就活で「5年後の自分」を聞かれた時の効果的な回答とは?
2024/9/27更新
はじめに
就活の面接の中では「自分の将来」に関する質問が出る場合があります。
就活生のみなさんにとって、学生から社会人になるという大きな転換点にいます。
内定し就職した先の未来まで具体的に想像できないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では未来を問う質問の中でも、比較的近い将来である「5年後の自分」というテーマで問われた時の考え方について説明しています。
難しい質問ですが、決して答えられないことはありません。
しっかりとした準備を行い、未来の自分を見据えることで、就活・内定対策だけでなく、就職後の将来にも前向きにとらえられることができるはずです。
本記事は以下のような方を対象としています。
- 面接対策を進めており、様々な質問に対する対策を研究している方
- 将来についての質問についてどう答えればいいか見当がつかない方
- 将来について回答するときの注意点、具体的な解答例を知りたい方
ぜひ最後までお読みいただき、より良い就活にできるようにしましょう。
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人事が「5年後の自分」について質問する理由
まずはじめに、なぜ企業が「5年後の自分」について質問するのかについて、代表的な理由をご紹介します。
自社への志望度を確認するため
企業が「5年後の自分」に関する質問をするのは、自社への志望度を確認するためです。
就活時点で「5年後」を語れるかどうかは、そもそもその会社の分析が問われています。
上場企業の場合は、IR情報や投資家向け情報に、必ず中長期の成長戦略が記載されています。
なぜなら、投資家は今の会社の価値ではなく、未来の会社の価値に期待して投資をしたいからです。
上場企業が成長しないということは、投資家が投資した資産価値を減らすことになり、そのような会社に投資をしたいと思う人はいません。
もしみなさんが上場企業に応募するなら、IR情報や投資家向けの情報は無料で公開されている情報であり、当然企業分析の範囲ですので、必ず確認したうえで分析をしましょう。
上場企業でない場合も、会社ウェブサイトや広告、会社代表者のインタビューなどで会社の今後を述べている内容、あるいはキーワードを探してみましょう。
これらのことを「知っているかどうか」で、まず、自社への志望具合を把握しているのです。
論理的な想像力があるかどうかを把握するため
企業の中長期戦略を知ったところで、では、あなたが5年後どうなっているかは、また別の話になっていきます。
正直なところ、この質問に対してみなさんが持っている情報で判断するには圧倒的に材料が足りないのではないでしょうか。
おそらく、みなさんが入社して1年経てば、この質問は簡単になるはずです。
なぜなら、会社には5年上の先輩、10年上の先輩がいて、皆さんの未来の姿がそこにあるからです。
業種によっては、入社半年でリーダーとして小さなチームや現場を仕切ることもあるでしょうし、10年経ってようやく責任ある仕事を任されるというケースもあります。
「5年後には1つのチームを任せられるリーダーになりたいです」と答えたとして、半年でリーダーになる会社だと目標が低すぎますし、10年かかる会社だとその自信はどこから?と思われてしまうでしょう。
「入社した後にどのような活躍をしたいですか?」という比較的近い未来の質問は、多少実際の業務内容と離れていたとしても、論理的に話していくことで納得感を得られます。
しかし5年後については、上記の通りギャップが出ると、たとえ論理的であっても「この人のやりたいことと一致しないのではないか?」と思われてしまうかもしれません。
ただし、これは就活生で100点の回答を出すことは非常に難しいテーマです。
できるかぎり確度をもった回答を得ようとするなら、面接前に、会社説明会やインターンに積極的に参加して、その会社のより詳しい情報を知るための行動が必要となるでしょう。
ライフプランを知りたいため
近年はただ働くのではなく、皆さんの人生を通じて成長をしたいと考えている企業が増えてきています。
「就職したからには家庭もプライベートも顧みず24時間働けますか?」はまったく通用しない時代です。
ただし、働き方を選択することはもちろん可能です。
- 若くて健康なうちにたくさんの経験をこなして、早く偉くなりたい
- お金をたくさん稼ぎたい、そのためには可能な限り残業もしたい
- 仕事とは別の活躍の場があり、バランスを重視したい
- 生活ができるお金さえあればいいので、重責を負わずに気楽に働きたい
企業としては、しっかり働いて成果を上げる人を選びたいとは考えていますが、自身のライフプランを明確に答えられることができる就活生は貴重な存在といえます。
今は企業コンプライアンス上、面接官から「結婚する予定はある?」と聞くことが難しい時代です。
ライフプランを聞かれたときに何年後には結婚や出産もふくめた構想があるのであれば、伝えてしまうのも一つのポイントといえます。
特に上場企業を中心に、今は産休育休も福利厚生としてアピールしたい企業が増えているので、若い皆さんはライフプランを明確にして積極的に活用していきましょう。
「5年後の自分」について回答する時のポイント
では、「5年後の自分」について質問された際、どのように回答するのが良いでしょうか。
中期に向けた自分自身の目標を言語化し具体的に説明する(性格・行動など)
「5年後の自分」を聞かれた際には、できる限り5年後の姿を言語化し、出来るだけ具体的に伝えるようにしましょう。
未来のことなのでついつい抽象的に「頼られる存在」「仕事を任される」「人を動かせる」といった回答になりがちで、それを聞く面接官にも納得感は少ないです。
とはいえ、前の章で述べたように「5年後」の場合、いくら想像だからといっても、あまりにも業務としてかけ離れすぎると「ギャップがある」と思われてしまいます。
ひとつの解決策としては、【今、自分自身が持っている】課題や、中期的な目標を掲げてみることです。
中期的な目標とは、多くの場合、性格や行動の変化です。
- 現在は内気な性格だが、これを改善して、もっと積極的に人と交流できるようになりたい。
- 何かを決めることにどうしても時間がかかる、もっと判断が素早くできるようになりたい。
- 社会人になってからの人脈をたくさん作りたい、学生時代よりも人脈の幅を広げたい。
- 焦りや結果を焦って出さないといけないという行動が多かった、思慮深く判断できるようになりたい。
自己分析をしていく中で、現在の自分の強みについては把握できたものの「最後まで残ってしまった短所・欠点」を、逆にこういったテーマで活かす手もあります。
ライフプランだけにならないように伝える
「5年後の自分」を想像したとき、キャリアプランよりもライフプランの方がイメージがつきやすいかもしれません。
そのため、ついライフプランを中心に「5年後の自分」を話してしまう人がたくさんいます。
近年、ワークライフバランスについて語られることが増えましたが、企業がまず知りたいのは、目の前の学生のキャリア観です。
ある程度のライフプランがあれば、必然とキャリアプランも導き出されてくるのではないでしょうか。
ただ、就活の面接で問われているのは、あくまでもみなさんがその会社でどうありたいか、できればキャリアプランまで見通しての質問です。
ライフプランだけの回答だと単に人生相談となってしまうので、質問の意図をくんで、相手が知りたい情報を伝えられるよう回答を工夫しましょう。
「5年後の自分」に向けて必要な努力を伝える
理想的な「5年後の自分」は誰でも語ることができますが、具体的にどのように達成するのかということに関して語れる人は多くありません。
そのため、「5年後の自分」を見据えたときに、自分としてはどのような努力が必要だと思っているのかもしっかりと伝えましょう。
現時点で想定できる努力は、学生の発想に過ぎないかもしれません。
しかし、手元にある情報で未来を想像して語ることは、社会人になっても必要とされる能力です。
そのため臆することなく、想像できる努力は全て伝えましょう。
未来や大きな目標について話すときは、マイルストーンを提示することで具体的になっていきます。
5年後の自分がこうありたいと考えた時、では、3年後はどうなっているか?
1年後は?半年後は?そして明日からまず何を始めるか?
企業によっては10年後、20年後を求められる場合もありますが、基本は同じロジックです。
目標の着地点がそもそも大きく外れていないか、それに対してどういった道のりで達成していこうとしているかが述べられ、そこに適切な論理があれば、納得感が高まります。
ただし、こういった回答は、まったくの対策なしで急に問われ、すぐに答えられる人は非常に少ないはずです。
未来についての質問が面接で必ず出るわけではないですが、想定問答として、この会社の面接の場合自分ならどうこたえるか?というシミュレーションをぜひやってみましょう。
自分が思う最上級の理想を伝える
「5年後の自分」を考えた時に、「自分の実力で本当に実現できるのだろうか?」と不安に感じるかもしれません。
しかし実現可能性は、今後の自分の努力によっていくらでも変動します。だからこそ、現時点で自分が思う最上級の理想を伝えましょう。
あまり謙遜し過ぎて、現実的な落としどころの回答は、就活の面接では期待されていることではありません。
誰でも達成できそうな目標よりも、多少はストレッチが必要な目標のほうが、期待は高まります。
理想実現に向けて、自分が想像できる努力を合わせて伝えることは必須ですが、現段階で「君には絶対無理だろう」と話す面接官はいません。
ぜひ自信を持って、自分の理想像を伝えてください。
「5年後の自分はどうなっている?」と聞かれた時の例
では、「5年後の自分はどうなっている?」と聞かれた際の回答例をご紹介します。
自分に合った例を見つけて参考にしてくださいね。
①総合職を志望する場合
まず、総合職を志望する場合の「5年後の自分」について考えてみましょう。
総合職の場合、営業職やバックオフィス系の職種に就く可能性が高く、いずれの職種の場合にも、自身の専門性を元に業務を行うことになります。
5年後となると、ある程度仕事に慣れてきていることを前提に、マネジメント方面に進むか、スペシャリストとしてプレイヤーを継続するかといった選択を検討し始める時期です。
実際にマネジャーになるかスペシャリストになるかはその時の会社状況によるので、面接では自分の個性を活かした理想像を構築するのがおすすめです。
マネジャーを目指す例
私は10年後にマネジャーとなるために、5年後にはチームリーダーとしてチームを牽引する立場になりたいです。
私は営業という仕事を通じて、自社の価値を最大化してお客様に提供したいと考えています。
しかし、長期的な目線で見るとプレイヤーとしての能力だけではなく、マネジメント能力を身に着けることが多くのお客様に価値を提供できることにつながると考えています。
そのため、お客様はもちろん、社内の方々にも納得いただけるような成績を残し、チームリーダーとして活躍していたいです。
このように、5年後より先の目標から逆算して5年後の理想を示すと、面接官の納得感が高まります。
②技術職を志望する場合
続いて、技術職を志望する場合の「5年後の自分」について考えてみましょう。
技術職の場合、現時点でどの程度知識があるのかによって、目指すべき5年後の理想像は全く異なってきます。
現時点である程度知識がある場合、知識の幅を広げていくか、異なる職種としてPMやPMOを目指すなど、幅広い展開が想定されます。
現時点で知識がない場合、何ができるようになっていたいかを明確にしておくのが理想です。
あわせて、その分野で求められている上達度やスキルプランを調べて知っていると良いといえます。
知識の幅を広げたいことを伝える例
私は、5年後にはエンジニアとして活躍しながら、プロジェクトを牽引できるPMへの足がかりをつかみたいと考えています。
私は大学で情報学を学んでいるため、XXX言語に対して一定の知識があります。入社後にまずはXXX言語を活用した開発を会得した後に、自分でコードを書きながらプロジェクトを牽引できるような存在になるべく努力していきたいと考えています。
プロジェクトを牽引できるようになるためには、さまざまな視点が必要です。そのため、自分自身がまずはエンジニアとしてたくさんのプロジェクトに参加し、知見を積みたいと考えています。
現状の自分の知識をアピールしながら、5年後の自分を効果的に伝える例です。
③起業・独立などを想定する場合
最後に、5年後には起業や独立を想定する場合をご紹介します。
このパターンは、積極的に起業や独立を促している企業には好まれますが、そうでない企業には「長く働く予定がない」と受け取られてしまう可能性があるでしょう。
一方で、こういった起業に向けた強い意志やベンチャー精神を好む経営者も多いですし、実際に創業者であれば前向きにとらえられるケースもあります。
だからこそ独立起業を目指す人が、今現時点で何をなしえているか、その素養があるかについては、厳しい目で見られることもしっかり覚悟しなければなりません。
言い方を間違えれば、単に会社を踏み台にしようとしている、自分自身の成長や成功にしか興味がないとも受け止めてしまう可能性もあります。
話題に挙げる企業、および言葉選びや表現方法は慎重に判断しましょう。
5年後に起業を目指す例
私は5年後には、独立して起業したいと考えています。
そのために経営層に近いポジションで、事業作りはもちろん、財務に関する情報にも積極的に関わっていきたいです。
社会から求められる会社を作り上げるためにも、御社での経験でチームビルディングや仕事の質の高め方なども幅広く経験を積んで活きたいと考えています。
入社1年目にはまず、貴社内で開催されている新規事業コンテストに応募し、早々に事業として採用されることを目指したいと考えています。
独立起業に関するテーマは、受け取る側が詳細を求めるか、全体的なイメージで十分という場合もあります。
すでにある程度自分自身で動いている人は、いくらでも話題を引き出せるかもしれません。
しかし、面接官の思惑とずれてあまり熱心に話過ぎると、逆にミスマッチになり注意が必要です。
面接官が重要だと思えば、その質問に対して深掘りをしてくるはずですので、力の入れ方・そして話の引き際をわきまえられるかが重要となってきます。
「5年後の自分」が分からない場合の対処法
いくら考えても5年後の自分が分からない場合、改めて自己分析を行いましょう。
改めて自分の特性を洗い出すことで、自分が目指すべき方向が見えてくるかもしれません。
他にも、以下のような行動をしてヒントを得られる可能性があります。
ヒント①:採用ページの社員インタビューを見る
大きなヒントの一つは、採用ページにある社員インタビューです。
そこには大体入社1年~3年程度の若手社員が登場します。
彼らが現在どのような立場でいるかを知れば、おのずと自分の未来の姿を知れるのではないでしょうか。
ヒント②:事業規模や成長スピードで推測する。
もう一つは事業規模と成長スピードです。
事業が大きく拡大していると、必然的に人手も足りず、今いる社員にどんどん権限を委譲することで、チームを構築していきます。
また、社員数が少ない会社も早い段階で仕事を任されていくことでしょう。
一方で既に一流の企業で優秀な人材が上層を固めきっていると彼らと同等となるには数年以上かかります。
志望している企業が、どのような組織環境・業界の立ち位置にあり、その中で自分がどう成長できる可能性があるか、論理的な想像力が強く求められるのです。
ヒント③:インターンや会社説明会であらかじめ聞いておく
少し裏技的かもしれませんが、就活が始まる前の、インターンや会社説明会などで「御社のキャリアプランはどのようなものでしょうか?」と先に直接聞いてしまうのも手です。
特にインターンでは若手リーダークラスが対応してくれるはずなので、先に述べた通り、このレベルの社員なら5年10年先を見越して普段から活動しています。
ぜひあなたのキャリアプランの参考になる情報を獲得して面接にも生かしていきましょう。
大きすぎるギャップは問題ですが、そこまでの正確性を求められる重大な質問でもないので、実際に質問された時は気負わずに答えるようにしましょう。
ただ、これを読んだ皆さんは、質問を受ける可能性があることを想定し、どういう回答がいいかを時折考えておくことをおすすめします。
まったく想定していない人に比べれば、皆さんは準備や心構えができ、一歩リードした回答ができるはずです。
さいごに
いかがでしたか?
本記事では、そのような不安や疑問を解消するべく、人事が「5年後の自分」について質問する理由や回答のポイント、回答例などを詳しく紹介してきました。
ただでさえ社会人になったあとのイメージもつきにくいのに、さらに5年後10年後と言われれば、実感がない人がほとんどかもしれません。
ただし、それは社会人になっても同じことで、そうした先の見えないことに対する見通しをつける力、こうだろうと想像する力は常に求められてきます。
また、自分がどうなりたいかを決めるのも自分自身です。
就活や内定の獲得はゴールではなく、そこからさらに学生時代よりも長い社会人人生のスタートラインなのです。
「5年後の自分」に関する質問を良いきっかけと捉えて、ぜひ理想のキャリアプランをイメージしてみてはいかがでしょうか。