【業界研究】戸建住宅業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?

【業界研究】戸建住宅業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?

2023年10月26日更新

はじめに

就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。

 

そこで、ここでは戸建住宅業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。戸建住宅業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。

戸建住宅業界とは?

戸建住宅業界とは住宅業界のなかでも主に一戸建ての建築販売をおこなう住宅メーカーのことを指します。企業によっては大規模な集合住宅を建設する場合もありますが、多くの場合は顧客の要望に合わせて一から設計をしていきます。

 

戸建住宅業界を含んだハウスメーカーの市場規模は3兆7,341億円となっています。AI予測によると、今後5年間で15.03%成長し4兆2,953億円に達すると予測されており、今後も伸びる可能性が高い業界です。

 

XENO BRAIN 市場規模 5年間の推移予測 ハウスメーカー

 

建設・不動産・住宅業界全体での平均年収は442万円となっています。企画関連は611万円、海外関連は597万円、管理部門は478万円と職種によってかなり差があるようです。

 

パソナキャリア 建設・不動産・住宅業界の職種別年収

戸建住宅業界の種類

一口に戸建住宅業界といっても複数の種類があります。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。

種類①ゼネコン

ゼネコンとは総合建設業の略称であり、設計・施工・管理を一括して行う建設業者のことです。ゼネコンは大型の建築物や土木構造物の建設に携わることが多く、日本の経済や社会を支える重要な役割を担っています。

 

ゼネコンの業務は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

 

  • 設計:建物の形状や構造、設備などを設計する。
  • 施工:設計図面に基づいて建物を建設する。
  • 管理:工事の安全・品質・コストを管理する。

 

ゼネコンは上記の業務を自社で行う場合と専門の下請け業者に委託する場合とがあります。

 

ゼネコンの特徴は、以下の3つが挙げられます。

 

  • 大規模なプロジェクトを請け負う
  • さまざまな技術や知識を有する
  • グローバルに展開している

種類②ハウスメーカー

ハウスメーカーは住宅の設計・施工・販売を一括して行う企業のことです。ハウスメーカーは主に注文住宅を販売しており、顧客の希望や要望に合わせて自由に住宅を設計・施工することができます。

 

ハウスメーカーの特徴は、以下の3つが挙げられます。

 

  • 豊富な商品ラインナップ
  • 高品質な住宅
  • 充実したアフターサービス

 

ハウスメーカーはさまざまなデザインや間取りの住宅を用意しており、顧客のニーズに応えることができます。また、ハウスメーカーは自社で住宅を製造・販売しているため、品質の高い住宅を提供することが可能です。さらに、ハウスメーカーは定期的なメンテナンスや修繕などのアフターサービスを提供しています。

種類③工務店

工務店とは住宅の設計・施工を専門とする企業のことです。工務店は一般的に地域に密着しており、顧客のニーズや要望をより細かく把握することができます。

 

工務店の特徴は、以下の3つが挙げられます。

 

  • 自由度の高い設計・施工
  • 地域密着型の対応
  • コストパフォーマンス

 

工務店は顧客の希望や要望を最大限に反映した住宅を設計・施工することができます。また、工務店は地域に密着しているため、地元の風土や気候に合わせた住宅を建てることが可能です。さらに、工務店はゼネコンやハウスメーカーと比べて、コストパフォーマンスに優れている傾向があります。

種類④設計事務所

設計事務所とは住宅や建築物の設計を専門とする企業のことです。設計事務所は顧客のニーズや要望を丁寧にヒアリングし、最適なプランを提案します。

 

設計事務所の特徴は、以下の3つが挙げられます。

 

  • 自由度の高い設計
  • 専門的な知識や技術
  • デザイン性

 

設計事務所は顧客の希望や要望を最大限に反映したオリジナリティあふれる住宅を設計することができます。また、設計事務所は建築やデザインに関する専門的な知識や技術を有しています。このように「デザイン性」に特化していることが特徴的です。

種類⑤施工管理

施工管理とは建設工事の工程や品質、安全を管理する業務のことです。施工管理は建築や土木の工事において欠かせない重要な業務です。

 

施工管理の特徴は、以下の3つが挙げられます。

 

  • 工事の円滑な進行
  • 品質の確保
  • 安全の確保

 

施工管理では工事の工程を計画し、工事が予定通りに進むように管理します。また、施工管理は工事の品質をチェックし、仕上がりに問題がないようにすることも重要な業務です。さらに、施工管理は工事の安全を第一に考え、事故防止に努めます。

種類⑤総合デベロッパー

総合デベロッパーとは不動産開発を総合的に行う企業のことです。総合デベロッパーは土地の取得から開発・販売までを一貫して行うことができます。

 

総合デベロッパーの特徴は、以下の3つが挙げられます。

 

  • 豊富な開発実績
  • 高いマーケティング力
  • 多様な商品ラインナップ

 

総合デベロッパーは豊富な開発実績を有していることが多く、高いマーケティング力で顧客のニーズに応える商品を提供することができます。また、総合デベロッパーはマンションや戸建て、商業施設など、多様な商品ラインナップを展開していることも特徴的です。

戸建住宅業界の主な業務内容

戸建て住宅業界の主な業務内容は下記のとおりです。

業務内容①土地の取得

戸建住宅を建てるためには、まず土地を取得する必要があります。土地の取得は不動産会社や個人からおこなっていきます。デベロッパーが本業務を担っていることが多いです。

業務内容②設計・施工

土地を取得したら設計・施工の段階に入ります。設計では住宅の形状や構造、設備など詳細部を決めていきます。近年の設計はCADなどで作成することが多く、そのようなツールに長けていることが必要です。

 

施工では設計図面に基づいて住宅を建てます。また、企業によっては直接的な施工は下請け企業がおこない、施工管理のみをおこなうことも多いです。

業務内容③販売

住宅が完成したら販売をおこないます。販売は自社で行う場合と不動産会社に委託する場合とがあります。自社で販売を進めていく場合はマーケティングなどに関するスキルが必要です。

業務内容④アフターサービス

住宅が引き渡された後もアフターサービスを提供します。アフターサービスでは定期的なメンテナンスや修繕などを行い、住宅の長寿命化を図ります。また、顧客からの意見を伺い、改善することも業務の1つです。

戸建住宅業界のメリット・デメリット

戸建て住宅業界のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。

メリット①やりがいがある

戸建住宅は顧客の夢を叶える仕事です。そこに一生住む人も少なくありません。そのため、顧客の要望をヒアリングし、理想の住まいを実現することは大きなやりがいとなります。また、住宅の設計・施工を通じて、社会に貢献できることも大きな魅力です。

メリット②成長機会が多い

戸建業界は住宅に関する知識や技術を身につけることができます。住宅は法律が絡むことも少なくないため、法的な知識が付くこともメリットです。また、営業や設計、施工など、さまざまな業務を経験する機会が多いことから、幅広いスキルを身につけることができます。

メリット③安定性が高い

戸建業界は住宅という生活必需品を提供する業界です。賃貸派や持家派などはありますが、需要が急激に無くなる可能性は非常に少ないでしょう。そのため、景気変動の影響を受けにくく、安定した就業環境が整っています。

デメリット①残業が比較的多い

戸建住宅は販売や施工のスケジュールがタイトなため、残業が発生しやすい傾向があります。特に、繁忙期には連日残業となることも少なくありません。しかし、業界のイメージや動向を変えていこうといった動きも見られ、徐々に改善されつつあります。

デメリット②ノルマが課せられている場合がある

営業職の場合、ほとんどの企業で売上ノルマを達成する必要があります。ノルマを達成するためには積極的に営業活動を行う必要があるため、精神的な負担が大きい場合があります。しかし、ほとんどの場合はインセンティブが用意されているため、実力で収入を上げていきたいといった方には向いています。

戸建住宅業界に向いている人・求められるスキル

戸建住宅業界には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方が戸建住宅業界に向いています。

 

  • コミュニケーション能力
  • 提案力
  • 営業力
  • チームワーク
  • 体力

戸建住宅業界への就活に活かせる資格

戸建住宅業界において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。

 

  • 宅地建物取引主任者(宅建)
  • ファイナンシャル・プランニング
  • インテリアコーディネーター
  • 福祉住環境コーディネーター
  • 色彩能力検定
  • CAD利用技術者検定2級

 

時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。

戸建住宅業界の大手企業5選

戸建住宅業界の大手企業には下記のような企業があります。

 

会社名売上高平均年収企業理念社風
大和ハウス工業4兆9081億円884万円私たちは、「人・街・暮らしの価値共創グループ」として、お客様と共に 新たな価値を創り、活かし、高め、人が心豊かに生きる社会の実現を目指します。挑戦と創造を重視
積水ハウス2兆9288億3500万円799万円積水ハウスグループでは「人間愛」を根本哲学とする企業理念を制定しています。「人間愛」とは、「相手の幸せを願い、その喜びを我が喜びとする奉仕の心を以って何事も誠実に実践する」ことで、全従業員での討議を経て1989年に制定しました。誠実と責任を重視
住友林業1兆3,859億3,000万円898万円住友林業グループは、公正、信用を重視し社会を利するという「住友の事業精神」に基づき、人と地球環境にやさしい「木」を活かし、人々の生活に関するあらゆるサービスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。森林の恵みを活かすを重視
積水化学工業1兆4100億円897積水化学グループが関わる多様なステークホルダーの期待に応え、事業を通じて社会へ貢献することを、社是「3S精神(Service、Speed、Superiority)」として掲げています。社員の挑戦と成長を重視
オープンハウス9526億8600万円697万円・「お客さまが求める住まい」を愚直に追求し続けます。

・やる気のある人を広く受け入れ、結果に報いる組織を作ります。

・業績をあげ規模を拡大し、社会に必要とされる不動産会社となります。

スピードと革新を重視

 

下記の会社については詳しい解説記事があるため、こちらもぜひご確認ください。

 

【企業研究】大和ハウスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】積水ハウスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】住友林業の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】積水化学の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

 

まとめ

今回は戸建住宅業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。

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