「就職浪人」するかしないか、その判断はどう決める?

「就職浪人」するかしないか、その判断はどう決める?

元プロ野球選手で、野村克也という人がいます。

今のテレビとかではボソボソと愚痴っぽい説教をするおじいちゃん、というイメージがあるかもしれませんが、日本のプロ野球の世界では、実はけっこうすごい人。通算本塁打も通算安打も出場試合数でも、歴代2位。監督としてもすごい人。

 

その人が、こんなことを言っています。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

 

簡単に言えば、「偶然勝つことはあるだろうけど、負けるのは何かしらの理由があるよね」という言葉です。

なんでこんな話をするかというと、7月も終わりに近づき、8月になろうとしているこの時期になると、新しく相談にくる学生がポロポロと来ます。

 

「今年は諦めて、就職浪人しようかと思ってて……」

って。

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「不思議の負け」の理由を探そう。

判断するのは本人なので、基本的にぼくは「そんなことはやめろ」とも「そのほうがいいかもね」とも言いません。

家庭環境やお金のこともあるし、社会状況の変化もあります。メンタル的な状態も関係するし、本人の志望業界や志望企業への想いの強さ(というか執着度)によって、どのタイミングでどんな判断を下すかは、人それぞれ。

 

ただ、ひとつだけいつも伝えているのは、「うまくいかなかった理由は、なんだろね」ということです。

みんながみんなそうだとは言わないけれど、ぼくの感覚ではどうにも就職浪人を意識しはじめた人って、「今年はダメだったけれど、もう一回やったら、もうちょっとできる気がする……!」と思っているように見えます。

それはそうかもしれないし、そうじゃないかもしれません。けれど、ぼくとしては「今のままだと、あんまり(結果は)変わらないかもよ?」と感じちゃうケースのほうが多いんです。

 

それが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」なんです。

失敗にはいつも、「理由や原因」がある。

ここまでの数ヶ月、それなりに多くの会社を見て、面接もけっこう受けてきて、うまくいったりそうじゃなかったりしたことがあったと思います。友人の就活話を聞いたり、面接で他の学生たちの話も聞いてきましたよね。

そういう経験や情報を踏まえて、どうしたらうまくいく可能性が高いのか、どういう話題でどんなトーンで、どう話したら反応が良かったり悪かったりしたのか、そこに対して何を変えてみたらいいのかな。それを検証してみて、何をどう変えたらうまくいく可能性が高まりそうで、失敗する可能性を減らせそうなのか、ということについて、ある程度の「失敗する方法」が見えてきた。という状態にあるなら、次の挑戦はうまくいく可能性は高まると思います。

 

でもね、それがないままだと、たぶん同じことを繰り返すだけになっちゃいそう。

それこそ就活って宝くじではないので、ただ受ければ受けるほど受かる可能性が高まる、というものではありません。企業の人たちも、それなりに基準をもちながら採用活動をしています。

 

そして企業の人たちが求めているのって、そうやって経験や情報を踏まえて、対策や改善策を考えて、それを行動につなげられる人のような気がしませんか?

「やめる」と決めたら、できることが増えるかも?

で。

ここまでの話を踏まえて、この考え方や行動や整理ができてるとしてもそうじゃないとしても(さらには就職浪人をするかどうかの判断も別として)、「就活そのものは続けてみてもいいかもね」とは思います。(もちろんお金やメンタルの関係はあります)

 

それこそ「内定をとることを前提とした就活」じゃなくて、「いろいろ試してみる就活」でいいんじゃないでしょうか。

 

たとえばぼくは、社会人から転職相談を受けることもあります。

そこで彼らが会社や上司への不満や「本当はこうしたいのに」といって辞めようとしている場合、「とりあえず、全部やってみたらどう?」と言ったりします。

これまでは、評価を得るために、リスクを冒さないように、自分を抑えて、それがストレスや不満になったり、本当にやりたいことができなかったりしてた。

それで「辞めると決めた」ならば、今まではできなかったことを試してみてからでもいいんじゃないかな、と。もう辞めるのを決めたなら、評価やリスクや他者の目を気にしなくてもいいんです。自分の思う通りにやってみたらいいと思うんです。

自分が本当にやりたいように動いてみたらいいんです。そのほうが、失敗のサンプルは増えるし、もしかしたら成功にもつながるかもしれません。

「ホントの自分」を出してみよう。

就活だって同じです。

今までは「こんなことしていいのかな……」、「こんなこと聞いたら変だと思われるかも」と思ってしまってたことでも「もう、別に内定とか気にせんわ~!」と思えたら、もうちょっと言えることやできることって増えそうな気がしません?

 

もちろん企業の人たちも時間や労力を割いているし、新入社員への期待があるので、本当はぼくがこんなことを書いてしまうのは良くない部分もあるんですが、それよりもむしろ学生のみなさんが、変に臆病になったり、素の状態を見せられていない状態は、どちらにとってもベストだとは思えないので、あえて書きます。

 

「就職浪人」という言葉が頭をかすめ始めたら、「失敗をちゃんと整理して、次につなげる」ことと、ある意味で企業の評価を気にせず「自分の思ったとおりに振る舞ってみる」のもありかもしれません。そして、案外そうしてみたほうが、逆に評価されることも増えるんじゃないかな~、とぼくは考えています。

 

という考え方もヒントにしながら、自分にとって適切な判断をしてみてください~。

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ジョーカツスペシャルアドバイザー光城 悠人

光城 悠人

立命館大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。企業の採用・教育・評価分野において、営業・ライター・クリエイティブディレクターとして7年間従事する中で、株式上場、新卒向けナビサイト[en]学生のための就職情報の立ち上げなどを経験。同社退職後、学生が新しい価値観に出合えるコミュニティの実現を目指し、2008年に京都で猿基地を開業。年間を通して学生とかかわる中で、新しい就活手法としての「就活ゲーム」を構築し、書籍やブログ、講演等でその普及に努めている。

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