【新卒でデータサイエンティストになるための方法】仕事内容や年収、やりがいなどを解説
2023年11月18日更新
はじめに
新卒でデータサイエンティストになりたいと思っているが、仕事内容や年収、やりがいなど、具体的にどんな職種なのか気になる方も多いと思います。
データサイエンティストに就職することを考えて、本記事では新卒でデータサイエンティストになるための方法を詳しく紹介しています。企業研究をする前に、まずはその職種について深く知り、自分と合っているか検討しましょう。
データサイエンティストとは
一般社団法人 データサイエンティスト協会は、データサイエンティストを以下のように定めています。
データサイエンティスト(分析人材)とは、高度に情報化された社会において、日々複雑化及び増大化(ビッグデータ化)するデータを、利用者の利用目的に応じて情報を収集・分析する技術を有し、ビジネスにおいて実行可能な情報を作ることができる者をいう |
簡単に言えば、AIや数学などを駆使して、膨大なデータを分析する専門家のことです。
具体的な例でいえば、ネット通販などで現れるレコメンド機能です。レコメンド機能とは、消費者のデータを読み解いて「Aという商品を買った人は、Bという商品も買いやすい」といった消費者の好みを予測して提案する機能です。
このように膨大なデータの中から、有益な情報を具現化し提供する仕事です。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、AIや数式などさまざまなツールを用いて、与えられたデータを分析します。その分析結果から何をすべきか具体的なアドバイスを行い、クライアントの課題を解決したり、事業の利益に貢献したりするのが役目です。
どの業界からも需要があり、自分が分析した結果を用いて課題を解決するため、成果がわかりやすくやりがいを感じることができます。
データサイエンティストの仕事内容は大きく分けると4つの行程に分けることができます。
①分析企画
何を分析するのか、プロジェクトの立ち上げを行い、どう分析するかなど設計を組み立てていきます。
②データ収集
分析を行うためのデータを収集します。ネット通販の例で説明すると、消費者がどんな商品を買っているのか、どんな商品を閲覧しているのか、どのページに長く滞在しているのか、といったデータを収集する仕事です。
③データ解析
収集したデータを解析していきます。数値だけではわかりにくいため、グラフや表にするなどデータを可視化し、解析・評価を行います。
④業務への組み込み
解析結果から課題への解決法を具体的に提示し、業務へどう組み込むべきかを検討するのが最後の役目です。解析するだけでは意味がないので、具体的な提案ができるかがポイントです。
データサイエンティストになるには
データサイエンティストになるために必要な資格や通うべき大学、やりがいなどを見ていきましょう。
データサイエンティストに必要な資格
データサイエンティストになるために必須の資格はありません。取得しておくと役に立つ(就職に有利)になる資格は以下の通りです。
・データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、データサイエンス能力を測る検定です。データサイエンティスト協会が「データサイエンティスト検定™(DS検定™)」を2021年から開始しました。
データサイエンティストを目指している方は、最初にチャレンジして取得しておきたい資格です。
・情報技術者試験
情報技術者試験は、IT関係の中でも数少ない国家試験のひとつです。この試験は4つのレベルの試験がありますが、初心者の方は、基本情報技術者試験から取得しましょう。
基本情報技術者試験は、基礎知識が多く出題されるためIT業界の基本を学ぶことができます。そのため、データサイエンティストになろうと考えている方におすすめです。
・OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースデータベースに関する試験です。データサイエンティストとは業務の一つとして、データベースの設計・開発・運用などを行います。これらの基本的な業務をスムーズに進行するためにこの資格があると理想的です。
・統計検定
統計検定は、統計学に関する試験です。データサイエンティストは、分析能力が重要ですが、分析能力はこの統計学の知識をどれだけ保持しているかで決まります。
検定は5段階に分かれており、データサイエンティストの基礎知識は準一級です。準一級を取得するためには2級に合格している必要があるため、2級から順番に取得していきましょう。
・オラクルマスター
オラクルマスターは、オラクルデータベース管理に関する試験です。オープンソースデータベースよりもオラクルデータベースを扱っている企業が多いためおすすめです。プログラマーやエンジニアから人気のある資格です。
しかし、試験内容が難しく、勉強量を摘んでおかなければ合格することが難しくなります。
・データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースの設計・管理に関する試験です。 データベースの企画・要件定義・開発・保守といった業務を行うために必要となります。しかし、合格率は20%以下と非常に難しい国家資格です。
・G検定・E資格
G検定・E資格は、AI技術に関する試験です。G検定はAIの活用、E検定はAIの開発に関するスキルがあるか評価します。そのため、AI関係の仕事をしたい方におすすめです。
データサイエンティストが通うべき学校
必須の学歴はないため、かならずこの大学に通うべき、というものはありません。大手企業などは特に「大学卒」を募集条件にしていることもあるので、「大学・大学院」は卒業していることが望ましいです。
大学の中でも、とくに理学部・工学部・情報学部のデータ解析やコンピューターサイエンスなどを学べる学科がおすすめです。近年では「データサイエンティスト学部」を設置している大学も増えてきたので、データサイエンティストを目指す方は探してみましょう。
大学ではなく専門学科でプログラミングなどを学ぶこともおすすめです。専門学科の方が専門知識に特化しているので、より即戦力としてアピールすることができます。
応募する企業が「大学卒」を条件としていることが多いため、専門学科では募集できない可能性もあるので注意しましょう。
データサイエンティストに向いている人
情報収集やデータの分析に興味がある人は、データサイエンティストに向いています。データサイエンティストは、情報を収集し分析するのが仕事です。しかし、ただ情報を集めるだけではなく、集めた情報をもとにビジネスにどう貢献できるかを考えなくてはいけません。
そのため、広く柔軟な視点を持ち、情報を分析できる人が向いています。また忍耐力のある方も向いています。データの分析はかならず一回で終わるとは限りません。同じような内容を何回も繰り返して分析することもあります。
地道な作業を繰り返す行うこともあるので、忍耐力があり、縁の下の力持ちでも苦にならない方におすすめです。
データサイエンティストの魅力・やりがい
データサイエンティストは、さまざまな業種から需要のある仕事です。多くの人から求められている、という実感を持って働くことができるのは魅力のひとつです。
自分が分析から導き出した提案により、企業の経営や売り上げに大きな影響力をもたらすため、達成感をもって働くことができます。特に難しい課題を時間をかけて解決したときに得られる達成感や、周りからの評価は大きいでしょう。
自分が出した結果によって大きな変化をもたらすことができるのが、やりがいです。
データサイエンティストの1日のスケジュール
データサイエンティストは、一日のほとんどがミーティングやデスクワークです。
時刻 | 仕事内容 |
9:00 | 出社 メールのチェック 朝礼 |
10:00 | 案件の進捗状況の確認 |
11:00 | データ分析 |
12:00 | お昼休憩 |
13:00 | データ分析 |
14:00 | データ分析 |
15:00 | データ分析 |
16:00 | 社外担当者と打ち合わせ ミーティング |
17:00 | 他部門とのミーティング |
18:00 | タスクの整理・退社 |
データサイエンティストの求人について
データサイエンティストの求人について紹介します。
データサイエンティストの新卒採用について
データサイエンティストの新卒採用は、大手企業などで行われていることが多いです。どの業界からも需要があるので、IT業界はもちろん、ゲーム業界、Web業界、金融業界、広告業界、ヘルスケア業界、アパレル業界など幅広いです。
データサイエンティストは人手不足であり、これからも需要が高いため、新卒でデータサイエンティストになることは可能です。この先、求人も増えてくる傾向にあるため、チャンスは訪れるでしょう。
データサイエンティストという職種で応募していなくても、業務内容は同じであることもあるので、求人を見る際は、名前だけでなく業務内容までチェックしましょう。
近年では、データサイエンティストになるために特化した「データサイエンティスト学部」も増えています。
例えば、滋賀大学、横浜市立大学、武蔵野大学、立正大学、一橋大学、名古屋市立大学、京都女子大学、大阪成蹊大学といった大学が設置しているので、興味がある方は参考にしてください。
データサイエンティストの平均年収
データサイエンティストの平均年収は、600万円以上であることが多く、キャリアを積めば年収1,000万円以上の方もいます。日本の平均年収が443万であるため、データサイエンティストの平均年収は高いです。
またデータサイエンティストは、個々の能力や実務経験が給料に影響されやすいため、
経験年数を重ねたベテランになるほど年収が高くなります。
データサイエンティストとして活躍する方の多くが、大手企業に属しているため、福利厚生やボーナスが充実していることが多いです。将来的にも安定した収入が見込めるため、学生時代のうちから、資格や能力、スキルを身につけておけば高収入も狙えます。
データサイエンティストの就職先
データサイエンティストはどこでも活躍することができます。IT業界はもちろん、ゲーム業界、金融業界、アパレル業界など、どの業界からも需要があるので就職先としてはさまざまです。
就職先によって業務内容や仕事の進め方が異なるので注意しましょう。例えば、プログラミング言語をや統計ソフトを用いて解析業務を中心に行うこともあれば、データ解析から課題解決へのアプローチやマーケティング活動を行う場合もあります。
そのため自分の持っているスキルが活かせる職場であるか、しっかりと企業研究を行ってから就職先を選びましょう。
データサイエンティストの志望動機や目指すきっかけ
データサイエンティストを目指すきっかけとして多い事例は以下の通りです。
・ITやビジネスに興味があった ・データ分析が好き ・大学で専攻していた ・ビッグデータに魅力を感じていた ・自分の成果がわかりやすいから |
もともと分析やデータが好きで大学で専攻していた、という理由が多いです。志望動機を作る際は、「なぜこの業界なのか」「なぜこの企業なのか」という2点を特に大切にして作成しましょう。そのためにも自己分析や企業研究は重要です。
まずは、本記事でデータサイエンティストとはどういったものなのかを知ってから、自己分析や企業研究を行いましょう。
まとめ
新卒でもデータサイエンティストになることは可能です。とくに大手企業はデータサイエンティストの採用にも力を入れ始めているので、安定した環境・給与・福利厚生などが見込めます。
全くの未経験者でもデータサイエンティストになることは可能ですが、多くの就活生が大学で専攻している、資格を取得していることが多いため、スキルや知識を身につけておくことが大切です。
とくにデータサイエンティストは、スキルや知識によって待遇が異なることが多いため、事前準備をしっかり行ってから就職活動に励みましょう。