【法学部の就活】法学部が強い業界や人気就職先とは?
2023年3月19日更新
はじめに
就活が始まると、気になるのが出身学部ごとの特徴です。
例えば、理系学生が理系専門職への就職が強いイメージは誰もが持っているかと思いますが、文系学生の場合はどうでしょうか。
「文系であれば、学部はあまり関係ないのでは?」と思っている人も多いでしょう。
しかし、文系の中でも強い専門領域を持ち、就活を成功させている就活生は少なくありません。文系の中で強い専門領域を持っている学部とは、法学部のことです。
「せっかく法学部に入学したから知識を活かしたい」
「でも、どのようにすると法学部が就職に有利に活用できるのか分からない…」
このように、法学部出身という強みを活かそうにも、どのように活かせばいいのか分からない人がたくさんいます。
そこで本記事では、そもそも法学部出身者にはどのような強みがあるのかということに加え、法学部出身者に人気の業界や職種などを詳しくご紹介します。
法学部出身で現在就活をしている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
法学部=法曹関係への就職とは限らない
法学部に入学したきっかけとしては、法曹関係の仕事に就くことをゴールにしていた人が多いのではないでしょうか。
法曹関係の仕事に就くためには法学部への入学は必須です。事実、法学部卒業後に法曹関係の仕事に就く人も多いでしょう。
一方で、必ずしも法曹関係の仕事に就かなければならないのかと言えば、そういうことではありません。
法学部で学んだ専門的な知識は、一般企業でも広く必要とされているほか、公務員としても需要があります。
そのため、法学部=法曹関係の仕事しかないと決めつけすぎず、広い目線で様々な業界を見てみるのがおすすめです。
法学部出身者の強み
では、おすすめの職種や業界を見ていく前に、法学部ならではの強みを整理してみましょう。
専門的な知識が豊富
法学部出身者の大きな強みは、専門的な知識が豊富であることです。
法学部と一言で言っても、様々な学科があります。法学科や法律学科、政治学科など扱う範囲は学科によって異なるものの、いずれにしても専門性が高いことに変わりはありません。
学科によっては、法律ではなくビジネスに寄った内容を勉強している場合があるかもしれませんが、法律に関わる内容に広く触れているのは法学部ならではの特徴です。
他の学部と異なり、大学によって専門性にブレが生じにくい点も、法学部出身者が就活をする際には強みとなるでしょう。
取得できる資格の幅が豊富
必ずしも全員が資格を取得しているわけではないものの、様々な資格を取得できるチャンスが大きい点も、法学部ならではの強みと言えるでしょう。
学生時代に資格取得をせず、社会人になってからでも資格取得は可能です。しかし、法学部で会得した知識を活かした資格を学生時代に取得することで、就活を有利に進めることが可能です。
法学部の知識を活かし、実務経験がなくても取得できる資格としては、司法書士や社会保険労務士、行政書士などがおすすめです。
ここまで専門性が高い資格ではなくても、法律に関する知識を証明できる法学検定などを取得しておくのも良いでしょう。
法学部出身者に人気の職種
では、法学部出身者にはどのような職種が人気なのでしょうか。
人気の職種を3つご紹介します。
①士業
法学部らしい職種である士業は、法学部出身者に人気の職種です。
弁護士や検察官、裁判官といった職種は人気である一方で、司法試験を受けるためには法科大学院を修了の上、司法試験に合格しなければなりません。
司法試験は、国家資格の中でも最難関の試験であるイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。
士業を目指す場合、法学部進学はあくまでもきっかけとしかなりません。法学部卒業後にもある程度時間がかかることを見越して、覚悟を決めた上で目指す必要があります。
ただし、一度就職すると将来的にもある程度安泰を期待できることから、長い時間をかけて努力しても結果的には良いと判断する人が多いようです。
②法務担当
法学部の知識を活かして企業で活躍するのであれば、法務担当の道がおすすめです。
「法学部の知識って、企業で活かせるの?」と思う人は多いかもしれませんが、一定規模を越えると、企業には必ず法務担当者がいます。
中心となるのは契約関連やコンプライアンス関連の業務です。新たな企業と契約する際などは、法務観点で懸念点を払しょくした上で契約が交わされるほか、SNSの発展と共にコンプライアンスに対する意識を強く持つことが推奨されるようになっています。
自分の会社が損をしないよう、法務担当は必要不可欠な職種なのです。
知識を活かしやすいという点から、法学部出身者に人気の職種となっています。
③労務担当
法務担当よりも知識活用の幅はやや限定的にはなりますが、労務担当も法学部出身者が活躍しやすい職種です。
労働法や社会保障法など、人材雇用と法律は切っても切り離すことができません。
企業によっては法学部出身者ではない担当者が担当している場合はあるものの、法学部出身者との親和性が高い職種だと言うことができます。
給与計算や労働時間管理など、従業員に紐づく様々な経験を積むことができるのも、労務担当の魅力だと言えるでしょう。
法学部出身者に人気の業界
では、続いて業界別に法学部出身者の人気の業界を見ていきましょう。
法曹界
法学部と聞いた際にイメージを持ちやすい、法曹界は法学部出身者からの人気業界です。
ただし先にもご紹介したように、法学部を卒業した後、法科大学院を終了するだけではなく、司法試験の合格までを求められます。
志望する人が多い一方で、実際に就職できる人は一握りだと捉えておくのが良いでしょう。
一方で、法律事務所などでは資格を取得しなくても働くことが可能です。
専門的な知識を活かしながら、できる限り法曹関係の仕事に就きたいと考える場合には、一般職を募集している事務所を探してみると良いでしょう。
公務員
公務員は、皆さんがご存じの通り法学部でなくとも就職することが可能です。
しかし、公務員試験では法律関連の内容がよく出題されることから、法学部出身者であれば知識を活かして試験対策を行うことができるでしょう。
公務員の例として、教職員や警察官、入国審査官などを挙げることができます。
一言に公務員と言っても様々な職業がありますが、その中でも特に専門性が高いものを選ぶと知識を活かしやすいでしょう。
金融業界
金融業界は、法律と密接した業界であると言えます。
金融業界で法務などの職種に就きながら活躍することはもちろんですが、様々な職種で法律関係の知識が問われることから、広く活躍できる可能性が高い業界と言えます。
金利や担保などの知識をはじめ、法的水準を満たしているかという観点など、法学部で会得した知識を幅広く活かすことができるでしょう。
また、専門性が高いゆえに給与水準が高い点も大きなメリットです。
入社後も日々変わりゆく商品や法律に対応していくことは求められますが、それが苦にならないようであれば、非常に魅力的な業界だと言えるでしょう。
不動産業界
不動産業界も法律と密接した業界です。
一言に不動産と言っても、売買や仲介など様々な領域がありますが、どのような領域を取っても法律は必要不可欠な存在です。
また、不動産業界で活躍するためには、宅地建物取引士の資格が必要です。
学生時代に取得していない場合は、入社後1年以内などの期間を決められて取得を促されるケースがほとんどでしょう。
法律が関わる資格の中では比較的難易度が低いだけでなく、取得しておくことで就職活動を有利に進めることができるため、学生時代に勉強しておくことがおすすめです。
建設業界
建物を建てる役割を担う建設業界では、法学部出身者が重宝されがちです。
特に設計フェーズでは法律が関わる点が多く、知識があるほどに早いうちから活躍しやすいと言えるでしょう。
建物を建てる際は、土地が空いていればどこにでも建てて良いわけではありません。
建築基準法や国土利用計画法といった様々な法律の中で、許される高さや形状の建物を建てる必要があります。また、周辺の建物への配慮として、日照権や用途地域が関わってくる土地もあります。
法律に関する知識を日常的に活用したい人にとっては、非常に適した業界だと言えるでしょう。
情報・通信業界
情報・通信の業界も様々な法律の制約がある業界です。
近年では格安SIMなども多数登場し、これまで以上に情報・通信の業界が注目を浴びるようになっています。
また、情報・通信業界はプライバシー保護などの観点から厳しい法律も多くあり、企業の業績に大きな影響を与えるような内容もあるでしょう。
法律を活用する業界の中でも、ややニッチな業界に就職したいと考えている人におすすめです。
よくある質問
では、最後によくある質問をご紹介します。
ぜひご自身の不安解消に役立ててみてくださいね。
資格を取得していないので就活が不安
法学部に在籍はしているものの、資格取得ではなく、部活動やアルバイトに力を入れていたという人も多いのではないでしょうか?その場合、手元に資格がなく就活に焦りを覚えているかもしれません。
しかし、結論からお伝えするとそのあたりはあまり気にしなくても良いでしょう。
法学部に在籍しているからといって、法律に関する知識だけを学んでいる人を探す方が難しいと言えます。
これまで学んだことなどは積極的にアピールするべきですが、資格を取得していないことを後ろめたく思う必要はありません。
「法学部」を活かして就活しないとダメ?
就活を考えた際に、法学部出身であることを活かして就活をしなくてはならないと思い込んでいませんか?
法学部に在籍しているからと言って、必ずしも法学部に関連した仕事に就く必要はありません。
他の文系学部と同様に、自分の興味・関心が高い業界を積極的に回り、相性が良さそうな企業を見つけてみてはいかがでしょうか。
なお、その際法学部出身であることが不利にはたらくことはありません。安心して就活を行いましょう。
就活で「法学部」に関する質問は聞かれる?
代表的な質問としては、
「なぜあなたは法学部を選んだのですか?」
「所属していたゼミでは何を学びましたか?」
などの質問があるでしょう。
「なぜあなたは法学部を選んだのですか?」と質問された場合には、難しく考えず自分の興味・関心を思い出してみるのが良いでしょう。
この質問については特に正解はないため、自分の気持ちに素直に回答することが大切です。
「所属していたゼミでは何を学びましたか?」という質問については、ゼミを通じて得た経験について話すのが良いでしょう。
そもそも法学部は、他の学部と比較するとゼミがある確率が高い学部です。そのため、就活ではゼミに関する質問を心して準備しておく必要があります。
ゼミに関する質問は学びを具体化するのではなく、自分が経験から得た知識や成長に焦点を当てて話すのがおすすめです。
質問の意図としては、「どれだけ難しい知識を知っているか」ではなく、「法学部での学びを通して何を得たのか」ということであることを理解しておきましょう。
法学部出身を自分の強みにして就活を乗り切ろう!
いかがでしたか?
本記事では、そもそも法学部出身者にはどのような強みがあるのかということに加え、法学部出身者に人気の業界や職種などを詳しくご紹介してきました。
「法学部」だからといって、法曹界にしか強みがないわけではありません。
幅広い業界で活躍できることを理解し、広い視野で就活に臨むことが大切です。
また、「全然授業を真面目に受けていなかった…」という人も中にはいるかもしれません。
それでも、他の学部の人と比較すると法律に関する知識は豊富にあるはずなので、就活という場面では敢えて武器として活用してみるのも良いでしょう。
もしくは部活動やアルバイトなど、より自分が身近に感じる内容を武器にしても何ら問題はありません。
ただ、就活という機会においては、しっかり勉強して入学した「法学部」という自分ならではの強みを、積極的に活用してみても良いのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。