面接で失敗談を聞かれる理由とは|適切な失敗談の選び方を解説

面接で失敗談を聞かれる理由とは|適切な失敗談の選び方を解説

2024/10/8更新

はじめに

就活での面接では、成功談を聞かれることはよくありますが、それだけでなく失敗談を問われることも少なくありません。

自分の失敗について話すのは気が引けるかもしれませんが、実はこの質問には大切な意味が隠されています。

そして、なぜ失敗談を聞かれるのか、その理由やチェックされている事柄を知っておけば、対策は十分可能です。

失敗談に適切に答えることができれば、あなたの問題解決能力や成長意欲をアピールできるチャンスにも変わるのです。

そこで本記事では、次のような悩みを持つ就活生を対象としています。

対象の読者
  • 面接で失敗談を聞かれた時にどのように回答すればいいかわからない
  • 面接で失敗談を聞かれた時にどのようなことを見られているのか気になる
  • 面接で失敗談を伝える時に注意点はあるのか気になる

本記事では、面接で失敗談を聞く理由や良い失敗談、悪い失敗談の見分け方、人事にアピールできる失敗談の具体例などを紹介します。

本記事を読んで、失敗談というマイナスイメージをプラスイメージに替えるテクニックを身につけ、自己アピールにつなげましょう。

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面接で失敗談を聞かれる理由とは

面接で失敗談を聞かれる理由とは

就活の面接で失敗談を聞かれる場合、その裏には必ず面接官の意図するものがあります。

自分のマイナス面をさらけ出しつつ、好印象を持ってもらうためには、失敗談を聞く理由をしっかりと理解しておきましょう。

ここでは、面接で失敗談を聞かれる理由を3つ紹介します。

失敗の捉え方を知るため

人は誰しも失敗を経験しますが、何を失敗と捉えるかは個人差があります。

そして、個人によってさまざまな失敗談のエピソードがあります。

面接でどのような失敗談のエピソードを話すのかによって、何を失敗として捉えているかや失敗に対する考え方がわかります。

そこから個人の価値観を知ろうとしているのです。

失敗談を話すことで、面接官は就活生の考え方や物の捉え方を分析します。

そして、社風などにマッチしているかを見極めているのです。

失敗への対処方法を知るため

失敗が起こることは避けられませんが、重要なのはその失敗をどのようにリカバリーするかです。

面接官は、失敗を冷静に分析し、解決に向けてどのようなアクションを取ったのかを評価します。

失敗したことから目を背けて逃げてしまう人が多いなか、失敗という現実に正面から向き合って、どれだけリカバリーできたのか。

企業は、一度の失敗で諦めることなく、柔軟に軌道修正できるかを確認するためにこの質問をしています。

失敗からの学びを知るため

失敗したことを失敗で終わらせない。

失敗から次の学びにつなげる姿勢を知りたいと考えています。

ビジネスにおいては、同じ失敗を繰り返さないことが鉄則です。

失敗をその場で終わらせるのではなく、失敗を成長の糧として、自己改善ができる人材を求めています。

また、失敗をしたときにも、失敗にくじけることなく成長していける人材なのかも評価します。

面接で失敗談を聞くときにチェックされる能力

面接で失敗談を聞くときにチェックされる能力

面接で失敗談を語る際には、失敗そのものを評価しているわけではありません。

失敗に直面した時に、どのように考えて行動し、どのようなスキルを発揮したかが重要です。

ここでは、面接で失敗談を聞く際にチェックされる能力を3つ紹介します。

問題解決能力

失敗は予期せぬ状況で発生するものです。

失敗をしたときに軌道修正をしたり、新たなアイデアで失敗をリカバリーしたり、人によってさまざまな解決方法を見出そうとします。

面接官は、企業の社員として失敗をしたときでも、問題解決できる能力が備わっていて安心して仕事を任せられる人材なのかをチェックしています。

そのため、失敗にどのように対処し、どのように状況を打開したか、そしてその中で新しいアイデアやアプローチで問題に取り組む姿勢を求めるでしょう。

忍耐力

失敗した後に立ち直るには、強いメンタルと忍耐力が必要です。失敗した後に落ち込んで立ち止まるのではなく、どのようにして立ち直り、次のステップに進むのか、失敗に耐え抜く能力があるかどうかを面接官は失敗談から判断しています。

困難な状況においても、諦めずに挑戦し続ける忍耐力が高く評価されるポイントです。

分析力

失敗には、必ず原因があります。

面接で失敗談を聞くときは「なぜ失敗が起きてしまったのか」を冷静に分析しているかどうかをチェックしています。

この分析力が、ビジネスにおける問題解決の基本になるため、重視されるポイントになります。

そして同じ失敗を繰り返さないという行動パターンにもつながります。

面接での失敗談の見つけ方

誰でも、必ず失敗することはあります。

しかし、面接時の失敗談となると自分の失敗談が見つからない、見つけ方がわからないといった人も多いのではないでしょうか。

ここでは面接で使える失敗談の見つけ方を紹介します。

落ち込んだ経験を振り返る

失敗とは、通常モチベーションが下がるきっかけとなる出来事です。

過去にどのような出来事でモチベーションが下がったり、落ち込んだりしたのかを振り返ってみましょう。

その出来事が、失敗談の材料になる可能性があります。

情熱を注いだ出来事を振り返る

これまでに時間と労力を注ぎ込んできたことには、失敗が隠れている場合があります。

つまり、情熱を注いでやってきたことは、理想に届かなかった経験があれば失敗談となりうるのです。

今の状態に到達するまでの困難、それは失敗談としての材料になります。

そして困難や失敗を乗り越えて達成した経験などを面接で話すことにより、面接官に好印象を持ってもらえるでしょう。

周囲の人に聞いてみる

失敗談が見つからない場合、あなたのことを良く知っている関わりのある人に聞いてみて下さい。

たとえば、あなたの親や学校の先生、アルバイト先の店長、先輩・同僚などは、あなたの失敗をよく知っているかもしれません。

あなたは覚えていないけど、その人に過去の失敗談を指摘されて「そういうこともあった」と過去の記憶が蘇り、失敗談として使える素材になる経験もあるのではないでしょうか。

 

3つの方法を試しても、まだ失敗談が見つからない人は「学生失敗談あるある」をまとめてみましたので、チェックしてみてください。何か引っかかる項目があるかもしれません。

「学生失敗談あるある」
  • テストまでのスケジュール管理に失敗して結果が悪かった
  • 部活で努力が足りずに勝てなかった
  • サークルで人間関係がうまくいかなかった
  • バイトで仕事が思うようにできなかった
  • バイトを頑張り過ぎて単位を落とした
  • 留学先で積極的に行動できなかった
  • インターンで仕事のミスをしまくった
  • 面接で上手く受け答えができなかった
  • 劇団の演技でセリフが飛んだ
  • 演奏会で楽器の演奏をミスした

面接での失敗談を選ぶ際のポイント

面接での失敗談を選ぶ際のポイント

失敗談であれば何でも良いわけではありません。

適切な失敗談を選ぶことで、面接官にも好印象を与えて、あなたの価値観や成長を伝えられるのです。

ここでは、面接での失敗談を選ぶ際のポイントを紹介します。

企業理念に合った学びや成長がある失敗談にする

人事は単に失敗談を聞きたいわけではなく、「どのような失敗をして、そこから何を学び、どう成長したのか」を聞きたいわけです。

さらに、企業理念や求める人物像に合った学びのある失敗談をチョイスすれば、企業とのマッチングへのアピールもできます。

そのため、志望した企業の募集要項・企業理念を事前に詳しく研究し、どのような人材が理想的なのか調べておきましょう。

仕事に支障をきたさない失敗談にする

失敗談で選ぶべきは、あくまで成長を示すものになります。

そのため、失敗談のなかでも、仕事に支障をきたさない失敗談をチョイスすることが大切です。

例えば、コミュニケーション能力が足りなかったための失敗談、感情のコントロールができなかったための失敗談、メンタルが弱いための失敗談はネガティブな印象を与えることになるでしょう。

面接官が安心して採用できるような失敗談を選ぶようにしましょう。

取り返しのつかない致命的な失敗談はNG

失敗談の内容はなんでもいいわけではありません。

あくまで面接で語る失敗談は、改善の余地があるものや学びにつながるものです。

取り返しのつかない失敗や周囲への影響が大きかった失敗談は、面接の失敗談としてふさわしくありません。

面接官に「この人物を採用していいのだろうか」という懸念を持たれてしまいます。

常習性のある失敗談はNG

失敗談のなかでも同じ失敗を何度も繰り返すような常習性が感じられる失敗談は好ましくありません。

例えば、寝坊などの時間管理の失敗も常習性が感じられてしまいます。

面接では、成長と改善が見える失敗談を選ぶことが大切です。

人事にアピールできる失敗談の伝え方と具体例

面接での失敗談を選んだら、次に重要なのはその伝え方です。

面接官にただ失敗を語るのではなく、失敗談をわかりやすく伝え、成長や学びまで伝えることで、納得と期待感を持ってもらい好印象につなげましょう。

面接での失敗談の構成は以下の通りです。

①結論:私の失敗談は~です。

②背景や理由:失敗した理由(背景)は~です。

③失敗の反省・改善点:そのために~を反省し、~するように悔い改めました。

④失敗から学んだことやリカバリーの内容:すると失敗しなくなり、~が大切だと学びました。

⑤企業での活かし方:御社ではこの失敗から学んだ~を活かして、頑張ります。

①~⑤の構成に則って定番の「学業編」「ゼミ編」「部活編」「アルバイト編」の4つのテーマの例文を紹介します。

【学業編】

結論:私の失敗談は、大学1年生の前期で授業の単位を数多く取りこぼしてしまったことです。

失敗の背景や理由:この失敗は受験が終わり、開放的な気分になったことと、大学での勉強に対する目標がなくなり、気持ちが緩んでしまったことが原因だと考えています。

失敗の反省・改善点:以降は気持ちを引き締めて、高校時代に毎日行っていた復習する習慣を再度ル―ティン化し、授業が終わったその日に3時間を勉強時間に充当しました。

リカバリーの内容:この復習が功を奏し、1年生の後期からは連続でフル単を獲得しています。

企業での活かし方:御社ではこの失敗を糧にして、目標をもって積み上げる努力を怠らず、毎日1ミリでもレベルアップできるように努力していきます。

【ゼミ編】

結論:ゼミの4大学合同発表会で、他大学の質問に答えられずに頭が真っ白になったことが私の失敗談です。

失敗の背景や理由:この失敗は自分が1番勉強しており、専門知識を十分に持っているから対応可能だろうといった甘い考えが災いしたと考えています。

失敗の反省・改善点:それ以後は、必ず自分には盲点があることを意識し、ゼミの仲間に事前に疑問点や質問したいことなどを把握したうえで想定問答を作成し、議論に臨むことにしました。

失敗から学んだこと:すると、教授から「4大学合同発表会の屈辱をバネにして、よくここまで成長しましたね」とお褒めの言葉を頂きました。

このことから、何事に対しても傲慢になることなく、謙虚にシッカリとした準備が何にも増して重要だということを学びました。

企業での活かし方:御社では相手のニーズを十分に汲み取り、できるだけ多くのケースを想定し、入念な事前準備を行いたいと考えています。

【部活編】

結論:私の失敗談は、野球部最後の公式戦でマメを潰してしまい投手として試合に出場できなかったことです。

失敗の背景や理由→失敗の反省:野球部のエースとして、最後の試合は好成績で終わりたいという気持ちが強すぎて、自分のキャパシティーを超えて投げ込んでしまったことが今となっては反省点です。

失敗から学んだこと:結果として、1個人の自己管理のミスにより、チーム全体に多大な悪影響を及ぼしてしまうことを痛感しました。

企業での活かし方:御社では、自分の置かれた状況を冷静に分析し、本番で最高のレベルに自分を持っていけるように入念で適切な準備を行えるように努めたいと考えています。

【アルバイト編】

結論:私の失敗談は飲食店のアルバイトで、効率を優先し過ぎてお客様からクレームを受けたことです。

失敗の背景や理由:クレームを受けた理由ですが、自分の効率性を優先し過ぎて、お客様が食べ終わっていないお皿を下げようとしてしまったからです。

失敗の反省・改善点:もちろん、お客様のテーブルを広く使ってもらおうと思った配慮もありましたが、相手の状況を的確に把握せず、空いた皿を下げようとしてお客様を不快にさせたことは私に非があると反省しています。

以降はお客様の立場に徹して、5感をフルに活用しながら、臨機応変に対応するように悔い改めました。

リカバリーの内容:すると、お客様から「あなたの接客はいつも快く、気が利くので、おかげでお酒が進むよ。ありがとね。」と感謝されました。

企業での活かし方:御社では、「他人本位」の意識を常に持ち、お客様満足度の向上に努めたいと考えています。

さいごに

面接で失敗談を聞かれる理由とは|適切な失敗談の選び方のまとめ

本記事では、面接で失敗談を聞かれた際の質問の意図や回答の仕方について解説してきました。

失敗談は、一見ネガティブな質問のように感じられるかもしれませんが、学びや成長につながる失敗談を選び、適切に伝えることで、自己アピールのチャンスにできるのです。

失敗談は、単なる失敗の話に終わらせるのではなく、失敗を通してどのような学びや成長があったかを知るためのものです。

そのため、取り返しのつかない失敗談や仕事に支障を及ぼしそうな失敗談は避けましょう。

そして、どのように困難を乗り越え、成長してきたかを伝えることで人間性や成長性をアピールするようにしましょう。

本記事が、面接の準備の役に立つことを願っています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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