【自己PR】コミュニケーション力はどんな能力?ポイントを解説
2022年10月31日更新
はじめに
就活を開始すると、ESや面接など、様々なシーンで自己PRを行う機会が増えます。
自己PRの内容を考えていくと、「自分の強みはコミュニケーション力ではないか?」と思う人は多いのではないでしょうか。
しかし、「コミュニケーション力」を言語化したことがないために、
「自分が思うコミュニケーション力って何だろう…」
「この力は仕事でも本当に役立つのかな?」
と悩む人は少なくありません。
「コミュニケーション力」と一言に言っても、どのような力として捉えているかは人によって異なります。そのため、自分はどのように「コミュニケーション力」を捉えているのかを言語化する必要があります。
本記事では、自己PRの際に魅力的な内容となる「コミュニケーション力」について解説します。
「コミュニケーション力」についてどのように伝えるべきか悩んでいる方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。
1.自己PRでよく登場するコミュニケーション力とは?
就活中は、「コミュニケーション力」という言葉を聞く場面が多いのではないでしょうか?
「コミュニケーション力」という響きだけを聞くと、学生時代であれば「周囲を盛り上げるのが上手い人」「常に話題の中心である人」などのイメージがあるかもしれません。
しかし、社会人として必要なのはそのような「コミュニケーション力」ではありません。
そこでまず、「コミュニケーション力」を紐解いてみましょう。
「コミュニケーション」の中には色々な力が含まれている
「コミュニケーション力」と一言に言っても、様々な力が含まれています。
また、どのような意味として捉えるのかは人によって異なります。
そのため、「コミュニケーション力」を強みとする場合には、自分はどのように捉えているのかを合わせて伝える必要があります。
ある人は「周囲とスムーズに意思疎通ができる力」と捉え、
ある人は「人間関係を構築する力」と捉えています。
この他にも、「話す力」と捉える人や、「聞く力」だと捉える人もいるでしょう。
「コミュニケーション力」は、具体的にどのような力か、定まっているわけではありません。人それぞれの捉え方で問題ないものの、自分は何を指して「コミュニケーション力」としているのかは明確にしておきましょう。
2.企業はなぜコミュニケーション力を重視するのか?
では、なぜ企業はコミュニケーション力を重視するのでしょうか。
企業がコミュニケーション力を重視する理由を3つご紹介します。
業務を円滑に進める上で必要不可欠だから
業務を進める上で、コミュニケーション力は必要不可欠です。
なぜなら、仕事はコミュニケーションの連続で成立しているためです。
1人で行う仕事があったとしても、企業に所属している以上、必ず周囲の人とのコミュニケーションが発生します。その時、相手の話を「聞く力」、自分の意見を適切な言葉で「伝える力」、分かりやすい言葉で「話す力」が求められます。これらの能力がなければ、スムーズに仕事を進めるのは難しいと言えるでしょう。
学校生活と異なり、会社には様々なバックグラウンドを背負った人や、年齢、立場の人がいます。その人たちと一緒に仕事をしていく上では、学生生活以上に多岐に渡る配慮を行ったコミュニケーションが必要となるのです。
リモートワーク下でも欠かせない能力だから
近年、リモートワークで業務を行うことができる企業が増えました。
これまでリモートワークを行ったことがない学生は、「リモートワークであればコミュニケーションを「最小限にすることができるのでは?」と考えるかもしれません。
しかし、実際はその逆です。
これまでは全従業員が出社していたため、直接様子を見ることで気付ける点がありました。それにより、必然的にコミュニケーションの機会が増え、結果として無駄なコミュニケーションを排除できるといった側面がありました。
ただしリモートワークの場合、画面の向こうにいる従業員の様子を垣間見ることができません。その結果、これまで以上にコミュニケーションを行うことが求められてしまうのです。
リモートワーク下では特にテキストコミュニケーションが増えるため、簡潔に自分の要件を伝えつつ、相手との関係性を構築していく能力が求められます。
3.人事にアピールできるコミュニケーション力とは?
では、人事にアピールできるコミュニケーション力について考えてみましょう。
こちらでは、3つのコミュニケーション力をご紹介します。
聞く力
まず、コミュニケーション力として挙げられるのが「聞く力」です。「聞く力」の中には、相手の話を聞く力はもちろん、相手の話の要点を押さえる力などが挙げられます。また、相手の要点を聞き出す力なども「聞く力」に含まれます。
さらに、ただ話を聞くということではなく、相手の話に共感する力も「聞く力」に含まれます。
そのため、以下のような内容が「聞く力」のアピールポイントとして伝えることが可能です。
・相手の話に対して傾聴する力
・相手の話の要点を掴み、必要に応じて適切なリアクションを取る力
・相手が何を言いたいかを察する力
・相手に気持ちよく話をさせる力
・相手の話からニーズを的確に読み取る力
・相手の話に対して共感する力
「聞く」という言葉で表現することは簡単ですが、「聞く」中で最もポイントとなる点は何かを伝えることができると、自分自身の強みをより強固なものとして伝えることが可能です。
話す力
続いて挙げられるのが、「話す力」です。コミュニケーション力というキーワードから最も連想されやすい言葉のため、自己PRでは「話す力」のみがアピール対象になると考える人は少なくありません。もちろん、「話す力」はコミュニケーション力をアピールする要素にはなるものの、あくまでもコミュニケーション力のひとつに過ぎないことを理解しておきましょう。
また、「話す力」が備わっている人は特別な意識をすることなく、無意識のうちに話せているという人が少なくありません。「話し上手だと言われることが多い」「誰かと話すときに緊張しない」という特徴を自覚している人は、この機会に自分の「話す力」について言語化してみてはいかがでしょうか。
具体的には、以下のようなポイントをアピールすることができます。
・相手の立場に立った言葉で分かりやすく説明する力
・順序立てて、相手に伝わるように話す力
・喜怒哀楽などの感情を織り交ぜて、表情豊かに話す力
・大勢の前で物怖じせず、自分の意見をきちんと伝えられる力
・明るくはきはきと、好印象で話す力
何が自分の「話す力」のポイントなのか、言語化することで新しい発見があるかもしれません。また、どのくらいの人数規模であればより話しやすいのかなど、自分自身の特徴もしっかり把握できると良いでしょう。
伝える力
最後に紹介するのが、「伝える力」です。一見「話す力」と同様の能力に見えるかもしれませんが、「話す力」よりも説得力を持って相手に内容を伝えたり、プレゼンテーションなどに用いられる力をイメージすると良いでしょう。
社会人になると、「話す力」よりも圧倒的に「伝える力」が必要となる場面が増えます。これまでのエピソードと共に、「伝える力」を自己PRに組み込むことができれば、非常に有効な自己PRが可能となるでしょう。
具体的には、以下のようなポイントをアピールすることができます。
・説得力を持った説明で相手を納得させる力
・プレゼンテーションを通じて観客を魅了させる力
・会話の中で相手に親近感や安心感を与える力
過去の経験の中で、「相手に強く伝わった」と感じたシーンがある場合には、ぜひ「伝える力」を自己PRに組み込んでみてはいかがでしょうか。
4.コミュニケーション力が伝わる自己PRとは?
では、実際にどのような自己PRにするとコミュニケーション力が伝わるのでしょうか。
具体例と共に見ていきましょう。
具体例を紹介するにあたり、1点注意するべき点があります。それは、実際のエピソードトークの中では「コミュニケーション力」という言葉を利用しないということです。
ここまで紹介してきたように、「コミュニケーション力」の意味合いは多岐に渡るため、「コミュニケーション力」の表現だけでは相手と意思疎通が上手くできない可能性があります。
自分自身の言葉で言語化した「コミュニケーション力」を活用し、自己PRに用いるようにしましょう。
チームなど、複数人での行動から得た経験
「コミュニケーション力」をアピールするエピソードとして最も有効なのが、チームなどの複数人で行動が必要になる場面から得た経験です。
企業に入社後、一人で仕事を進めることはほとんどなく、基本的にはチームで仕事をすることになります。そのため、入社後にチーム内でどのようにコミュニケーションを取るのか、イメージしやすいエピソードは自己PRに非常に有効です。
<例文>
私の強みは、様々な立場の人に寄り添いながら、チームにとって最適な結論をもたらすことです。
私は大学入学後、飲食店でアルバイトをしています。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、希望する勤務時間で業務に従事できないアルバイトが多くなりました。その結果、勤務日や勤務時間に差が生じたためバイト同士が険悪になり、業務に支障をきたすようになりました。
そこで私はバイトメンバーにヒアリングを行い、各自の目標金額や希望勤務時間に対応したシフトを店長に提案しました。その結果、ヒアリング以前よりシフト決定がスムーズにできるようになっただけでなく、バイトメンバーも雰囲気も改善し、円滑に業務が行えるようになりました。(300文字)
プレゼンなど、不特定多数に発信することから得た経験
プレゼンなど、「伝える力」に振り切った自己PRも非常に有効です。
就活までにインターンシップやビジネスコンテストに積極的に参加していたり、授業などでプレゼンを行う機会が多かった場合にはアピールしやすい能力でしょう。
<例文>
私の強みは、聞き手がさらに質問したくなるようなプレゼンテーションを行うことです。
大学2年生の時のビジネスコンテストで1位になったのは、ビジネス案だけではなく、プレゼンテーションが聞き手に伝わりやすい内容だったからだと考えています。
150人の観客から票を得るために、①スライドには数字や強調事項のみを記載する、②文章の間に余白をつくり情報を詰め込みすぎない、③質問してもらえる余地をつくることを意識しました。その結果、プレゼンテーション終了後に最多の質問を獲得し、聞き手の興味を惹くことができました。
まず興味を持ってもらうという点において、私のプレゼンテーションスキルは非常に有効であると考えています。(300文字)
インターンシップなど、聞く力を活用した経験
「聞く力」に振り切った自己PRも非常に有効です。
仕事をする上では、相手のニーズを引き出すスキルが常に求められます。そのため、強みを強調した「聞く力」は十分なアピールポイントとして機能します。
<例文>
私の強みは、話を聞きながら相手が話したい要点を汲み取る力です。
今年の夏に参加したインターンシップで、3日以内にビジネス案を完成させる必要がありました。チームメンバー5人で協力しようと試みたものの、全員が就活初心者で上手く議論できず、時間だけが過ぎていきました。
そこで私は、意見を発信するのではなく聞き役に回ることで、それぞれが最も大切にしたい要点を見極めることにしました。要点を理解した上でチームでの議論を進めることで、全員が納得感を持った結論にたどり着くことができました。
この経験から、意見を主張するだけではなく、相手の意見をまずは汲み取ることで最短距離で結論に近付ける場合があることを学びました。(300文字)