マルチタスクが苦手でも克服できる6つの方法を紹介【まずは原因を知ろう】
2023年11月23日更新
はじめに
一度に複数の作業をこなすマルチタスクが苦手な方は多くいます。就職活動においてマルチタスクが苦手なことは不利になることがあるので、改善しておくほうがベターです。
そこで本記事では、マルチタスクが苦手な方のために、克服できる6つの方法を紹介します。なぜマルチタスクが苦手なのか原因を知ってから、どう克服していけばいいのか見ていきましょう。
マルチタスクが苦手の原因とは
マルチタスクが苦手な原因は、複数あるタスクを効率よく処理することができないからです。たとえば、あなたがパソコンで作業をしていたとします。そこに電話がかかってくると、一度パソコン作業を辞めなければいけません。
電話の対応が終わり、パソコン業務に戻ろうとしたときに上司に声をかけられて、別の仕事を依頼されたとします。このときに、パソコン作業を優先するのか、上司からの仕事を優先するのかがわからなくなります。
何から手をつければいいのか悩んでいると、現在進行中であったパソコン業務も疎かになり、結果的に作業全体に支障をきたすことになるのです。このような状況になるとなぜ、作業が止まってしまうのでしょう。
それは人間の脳と関係があります。人間の脳は、一度に複数のことを考えると疲れてしまい、作業効率が下がると言われています。
その原因は、脳の一部である前帯状皮質灰白質の密度が低下してしまうからです。前帯状皮質灰白質の密度が低下すると、脳の認知機能が衰退し、作業効率が悪くなりマルチタスクができなくなってしまう、という現象です。
そのため、少しでも脳疲労を避けてマルチタスクができれば、上手く作業ができるかもしれません。
マルチタスクが苦手な人の特徴
自分がマルチタスクが苦手なのか分からない方は、次の3つの特徴に当てはまるか確認しましょう。
こだわりが強く完璧を求める
1つの作業にこだわりが強く完璧に作業をこなしたい方は、マルチタスクが苦手になる傾向があります。そもそもマルチタスクとは、同時に複数の作業を並行してこなすことを言います。
例えば5つの仕事があった場合、すべて20%の力で作業をこなしていくのがマルチタスクです。一方こだわりが強い人は、最初の1つの作業に90%の力を使ってしまい、残りの仕事に手が回らなくなってしまいます。
「マルチタスクが苦手=仕事の能力がない」ではないので注意しましょう。マルチタスクが苦手な方も仕事をやり遂げる能力はあります。ただ、同時に複数の作業を行うのが苦手なだけです。
注意散漫になりやすい
仕事をしているときに、外の景色に目が行ってしまう、流れているメロディーに集中してしまうなど、目に映るものや耳に聞こえてくる音に敏感になり、注意散漫になりやすい方ほどマルチタスクが苦手です。
このような症状がある方は、HSPの可能性もあります。HSP(Highly Sensitive Person)とは、上記のように目に映るもの聞こえてくる音に敏感になって、感受性が豊かで繊細な方のことをいいます。
これは病気ではありませんが、脳が持っているくせ・個性のようなものです。周りの刺激にとらわれすぎて、現在進行している作業に集中できなくなってしまいます。こういった刺激によってイライラしたり、パニックになったりする場合は、HSPかもしれません。
HSPであることは悪いことではありません。あなたの個性であり、感受性が豊かなことは長所でもあります。悲観的にならず、自分の個性が活かせる仕事はないか検討しましょう。
本記事の最後にマルチタスクが苦手な人におすすめな仕事を紹介しているので、よければ参考にしてください。
計画を立てるのが苦手
マルチタスクが苦手な方の特徴として、計画を立てるのが苦手であることが多いです。マルチタスクが得意な方は、次にどの作業をして何から終わらせればいいのか、といったようなことを頭の中で計画を立てながら作業をしています。
そのため、複数の仕事があっても段取りよく終わらせることが可能です。しかし、マルチタスクが苦手な方は計画を立てるのが苦手なので、とりあえず今ある作業を終わらせようとします。
ある意味行き当たりばったりで行動しているため、イレギュラーなことがあれば対応できません。作業が一つしかない場合は、それに集中すればいいですが、複数の作業を抱えている場合は、計画を立ててから作業にあたりましょう。
マルチタスクの苦手を克服する6つの方法
マルチタスクが苦手な方でも克服方法を知っていれば対処できます。今から紹介する克服方法をしっかり見て、実際に行ってみましょう。
1.事前にタスクのスケジュールを立てる
初めに、複数のタスクがある場合は事前に計画を立てることから始めます。仮に分単位でどのタスクを行うか計画ができていれば、その計画を実行するだけでマルチタスクを完璧にこなすことができます。
マルチタスクが苦手な方は、何から手をつけてどの順番で行えばいいかがわからないまま作業に当たっている傾向が強いです。上手に計画を立てるポイントは以下の通りです。
手順 | ポイント | 何をするか |
1 | ゴールを決める | ここまですれば作業が完了となるポイントを決めましょう。 |
2 | タスクを洗い出す | やるべきことを洗い出します。具体的に何をどれくらいするのかすべて出しておくと、より精度が高くなります。 |
3 | 逆算して考える | 逆算して考えることで、漏れなく計画を立てることが可能です。 |
4 | 所要時間を決める | それぞれの作業にどれくらい時間がかかるか考えましょう。ギリギリの時間より少し余裕を持たせるのがポイントです。 |
5 | 時間に余白を作る | 万が一何かがあったときのために、何もない余白の時間を設定しておきましょう。 |
上記の1~5の順に計画していくと効率よく作業を行えるのでおすすめです。
2.タスクに集中できる環境に整える
作業効率を上げるためには、タスクに集中できる環境を整えることが重要です。極端な例ですが、人ごみの中で計算作業をするよりも、個室で静かな場所で行うほうが作業に集中できるので、スムーズにタスクを終えることができます。
集中力に影響する要因はたくさんあります。たとえば、デスクワークを行う方であれば机の周りをきれいに整理整頓することで、作業効率を上げることが可能です。
集中できる時間帯も人によって異なります。睡眠時間を十分にとってから作業に当たるほうが効果的ですし、疲れない程度の軽い運動を取った後でも集中力が高まります。
人的環境もタスクをする上では重要です。冬場に手先足先が冷えるだけでも作業効率は悪くなります。足が冷えるとトイレが近くなり、頻繁にトイレに行くことになれば作業効率も悪くなります。
マルチタスクが苦手な方も集中して作業を行えれば、効率よく進めることができるので、作業に支障がでるものを排除してから作業にあたりましょう。
3.タスクをすべて書き出す
やるべきタスクをすべて書き出し、何をしなければいけないのか把握することが重要です。このときに重要になるのが、「書き出すこと」です。マルチタスクが苦手な方は、頭の中で考えながら作業をするのが得意ではないため、可視化することでわかりやすくします。
何をどれだけ行い、どれくらいの時間がかかるのか、といったように具体的に書くことでより効率よく作業を行えます。
例えば、「メールの返事をする」「メールの返事を50件分する」この2つを見たときに、前者であればどれくらいの量があるのかわからないので作業時間が予測できません。後者であれば、作業時間の検討が付くので次の作業を何時に行えばいいか目途が立てられます。
またやるべきタスクの量がわかれば、ペース配分を調整することが可能です。最初から全力で作業して、最後までたどり着けなければ意味がないので、すべきタスクを網羅しましょう。
4.タスクを分類し優先順位をつける
「タスクをすべて書き出す」と同時に行うのが「タスクを分類して優先順位つける」ことです。似たような作業はまとめて行うほうが作業効率がよくなります。
例えば袋詰めのような単純作業は、「商品を袋に入れる」「袋を閉じる」の2つ工程を連続で行うのではなく、はじめにすべて商品を袋に入れそのあとすべて袋を閉じる、というやり方が効果的です。
優先順位をつけることも重要です。上司から頼まれた仕事があるのに、雑務を優先して頼まれた仕事までたどり着かなかった、このようなことは社会人としてあってはなりません。優先順位をつけて、必ずやるべき仕事は先に終わるように計画しましょう。
5.あえて時間に余白を入れる
マルチタスクを克服するために計画を立て、実行していても、イレギュラーなことがたまにはあります。分単位でしっかり計画ができていても、イレギュラーによって計画が崩れてしまえば、そこから立て直すことが難しくなるでしょう。
そこで、イレギュラーにも対応できるように予め、時間に余白を設け何かあれば対処できるようにしておきます。もちろん何もなければ、そのまま段取りよく作業を終えることができます。
また作業に遅れが生じた場合でも余白の時間によって、結果的には計画通りに終えることができるため余裕を持たせることが大切です。
6.1~5を繰り返し反復する
最後のポイントは、これまで紹介してきた1~5を繰り返し行うことです。繰り返し同じことをすると、週間づくのでマルチタスクにも慣れてきます。初めは計画通りにいかない場合でも繰り返し行うことで、徐々にやり方のコツを覚えます。
「継続は力なり」という言葉があるように、マルチタスクの苦手を克服するために繰り返し1~5のポイントを行いましょう。
マルチタスクが苦手な方に向いてる仕事5選
マルチタスクが苦手な方に向いている仕事5選を紹介していきます。
Webライター
Webライターの仕事は、Googleなどで検索すると出てくるWebサイトのテキストを執筆する仕事です。クライアントのから依頼を受けて、執筆する内容について実体験やネット上から情報を収集し、執筆していきます。
作業は個人で行うため納期に合わせて、自分のペースで執筆することが可能です。「調べた情報をもとに執筆する」ひたすらこの作業を繰り返すので、ある意味単純な作業です。
複数の作業を同時に行うこともほとんどないため、マルチタスクが苦手な方に向いています。
新聞配達員
新聞配達員は、朝刊や夕刊に合わせて新聞を指定の住宅まで運ぶ仕事です。自分の配達ルートはある程度決まっているため、何度も繰り返すたびに道を覚えるので、スムーズに配達することができます。
難しい作業などは一切なく、決められた時間に決められた場所に配達するだけなので、マルチタスクが苦手な方でも問題なくできるでしょう。
YouTuber
近年、需要が高くなっているのがYouTuberです。そもそもこの仕事は自分の好きなジャンルを好きなタイミングで、できるので自由度が高い職業です。自分の趣味や特技を活かした仕事ができます。
ただしYouTuberは新規参入者が多く、「個性がとがっている」「他者を魅了する何かがある」といった実力がなければ成功できません。動画を上げるだけの単純作業に見えますが、しっかりとトレンドやノウハウを学んでおかなければ、視聴者を増やすことはできません。
農業
農業は野菜や果物を栽培し、販売する仕事です。高齢化社会により担い手が不足している状態であるため、まったく知識のない方でも歓迎されます。どの時期に何を育てるか、がおおよそ決まっているので、毎年同じ作業の繰り返しです。
複雑な作業はありませんが体力仕事になるので、体力がある方に向いています。
配送業
現在では、インターネット通販の需要が高く人手不足になっているのが配送業です。新聞配達員と同じで、決められた場所に指定の荷物を届けるのが仕事です。荷物を配送するだけなので、複雑な作業はなく、慣れれば効率よく作業が行えます。
配送エリアが決まっているので、地図を覚えれば単純な作業です。重たい荷物もあるので、体力がある方におすすめです。
まとめ
マルチタスクが苦手な方でも、本記事で紹介している克服法を繰り返し行えば徐々に改善していくことができます。またマルチタスクが苦手な方は、シングルタスクを選びましょう。おすすめの仕事5選も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。