化粧品業界の就職は難しい?職種なども解説
2023年1月23日更新
化粧品業界について
化粧品業界と聞くと、女性に人気なイメージがありますね。化粧品やメイクにかかわる仕事がしたいため化粧品業界を選ぶ就活生も多いのではないでしょうか。
そんな華やかなイメージがある化粧品業界ですが、実は化粧品業界は奥が深く、様々な仕事があります。そのため、化粧品業界への就職を志望している就活生は事前に化粧品業界についてしっかりと理解しておくことが必要になります。
「化粧品業界は具体的にどんな業界?」
「化粧品業界への就職は難しいの?」
「化粧品業界にはどんな職種がある?」
このような疑問を持つ就活生に向けて、今回は化粧品業界について紹介していきます。
この記事を読むと、化粧品業界ではどのようなことをするのか、職種、向いている人の特徴などについて分かります。
化粧品業界とはどんな業界?
化粧品業界とは、化粧品の開発・製造・販売などを行っている企業のことです。
化粧品の種類はスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ヘアケア化粧品、ボディケア化粧品、フレグランス化粧品、トイレタリー用品など多岐にわたります。
また、化粧品業界に属している企業は消費者がよく耳にする企業ばかりなので、認知度が高く、志望倍率も高くなるでしょう。
化粧品業界の市場について
化粧品業界の現在の市場や今後どのように変化していくかしっかりと勉強しておく必要があります。面接などでも現在の化粧品業界の市場や今後の市場の変化について問われることもあるでしょう。
海外ブランドとの競争が激化
近年、化粧品業界の市場は海外ブランドとの競争が激化しています。最近では店頭販売だけでなく、インターネット上で化粧品の口コミや評価、評判などを調べることが簡単にでき、さらに通信販売サイトも豊富なため、いつでもどこでも気軽に化粧品を購入することができるようになりました。そのため、日本だけでなく、海外ブランドとの競争が激化しているのです。国内で売り上げトップを誇る企業であっても、これからはライバルは日本国内だけでなく海外にも多数いる状況となります。今後どのように戦略を立て化粧品メーカーを生き残らせるかが重要になってきます。
異業種の参入
化粧品業界の市場は、海外ブランドとの競争だけでなく、異業種の参入によりさらに競争が激しくなっています。異業種の中でも特に化学メーカーの参入が相次いでいます。
低価格ニーズによる競争の激化
化粧品業界は海外ブランドや異業種の参入により競争が激化しているとお伝えしましたが、さらに顧客の定価格ニーズにより各社競争が激化しています。日本の化粧品は質が高いため、海外からも高評価を得ています。そのため、日本国内の化粧品メーカーは海外進出を目指す企業も多く、国内企業同士の競争も激化しているのです。
化粧品業界のビジネスモデル
化粧品メーカーは商品をドラッグストアや百貨店などに販売することで利益を得ている企業が多いです。
流れとしては、研究・開発⇒製造⇒マーケティング・ブランディング⇒販売 となります。
大手企業の化粧品メーカーではこれらの研究・開発から販売までの全ての工程を一貫して行っていることが多いです。一方、中小企業の化粧品メーカーでは、化粧品の研究・開発から販売までの工程の中で、自社が得意とする工程のみを特化して行っていることが多いです。
化粧品業界の職種
化粧品業界と聞くと、薬局やデパートで接客を行う美容部員を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、化粧品業界の仕事には様々な職種があり、今回は化粧品業界の職種について紹介していきます。
美容部員
デパートや専門店、薬局などの売り場で接客を行う人を美容部員と言います。美容部員の仕事には大きく2つの仕事があります。
1つ目は、接客業務です。接客業務の具体的な仕事は、顧客にメイクやスキンケアを直接行う「タッチアップ」やメイクやスキンケアについて顧客の相談に乗る「カウンセリング」の仕事です。顧客と直接関わるため、コミュニケーション能力や自社商品についての理解が必要となります。
2つ目は、バックヤード業務です。バックヤード業務とは、商品の検品や陳列を行う業務です。また、タッチアップ用の化粧道具の清掃など細かいものもあります。
営業
化粧品業界の営業の仕事は、化粧品を取り扱う様々な小売店や店舗などを巡回し、取り扱い店舗の新規開拓のための交渉や自社製品の店頭売り上げを上げるための提案を行います。
コンビニエンスストア、ショッピングモール、ドラッグストア、化粧品専門店、百貨店などへの巡回が多いです。
また、自社製品の宣伝資材などを店舗へ持っていき、掲載のお願いや店舗への設置指導なども行います。
これらの営業活動を通して、化粧品が消費者のもとに届くようになります。
商品企画
化粧品業界の商品企画とは、市場や消費者のニーズをよく理解した新たな商品の企画・提案などをすることです。市場や消費者のニーズをしっかりと取り入れて企画する必要があるため、マーケティング能力も期待されます。
化粧品はシーズンごとに流行が変化したり、常に変化していくものでもあるため、いかに消費者ニーズやトレンドを捉えて商品企画ができるかが重要になります。ターゲット層の志向の変化や競合他社の動き、流行の変化、次期トレンドの予測など情報の分析能力も必要です。
マーケティング
化粧品業界のマーケティングは、企業によって商品企画と兼任されることもあります。企画された商品をどのようにして販売拡大に繋がるかという戦略を考え、実行します。このマーケティングでいかに消費者ニーズやトレンドを捉えることができるかが売り上げに大きく関わってくる重要な仕事です。
デザイナー
化粧品業界の広告は、テレビCMやファッション雑誌、駅前の看板等で見かけると思います。化粧品業界のデザイナーはメディア広告の立案・制作だけでなく、パッケージのコンセプトを開発したり、グラフィックデザインや実店舗のデザインを行ったりと業務は多岐にわたります。最近はパソコンやスマートフォンの普及に伴い、ブランドサイトやLPなどのデジタルコンテンツを制作することも仕事の1つです。
研究・開発
化粧品業界の研究・開発職は、トレンド、市場や顧客のニーズに合わせた商品を実際に作り、開発する仕事です。新製品の開発の道のりは長く、基礎研究、成分研究、処方開発、安全性研究などがあり、時間がかかります。新しい製品のコンセプトに沿って、原料を選んだり、調合など細かな調整を行っています。
また、新しい製品の研究・開発のみではなく、既存製品の改良なども行います。
さらに、化粧品の研究をするためには、生物学、物理学、情報学、法律など様々な知識が必要となります。また、一度で研究や開発ができるわけではないため、何度も試作・試食を繰り返す根性や集中力が必要になる仕事です。
生産技術
化粧品業界の生産技術職の仕事は、商品の生産管理や品質管理です。特に、化粧品は顧客の肌に直接触れる商品であるため、高い安全性が求められます。そのため、安全性の高い商品を生産するための生産体制を整えたり、工場の設備機能の確認、新設備の導入検討などが必要となります。
また、工場内外の人との関わりややり取りが多いため、コミュニケーション能力も必要です。生産後は、品質チェックを細部まで行い、商品の安全性を確認後、出荷という流れになります。緻密な作業が多いため、集中力が必要な仕事です。
化粧品業界に向いている人
次に、化粧品業界に向いている人はどのような人なのか紹介していきます。職種によって異なる部分がありますが、化粧品業界全体を通して向いている人について見ていきます。
臨機応変に対応できる人
どの職業にも言えることかもしれませんが、臨機応変に対応できる人が化粧品業界に向いていると言えます。例えば、美容部員は接客メインとなりますが、様々な顧客のニーズに合わせて臨機応変にタッチアップやカウンセリングを行う必要があります。生産技術職では、品質に異常があった際にどのように行動できるかが重要になってくるため、いつでも視野を広くし、臨機応変に対応できる人が活躍できると言えるでしょう。
美容に興味がある人
化粧品業界に勤めたいのならば、必須の条件となると思います。美容に興味がなければ顧客のカウンセリングなどで適切なアドバイスができなかったり、自身の美容について答えることが難しいでしょう。興味や関心がないと商品について詳しく調べたり、新製品についてどのような製品が合ったらよいかなどアイデアが浮かびにくいと思います。
また、美容に興味があれば、世の中の化粧品やメイクのトレンドや流行に敏感になることができ、新たな製品開発にも貢献ができるでしょう。
責任感がある人
化粧品は顧客の肌に直接触れるものが多いため、安全性が強く求められます。そのため、美容部員、研究・開発、生産すべての職種において、品質を意識することが大切です。常に顧客の肌に触れ、人々の生活に密接にかかわっている商品のため、責任感を持って日々仕事に取り組まなければなりません。化粧品業界は華やかなイメージが強いですが、裏では責任感と使命感をもって日々仕事に取り組んでいる社員がいるのです。
コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人も化粧品業界に向いていると言えます。特に、美容部員や化粧品販売スタッフにおいては、コミュニケーション能力が必須です。顧客のニーズに合ったタッチアップやカウンセリングをするためには、コミュニケーションが必要です。丁寧な説明や提案、ヒアリングなどを通し、顧客に納得してもらえれば商品を購入してもらうことも大いにあります。コミュニケーションを上手く図ることにより、企業の業績をUPさせることができます。
英語が堪能な人
英語が堪能な人も化粧品メーカーの就職に向いていると言えます。理由は、大手化粧品メーカーは海外進出をしている企業が多く、英語力を活かすことができるからです。TOEICの点数を上げ、面接で英語力をアピールできるようにしましょう。
男性でも化粧品業界に就職できる?
結論、男女関係なく化粧品業界に就職することができます。確かに、化粧品を使う顧客は女性が多いので、顧客のニーズを知るためには女性社員が多い方が企業としては良いですが、近年は男性でも化粧品を使う顧客が増え、男性目線での意見などは重宝されます。また、化粧品メーカーの営業の相手は消費者ではなく企業であることが多いため、男性が営業活動に貢献している企業も多いです。
化粧品メーカーの美容部員の仕事は特に女性に多いですが、美容についての知識や技があれば美容部員になることができる企業もあります。男性の美容部員がいることで女性とは異なる視点で男性消費者の接客がしやすいため、今後需要が高くなっていくでしょう。
よって、化粧品業界への就職に男女の性別は関係ないと言えます。
化粧品業界にはどのような企業がある?
化粧品業界にはどのような企業があるか化粧品メーカーを紹介していきます。今回紹介する企業は誰もが知っている有名企業ですが、化粧品メーカーはその他にも多数存在します。企業ごとに特徴が異なるため、特徴をしっかりとおさえるようにしましょう。
資生堂
資生堂は誰もが聞いたことのある企業なのではないでしょうか。売上高は業界トップであり、海外展開もしている企業です。主力製品としては、アネッサ、エリクシールなどがあります。
コーセー
コーセーは価格帯が幅広く、様々な層から人気のある企業です。様々な販売チャネルで取り扱いを行っています。ジルスチュアートやFASIOなどの商品が有名です。
花王
花王は洗剤やヘアケア製品など日用品のイメージがある方が多いと思いますが、化粧品なども含め、数多くの商品を取り扱っています。花王の主力製品はソフィーナです。
終わりに
今回は、化粧品業界について今後の市場動向や職種、向いている人の特徴などについて紹介してきました。今後も変化していく化粧品業界ですが、自分がどのように化粧品メーカーに携わりたいか、達成したいことは何かを明確にし、企業研究を行うと良いです。化粧品業界は誰もが知っている有名企業が多いため、大手を狙うと狭き門ですが、しっかりと事前準備を行い、対策をしましょう。