TOEICとTOEFLのどちらを受ける?違いや勉強法を解説
2022年10月12日更新
はじめに
TOEICとTOEFLは、どちらも英語力を測るための試験ですが、それぞれの特徴や違いを深く理解している人はあまり多くありません。
どちらの方がより就活で有利になるのか知っておけば、ライバルよりも有利になる資格を手に入れられるでしょう。
そこで本記事では、就活ではTOEICとTOEFLのどちらを受けるべきかを両者の違いを比較しながら紹介します。
以下のようなお悩みのある学生は必見ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
- TOEICとTOEFLの違いが分からない
- 就活で有利になる方を受けたい
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TOEICとTOEFL受けるならどっちがいいの?
TOEICとTOEFL、受けるならどっちがいいの?と悩む人もいるようですが、判断基準はシンプルです。
- 日本国内での就職活動で有利になりたい人:TOEIC
- 海外留学したい人:TOEFL
新卒の大学生でTOEICを受けるのであれば、700点以上を目指すようにしましょう。
大学生の平均スコアは616点ですので、就職活動を有利にするための武器として使うのであれば、700点が最低ラインです。
TOEFLの目標スコアは、当然ですが留学希望先の大学に合わせましょう。
アメリカの大学に留学するのに最低限必要といわれるのは60点ですが、難関大学となると80点〜100点が条件となってきます。
就活にTOEICの方が有利な理由
それでは、就活にTOEICの方が就活に有利な理由について解説します。
TOEICの方が知名度が高い
TOEICはTOEFLよりも知名度が高く、どの面接官からも認知されています。
そのため、面接官は得点数でおおまかな英語力を瞬時に把握できるのです。
知名度が高いから受験する学生も多く、ハイスコアが取れればほかの学生よりも有利に就活を進められるでしょう。
ビジネス英会話力を図れる
企業は中学や高校で習うような受験英語だけでなく、ビジネス英会話のスキルを求めています。
特にTOEICはビジネス英会話を含んだ出題傾向にあるため、仕事のシーンでどのくらい英語が話せるかを判断しやすいです。
外資系商社などを目指す学生は、TOEICでハイスコアを狙えるように勉強しておきましょう。
TOEICが有利になる職種について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
英語試験「TOEIC」と「TOEFL」の違い
今回は以下の11項目を比較しています。
利用目的
TOEICとTOEFL、それぞれを受験する目的は明確に異なります。
TOEICは、主に就職活動における武器の一つ、アピール要素の一つとして利用されています。
社会が急速にグローバル化する現代においては、英語力は高く評価されやすいですし、むしろ「英語はできて当たり前」という価値観すら醸成されつつあると言えるでしょう。
新卒での就活を見据えた大学生はもちろん、より高待遇の仕事を求める転職希望者など多くの人が就職活動で少しでも有利になろうとTOEICを受験しています。
一方TOEFLの受験者のほとんどは、海外留学という目標を実現するために受験しています。
基本的に海外の大学などに留学を受け入れてもらうためには、英語力を保持していることの証明として、「TOEFLiBTで〜点以上のスコアを獲得していること」などの条件があるからです。
この条件の中にTOEICが含まれることはほぼ無いため、留学を希望する人は必然的にTOEICではなくTOEFLを選択することになります。
試験形式・受験会場
TOEICの試験会場は、基本的に全国の大学等が指定されます。
またリスニング、リーディング試験ともにマークシートが使用されます。
TOEFLの試験会場は、基本的に全国の認定テストセンターです。
コンピューター受験による試験形式であるのも特徴的。
TOEFLならではのスピーキング試験については、コンピューターに録音する形で実施されます。
試験内容
TOEICとTOEFL、最大の違いはこの試験内容。
表にあるとおり、TOEFLがリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4種類の問題が課されるのに対し、TOEICではスピーキングとライティングが出題されません。
語学力を正確に測定するためには、TOEFLのようにリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべてを確かめる必要があります。
しかし、TOEICはリーディングとリスニングのみの試験となっているのです。
したがって、TOEICが満点でもスピーキングはまったくダメ、英会話はできないという人はざらにでてきます。
TOEICのスコアを伸ばすのにスピーキングとライティングの勉強をする必要は無いため、TOEFLよりも気軽に受験することができるとも言えますね。
試験時間
4技能を測るということもあり、TOEICよりもTOEFLの方が試験時間が長くなっています。
試験科目ごとの詳しい時間は以下のとおりです。
【TOEIC】
リスニング:約45分
リーディング:75分
【TOEFL】
リーディング:54〜72分
リスニング:41〜57分
(休憩:10分)
スピーキング:17分
ライティング:50分
スコア
TOEICは5点刻みで990点が満点となっており、日本人の平均スコアは620点です。
試験実施回数(年間)
TOEICの実施回数は年に10回であるのに比べ、TOEFLはなんと年40回以上も実施されています。
学校や仕事で忙しくて日程調整が難しい人でもTOEFLなら受験しやすいですね。
受験料
TOEICに比べてTOEFLの受験料は、日本円で33,500円前後とかなり高額です。
年に40回以上実施されるとお話しましたが、費用の面で考えると何度も受けるのは厳しいものがありますね。
なお、日本円に関しては2022年8月現在のレートで計算しています。
問題の傾向
TOEICの問題は、ビジネスや日常生活に関するテーマが多く出題される傾向にあります。
TOEICが就職活動における武器の一つとして扱われているのも納得ですね。
一方TOEFLは留学希望者の受験が主となっているため、大学における講義や会話、学術的なテーマに関する問題が多く出題されています。
難易度
試験単体の難易度については、どの程度のスコアを目指すかによって変わってきますが、TOEICとTOEFLを比べた場合、「TOEICは簡単」、「TOEFLは難しい」といえるでしょう。
理由は簡単、TOEICは2技能、TOEFLは4技能を測る試験だからです。
高得点を目指すために必要な勉強量もまったく違います。
勉強法
TOEICで高得点を取るためだけなら、基本的にリスニングとリーディングだけを勉強するだけで十分。
どちらも問題に対する答えが一つで明確なため、独学もしやすいです。
一方TOEFLは、4技能すべてをバランス良く勉強しなければ高得点は見込めません。
またスピーキングとライティングの答えは一つに定まるわけではなく、人それぞれで変わってくるため添削してもらうことが望ましいです。
独学での勉強も難しいと言えるでしょう。
勉強時間
必要な勉強時間については、現在の英語力及びどの程度のスコアを目指すかによって当然変わってきます。
オンライン英会話のレアジョブによれば、TOEICのスコアを100点上げるのに必要な勉強時間は以下のとおりです。
またアメリカの大学に留学するのに最低限必要と言われているTOEFLスコア(60点)を目指す場合、以下の勉強時間が必要とされています。
現在の英語力が中学生レベルの場合:1000時間
現在の英語力が高校生レベルの場合:300時間
以下の記事ではTOEICレベル別職業と就職方法について解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
TOEIC・TOEFL以外の試験は就活に使える?
TOEICやTOEFL以外の英語試験として、IELTSや英検があります。
IELTSはTOEFL同様世界的にメジャーな試験であり、多くの大学で英語力の証明として認められています。
英検は日本人のために作られた試験で、中学生や高校生が推薦入試のために受験することが多いです。
残念ながら留学用には使えませんし、就職活動のためであればTOEICの方が今は主流。
資格としてのコスパはあまり良いとは言えません。
TOEIC/TOEFLのスコア換算
「TOEICで◯◯点なら、TOEFLで言うと何点くらいなの?」
このようにTOEIC/TOEFLのスコア換算に関心がある方も多いようです。
以下の表を参考にしてください。
先述のとおり、TOEICは2技能、TOEFLは4技能を測ることができるという違いがあります。
試験の内容がまったく違う以上、正確にスコアを換算することは難しいため、あくまで参考として捉えてくださいね。
TOEICの勉強法
先ほど簡単にTOEICの勉強法を紹介しましたが、ここではより詳しくTOEICでハイスコアをとるための勉強法について見ていきましょう。
英文法を復習する
TOEICでは文法の内容を理解できているかを問う問題以外にも、英文法の知識が必要な長文問題が出題されます。
つまり、高得点を獲得するためには基本的な英文法を理解しなくてはいけません。
大学レベルの文法を見直す必要はなく、あくまで中学〜高校レベルの基本的な英文法を理解できるレベルにしておくことが大切です。
手元に中学~高校の英語の参考書があれば、今一度見返してみましょう。
語彙を増やす
英文法の復習とともに、語彙を増やしていくことも大切です。
TOEICで目標スコアを達成するためには、頻出単語を中心に覚えていくのがよいでしょう。
目標得点別に、頻出単語をまとめた教材もあるので、自分が目指すスコアに合う一冊を購入してコツコツ暗記していきましょう。
また英単語を覚えるときは、単語の音(読み方)と紐づけて覚えるようにしてください。
TOEFLの勉強法
続いて、TOEFLの勉強法を単元別に解説します。
リーディング対策
正確にすらすら読めるように、1日に700〜1,000単語出てくる英文を読めるようにしておきましょう。
そのためには、正確に文意を読み取るための精読とスピードを意識しておおまかな意味をつかむための多読を組み合わせた勉強をするのがおすすめです。
精読をしたら文法で分からなかったところや知らない単語を丁寧に調べていきます。
多読の場合は逆に意味が分からなくても辞書を見ないで読む練習をしましょう。
リスニングの対策
1日に複数回、5~10分の英語の音源を聞きましょう。
慣れてきたら同じ音源でシャドーイングをしてみるのもおすすめです。
またリスニング教材を聞いたらその内容をメモに取る練習もしてみてください。
TOEFLでは何をメモすべきか分からず片っ端からすべて書いてしまう人もいますが、重要なポイントだけを書く練習もしておくとメモを見返しやすくなります。
スピーキングの対策
英語ではまず自分の主張を伝えた後にその理由を話します。
そして理由の具体例を挙げて最後にもう一度結論で締めます。
この形を覚えて話せるように練習してください。
また独学で練習をしているとイントネーションや発音など気づけない部分が多いので、フィードバックをもらえる環境で練習するのが大切です。
ライティングの対策
700~1,000単語程度の英語の読書をして、1日300単語程度のエッセイを書いてみるのがおすすめです。
ライティングは導入→内容→結論の順番に展開することを意識してください。
また、語彙をふやすために単語力を鍛えることも大切です。
単語を覚える際はその語彙だけでなく例文を書いて覚えると、リーディングやスピーキングのスキルも向上します。
履歴書やESにスコアを書くときの注意点
以下では、履歴書にスコアを記入する際の注意点について解説します。
受験した年月を書く
企業によっては「◯年以内に取得したスコアだけ記載していい」など期限が定められていることがあります。
そのため、受験した年月はしっかり記載しておきましょう。
また、TOEICやTOEFLともにスコアが出るまでに時間がかかるため、日程に余裕を持って受験してください。
嘘のスコアは書かない
履歴書に虚偽のスコアを記載すると、すぐにばれてしまいます。
企業によってはスコアの認定証を提出するように言われることもあるので、履歴書に記載したスコアが嘘だとばれると不採用になることもあります。
最悪、内定を取り消されることも考えられます。
履歴書にスコアを記入する場合は、背伸びをせずに嘘偽りのない数字を記載しましょう。
よくある質問
TOEICやTOEFLに関してよくある質問をまとめました。
- Q.TOEFLとは?
- Q.TOEIC、TOEFLの読み方は?
- Q.TOEFL満点って何点?
- Q.TOEFLの過去問の入手方法は?
- Q.TOEFLの勉強法は?
- Q.TOEFLiBTの受験料は?
- Q.TOEFLiBTの難易度は?
Q.TOEFLとは?
A.TOEFLとは、英語力を測定するための世界基準の資格試験であり、主に海外の大学への留学希望者が受験しています。
Q.TOEIC、TOEFLの読み方は?
A.TOEICは「トーイック」、TOEFLは「トフル」や「トーフル」と読みます。
Q.TOEFL満点って何点?
A.TOEFLiBTは120点満点です。
Q.TOEFLの過去問の入手方法は?
A.書店やオンラインストア等で購入できます。
Q.TOEFLの勉強法は?
A.リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべてをバランス良く勉強する必要があります。
Q.TOEFLiBTの受験料は?
A.US$245、日本円で33,500円前後です。
※2022年8月のレートで計算
Q.TOEFLiBTの難易度は?
A.リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能すべての対策が必要なため、2技能の勉強で済むTOEICよりもかなり難しい試験です。
さいごに
今回はTOEICとTOEFLの違いと、就活に有利になるのはどちらかについて解説しました。
結論から言うと就活ではより知名度の高いTOEICを受けるのがおすすめです。
就活前に留学もしておきたいという学生はTOEFLを受験するとよいでしょう。
それぞれの違いをしっかり把握して「今の自分が受けるべきなのはどちらか」を判断する必要があります。
また勉強法もTOEICとTOEFLで異なるため、それぞれに適した勉強法で効率的にスコアアップを狙ってください。
英語力がアピールできると就活でも有利になるので、第一志望の企業から内定をもらうためにも早い段階から勉強を進めておきましょう。