自己PRで行動力の印象度を上げる5つのテクニック【パターン別例文】

2024/9/25更新

はじめに

自己PRで、

「行動力をアピールするのは、ありきたり?」

「行動力をアピールするにはどうしたらいいの?」

「行動力を使った自己PR文を参考にしたい」

といった疑問や要望はありませんか?

結論から言うと、自己PRで「行動力」をアピールするのはアリです。

ただし、見せ方には工夫が必要です。

見せ方を誤ると、加点どころか、逆にマイナス評価に転じるケースがあります。

本記事では、自己PRで「行動力」をアピールする場合に印象度を引き上げる5つの秘策を公開します。

本記事はとくに、以下のような就活生に向けた記事です。

対象の読者
  • 自己PRで行動力をアピールしたいが、ありきたりな表現を避けたい方
  • 行動力を効果的に伝える具体的な方法を知りたい方
  • 自己PR文の作成に苦戦しており、実践的な例文を参考にしたい方

実際に刺さる作成ステップや例文を字数別に3パターン示しながら、どんな条件下でも響く自己PRの簡単作成テクニックを学べるので期待していてください。

10分ぐらいで欲しい情報がすべて入手できますので、最後まで読んでみてくださいね。

また、自己PRについては以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

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自己PRで行動力をアピールするのはアリ?

自己PRで行動力をアピールするのはアリ?

結論からいえば、「積極性・意欲」を自己PRのテーマとして使うことは非常に効果的です。 

なぜなら、これらの資質は企業が新卒学生に最も求めている「強み」の一つだからです。

この点について、MS-Japanが実施した最新の調査結果を見てみましょう。

同社は管理部門・士業人材を対象に、新卒採用に関する意識調査を行いました。

その中で「新卒に一番期待すること」という項目があり、2024年度の結果は以下のとおりです。

順位新卒に一番期待すること割合
1位積極性・意欲28.0%
2位コミュニケーション能力21.3%
3位素直さ16.4%

 

このランキングを見ると、「積極性・意欲」が堂々の1位を占めています。

さらに、2位の「コミュニケーション能力」も、積極性や意欲と密接に関連する能力といえるでしょう。

興味深いことに、職種別の結果を見ても同様の傾向が見られます。

たとえば、経理部門では「柔軟性と適応力」、人事部門では「積極性・意欲」、総務部門では「コミュニケーション能力」が最も重視されているポイントです。

これらはいずれも、広い意味での「行動力」に通じる資質だと解釈できます。

したがって、「積極性・意欲」は自己PRの核となる要素として十分に機能するといえるでしょう。

ただし、ここで注意が必要です。単に「私は積極的で意欲的です」と言うだけでは、面接官の心に響きません。

では、どのようにすれば効果的にアピールできるのでしょうか?

次のセクションでは、積極性・意欲を印象的かつ説得力のある形で伝えるための具体的な方法を解説していきます。

 

自己PR「行動力」の印象度をアップさせる5つのテクニック

企業が求める資質や能力から、「行動力」がアピール材料になることは理解できたはずです。

ただ、見せ方によって印象がガラリと変わります。

場合によっては、同じ「行動力」をアピールしてもマイナス評価に受け取られる事態もあるぐらいです。

「行動力」を加点要素として受け止めてもらうには、印象度をアップさせる5つのテクニックを駆使する必要がありますので、それぞれ解説していきます。

①「行動力」を別の言い回しでアピールする

私の人事経験の中でも、「行動力」を自己PRで使う学生を結構見かけました。

なので、「行動力」という言葉を見たり、聞いたりするたびに、「他にアピール材料はないの?」といった感覚で、飽き飽きしていたのが正直なところです。

加えて、「行動力」という言葉は極めて抽象的です。

行動力という言葉を聞いても、イメージが湧きません。

たとえば、リンゴやバナナと言えば、映像が出てきますよね。

これを抽象度を上げて「フルーツ」という表現を使うと、途端に色々なモノがあり過ぎて、脳はリアルにイメージできないのです。

なので、「行動力」という言葉を少し捻りを入れて表現する必要があります。

たとえば、「行動力」という言葉も具体度を上げると、下記のような言い回しができます。

現状に固執せず、常に改善を図る状況を的確に分析して、本質的な問題を発見できる。

実効性の高い解決策を模索できる。

上位者からの指示がなくても、主体的に取り組むことができる。

目標を完結するまで、粘り強く努力できる常に先回りして、事前に問題を潰すことができる。

目標達成に向けて計画的に行動できる。

関係者を巻き込みながら、課題を達成できる。

難題にも臆することなく果敢にチャレンジできる。

自分がやるべきことを見つけて、スピーディーに動ける膠着している事態を前に推し進めることができる。

などです。

どうでしょうか?

「行動力」という単語よりも具体性を1段階上げていますので、少し動きが出てきてイメージしやすいと思います。

このように「オリジナル性」と「具体性」という2つの要素を組み入れて、「行動力」という単語は使わずに別の言い回しでアプローチしてみてください。

➁企業が求める「行動力」をアピールする

次に大切なことは、企業側が求める「行動力」をアピールすることです。

訪問販売のような職種であれば、断られても断られても心折れずに訪問する鉄砲玉のような「行動力」が評価されるかもしれません。

逆に、組織で動く企業であれば、鉄砲玉のような「行動力」では困るわけです。

そこでは、事前に関係部門と調整したうえで、計画をオーソライズしてから動くような「行動力」を求められるはずです。

先ほどの言い回しの例ではありませんが、「行動力」といってもさまざまな意味合いがあります。

なので、その中でもあなたが志望する御社がどの「行動力」を求めているのかを把握することが先決です。

そこをハズシて、ズレた「行動力」をいくらアピールしたところで、相手は馬耳東風です。

なので、企業に響く「行動力」をピントを合わせてチョイスすることが何にも増して大切だということですね。

③計画性を匂わせる

我々人事は「行動力」と聞くと、「闇雲に行動する人間なのでは?」「上司に相談せず、思いつきで動くタイプ?」と、うがった見方をすることもあります。

企業の求める「行動力」は、事前に打診があり、了承を得たうえでの計画的な行動力であり、無謀ともいえる突発性の「行動力」とは異なるでしょう。

したがって、「行動力」を自己PRとして使う場合は「計画的かつ、了承を得た上で動いた」という証拠を見せて、面接官を安心させるように注意を払いましょう。

➃行動理由を盛り込む

次に「行動力」のエピソードを引用する場面で、「なぜ、その行動を起こしたのか?」という根拠を示すこともポイントです。

このような「行動理由」については、人事も非常に関心があります。

なぜなら、「どのような考えで動く人物なのか」をつかめるからです。

「どういうときに、どのような行動源泉で動くタイプか」を実際の仕事の場面に思考を飛ばしながら、「社風に合うのかどうか?求める人物像に近いのかどうか?」を見極めているわけです。

逆を言うと、求める人物像から逆算して、「行動理由」を示すと人事にヒットしやすいといえますね。

いずれにしても、この「行動理由」を挙げずに自己PRするのはもったいないですし、あとから必ず「なぜ、そういう行動を起こしたの?」と質問されますので、先回りして自己PRの中に盛り込んでおきましょう。

➄行動による具体的な成果を示す

最後に、自己PRで人事が知りたい情報としては、その強みの「再現性」です。

持ち前の「行動力」で動いた結果が、ラッキーパンチや瞬間風速的な結果ではなく、何度も同じ結果を出せる「行動力」とアピールできれば、鬼に金棒です。

そのためには、実際の成果を定性・定量的に示さなくてはいけません。

「ただ~した」の行動の完了だけでは、「だから、何なんなの?」というリアクションになります。

もちろん、成果が複数あれば、再現性として十分に説得力が増します。

もしあれば、再現性の裏付けとなるエピソードを2つないしは3つ持っておきましょう。

人事に刺さる自己PRの3段論法

人事に刺さる自己PRの3段論法

「行動力」に限った話ではないですが、自己PRは下記の3段論法で作り込んでいきます。

①興味性→「私の強みは~です」
 ↓
➁具体性→「具体的には~です」
 ↓
➂ベネフィット→「だから、御社で貢献できるんです」

これだけだと分かりにくいと思いますので、少し解説を加えましょう。

①興味性

まず覚えておいてほしいことは、「読み手は100%あなたの自己PRを読み込んでいない」ということです。

人事も採用だけでなく、さまざまな仕事があって忙しいです。

しかも、人気のある有名企業では毎日数十、数百ぐらいのESに目を通さなければいけません。

そんな大量のESを隅から隅まで読んでいると思いますか?

実態は、ほぼ斜め読みです。

しかも、最初の行からありきたりで、つまらない1文だと、「ハイ、ハイ」といった感じで、あとは流し読みです。

なので、最初の段階で目を釘付けにする必要があります。

そのためには最初の1文に「興味性」を埋め込まなければなりません。

「興味性」を持たせるためには、「何か普通ではない」、「未解決な」、「次を読みたい」と思わせることがポイントになります。

これが冒頭に説明した「私の強みは行動力です」といった平凡な1行目では、ダメな理由です。

誰もが使いそうなありふれた1行目では、それだけで意識が遠のくわけです。

➁具体性

仮にあなたの自己PR文を運よく読んでもらえたとしても、次に人事はこんな疑問を抱きます。

「書かれていることは本当か?」

そこで猜疑心まみれの相手を信じさせる必要が出てきます。

そのために、

5W1H、数値、物語、比喩、5感テクニック、たとえ話、第3者の声

 

などを使って、具体的にイメージさせて信じこませる必要があります。

➂ベネフィット

そして、仮に相手があなたの書いていることを信じたとしましょう。

それでも、相手が合格というサインを出すかどうかは分かりませんので、相手の背中をもう一押しする必要があるのです。

そこで必要なツールが、「ベネフィット」なのです。

「ベネフィット」とは、「あなたを雇う理由・メリット」にあたりますが、

「だから、この強みを活かして御社の〇〇で貢献できるんです」

という行(くだり)で自己PRをフィニッシュする必要があります。

要は、最後に「相手の得たい結果」や「求める未来像」を熱く語って、あなたが活躍している場面を映像化させて、

「ぜひとも、あなたと会ってみたい」

「ぜひ、あなたを当社に向かい入れたい」

という感情に仕向けるということです。

「①興味性→➁具体性→➂ベネフィット」の3段構成で攻めていけば、刺さる自己PR文が必ず完成しますので、ぜひ今からでも使ってみてください。

具体的な人事に刺さる自己PR構成については以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

刺さる3段論法を使った「行動力」の自己PR例文

それでは、刺さる3段論法を使って、実際に自己PR文を作ってみましょう。

今回は30秒、1分、3分バージョンの自己PR文を同じテーマで作成してみます。

各持ち時間の「文字数」と「ポイント」は下記のとおりです。

持ち時間文字数(目安)ポイント
30秒200~250字強みをコンパクトに伝える
1分300~350字エピソードに具体性を追加して信憑性を高める
3分800~1000字エピソードを深掘りして、さらにリアルに映像化する

 

上記を意識しながら、続いて「行動力」の自己PR文を作ってみます。

①3分バージョン(800~1000文字)

まずは3分バージョンから作ってみます。

自己PR例(3分)

私の強みは、問題の本質を的確に捉え、先回りして事前に問題を排除する力です。

この力は大学で所属しているソフトボールサークルで発揮されました。

私がキャプテンに就任した当初、サークルの構成員は野球経験者層と、純粋にソフトボールを通じて交流したい層に2分されていました。

当時、市のリーグに1チームを登録していましたが、そのチームは野球経験者主体のチームであり、そのチームメンバーにとっては、意気に感じながら野球に取り組める環境が既にありました。

ただ、試合に出場できないもう一方の層にとっては、何の目標もハリもなく、ただ何となく練習に取り組んでおり、市のリーグで充実している野球経験者を尻目に嫉妬や不満など白けムードが漂っていることを肌で感じ取りました。

何かいい方法はないかと模索していたところ、「試合に出場できない層のチームを編成し、そのチームを市に登録してはどうか」という案を風呂場で思い付きました。

すぐに、ソフトボールサークルの幹部を招集し、思いついた案について相談してみました。

幹部も同様の問題意識を持っており、本案につき全会一致で同意を得ました。

また、新チームのキーマンになりそうな人物数人にもそれとなく声をかけ、新チームの編成と市のリーグ登録の方針を伝えると、いずれからも感謝と賛同の声を得られました。

新チームのメンバーが本番の試合で目の色を変えてプレーしながら、実際にソフトボールの楽しさや厳しさを実感している様子をメンバーの表情や歓喜から読み取ることができました。

本当に新チームを市のリーグに登録して良かったと思った瞬間でした。

また、新チームのメンバーが野球部経験者に対して、練習中にバッティングや守備のコツを自ら教わるなど、今までにはなかった相互交流も新たに生まれ、思わぬシナジー効果も実現しました。

この経験を通じて、モチベーションが下がっている層に適切な目標を持たせることにより、組織の活性化がはかれることを学びました。

御社では、この経験を通じて培った問題発見力と問題解決力を駆使し、組織のアウトプットを最大化できるように尽力したいと考えています。

(879字)

➁1分バージョン(300~350字)

次に、先ほどの3分バージョンを1分バージョンに焼き直してみます。

自己PR例(1分)

私の強みは、問題の本質を捉え、事前に問題を排除する力です。

この力は、市のリーグにさらに1チームを追加登録する際に発揮されました。

私がソフトボールサークルのキャプテンに就任した当初、既に市のリーグに1チームを登録しており、野球経験者を主体としたチームメンバーには実戦という本気になれる場がありました。

一方で、試合に出場できない層は、目標がなく白けムードが漂っていたため、もう1チームを追加登録する案を幹部会に諮り、同意を取り付けた上で、新チームを誕生させました。

結果として、試合を通じ新チームのメンバーがソフトボールの楽しさや課題を自ら見つけ出し、意欲的に練習に取り組む結果につながり、サークル内の交流も活発化しました。

御社では、この経験で得た問題発見力と解決力で、組織の活性化に尽力します。

(345字)

いかがでしょうか?

3分バージョンに比べると、文字数はかなり少なくなりましたが、同じような印象で受け取れたと思います。

コツとしては、なくても理解できる文章や形容詞を削り落とし、「エッセンス」だけを取り残すことです。

人体でいうとムダな肉をそぎ落とし、「骨格」だけを残すようなイメージです。

最後に30秒バージョンも作ってみましょう。

➂30秒バージョン(200~250字)

自己PR例(30秒)

私の強みは、問題の本質を捉え、事前に問題を排除する力です。

私がソフトボールサークルでキャプテンに就任した当初は、既に市のリーグに登録していた野球経験者のチームには実戦という活躍できる場がありましたが、一方で実戦のない層は、目標もなく沈滞ムードが漂っていました。

そこで、誰もが参加できるチームを編成し、市のリーグに登録することで、実戦に向けて練習にも意欲を取り戻し、チーム内の交流も活発化しました。

御社では問題を放置せず、あらかじめ問題の芽を潰していく強みを活かして、組織の活性化に尽力します。

(243字)

いかがでしょうか?

さすがに、ここまで字数が減ると、3分バージョンに比べて抽象度が高くなり、イメージが出にくくなりますね。

しかしながら、まだ骨格は維持していますので、おおよそ同じようなニュアンスで感じ取れると思います。

そもそも、30秒バージョンでは面接官もそこまで具体的な説明を求めていません。

自己PRを聞いたうえで、気になる点を後で深掘り質問していくのが、30秒バージョンの目的です。

なので、特に1分や30秒バージョンの自己PRについては、「深掘り質問してもらうための種まき」だと捉えて、チラ見せするぐらいのイメージで大丈夫です。

要は、掘り下げてほしいところにフラグを立てておく感覚ですね。

今回は3分バージョンをまず先に作ったうえで、肉をそぎ落として骨格だけを残しながら、1分、30秒バージョンを作っていく方法を行いましたが、逆でも結構です。

まずは骨格となる、30秒バージョンを作ってから、徐々に「具体性」のある情報を追加し、1分や3分バージョンとして映像化させる逆アプローチ法でもOKです。

どちらでもいいので、あなたが作りやすい方法で、ぜひ3つのバージョン作成にチャレンジしてみてください。

また、自己PRの書き方は以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

さいごに

以上、「行動力」をモチーフにした自己PRの作り方を指南してきました。

記事内でも説明したとおり、「行動力」は企業側が求める資質や能力なので、アピールしやすい反面、他の学生と被ってしまうのも事実です。

したがって、いかに差別化してオリジナルな「行動力」に見せるかといった見せ方や角度が大切になってきます。

同じ魚でも、板さんの切り方や盛り付けのセンスで全く違った刺身に見えるのと同じです。

ぜひ今回紹介した5つのテクニックを意識したうえで、あなたなりの「行動力」を活かした自己PR文を完成させてください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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