【業界研究】クレジットカード会社について徹底解説!特徴や向き不向きは?
2023年10月29日更新
はじめに
就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。
そこで、ここではクレジットカード会社業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。クレジットカード会社業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。
クレジットカード会社業界とは?
クレジットカードの発行や加盟店の開拓、決済処理などを行う業界です。日本では、1950年代にクレジットカードが導入され、1970年代以降に急速に普及しました。2022年のクレジットカードの取扱高は、約63兆円に達しています。
クレジットカード業界は、以下の3つのタイプに分けられます。
- 国内銀行系:三井住友カードや三菱UFJニコスなど
- 独立系:JCBやクレディセゾンなど
- 流通系:楽天カードやイオンフィナンシャルサービスなど
国内銀行系のカード会社は銀行の子会社として設立されたカード会社です。信頼性や安定性を重視しており、幅広い層の顧客をターゲットにしています。
独立系のカード会社は銀行や流通業などの関連企業を持たないカード会社です。新たなサービスや商品の開発に積極的で若手社員の活躍が目立つ傾向があります。
流通系のカード会社は流通業と提携して発行されたカード会社です。流通業の顧客をメインターゲットにしており、ポイントや割引などの特典を充実させています。
また、タイプに関わらずIT導入が盛んであることも特徴的です。デジタル人材を独立して採用している場合もあります。
クレジットカード会社業界の主な業務内容
クレジットカード会社業界の主な業務内容は下記のとおりです。
業務内容①営業
クレジットカード会社にとって新たな顧客の獲得は重要な業務です。営業部門では新規の顧客を獲得するために、テレマーケティングや対面営業などの方法でアプローチを行います。また、既存の顧客に対しては、アップセルやクロスセルなどの提案をおこない、利用を促進します。
業務内容②企画
クレジットカードでは新しいカードの開発や既存カードの改良などさまざまな企画が行われています。企画部門では、市場調査や顧客ニーズを調査して、新たな商品やサービスの企画を行います。また、既存商品やサービスの改良や改善なども行います。
業務内容③債権管理
顧客から利用代金を立て替えて支払うため、債権管理は重要な業務です。債権管理部門では利用代金の回収や未払いに対する督促などを行い、債権の回収率を高めるために努めます。また、不正利用の防止や対策なども行います。
業務内容④システム
クレジットカードの決済処理や顧客管理、マーケティングなどの業務をシステムで支援しています。システム部門ではこれらのシステムの開発や運用を行い、業務の効率化や顧客サービスの向上に努めます。
業務内容⑤カスタマーサービス
顧客からの問い合わせやクレームに対応するカスタマーサービス部門があります。カスタマーサービス部門では顧客の疑問や要望に丁寧に応答し、顧客満足度の向上に努めます。
クレジットカード会社業界のメリット・デメリット
クレジットカード会社業界のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。メリット・デメリットがどのくらい大きいのかを考えていきましょう。
メリット①成長産業である
電子決済は世界中で進んでおり、電子決済の1つであるクレジットカード業界は成長している業界です。日本においては政府が電子決済を勧めていることなどもあり、今後も普及は進んでいくと予想されます。
メリット②男女問わず働きやすい会社が多い
クレジットカード会社は大手企業であることが多く、福利厚生が充実していることが多いです。そして、福利厚生には産休などがあるため、女性の方でも働きやすい環境であることが多くなっています。
メリット③新規参入が少ない
クレジットカード会社は誰にでも設立できるわけではありません。実は賃金業登録をしないと業務がおこなえず、新規参入しようとすると大きな壁になります。そこから競合他社が生まれにくく、競争の激化が起きにくいです。
デメリット①就活生からの人気が高く、内定獲得が難しい
上記のようなメリットがクレジットカード会社にはあるため、内定獲得がなかなか難しいです。実際に下記の記事のようにクレジットカード会社は就職偏差値が高い企業が多くなっています。クレジットカード会社を目指す場合はしっかりと対策をしていきましょう。
【業界研究】カード会社への就職は難しい?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説
デメリット②責任感が大きな業務が多い
クレジットカード会社はお客さんのお金を取り扱っています。そのため、業務1つ1つに重い責任感が乗ってきます。責任感を負うことが苦手なのであれば辛く感じてしまうかもしれません。今まで責任感があった取り組みを振り返り、その際にどのような気持であったのかを確認してみましょう。
クレジットカード会社業界に向いている人・求められるスキル
クレジットカード会社業界には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方がクレジットカード会社業界に向いています。
- 金融・会計に関する知識
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 責任感
クレジットカード会社業界への就活に活かせる資格
クレジットカード会社業界において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。
- クレジット債権管理士
- クレカウンセラー
- MOS検定
- セールススキル検定
時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。
クレジットカード会社業界の大手企業6選
クレジットカード業界の大手企業には下記のような企業があります。もちろん、これら以外にも多数の企業があるため、ぜひお調べください。
会社名 | 売上高 | 平均年収 (万円) | 企業理念 | 社風 |
三菱UFJニコス | 16兆7,218億円 | 703 | 世界が進むチカラになる。 | 堅実で安定志向 |
三井住友カード | 47兆2374億円 | 1,142 | ・お客様に、より一層価値のあるサービスを提供し、お客さまと共に発展する ・事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る ・勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る ・社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する | 国内銀行系の中では比較的自由度が高い |
イオンフィナンシャルサービス | 4,706億円 | 802 | 金融サービスを通じ、お客さまの未来と信用を活かす生活応援企業 | 顧客志向やスピード感を重視 |
楽天カード | 2,943億 | 779 | 金融サービスをより便利で使いやすく、 身近な存在にする | チャレンジ精神や柔軟性が高い |
JCB | 8,725億円 | 711 | 世界にひとつ。あなたにひとつ。 | チャレンジ精神や柔軟性が高いものが多いです。新しいことに積極的に挑戦する姿勢が見られる |
クレディセゾン | 7.7兆円 | 519 | 私たちは、サービス先端企業として 「顧客満足主義の実践」「取引先との相互利益の尊重」「創造的革新の社風創り」の 3点を共通の価値観として浸透させ競争に打ち勝ち お客様、株主の皆様、そしてすべての取引先の皆様の 期待に添うようにチャレンジを続け、社会的責任を果たしてまいります。 | 社内コミュニケーションが活発 |
なお、米国企業も含めると下記のようになります。
- VISA:売上高1247兆円
- Master Card:売上高695兆円
- AMERICAN EXPRESS:売上高133兆円
- Discover Financial Service:-
- JCB:売上高35兆円
これらだけで世界のクレジットカードシェアの7割を占めています。大手企業を目指す場合は世界に目を向けることも必要です。
さらに、日本のクレジットカード会社において売上高でなく利益率について確認すると下記のようになります。
- 日産フィナンシャルサービス:46.8%
- ホンダファイナンス:15.6%
- ポケットカード:14.3%
- クレディセゾン:13.5%
- トヨタファイナンス:13.1%
クレジットカード会社業界への就活を成功させるためには
まずは、就活に関する基本的なことはクレジットカード会社業界でも他の業界でもおこなうことが重要です。ESのブラッシュアップ、面接対策は必ず徹底的におこないましょう。そのうえで、クレジットカード会社業界への就活を成功させるためには下記のような書籍がおすすめです。
クレジットのすべてがわかる! 図解 カードビジネスの実務<第2版>
図解入門業界研究 最新クレジット/ローン業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第6版]
また、クレジットカード業界に属する企業のインターンシップに積極的に参加することもおすすめいたします。実際の業務内容を知っておくことで面接やESで説得力を持たせることができます。
関連業界
就活を成功させるためには複数の業界を見ていくことが重要です。クレジットカード会社に関連する業界としては下記のようなものがあります。クレジットカード会社は就職偏差値が高いため、下記の業界も見ておくようにしておきましょう。
- 銀行
- 証券
- 損害保険
- 生命保険
- 信用金庫
まとめ
今回はクレジットカード会社業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。