大企業の福利厚生は充実?魅力的な制度例や高評価の企業事例を紹介

大企業の福利厚生は充実?魅力的な制度例や高評価の企業事例を紹介

2024年9月3日更新

はじめに

企業規模によって、充実度が異なることもある福利厚生。

就活生の疑問
  • 大手企業の福利厚生って充実しているの?
  • どのような福利厚生があるか一覧や例を知りたい

このような疑問を持つ就活生もいるでしょう。

本記事では、福利厚生の意味や大企業が充実している理由、大企業の福利厚生制度例や一覧、ハタラクエールで最高位を受賞した大企業の福利厚生事例を紹介します。

福利厚生についてしっかりと知り、企業選びの参考にしてみてください。

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そもそも福利厚生とは?

福利厚生という言葉はよく耳にすると思いますが、ここでは定義と目的を見ていきましょう。

定義
  • 従業員やその家族に対して、賃金以外に用意するサービスや支援のこと
目的
  • 従業員やその家族の経済面、健康面など生活の安定と向上
  • 従業員に働きやすい環境を提供すること

就活生など入社前の方は福利厚生の恩恵をあまり想像しにくいですが、福利厚生の恩恵は入社後、とてもよくわかります。

働いてお金ももらっているのに、さらにサービスや支援を受けられるなんてすごいですよね。

大企業の福利厚生は充実している?

大企業の福利厚生は、企業の資金力やスケールメリットから、一人当たりの福利厚生費を高めることできるため、中小企業等と比較すると充実しています。

ここでは、それぞれの理由について解説します。

企業の資金力

 大企業は財政的に安定しているため、中小企業等と比較すると、福利厚生に十分な資金を割り当てることができます。

厚生労働省の調査によると、1ヵ月月平均における一人当たりの企業規模別・法定外福利費用は、100~299人が「4,546円」に対し、1,000人以上が「5,639円」と大企業のほうが多く資金を投入しています。

このように、一般的には、企業規模が大きいほど、福利厚生に資金を充てることができるのです。

スケールメリット

大企業は、多くの従業員が多く所属するため、コスト効率が良いメリットがあります。

各種福利厚生サービスについて、ボリュームディスカウントが適用できるほか、生命保険や損害保険の各種団体保険に有利な条件で加入できる等があります。

このように、大勢の従業員を対象にすることから割引率が大きいため、中小企業等と比較して、充実した福利厚生を適用しやすいといえます。

大企業ほど福利厚生に力を入れる理由


ここでは、なぜ大企業ほど福利厚生に力を入れているかを次に沿って見ていきます。

力を入れる理由
  • 優秀な人材を確保するため
  • 従業員の生産性を上げるため
  • 従業員満足度を上げるため

優秀な人材を確保するため

大企業は、優秀な人材を確保するため、魅力的な福利厚生を用意しています。

例えば、年金制度の充実やリモートワークの推進、育児支援の拡充など、法律の枠を超えて充実したメニューを揃えている企業も多くあります。

こうした手厚い福利厚生制度を提供することで、従業員のみなさんが安心して長く働ける環境を整えているのです。

従業員の生産性を上げるため

大企業が福利厚生に力を入れる理由の一つは、従業員の生産性を高めたいということもあります。

例えば、リモートワークや各種年金制度、傷病時の手厚い補償などの制度が整っていると、社員は「この会社なら安心して働ける」と感じるものです。

また、充実した育児や介護の制度があることで、家庭と仕事のバランスをうまく取れ、気持ちに余裕を持って働くことができます。

こうした安心して働ける環境を整えることで、従業員一人ひとりのやる気を引き上げて、会社全体の生産性を高めることができるのです。

従業員満足度を高めるため

大企業が福利厚生に力を入れるもう一つの大切な理由は、従業員の満足度を高めるためです。

福利厚生がしっかりしていると、「社員を大切にしている会社」と感じることができますよね。

充実した育児や介護支援、プライベートも充実できる各種休日制度など、充実した福利厚生があることで、従業員のモチベーションを高めています。

大企業は、こうした取り組みによって満足度を高め、従業員が長く安心して働ける環境を整備しています。

福利厚生は大きく2種類ある

知らない方も多いと思いますが、福利厚生には「法定福利厚生」「法定外福利厚生」の2種類あります。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、法律で企業に導入を義務付けられている最低限の福利厚生のことです。ある一定数の従業員が属しているなど条件に当てはまる企業は、必ず法定福利厚生を導入しなければなりません。

 次の6種類が法定福利厚生です。

法定福利厚生
  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 雇用保険(失業保険)
  • 労災保険(労働保険)
  • 介護保険
  • 子ども・子育て拠出年金

法定外福利厚生

法定外福利厚生は、法律で導入を義務付けられていない、企業独自に導入することができる福利厚生のことです。

従業員が働きやすい環境を作ったり、従業員の健康維持増進のために企業が導入する福利厚生です。

企業独自のものなので、内容は企業によって変わってきます。

法定外福利厚生の例
  • 交通費支給
  • 住宅手当/家賃補助
  • 病気休暇制度
  • 健康診断/人間ドック費用補助
  • ワクチン接種補助
  • 社内託児所の設定
  • 社員旅行
  • 短時間勤務
  • フレックスタイム制度
  • 書籍購入費補助
  • 育児休業制度
  • 介護休業制度など

大企業の充実した福利厚生の制度例・一覧(法定外福利厚生)

ここでは、大企業の充実した福利厚生制度を一覧にし、それぞれの概要を解説します。

なかには、法定外福利以外も含まれていますが、処遇として注目すべき項目も含めています。

大企業の充実した福利厚生の制度例・一覧
  • 教育・研修制度
  • 残業代支給
  • ボーナス
  • 通勤バス
  • 通勤手当
  • 社内食堂
  • 売店/コンビニ
  • 自己啓発支援(通信教育費用補助)
  • 労働組合
  • 海外留学制度
  • 社宅/独身寮
  • 住宅手当/家賃補助
  • 家族手当
  • 社内託児所
  • 健康診断/人間ドック受診費用の補助
  • フレックスタイム制度
  • 慶弔休暇
  • 育児休暇/休業
  • 介護休暇/休業
  • 健康保険組合
  • 企業年金基金
  • 確定拠出年金(DC)
  • 団体自動車保険
  • 新車購入貸出金
  • カフェテリアプラン
  • 保養所
  • トレーニングルーム
  • 部活/サークル活動等の支援
  • テーマパーク、レジャー施設の斡旋

教育・研修制度

大企業には充実した教育・研修制度が用意されています。

例えば、新入社員として入社すると、新入社員教育が1ヶ月~3ヶ月ほど実施され、社会人としてのビジネスマナーやその企業の事業についての研修など色々なカリキュラムが設計されています。

新入社員でも様々な教育・研修制度があるので、勉強しながら安心して働くことができるのです。

新入社員以外にも、入社後階層別教育・研修などがあり、自分のレベルに合った教育を受講することができます。

また、内容によっては、外部で受講すると5万、10万円ほどする専門的な内容も社内で無料で業務時間内に受けることができます。

残業代支給

残業代は、法律上、必ず支給すべきものです。

ただし、規模の小さな企業の場合、本来支給されるべき残業代が、すべて支給されないこともあります。

大企業は、コンプライアンスが整っていますので、残業代がでないということは基本的にありません。

ただし、一定時間分の時間外労働代を給与に含める「固定残業制」などの制度を適用している場合は、しっかりと条件を確認しましょう。

 

ボーナス

大企業の多くは従業員にボーナスを支給しています。

会社の経営状況によって、支給月数は変動しますが、基本的に半期に1回ボーナスをもらえます。

ボーナスの有無で年収も大きく変わるので大きなポイントです。

就活生は、ボーナスが支給されるか、支給される月数はどれくらいかを必ずチェックしておきましょう。

通勤バス

都心などはあまり聞かないかもしれませんが、地方企業では、駅から会社が遠いことも多いです。

その際、通勤バスの利用ができます。車がなくても通勤バスを利用して出社することができます。

通勤手当

通勤時の交通費の支給はマストでほしい福利厚生です。

会社に働きに行くのにその交通費が出なかったらモチベーションも上がらないですよね。

大企業の中には、実際かかった交通費よりも多めに支給される企業もあります。

車通勤やバイク通勤などは特に、実際の距離×ガソリン単価に割り増しした金額を支給されることが多いです。

バスや電車だと、定期券代を全額会社が負担してくれることが多いです。

社内食堂

多くの大企業では格安でお昼ご飯を食べることができます。

一食500円以内で定食が食べられるイメージです。

また、栄養バランスを考えたメニューになっていることが多く、健康面でも助かります。

売店/コンビニ

企業内に売店やコンビニがある企業もあり、お昼休みに飲み物やお菓子を買ったりとリラックスタイムを充実させることができます。

また、何か忘れ物をした際にも役立ちます。

自己啓発支援(通信教育費用補助)

企業によっては、自己啓発を支援してくれる制度があります。

例えば、通信教育費用を補助してもらえる企業もあります。

申し込みなども会社が一括して行ってくれるため、手続きもほとんど必要ありません。

労働組合

労働組合がある企業は、不当な処遇を受けることがなかったり、給与のベースアップや昇給、ボーナスなどの交渉ができたりと従業員が労働組合から守られています。

また、労働組合が開催するイベントなどもあり、社内の人たちと楽しむことができます。

海外留学制度

会社に属し、給料をもらいながら海外留学ができる制度がある企業もあります。

海外留学をすることによって、色々な知識やスキルを身につけ、業務に活かしてもらうという目的があります。

社宅/独身寮

社宅や独身寮は大企業になればなるほど、補助額が充実しています。

提携している社宅や独身寮があり、家賃も安価で定期的なメンテナンスもあり、かなり配慮されているでしょう。

さらに、職場とはまた違って、社宅や寮で仲良くなり、人脈の構築にもつながることがあります。

住宅手当/家賃補助

住宅手当や家賃補助は、大企業であればあるところが多いです。

しかし、大企業では従業員数が多いため、好立地やメンテナンスを考えると、課題もあるようです。

企業の中には、下記のように住宅手当として選択できる制度があります。

制度
  • 借り上げ社宅の提供
  • 従業員寮の提供
  • 住宅ローン補助

家族手当

家族がいる従業員には家族の人数分家族手当を支給している企業もあります。

育児などでお金もかかるため有難い手当ですね。

社内託児所

仕事と子育てを両立しやすくするために社内託児所がある大企業もあります。

会社の休み等に合わせた保育時間にしてもらえるなど、融通が利きやすいです。

健康診断/人間ドック受診費用の補助

近年、健康投資に力を入れている企業が多く、従業員が毎年受ける健康診断や人間ドックの費用を会社が負担してくれる福利厚生です。

健康面での支援を福利厚生に入れる大企業は多くなっています。

フレックスタイム制度

企業によって働く定時間は異なりますが「9:00~18:00」や「8:00~17:00」などと就業時間がしっかりと決まっていることが多いと思います。

しかし、フレックスタイム制度を使用すると、自分自身の裁量で出勤時間や退勤時間を決めることができます。

プライベートな用事があるときなどに有効活用できる制度です。

慶弔休暇

年齢を重ねるにつれて、慶事や弔事の場に出席することも増えてくると思います。

特に弔事については、様々な負担がかかり、精神的な疲労も大きいと思います。

そんな中、会社を休んだら欠勤となってしまうのは嫌ですよね。

慶弔休暇制度がある企業ではそのような場面にも柔軟に対応してもらえます。

育児休暇/休業

幼い子どもを子育てしながら仕事をするのが難しい方には育児休暇や育児休業制度が使える企業もあります。

特に、大企業では育児休暇/休業制度を導入している企業がほとんどだと思います。

育児のためにしっかり休んだ後、復帰する場所が用意されているのは魅力的ですよね。

また、中小企業でも育児休暇/休業制度がある企業もありますが、そもそも従業員数が少ないため、制度を使いにくく、結局使いたい時に使えなかったという声も聞きます。

一方、大企業では、従業員数が多く、対象人数も多いため、当たり前のように男性も女性も育児のために休暇や休業を取っています。

介護休暇/休業

育児同様、介護が必要な家族がいる場合などに介護休暇/休業制度を使うことができる企業もあります。

今後、高齢化が進んでいくと今よりも介護休暇/休業の重要性が高まります。すでに介護休暇/休業がある企業を選ぶと安心です。

健康保険組合

健康保険組合とは、会社とは別の組織となり、病院を受診した際に全額の7割を支払ってくれる機関です。

医療費が自己負担3割で良いのは、この健康保険組合に加入しているからなのです。

基本的には、従業員700人以上の会社が健康保険組合を設立することができます。

団体自動車保険

大企業の中には、団体自動車保険に加入することができる制度があります。

従業員数が多い企業では、格安で保険に加入することができます。

新車購入貸出金

自動車系の会社だと新車購入貸出金制度があることが多いです。

新車を購入する際、一度に全ての額を支払えない時に会社からお金を借りることができる制度です。

入社後すぐにはなかなかお金が貯まらない新入社員も安心して車を購入することができます。

カフェテリアプラン

会社から従業員に年間数万円に相当するポイントが与えられ、そのポイントを使って、会社の福利厚生費用を使うことができます。

基本的には、自分の好きなようにポイントを使える制度です。

支給ポイントは大企業になればなるほど大きいです。

保養所

大企業は観光スポットなどに保養所を持っていることが多いです。

最近では、保養所だけでなく、リゾートホテルや全国のホテルの割引チケットなども用意されています。

トレーニングルーム

社員の健康面を考え、社内にトレーニングルームを設置する企業も多いです。

全て無料で利用することができます。

トレーニングルームには一般のスポーツジムにあるようなトレーニング器具が置いてあることもあります。

また、企業によってはヨガマットやストレッチポール、バランスボールなど手軽に運動ができるものも用意されています。

仕事終わりやお昼休憩時に利用する従業員も多いでしょう。

部活/サークル活動等の支援

大企業にはたくさんの部活動やサークル活動があることが多いです。

その部活動にかかる部費やサークル活動にかかる費用を会社が一部負担することがあります。

社内ならではの支援であり、安く気軽に楽しめます。

テーマパーク、レジャー施設の斡旋

大企業によくある福利厚生が、テーマパークやレジャー施設のチケットを格安で購入できる制度です。

有名なディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンなどのチケットも格安で購入できることがあります。

仕事だけでなく、プライベートも充実できるような制度が整っていることが多いです。

【ハタラクエール2024・最高位企業】大企業の福利厚生事例4選

ここでは、福利厚生の充実や活用に取り組む法人を表彰・認証する民間の制度「ハタラクエール」で、最高位となる「優良福利厚生法人」を受賞した企業の事例を紹介します。

アコム株式会社

出典:アコム株式会社(三菱UFJフィナンシャル・グループ)

アコム株式会社は、2022年から2024年まで、ハタラクエールで3年連続、優良福利厚生法人として表彰されています。

この評価は、社員が福利厚生制度を高い割合で利用していること、そして非正規社員にも手厚い制度が提供されている点が特に評価されました。

福利厚生には、時間単位で取得できる年休や積立有休制度、社員が自由に選択できるカフェテリアプランなど、多岐にわたる制度が整備されています。

これらの制度は、社員の意見を取り入れて設計されており、「ES(従業員満足)なくしてCS((顧客満足))なし」という会社理念が制度に体現されています。

株式会社アイネット

出典:株式会社アイネット

株式会社アイネットは、2023年と2024年にハタラクエールで2年連続、優良福利厚生法人として表彰されています。

同社は「健康経営」「ダイバーシティ」「人材育成」に重点を置き、従業員の健康診断受診率100%や育児支援、同性パートナーを配偶者と見なすパートナーシップ制度などを導入し、正規・非正規問わず充実した福利厚生を提供しています。

また、受診率100%を継続するため、健康診断の時間を労働時間として認める取り組みや、育児休暇後の復職支援コミュニケーションシートも取り入れています。

NECソリューションイノベータ株式会社

出典:NECソリューションイノベータ株式会社

NECソリューションイノベータ株式会社は、ハタラクエールで、2023年に優良福利厚生法人(経営課題対応部門)として表彰され、2024年には優良福利厚生法人に表彰されました。

同社は社員の成長と働きやすさを支援するため、年間8万円相当のカフェテリアプランを導入し、心身の健康を重視した「Well-being経営」を推進しています。

特に、カフェテリアプランとは別に育児・介護ポイントが付与されることで、利用できるサービスの幅が広がる点が評価されました。

例えば、育児中の社員には追加の育児ポイントが支給され、多様な支援サービスが利用可能など、育児・介護に手厚いカフェテリアプランを提供しています。

サントリーホールディングス株式会社

出典:サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社は、「ハタラクエール2020」で優良福利厚生法人として表彰されました。

同社は、社員の多様な価値観やライフスタイルに対応するため、賃貸・持家を問わず全社員に公平な住宅支援を提供し、若年層や子育て世帯には手厚い補助を行っています。

また、LGBT支援として同性パートナーを配偶者と認定するほか、育児・介護支援や高年齢者向けの再雇用制度を導入するなど、多様な社員が安心して働ける環境を整えています。

ハタラクエールの制度概要は、次のサイトをご覧ください。

さいごに

本記事では、福利厚生の意味や大企業が充実している理由、大企業の福利厚生制度例や一覧、ハタラクエールで最高位を受賞した大企業の福利厚生事例を紹介しました。

福利厚生は、企業選びのひとつの要素ですが、安心して長く働いていくには、重要な項目です。

福利厚生の考え方は、企業の価値観や向かう方向性によっても異なります。

本記事を参考に、自身にマッチした福利厚生がどのようなものかを知るとともに、企業の価値観や働きがいなど、バランスを考慮して企業選びをしてください。

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