NTTグループにおけるヒエラルキーTOP10!新卒選考の傾向や社風も紹介
2024年8月15日更新
この記事の監修者
奥田恵(キャリアアドバイザー)
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
新卒から営業職で活躍し、全国1位の成績を収めた。その後、さらなる成長と挑戦を求めて現在はナイモノのキャリアアドバイザーに転身。年間で500人以上の学生の就職支援に携わり、人材・不動産・営業など幅広い業界への支援実績を持つ。一人一人の学生に真摯に向き合い、早期の内定獲得と充実した就職活動の提供に尽力している。
はじめに
日本最大規模を誇る企業集団・NTTグループの中には、さまざまな企業が存在します。そしてグループ内の企業同士のヒエラルキーもあります。ヒエラルキーで上位に位置する会社はどこなのか、自分が志望したいと考えている会社はヒエラルキーにおいてどこに位置するのか、理解しておけば就職活動に役立つでしょう。
そこで本記事では、NTTグループの概要や事業内容とともに、グループ内の主なヒエラルキーを解説します。ヒエラルキー上位と考えられる主要企業が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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NTTグループとは
NTTグループは、国内最大の通信事業グループです。国内外合わせて900社以上の企業で形成されており、各業界を通しての企業集団の規模としても最大級を誇っています。元々は日本電話電信公社という国営の機関でしたが、1985年に民営化されNTTが発足しました。その後グループの規模を拡大し、再編なども経て現在の形に至っています。メイン事業である通信関連の他、近年は不動産やコンサルティングなど幅広い分野の事業を多角的に展開中です。
NTTグループの事業内容
続いて、NTTグループの事業内容を見ていきましょう。NTTグループでは、次の4つのセグメントを設定し、各セグメントを主要企業がそれぞれ担当する構成がなされています。
総合ICT事業
携帯電話・国内電気通信における県間通信・国際通信・ソリューション・システム開発など、さまざまな通信事業をトータルで担う事業分野です。NTTの最も主要な事業と言えます。ネットワークシステムの変化などにより、事業の再編や事業を担当する会社のグループ再編など、柔軟に形を変えながら常に最先端で事業を展開しています。
グループ内でこの事業分野を牽引する主要企業はNTTドコモです。また、ドコモグループ内に位置するNTTコミュニケーションズ・NTTコムウェアなども、この事業を大きく支えている企業です。総合ICT事業の2022年度営業収益は、グループ全体の4割にあたる6兆590億円にのぼります。
地域通信事業
国内電気通信・県内通信サービスなどを担う事業分野です。固定電話サービスや光サービスなどはこの事業で行っています。地域に根付いた事業で、地域の活性化や経済発展への寄与も意識しています。グループ内で地域通信事業を担う主要企業は、NTT東日本・NTT西日本です。2022年度の営業収益は約2割の3兆1,776億円で、規模としては総合ICTに次ぐと考えられています。
グローバル・ソリューション事業
コンサルティング・システム開発・クラウドサービス・データ管理などを担う事業です。こちらも業界の成長が著しいこと、海外市場の動向が変化しやすいことなどから、サービスの拡大や強化が行われています。グローバル・ソリューション事業を主に担当する主要企業は、NTTデータなどです。2022年度の営業収益は全体の3割近くを占める4兆917億円でした。需要が高まり続けている分野でもあり、収益の伸び率が大きくなっています。
その他
不動産やエネルギー関連など、上記のいずれにも属さない分野の事業がここに分類されています。NTTグループは通信やICTに関わる事業だけでなく、幅広い種類の事業を手がけ、巨大グループならではの総合力などを活かしながら街づくりに注力しています。このその他事業を担当している主要な企業は、NTTアーバンソリューションズやNTTアノードエナジーなどです。2022年度の営業収益は全体の約1割の1兆8,070億円、注目を集めている分野もあり、営業収益の伸び率が大きくなっています。
参考:NTT 事業案内
NTTグループ内のヒエラルキーと主な系列会社
それでは、事業規模や事業内容、就職偏差値などで考える総合的なヒエラルキー順に、上位から主要な10社の概要を解説します。
(1)NTT
NTTの正式名称は「日本電信電話株式会社」です。NTTグループ内の中核的な存在であり、グループ全体の経営戦略や研究開発などを担っています。従業員の平均年収は約952万円、就職偏差値は具体的な情報がありませんが、NTTグループの中では最も高いと言われています。NTTグループのヒエラルキーの中でも最上位に位置している企業です。
(2)NTTドコモ
NTTドコモ(株式会社NTTドコモ)は、NTTグループの主要な事業である総合ICT事業をリーディングする存在です。国内有数の携帯キャリアであり、携帯電話の契約数は約4割で国内トップシェアを誇っています。NTTの持ち株会社だったところ、経営戦略のため2020年に完全子会社化されました。
事業規模や実績の大きさなどから、グループ内での存在感が特別大きい企業であり、ヒエラルキーは日本電信電話株式会社に次ぐ位置にあります。通信業界において就活生からも大人気で、就職偏差値も65と高めです。
なお、NTTドコモについてより詳しく企業研究を行いたい方は、次の記事も参考にしてみてください。
【企業研究】NTTドコモの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
(3)NTTデータ
NTTデータ(株式会社NTTデータグループ)は、グループにおけるグローバル・ソリューション事業を牽引する企業です。NTTグループの主要5社の1つで、日本の最大手のITサービス企業でもあり、世界トップクラスのシェアも誇っています。押しも押されぬグローバル企業と言えるでしょう。就活生からの人気もグループで指折りであり、就職偏差値も高めの63です。
NTTデータの企業研究の記事は以下になります。
(4)NTT東日本
NTT東日本(東日本電信電話株式会社)は、グループの中で地域通信事業を担う企業です。主要5社の1つでもあります。東日本全域の地域通信事業を担当しており、営業エリアが広範囲に渡り拠点数が多いことが特徴です。NTTグループ内でも、特に地域に根付いたサービスを提供しています。なお、既存の事業だけでは業績の伸びが鈍くなっている現状があり、新しいことに積極的にチャレンジしようという傾向が見られます。就職偏差値は60ほどで、こちらもグループの中では高い水準です。
(5)NTT西日本
NTT西日本(西日本電信電話株式会社)は、東日本と同じく、地域通信事業を中心的に行う企業で、こちらも主要5社の1つです。規模は東日本よりはやや小さめですが、西日本全体という広範囲に渡り、通信インフラをカバーする重要な役割を担っています。こちらも就活生から人気を集めていて、就職偏差値は59とNTT東日本とほとんど変わらないレベルです。
(6)NTT都市開発
NTT都市開発(エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社)は、NTTグループ内の不動産事業を担う企業です。グループ内で唯一の総合不動産会社であり、オフィスビル建設や賃貸業などを中心に、ホテル・分譲マンション・福祉施設など幅広い不動産を取り扱いながら事業を展開しています。会社の規模はそれほど大きくはないものの、を従業員の平均年収は924万円とグループトップクラスです。不動産業界において就活生からの人気を集めていて、就職偏差値も63と高めです。
(7)NTTコミュニケーションズ
NTTコミュニケーションズ(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)は、グループの総合ICT事業において、長距離・国際通信事業を担う会社です。2022年の再編成により、NTTドコモグループに含められました。法人向けのクラウド・ネットワークサービスや、個人向けのインターネット接続サービスOCNの提供などを行っています。国内外で需要が高まっているシステム分野を担当しており、グループ内でも重要な位置付けの会社だと言えるでしょう。就職偏差値は61と高い水準にあります。
(8)NTTファシリティーズ
NTTファシリティーズ(株式会社NTTファシリティーズ)は、建築事業やエンジニアリング事業などを中心に事業展開している会社です。逓信省営繕課(国に明治時代から戦中まで存在した部署で施設の設計などを担当していた)が元であった企業で、全国各地の著名な建造物の建築を担ってきた、老舗の実績・ノウハウが強みです。また、近年世界中で持続可能な社会づくりに関わる新エネルギーが注目されている背景もあり、大きな期待が寄せられています。就職偏差値は57で、グループ内では特に高い数字ではないものの、一般的には高めです。
(9)NTTコムウェア
NTTコムウェア(エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社)は、NTTグループにおける総合ICT事業を担当する企業です。NTTドコモグループに含まれる会社で、システムインテグレーターでもあります。NTTグループのシステム開発全般を担っており、グループの事業の大元を支える非常に重要な存在と言えるでしょう。就職偏差値も58~60ほどと高めです。
NTTコムウェアの企業研究の記事は以下になります。
(10)NTTファイナンス
NTTファイナンス(NTTファイナンス株式会社)は、グループ内の金融事業をメインに担う会社です。NTTグループの資金管理も担当しています。営業貸付やクレジットカード事業等の他、NTTグループで提供するサービスの料金収納なども、こちらの会社の主な業務です。巨大なグループ内の料金請求・収納を一元的に管理している重要性の高い会社であり、ヒエラルキーも高めの位置になります。なお、就職偏差値は58、就活生にも人気です。
NTTファイナンスの企業研究の記事は以下になります。
NTTグループの新卒選考の傾向
ここからは、NTTグループの新卒選考の傾向として、例年の新卒採用の規模感や選考の基本的な流れなどを紹介します。
新卒採用の規模感
日本電信電話株式会社では例年新卒採用を行っていません(研究所で行っているキャリア採用のみです)。そのため、NTTグループに新卒で採用されるためには、日本電信電話株式会社以外のグループ内会社に応募する必要があります。NTTグループ全体では例年数千人規模の新卒採用者がいます。1社ごとの採用人数は100名以下から数百人規模までバラつきがあるため、自分が応募する会社の募集要項をよくチェックしましょう。
新卒選考の流れ
新卒選考の流れはマイページにエントリーしてから応募、そこから書類選考や面接が行われるのが基本です。これは各社ともそこまで大きな違いはありません(ただし、細かいフローは異なるので各社の詳細を要確認です)。
NTTグループの社風
国内通信業界の老舗大手グループであり、保守的で堅実な社風が特徴です。ただし、会社によっては挑戦に打って出る自由な雰囲気が強いところもあります。新規事業に多数着手している・事業の拡大が著しい会社は、挑戦できる機会が多く、自分の力で新たなフィールドを開拓していきたいというアグレッシブな社員が多い傾向にあるでしょう。また、保守的といってもそこまでガチガチに昔ながらの縦割りや縛りがあるわけではないです。固い職場のイメージで入ったら気さくな環境で驚いたという社員の声も見られます。
NTTグループのホットニュース
NTTグループでは、2023年4月以降入社する新卒採用者から、初任給の引上げを実施しています。これはより能力が高い人材を獲得するため行われるもので、基本的な引上げは14%、より高い専門性を有する人材は24%の引上げとなります。また、より専門性を重視した昇格・昇級の仕組みの整備や、専門性の高さに応じた採用給水準なども見直しされる点です。
現在日本国内ではさまざまな業界で人手不足が課題となっており、また賃上げ要求によって各企業で給与の見直しなどが盛んに行われている背景もあります。NTTグループはこのような課題・現状に向き合い、自社に必要な人材確保や従業員の待遇向上などに速やかに着手する、優良な企業だと考えられそうです。
まとめ
NTTグループ内にある会社のヒエラルキーや事業の内容などを知っておけば、自分がやりたい仕事ができるのか、より具体的に考えられるはずです。また、ヒエラルキーが上の企業ほど、就職偏差値が高めの傾向もあるので、選考に向けての研究にも役立ちます。ぜひNTTグループのヒエラルキーについてさらに調べて、応募企業を具体的に検討してみてください。