ゴム・ガラス業界へ就職したい人必見!業界分析から就活対応を解説
2023年6月29日更新
はじめに
ゴム製品やガラス製品は、私たちの生活に無くてはならないものです。
ゴム製品は、自動車やバイク・自転車に使われるタイヤ以外にも各種部品やパッキン、さらに免震ゴムなど縁の下の力持ちのような役割を果たす重要な素材です。
また、ガラス製品は住宅やビルの窓に使われるガラスから、安全性の高い防犯ガラスや強化ガラス、環境を考慮したエコガラスなど様々な製品が数多く製造されています。
この記事では、そんな「ゴム・ガラス業界」を分析すると共に、就職活動するうえでESや履歴書など応募書類の作成から面接対策について解説します。
ゴム・ガラス業界とは?
ゴムやガラス業界と聞いてどの様な構造をしているのか詳しく知らない学生さんも多いと思いますので、簡単に解説します。
ゴム業界
ゴム業界は、タイヤに工業用ホースやゴム手袋、ベルトコンベヤーや電子製品に使用されるゴム製の部品など実に様々なものがあります。
これらの製品は、自動車産業をメインとして、建設業や医療業界、さらに電子機器メーカーの産業現場で広く使用されています。
ガラス業界
ガラス業界も、窓ガラスやガラス戸などの建築用から自動車用、食器用ガラス、ボトルなどの容器用ガラスから、レンズや光学機器などの光学ガラス、液晶パネルやディスプレイなどの電子デバイス用ガラスまで様々な種類があります。
それ以外にも、耐熱性や耐衝撃性に優れた強化ガラスや断熱性や遮音性に優れたガラス、UVカット効果のあるガラスなど、用途や状況に応じた特性を持つガラスが製造されています。
ゴム・ガラス業界のビジネスモデルは?
ゴム・ガラス業界、それぞれのビジネスモデルはどうなっているのでしょうか?
ゴム業界
タイヤ事業の顧客は、自動車メーカーやディーラーがメインのBtoBビジネスです。
したがって、タイヤ事業の収入は、自動車業界の生産動向に大きな影響を受けることになります。
それ以外に合成ゴム業界も製造した合成ゴムを顧客企業向けに販売するBtoBビジネスです。
ガラス業界
ガラス業界の顧客は、商社から建築業者や自動車・家具メーカーなどに販売されるBtoBビジネスが基本的なビジネスモデルです。
板ガラスの大部分は、自動車メーカーや建設業者向けですが、透視性を活かして家具などにも利用されています。
ゴム・ガラス業界の職種は?
ゴム・ガラス業界には、どの様な仕事があるのでしょうか?
いずれも製造業として同じような職種がありますので、ここでは合わせて解説します。
製造業としてゴム・ガラス業界の職種には、以下のような職種があります。
研究開発(製品・材料など)
生産管理(製造・設備など)
品質管理・安全管理・環境関係
営業・販売・マーケティング
海外事業
物流・材料調達
管理(経理・人事・広報など)
主要な職種をさらに詳しく見ていきましょう。
研究開発
研究開発の仕事は、顧客の要望に応えるため新しい製品の開発を主な目的として日々研究することが業務になります。
ゴム・ガラスの素材そのものの研究開発をはじめ、製造装置の理論構築や新商品の開発などを行います。
良質な新製品開発に向けて、常に今求められている課題について挑戦していくため、自社製品への深い理解や改善点を多角的な観点から考えていかなければなりません。
生産管理
生産管理の仕事は、調達した原料を製造工程に従って加工して製品にするまでの工程を管理することが業務になります。
生産ラインの計画・立案、コスト管理など生産に関わる全般を担っており、自社製品の品質に直結する重要な仕事です。
量産化を図っていくにあたっては非常に重要な業務になるため、伴う責任は大きくなってきます。
物流・材料調達
原料となる部材の材料調達や製造完成品などの物流を担当するのが業務になります。
取引先の選定や価格・納期交渉など生産ラインの入口から、物流ルートの開拓、物流システムの構築による出口までを設計・構築します。
輸送コストや円安によるエネルギーや原材料の価格が高騰する中、未来を見据えて新しい物流・材料調達システムを構築していかなければならない重要な役割を担っています。
営業・販売・マーケティング
自社で製造・開発したゴム・ガラス製品を自動車メーカーや建築・電子機器メーカーなどに販売する業務になります。
販売先は、国内に留まらず海外のメーカーも販売先になりますので、営業・販売活動の範囲は全世界に広がります。
そのため営業やマーケティングの知識やスキルだけではなく、語学が堪能であったり、海外でも活躍したいという意欲や行動力のある人に向いている仕事です。
ゴム・ガラス業界の大手企業を紹介
それではここで、ゴム・ガラス業界における上位5社の大手企業を一覧にしましたので見ていただきながら、それぞれの会社を詳しく見ていきましょう。
ゴム業界
株式会社ブリヂストン
株式会社ブリヂストンは、1930年に日本足袋株式会社のタイヤ部門として発足し、1984年に現在のブリジストンという社名になりました。
現在では、乗用車やトラック・バス用、建設・工事現場車両などのタイヤ製造から関連用品まで幅広い製品の製造を行なっています。
住友ゴム工業株式会社
住友ゴム工業株式会社は、住友グループのグループ会社で、ゴム業界においてはブリジストンに次いで業界2位となっています。
主力となるタイヤ事業では、「DUNLOP(ダンロップ)」や「FALKEN(ファルケン)」などブランド商品をはじめ、ゴム手袋や人工芝などの産業品にゴルフやテニス用品などのスポーツ分野から、高い品質を要求される医療用ゴム製品など幅広い商品を製造しています。
横浜ゴム株式会社
横浜ゴム株式会社は、1917年に設立された創業100年を超える企業であり、ブリヂストン、住友ゴムに続き業界3位の売上高です。
タイヤ製造を中心に、工業製品や航空宇宙部品、スポーツ用品など様々な製品を製造・販売しており、「人・社会・環境」へ貢献することをテーマとして掲げ、低燃費・省エネ型のタイヤを開発・販売して、環境負荷を減らすことで社会貢献している会社です。
TOYO TIRE株式会社
TOYO TIRE工業株式会社は、1945年東洋ゴム工業株式会社として設立され、2021年に今の社名に変更されました。
製品ラインナップとしては、乗用車やトラック・バス、SUVからモータースポーツなどのタイヤを製造し、ゴム業界では4位の企業ですが、グローバル企業として、自動車産業の発展が目ざましい東南アジアのタイや中米のメキシコで自動車用防振ゴムの販売を開始するなど、自動車用部品の供給を強く進めています。
オカモト株式会社
オカモト株式会社は、ゴム業界の上位企業がタイヤを主力商品としているのに対し、さまざまなゴム製品により業界トップにランクインしています。
コンドームのリーディングカンパニーとして、その名は非常に有名ですが、それ以外にも医療用手袋や粘着テープ、長靴から様々なゴム製品まで製造・販売しています。
高度な品質管理システムや自社の安全基準に従い、高品質かつ安全な製品を提供するとともに環境に配慮し、環境負荷の低減や再生可能エネルギーの活用などに積極的に取り組んでいます。
ガラス業界
AGC株式会社
AGC株式会社は、1907年に創業した世界最大手のガラスメーカーで、ガラスを主力事業とし、化学や電子部材、セラミックスなど様々な素材を生産しているガラスメーカーです。
創立100周年の2007年にグループブランドを「AGC」に統一、2018年には旭硝子からAGCに社名を変更しました。
HOYA株式会社
HOYA株式会社は、設立1941年で医療関係から半導体関連まで扱うガラスメーカーです。
HOYAは、光学技術やセラミックス技術において高いレベルの研究開発を行い、革新的な製品や技術を生み出すことで、国内に留まらず海外でもトップシェアを誇る光学技術のリーディング・カンパニーです。
日本板硝子株式会社
日本板硝子株式会社は、1918年に創業以来生活必需品となったガラスにこだわって生産を続け、自動車向けだけではなく、建築材料向けの板ガラスや太陽電池用のガラスなどを製造しています。
日本板硝子もAGCと同様に世界でもトップシェアのうちの一つで、住友グループの一員になります。
日本電気硝子株式会社
日本電気硝子は、設立1944年で長年培ったガラス製造の経験と高い技術力を持ち、さまざまな産業における分野で幅広いニーズに応える製品を提供しているガラスメーカーです。
高い技術と品質だけではなく、持続可能性への取り組みに焦点を当てながら、グローバルな競争力を維持し、海外に10拠点展開するグローバル企業です。
セントラル硝子株式会社
セントラル硝子は、設立1936年のガラスメーカーですが、ガラスの他に化学製品や肥料を製造しているため、化学業界に分類されることもあります。
自動車業界や建築業界など幅広いニーズに応える高品質で多様なガラス製品を提供するとともに技術革新や持続可能なビジネス実践に積極的に取り組んでいます。
ゴム・ガラス業界の動向について
続いてゴム・ガラス業界の今後の動向について見ていきましょう。
ゴム業界
2021年は、全世界におけるタイヤの需要が増えたことにより販売が大きく伸びたため増収となったことに加えて、円安による効果も見られました。
タイヤの原材料となる天然ゴムや原油、ナフサなどの価格が高騰しましたが、価格転嫁が出来てうまく収益をカバーできたと言えるでしょう。
その一方で、原材料費の高騰や半導体不足による新車の生産量の減少に影響がでる恐れが大きく、2021年後半のタイヤ販売数量は鈍化しており、今後しばらくは自動車の生産・販売量に影響をうけることが予想されます。
ガラス業界
板ガラスの8割は、窓ガラスなど住宅やビルなど建築用に使用されており、その中には断熱効果や防火・耐火・防音効果など、付加価値を備えた優れたガラスが作られています。
2021年は、自動車や建築用、さらに高機能や半導体関連商品など各種ガラスの出荷量の増加に伴い、売上を伸ばす企業が数多くみられました。
近年では、参入障壁が高いスマホ向け液晶用ガラス分野にも中国が参入するなど、中国ガラスメーカーの勢力拡大は、日本のガラスメーカーとって大変な脅威となっています。
ゴム・ガラス業界で求められる人物像とは?
このようなゴム・ガラス業界において、求められる人物像を3つ考えてみます。
①主体的に動ける人
社内だけではなく、取引先でも様々な職種や部署の人と仕事をする必要があります。
その過程で主体的に動き、リーダーシップを発揮して、周囲の人を巻き込む行動が取れることが必要です。
②新しいことに挑戦する人材
いずれの業界も新しい素材や取引先を開拓する必要があります。
変化のスピードが早く、先行きが不透明な時代において、環境の変化・変革を求められる中でも失敗を恐れず、何にでもチャレンジする意欲と行動力が求められます。
➂グローバルに活躍する人材
ゴム・ガラス業界に限らず、企業が生き残り、活躍する場を求めるために、世界へ羽ばたく必要があります。
国や地域によって環境や文化、価値観・考え方も異なります。
グローバルな視野を持ち、多様性を受け入れ、目標に向かって邁進できる精神力と行動力が必要です。
どの業界でも通用するようなある意味共通する内容ですが、皆さんは求められる人材像に合致していますか?
応募書類の書き方について
続いて、ゴム・ガラス業界での応募書類の書き方について解説します。
応募書類には、自己PRや志望動機だけではなく、学生時代に頑張ったことなど具体例を交えて簡潔明瞭に分かりやすく記載しましょう。
そのうえで、希望する企業のHPや求人サイトに記載している「求められる人物像」で自分の特徴や性格に合致する内容があれば、エピソードを添えて詳しく記載しましょう。
応募書類に記載する内容は、ゴム・ガラス業界に限定される内容ではありませんので、時間を掛けて作成しておきましょう。
筆記試験の対策について
筆記試験についても、応募書類と同様にゴム・ガラス業界に特化した対策がある訳ではありません。
一般的に用いられるSPIや適性検査、一般常識に対応出来るよう早い段階から対策を実施しておきましょう。
最近では、WEBテストを事前に行なう企業もありますので、希望する企業がどの様な試験内容を実施するのか事前に調べて、効果的な対策を実施しておきましょう。
また、グローバル化を推し進めるゴム・ガラス業界において語学力は必要となりますので、基本的な語学力は備えておくことはもちろんのこと、少しでも向上させて、即戦力となることをアピールしましょう。
面接試験の対策について
最後は面接試験の対策です。
ゴム・ガラス業界だけではなく、就職を希望する業界や企業研究はやり過ぎることはありません。全てあなたの知識となりあなたがこの業界で活躍するうえで必要になりますので、徹底的に行ないましょう。
そのうえで、業界の特性や将来に向けてあなたがどの様に携わり、どの様に企業と共に成長して行きたいのかを熱く語る必要があります。
あなたが実現したい夢は何ですか?
まとめ
ゴム・ガラス業界へ就職したいあなたへ、業界分析から就職活動するうえで必要となる履歴書作成や筆記試験(作文)対策での要点や注意点、さらに面接対策のポイントについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
ゴム・ガラス業界における市場動向は、円安に伴うエネルギー価格や原材料費の高騰により国内の需要が伸び悩んでいますが、海外へ進出してグローバルに活躍するためにさらに付加価値を付けた新商品の開発や全く新しい分野への起用により、将来の可能性を秘めた業界であると言えます。
業界の分析をシッカリと行なうと共に、新しい技術の発見や開発のニュースなど情報収集を行ないながら、ゴム・ガラス業界で活躍するには今何が必要とされているのか自分なりにシッカリと考えて言語化した内容を応募書類に記載して、面接官に伝えられるように訓練しましょう。
あなたの夢のスタートが切れるよう悔いのない就職活動を行ないましょう。