先の感染症情報を聞く時などに語学力が必要です。
語学力があることで選手の安心にもつながり、パフォーマンスの向上にも繋がるでしょう。
海外へ行く可能性がある人は語学力を身につけておくと安心です。
スポーツドクターに向いている人の特徴
スポーツドクターに向いている人の特徴を見ていきます。
身体を動かすことが好きな人
スポーツドクターは名前の通り、スポーツをしている人に携わる仕事です。
当然スポーツをしていると身体を動かすことになるため、身体の使い方や筋肉の使い方などを知っておいたほうがいいでしょう。
そのため、自分も身体を動かしスポーツをしている人が向いています。
スポーツに限ったことではないですが、同じ経験をしていると相手に共感でき、好感度も上がるのでコミュニケーションが取りやすくなります。
相手の相談や悩みを聞いても理解しやすく、メンタルサポートにも繋がるでしょう。
ですので、自分も身体を動かし、何かしらのスポーツをしている人が好ましいです。
人の役に立ちたいと思っている人
スポーツドクターは、アスリートの健康管理やケガ、リハビリ、技術向上などさまざまなところでサポートしています。
もちろんチームに帯同する場合は、個人だけでなくチーム全体を支えることになります。
そのため、前提として「人の役に立ちたい」と思っている人に適性があります。
医師の仕事は人を支える仕事なので、誰かの役に立ちたいと思える人がスポーツドクターに向いているでしょう。
コミュニケーション能力がある人
スポーツドクターは、選手の治療やメンタルケア、指導など、さまざまな場面でコミュニケーションが必要になる職業です。
健康管理のために体調を聞き、選手のモチベーションを上げるために雑談するなど、仕事に関係のあることからないことまで幅広くやりとりします。
そのためコミュニケーション能力が必須です。
選手から信頼されるスポーツドクターになるためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。
聞き上手・話し上手な方に向いています。
スポーツドクターのやりがい
スポーツドクターのやりがいを見ていきましょう。
場合によってはプロチームに帯同できる
スポーツドクターになる人のなかには、プロ選手に憧れている人も多いでしょう。
そんなプロチームと帯同できるのも、スポーツドクターのやりがいの一つです。
プロ選手と帯同し、プロ選手しか味わえない空間をともに体感し、スタジアムの臨場感や緊張感を感じることができます。
もちろん現場の雰囲気だけではなく、世界で活躍するチームを支えているという実感を得ることもできます。
プロチームに帯同できる機会は多くないため、プロチームと帯同できるだけでもやりがいがあります。
感謝をされやすい
スポーツドクターは人を支える仕事です。
そのため、個人からもチームからも感謝されることが多くなります。
また、スポーツドクターの多くは治療やリハビリなど、長期にわたりサポートすることが多くなるため、よりたくさんの感謝の声を聴くことができるのもやりがいの一つでしょう。
特にチームに帯同しながら働くならサポートする人数も増えるため、日々感謝されることが増えてきます。
人を支えることが好きな人は、特にやりがいを感じる仕事でしょう。
自分の関わった選手の活躍を見れる
スポーツドクターになると、治療や健康管理に携わった選手が活躍している姿を見ることができます。
特に長期にわたってリハビリやケガの治療をした後に、大会で優勝しているような
活躍を見た時はやりがいを感じるでしょう。
選手の大会のインタビューなどで「ケガをしたけどサポートしてくれた人たちのおかげで今ここに立てています」といった言葉を耳にする時も、非常にやりがいを感じるはずです。
一般的な医師は、治療が終わったあとの様子を知ることはほとんどありません。
しかし、スポーツドクターならその後の様子も比較的把握しやすいでしょう。
スポーツドクターに興味を持ったら
スポーツドクターに興味を持っている人は、次の3つの行動をしてみましょう。
スポーツドクターに関連するアルバイトをする
スポーツドクターにすぐになることはできません。
そのため、アルバイトとして体験するなどして自分に合った職業か確かめましょう。
日本医師会認定健康スポーツ医なら医師免許のみで資格が取れるため、資格を取って非常勤で働くのもおすすめです。
「スポーツが好きだから」「憧れていたから」といった気持ちだけでは、実際に働いた時にギャップを感じてしまうことがあります。
近い仕事を体験しておくことで、自分に合っているか判断しやすくなるでしょう。
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医学部に進学する
スポーツドクターになるためには医師免許が必須です。
医師免許を取るためには医学部に進学する必要があるため、進学に向けての準備を整えておくのもいいです。
医学部は簡単に入ることができないため、しっかり勉強しなければなりません。
早い段階から医学部進学に向けて準備を整えておけば効率よくスポーツドクターになることができます。
仮にスポーツドクターにならなくても、医師免許があれば他にも道がいくつかあるので活用できるでしょう。
就職支援サービスを利用する
スポーツドクターを求人しているところは非常に少ないです。
自分で就職先を探すことが困難になるため、スポーツ関係に特化した就職支援サービスなどを利用するのが賢明でしょう。
スポーツドクターを目指している人はあまり多くはないため、相談先としても活用することができます。
一人で就活するのが難しい場合は、積極的に就職支援サービスを利用しましょう。
まとめ
スポーツドクターになるためには、医師免許が必要です。
そのため、まずは医学部に進学するところから始めましょう。
医師免許がある人は、「日本スポーツ協会公認スポーツドクター」「日本整形外科学会認定スポーツ医」「日本医師会認定健康スポーツ医」といった資格の取得を目指してください。
スポーツドクターは年収も高く、高収入を狙える職業です。
まずはマッチドクターや会場ドクターで経験を積み、チームドクターや帯同ドクターとして働けるように頑張りましょう。