【業界研究】リフォーム業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?
2023年11月18日更新
はじめに
就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。
そこで、ここではリフォーム業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。リフォーム業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。
リフォーム業界とは?
リフォーム業界とは、老朽化した住宅を新築のように回復させるための改修工事・改築する工事を請け負う業界のことで、不動産業界よりも建設業界に近い位置づけになります。
リフォーム業界の市場規模は、令和4年で約11.5兆円と市場規模が大きな業界で、国や地方自治体の優遇税制・補助金事業の後押しもあり、新築住宅に比べて堅調な受注を維持しています。
新規参入した家電量販店の売上も成長しており、今後も市場拡大が期待できる業界といえます。
リフォーム業界の種類
リフォーム業界は、これまでは建設関連企業がリフォームを扱う場合がほとんどでしたが、近年異業種参入が増加しています。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。
種類①大手ハウスメーカー
大手ハウスメーカーは積水ハウス、大和ハウス工業、積水化学工業、トヨタホームなどの企業が該当します。大手ハウスメーカーの特徴は下記のとおりです。
- 業界最大手であり、ノウハウと実績から安心感がある
- 大規模リノベーションも対応
- 自社に建築デザイナーが多く在籍している
- 支店が全国にあり、工事費は高め
また、就職活動においては下記のようなものがポイントになります。
- 業界のトップランナーとして活躍したい人
- 幅広い商品・サービスを扱い、多くの顧客に接したい人
- 全国に活躍の場を広げたい人
種類②大手不動産会社
大手不動産会社は住友不動産、三井不動産、東急Re・デザインなどの企業が該当します。大手不動産会社の特徴は下記のとおりです。
- 空き家再利用や中古物件販売促進している
- リノベ物件と呼ばれる物件を扱う
- 市場拡大が期待されている
就職活動のポイントとしては下記のようなものが挙げられます。
- 社会問題に興味がある人
- 不動産業界に興味がある人
種類③リフォーム専門会社
リフォーム専門会社はニッカホーム、ライフワン、フレッシュハウス、アートリフォーム、リノベる、ナサホームなどの企業が該当します。リフォーム専門会社の特徴は下記のとおりです。
- 元々の得意分野を活かして工務店や設備メーカーが立ち上げた会社が多い
- 工事の完成までが比較的早く、アフターサービスがしっかりしている
- 地域密着型の営業を行っている企業もある
- オンラインサイトから注文できる企業もある
就職活動のポイントには下記のようなものがあります。
- 回転率が高い中小企業で活躍したい人
- 独自の強みや特徴を持つ商品・サービスを世の中に広めたい人
- 地域に貢献したい人
種類④家電量販店・ホームセンター
家電量販店・ホームセンターはヤマダデンキ、エディオン、ジョイフル本田、コメリなどの企業が該当します。家電量販店・ホームセンターの特徴は下記のとおりです。
- 物販も同時に注文することで割引やすい
- 家具や家電などの商品と合わせたリフォーム
- 完成したイメージが想像しやすい
就職活動のポイントには下記のようなものがあります。
- 新しいことに挑戦したい人
- 裁量権を持って仕事に取り組みたい人
- 小売業にも興味がある人
種類⑤設備工事会社
設備工事会社はオンテックス、JAPAN HOME WAND、キンライサーなどの企業が該当します。設備工事会社の特徴は下記のとおりです。
- 設備ごとの得意分野で確かな技術を持っている
- 細かなところへの気配りも期待できる
- フルリノベーションには対応していない場合が多い
就職活動のポイントには下記のようなものがあります。
- 専門性の高い事業に興味がある人
- 新しいことに挑戦したい人
- 裁量権を持って仕事に取り組みたい人
種類⑥工務店
工務店は、飯田グループホールディングス、ポラスグループなどの企業が該当します。工務店の特徴は下記のとおりです。
- 新築がメイン事業で、リフォーム対応グループ会社と提携している
- 地域密着で細かな気配りも期待できる
- フルリノベーションには対応していない場合がある
就職活動のポイントには下記のようなものがあります。
- 地域密着型の事業に興味がある人
- 新築事業にも興味がある人
- 裁量権を持って仕事に取り組みたい人
リフォーム業界の主な業務内容
リフォーム業界の主な職種と業務内容は下記のとおりです。
業務内容①営業職
顧客に契約を勧め、手続きを行う仕事です。顧客のニーズをヒアリングし、課題を解決する最適な商品を提案します。コミュニケーション能力とリフォームに対する知識が必要です。
海外営業部もこちらに含まれます。
業務内容②技術職
技術職は設計・提案、工事の見積、スケジュール管理を行う仕事です。工事店や営業職、及び仕入れ先とのコミュニケーションを行い、顧客のニーズに合わせた技術的サポートをします。商品は企業それぞれに特徴があるため、志望先の特徴は必ず確認しておきましょう。
業務内容③総務職
総務職は契約書や支払い管理等の事務処理や、顧客からの問い合わせ対応などの業務を行います。法令関係、勤怠経費の管理などの業務も行います。カスタマーサービス部門、広報部門、国際部門、IT部門もこちらに含む場合もあります。
業務内容④IT戦略・DX推進職
ITシステムの企画・開発・運用やICTの推進を行う仕事です。顧客の利便性を向上させるためのITシステムの導入や、業務効率化のための社内ITシステムの改善、ICT人材の育成などを行います。IT人材は採用形態が分けられていることもあるため、ITに携わりたいのであれば必ず確認しておきましょう。
リフォーム業界のメリット・デメリット
リフォーム業界のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。メリット・デメリットがどのくらい大きいのかを考えていきましょう。
メリット①成長業界で安定した収入が可能
リフォーム業界は、昨今の税制優遇と補助金制度など国や地方自治体による後ろ盾もあり、今後も成長が予想される業界です。
また、大手ハウスメーカーは年収も高く、頑張り次第で安定した高収入が得られるのも魅力です。
メリット②お客様に直接感謝され、社会貢献事業にも携われる
リフォーム業界では、公営住宅や古民家を企画や施工を通して再び蘇らせるなど、地域活性化や社会課題の解決事業に携わることができ、お客様から直接感謝されることや大きなやりがいになります。社会や人の役に立ちたい人には、魅力的な業界です。
メリット③自分のアイデアを提案できる
リフォーム業界では、お客様の悩みを解決するために様々な角度から最適な提案をする必要があります。自分のアイデアを提案する仕事をしたい人にはやりがいのある職場です。大手ハウスメーカーなどでは、活躍の場を海外に広げることも可能です。
デメリット①悪徳業者が絶えない
以前、悪質なリフォーム工事や業者が横行し、社会問題となりました。現在でも悪徳業者の被害はあり、業界全体に悪い印象を与えています。そういった会社に入社しないように、業界・企業研究は入念にリサーチしましょう。
デメリット②技術職は人手不足
リフォーム業界は、市場規模は拡大の一途をたどっているものの職人が技術を身に着けるまで時間がかかるため、20代〜30代の職人が少ないという慢性的な人手不足に陥っています。そのため、このまま人手不足が続くと受注に制限がでて、収益に大きな影響を及ぼすと予想されています。
デメリット③営業職で土日出勤・残業の多い会社もある
リフォーム業界及び建設業界は、昔、ブラック企業の多い業界といわれていましたが、働き方改革以降はそのイメージを払拭しようとしている会社も多いです。ただ、まだ営業職で土日出勤や残業が多い会社もあります。そういった会社は高収入にはなりますが、ワークライフバランスを重視する人などは、業界・企業研究は入念にリサーチしましょう。
リフォーム業界に向いている人・求められるスキル
リフォーム業界には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方がリフォーム業界に向いています。
- コミュニケーション能力
- 営業力
- 提案力
- 分析力
- ITスキル
- チームワーク力
- 顧客目線
- 責任感
リフォーム業界への就活に活かせる資格
リフォーム業界において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。
・収納関連
・リフォームの王道
・外まわりの知識
・診断や点検
・インテリア
・差別化
・営業スキルUP
・専門性
時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。
リフォーム業界の大手企業5選
リフォーム業界の大手企業には下記のような企業があります。もちろん、これら以外にも多数の企業があるため、ぜひお調べください。
会社名 | 売上高 (億円) | 平均 年収 (万円) | 企業理念 | 社風 |
積水ハウス | 1,659 | 834 | 1.人間愛 … 私たちの根本哲学 2.真実・信頼 … 私たちの基本姿勢 3.最高の品質と技術 … 私たちの目標 4.人間性豊かな住まいと環境の創造 … 私たちの事業の意義 | ・堅実で安定した社風 ・体育会系 ・若手社員の教育に力を入れている |
大和ハウス | 1,548 | 928 | 一、事業を通じて人を育てること 一、企業の前進は先づ従業員の生活環境の確立に直結すること 一、近代化設備と良心的にして誠意にもとづく労働の生んだ商品は社会全般に貢献すること 一、我々の企業は我々役職員全員の一糸乱れざる団結とたゆまざる努力によってのみ発展すること 一、我々は、相互に信頼し協力すると共に常に深き反省と責任を重んじ積極的相互批判を通じて生々発展への大道を邁往すること | ・堅実で安定した社風 ・体育会系 ・ダイナミックな仕事ができる会社 |
住友不動産 | 1,167 | 632 | 「信用を重んじ、浮利を追わず」 スローガン「信用と創造」 使命「より良い社会資産を創造し、それを後世に残していく」 | ・・社員の教育に力を入れている ・・社員の健康を大事にしている ・ ・・ライフステージに合わせた働き方ができる |
積水化学工業 | 973 | 897 | 社是「3S精神(Service, Speed, Superiority)」 スローガン「世界にまた新しい世界を。」 | ・社員の成長を支援する ・社員の教育に力を入れている ・体育会系 |
ヤマダホールディングス | 836 | 542 | 「創造と挑戦」「感謝と信頼」で強い企業を目指し、社員総意で企業価値を高め社会に貢献する。 | ・信用第一主義 ・若手にも裁量権の大きな仕事を任せる ・社員の教育に力を入れている |
下記の会社については詳しい解説記事があるため、こちらもぜひご確認ください。
【企業研究】積水ハウスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
【企業研究】大和ハウスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
リフォーム業界への就活を成功させるためには
まずは、就活に関する基本的なことはリフォーム業界でも他の業界でもおこなうことが重要です。ESのブラッシュアップ、面接対策は必ず徹底的におこないましょう。そのうえで、リフォーム業界への就活を成功させるためには下記のような書籍がおすすめです。
図解入門業界研究最新住宅リフォーム業界の動向とカラクリがよ~くわかる本
また、リフォーム業界に属する企業のインターンシップに積極的に参加することもおすすめいたします。実際の業務内容を知っておくことで面接やESで説得力を持たせることができます。
志望動機を作る上で大切なポイントが3つあります。
それぞれの特徴とリフォーム業界でよくある志望動機を見ていきましょう。
1.なぜリフォーム業界なのか
大切なポイントは、新築でなくなぜリフォーム業界を選んだのかということを明確にすることです。その理由なら新築でもいい、と思われない理由が必要です。
2.なぜその企業なのか
リフォーム業界には大手ハウスメーカー、リフォーム専門会社、家電量販店などさまざまな企業がありますが、企業の姿勢やビジョンを理解した上で、自身の経験やスキルを絡めて会社の事業に貢献できると訴求することが重要です。
3.リフォーム業界によくある志望動機
よくある志望動機は以下の通りです。
・空き家や古民家を次の世代にも残す仕事がしたい
・チームワークやコミュニケーション能力が高いから
・仕事に対しての責任感があるから
企業が知りたいのは、あなたがした失敗をどのような過程で克服したかです。つまり、自分の頭で考え、問題解決できるかということです。そこから、厳しい環境でも努力できる人材かどうかを見ます。この点を意識して、志望動機をまとめてみましょう。
まとめ
今回はリフォーム業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。