【新卒で公務員になるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説
2023年11月23日更新
はじめに
新卒で公務員になりたいと思っているが、仕事内容や年収、やりがいなど、具体的にどんな職種なのか気になる方も多いと思います。公務員に就職したい方のために、本記事では新卒で公務員になるための方法を詳しく紹介しています。
企業研究をする前に、まずはその職種について深く知り、自分と合っているか検討しましょう。
公務員とは
公務員とは、国の機関や地方公共団体に勤務し、、国民や社会のために働いている人のことです。公務員の中でも国家公務員と地方公務員の2つに分けることができます。それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。
<国家公務員>
人数:約58万9,000人(全体の17.6%) 職種:財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官、裁判官、家庭裁判所調査官、検察官、警察官、入国審査官、外交官、国会議員 |
<地方公務員>
人数:約276万4,000人(全体の82.4%) 職種:看護師、薬剤師、獣医師、保健師、栄養士、司書、警察官、消防士、皇宮護衛官、県庁職員、市役所職員 |
公務員といっても幅が広く、仕事内容も全く異なります。どの公務員でも当てはまることは、公務員になるためには「公務員試験」に合格して採用されることです。
「公務員=安定」といったイメージがあり、給与や待遇に期待でき、リストラなどの心配もないので定年退職まで安定して働くことができます。
しかし年功序列であることが多く、上下関係が厳しい場合もあるので注意しましょう。入社したあとに、いかに先輩や上司と仲良くなり気軽にしゃべることができるかが重要です。
公務員の仕事内容
公務員は民間会社と異なり、会社の利益を求めて経営しているわけではありません。国民が納めている納税を基に活動し、国民が暮らしやすい社会にするという使命があります。仕事の幅が広すぎるため、国家公務員と地方公務員にわけて考えてみましょう。
国家公務員
国家公務員は、国の公式行事や国民全体にかかわる政策の企画立案等を行います。国家公務員の中でも「一般職」と「特別職」に分けることができ、「一般職」は「総合職」「一般職」「専門職」とさらに分かれていきます。
特別職は、内閣総理大臣や裁判官、裁判所職員などです。地方公務員の技術職などとは異なり、企画立案や政策の実行、事務処理などが主な業務です。主に中央省庁やその関係機関で働くこととなり、国の機能を守るための業務を行います。
地方公務員
地方公務員は「行政職」と「技術職」に分かれます。技術職は土木や水道、建築など専門的な知識と技術が必要です。役所の職員から警察官、消防士、教職員など多種多様です。
仕事内容も多岐にわたるため、職種によって大きく異なります。どの職種においても言えることは地域の生活全般に関わる仕事だということです。
公務員になるには
公務員になるために必要な資格や通うべき学校などを見ていきましょう。
公務員に必要な資格
冒頭でも述べましたが、公務員になるためには「公務員試験」に合格しなければなりません。「資格免許職」や「専門職」といった種類の公務員試験を受ける場合は、保育士、栄養、看護師、心理職、福祉系などの資格が必要です。
これら以外の試験は特に資格などは必要ないため誰でも受験できます。公務員試験は、一般的な資格試験に比べて試験科目が多いです。また試験ごとに難易度も大きく異なり、必要となるスキルも違うので、自分が受験する試験が決まってから詳しく試験について調べましょう。
国家公務員と地方公務員の両方の資格を取得することも可能ですが、併願する場合は、幅広い試験対策が必要であるため、覚悟しておきましょう。
公務員になるために通うべき学校
公務員になるために通うべき学校はありません。公務員試験は「学歴不問」で受験できるものが多いため、高卒・短大卒・大卒など、さまざまな方が公務員になれます。「官僚」などを目指して「国家公務員総合職試験」を受ける人は、難関私立大学やエリート大学の学生が多いです。
しかし高学歴でなければ公務員になれないわけではありません。誰にでも受けるチャンスがあるので、自分のやりたい仕事が決まればしっかりと試験の対策を練り、勉学に励めば可能性は十分にあります。
なお、警察官や海上保安庁などの一部の職種は、試験合格後に特別な学校に入り、その職種について詳しく学ぶことになります。
公務員に向いている人
公務員といっても職種によって仕事内容が異なるので、向いている人の特徴も異なります。ただ公務員は国や地方公共団体に勤務していることから安定しやすい職業です。給与や福利厚生が整っていることが多く、残業も比較的少ないです。そのため、安定を求めている方に向いています。
また真面目な方にも向いています。国民や社会のために働いている人が公務員です。そんな人たちが不真面目であれば、国が成り立ちません。法律を取り締まる警察官や、ルールや道理を教える教職員など、真面目に働かないと示しがつかない職種が多いため、真面目な方に向いています。
その他にも「地味な仕事も気にせずこなせる方」「コミュニケーション能力が高い方」「協調性がある方」「性格が穏やかな方」といった方も向いています。自分がどこを目指すか決まれば、その職種について詳しく調べましょう。
公務員の魅力・やりがい
公務員の魅力ややりがいは以下のようなものがあります。
・ノルマがない
公務員は民間企業のように利益を求める存在ではないため、売上やノルマなどのプレッシャーがありません。ノルマに追われるストレスがないことは魅力的だと思います。
もちろん、ノルマなどがないからと言って仕事が楽であるとは限りません。
・広い範囲の仕事に携われる
公務員は、現場作業や窓口、政策決定など幅広い業務内容があります。特に地方公務員は、技術系から事務1つの仕事だけでなく、広く業務に携われるのも魅力的です。
・国民や社会のために働ける
公務員は、国民や社会のために働いています。民間企業も社会貢献活動を行っていますが、あくまで利益の範囲内の行動しか行えません。しかし、公務員は無制限に社会貢献活動が可能です。
ここで紹介しているやりがいや魅力は、公務員全般に当てはまるような内容になっていますが、職種ごとにやりがいなどは異なります。警察官を目指したい方は、警察官のやりがいや魅力を調べて把握しておきましょう。
公務員の1日のスケジュール
公務員といっても職種が豊富にあるので、一日のスケジュールが大きく変わってきます。例えば、役所関係であれば土日休みで、平日の決まった時間のみ働くことが多いです。ここでは一例として市役所の1日のスケジュールを見ていきましょう。
時刻 | 仕事内容 |
8:30 | 出勤 メールやスケジュールをチェック |
9:00 | 業務スタート |
10:00 | 電話対応や窓口対応などの業務 |
11:00 | 担当の事業関連に関する会議に出席 |
12:00 | お昼休憩 |
13:00 | 地域イベントなどの打ち合わせ |
14:00 | 電話対応や窓口対応などの業務 |
15:00 | 電話対応や窓口対応などの業務 |
16:00 | 事務作業 資料作成など |
17:00 | 閉庁 やるべき仕事が終われば退社 |
公務員の求人について
公務員の求人について見ていきましょう。
公務員の新卒採用について
公務員の新卒採用は積極的に行われています。年度ごとに定員数は異なりますが、多くの方が定年退職されるため、その分多くの新卒採用が行われています。
人気のある職種や、応募数の多い職種、募集人数が少ない職種などさまざまです。年度ごとに募集の詳細が変わるので、自分の進みたい道が決まれば、募集要項などをしっかり見ておきましょう。
公務員は上下関係が厳しい職業も多いため、新入社員として入社したときには、上司に可愛がってもらえるように心がけることが大切です。上司と積極的にコミュニケーションを取る、仕事終わりに食事に行くなど、気軽にしゃべれる存在になっておきましょう。
公務員の平均年収
国家公務員の平均年収は約681万円、地方公務員の平均年収は約659万円この二つから、公務員の平均年収は約670万円となります。
日本の平均年収は458万円なので、日本の平均よりも約200万円も高いです。年収が高いだけでなく、福利厚生なども整っているので待遇面は申し分ないと思います。
公務員は年功序列であることが多く、年齢とともに年収も上がっていきます。年齢ごとの平均年収は以下の通りです。
年代 | 平均年収 |
20代 | 約300万円~450万円 |
30代 | 約500万円~600万円 |
40代 | 約650万円~800万円 |
50代 | 約800万円~900万円 |
公務員の就職先
国家公務員の就職先は、中央省庁(国土交通省、経済産業省、文部科学省、農林水産省など)や、その出先機関などと呼ばれる地方機関等が多いです。
一方の地方公務員は、市役所、学校、保健所、病院、消防署など数多くの勤務先があります。勤務先の例は以下の表を参考にしてください。
<国家公務員>
人数:約58万9,000人(全体の17.6%) 職種:財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官、裁判官、家庭裁判所調査官、検察官、警察官、入国審査官、外交官、国会議員 |
<地方公務員>
人数:約276万4,000人(全体の82.4%) 職種:看護師、薬剤師、獣医師、保健師、栄養士、司書、警察官、消防士、皇宮護衛官、県庁職員、市役所職員 |
公務員の志望動機や目指すきっかけ
志望動機を作成する場合は「なぜこの職種を選んだ」という点を説明できているかが重要です。例えば警察官であれば、「人々の安全を守りたい」「犯罪を減らし人々が暮らしやすい地域に変えたい」といった警察官とつながる理由が必要です。
「運動部に所属していたので体力に自信があるから」といった理由では、警察官でなくても消防署や土木関係でもいいのでは、と面接官に思われてしまいます。そのため、具体的な理由を添えてアピールできるようにしましょう。
役所関係と警察では志望動機が違うように、公務員の志望動機はバラバラです。そのため、国家公務員と地方公務員に分けて簡単に職種ごとの志望動機をまとめたので参考にしてください。
<国家公務員>
職種 | 志望動機 |
国家公務員総合職 | ・民間の役に立つような仕事をしたい ・留学を通して、安全・経済・文化など日本のすばらしさを実感したから |
裁判官 | ・よりよい社会をつくる手助けをしたいから ・法律や裁判を通じて平和な社会に貢献したいから |
検察官 | ・刑事事件に興味があったから ・裁判員裁判を傍聴して検察庁に興味を持ったから |
警察官 | ・市民が安心して暮らせる地域社会をつくりたいから ・社会の不正を撲滅したいから |
国会議員 | ・国のために尽力したい ・有権者に訴えたい主張をもっているから |
<地方公務員>
職種 | 志望動機 |
看護師 | ・スキルや迅速な対応力を地域密着の病院で役立てたいから ・患者様の長期療養生活をサポートしたいから |
薬剤師 | ・薬が人体に及ぼす影響力について関心があったから ・人々が安心して薬を服用できるような環境づくりに努めたいから |
保健師 | ・これからの少子高齢化社会を少しでも豊かにすることに貢献したい ・こどもの頃は病気がちだったため、看護師など医療の仕事に興味を持っていたから |
消防士 | ・消防士の働く姿に魅力を感じたから ・地元に住む地域の皆さんの命を守りたいから |
市役所職員 | ・子育てしやすい環境を整えることで、長く住みたいと思われる街づくりをしたいから ・市民の声に耳を傾け安心して暮らせるようにサポートをしたいから |
まとめ
新卒で公務員になることは可能です。公務員に就職できれば安定した仕事が約束されます。公務員になるためには、学歴不問であることが多いため、誰にでもチャンスがあります。自分の努力次第で公務員になれるか決まるため、しっかりと勉学に励むことが重要です。
やりがいや向いている人、志望動機などは職種によってさまざまなので、自分が目指したい仕事が決まってから詳しく調べてください。公務員といっても幅が広いため、まずは自分に合う仕事があるか探してみましょう。